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関西大学は最初のキックリターンでのファンブルロストがきっかけで今季初失点の3点を献上することになってしまった。もっとも1回目の京都大学攻撃をLB#44小段のパスインターセプトで窮地を脱出するチャンスもあった。 ただエンドゾーンを背負っての攻撃ではフィールド僅かに外でのパスキャッチやロールアウトでエンドラインを踏みかけながらの投げ捨てなどでFD更新ならず。パントキックも飛距離を得られなかったことなどで、結果的に細かいミスが重なると失点に繋がるという例かもしれない。もっとも、エンドゾーンを背負っての攻撃ならランプレー選択がセオリーだが、もしかしたら避けたかもしれないが。 そして関西大学オフェンス第2シリーズはQB#19大内のハンドオフ#22左オープン9ヤードと#22中央突破6ヤードでFD更新、さらにパスインターフェアで敵陣侵攻、QB#19のハンドオフフェイクキープの決め打ち中央突破ランで逆転する。 次のシリーズもQB#19ドローで中央17ヤードを進みTE#1青根へのアウト12ヤードでフィールド中央に到達、最後はRB#22古川が左OTからカットインして57ヤードのTDランで追加点を獲得する。さらに、前半最後の7分ドライブも、RB#43畑中のクイックヒットやワイルドフォーメーションでショートゲインを刻みつつ最後はRB#22古川による18ヤードゲイン2回左右オープンでFGに繋げた。この間、WR#81中村や#88原田、#84三木へのパスも試みているがショートゲイン止まり。ランプレーメインの前半戦だった。 ただ、後半もRB#22古川、#43畑中のランプレーを挟むものの、WR#81中村へ12ヤードや#15森田61ヤードTDパス、インターセプトで掴んだ敵陣攻撃もWR#81中村への20ヤードパスなどミドルレンジのパスを織り交ぜつつランパスバランスよい攻撃で追加点を挙げた。 ******** この試合の関西大学オフェンススタイルについて戦前の私の思いはパス比率のほうが高くなるかと考えていたのだが、どちらかと言えばランプレーでも積極果敢に攻めたという印象、そこにパスを織り交ぜという理想的なプランになっている。 RBは#22古川と#34松下、#43畑中など。さすがに中央ごり押しスタイルは少なかったが、京都大学ディフェンスと真っ向勝負する形でのライン戦も披露し、怪我人発生もなくている。 そしてこの日のパスターゲットは#81中村、#88原田、そして今シーズン初のTDパスキャッチを記録した#15森田などによる安定したパスドライブも見せている。この日はTE#1青根や#48平井もフィールドには立ってはいたが、ターゲットとしては多くは起用されなかったかもしれない。 圧巻は第4Q残り6分のTDドライブ。今年のここまでのオフェンス構築の集大成のようなシリーズで、プレー数2回・ロングパス2回でターゲット#81中村に40ヤードと36ヤードヒットでエンドゾーンまでボールを運ぶ。大きな目標の一つを完璧に達成できたことで、これからの全勝対決に向けて気持ちよく臨めることだろう。 QBで言えば、前節の試合あたりから積極的に採用しているのがQB#19大内によるワンポイント起用。今回この試合でも、随所に登場し逆転のキープランTDなどの重責を担っている。さらに特筆すべきは、#19大内がWR位置に入るシーンが何度かあり、QB位置に#22古川や#34松下が入るワイルドキャットなど、細かいトリックプレーを散りばめていた。 ******** 一方の関西大学守備だが、この日も3−4−4でセットしている。今シーズン各チームのディフェンスフォーメーションを見るに、DL3人体制は関西大学だけだが、そのDLプレッシャーはこの日も炸裂していた。DLを通常より1名減らしたことによる弱体化もなく、その1名分はLB位置に割り当てられているのは、普通に当然のこと。私の思うところのディフェンス詳細については別の試合の観戦記で書く機会があるだろうので、そちらに譲るとして。 今回のこの試合の最大目標の一つが、関西大学DB陣が京都大学WR#82白根をどのようにマークするか、どの位置でディフェンスするか、だった。 試合を観戦していた方ならお判りだろう、また、映像にもしっかりと映っているので詳細はそちらで確認していただくとしても、どんなロングパスでも完璧に対応できていた、QBのボールとレシーバーの間に身体を入れてボールカットというシーンばかりだった。 第1Q残り5分近辺の#10小阪田、第1Q最後の#82白根に対する#10小阪田と#13田中、第2QのWR#82白根に対峙した#13田中。第3Qにはショートパスにも反応した#10小阪田、そしてインターセプトした#40森岡と#10小阪田。というのが私のメモに残っている京都大学パスに対応したDB陣の代表的なファインプレー集です。 そしてWR#82白根に対してだけでなく#1にもに抜かれることなくフリーにすることはなかった。戦前に考えていたことは、WR#82白根を徹底マークすることで他のレシーバーがフリーになってしまうのではないかと危惧していたのだが、本当に失礼しました。見事なパスディフェンスでした。 さて、展望に書いたディフェンス目標のひとつ「完封」はできなかったが、連続3回FD被更新回数は、第3Q最初と第3Q終盤から第4Qにまたがるシリーズの2回、という結果になりました。 攻撃では今季最大得点を獲得、ホットラインパスも完成し、いよいよ次節から全勝対決が続く。ここまで秋本番で大きな怪我人は発生していないように思うが、次節も何とか乗り切って、その次の試合も何とか乗り切って、5年ぶりの優勝に向けて、期待しています。 ******** 京都大学は相手ミスからのフィールドポジションをFGに結び付けて先制はしたが、その後は関西大学ディフェンス堅守を受けて、攻撃の手段がなくなってしまった。ただ、関西大学だからこそのDLフロントパワーであり、DBレシーバー密着マークであり、LBの守備の広さによるところも大きいと思う。 厳しいプレッシャーの中でもQB#19田中からWR#1河野や#82へのロングパスは、いずれも成功していてもおかしくないパスコントロールを披露している。そしてIR#88佐々木のダイナミックなレシービングも健在。そしてRB#21大上と、攻撃手段は豊富になってきた。ここまで1勝だが、後半戦の3試合は、もしかしたら白星量産の可能性もありそうだ。楽しみにしています。 この試合の展望コメントへ |
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先攻立命館大学は、QB#11西山からWR#85成田、#2佐溝へのショートパス2本合計12ヤードでFD更新、さらにOLブロックのランコースでRB#42長谷川中央7ヤードとWR#80吉永ブロックによるRB#32西村の右オープン9ヤードで再びのFD更新を重ねた。最後もOLブロックで作ったランホールをRB#32西村がスピードで抜けて31ヤードTDランで先制する。このシリーズはOLWRともに丁寧なブロックでランホールを確保できていた。 第2シリーズはRB#42長谷川とOLによるパワープレー2回合計でも9ヤードまで、第3Dでショートヤードを獲得できずパントを蹴っている。第3シリーズもIR#80吉永への13ヤードパスが最長ゲインで、ショートゲインを積み重ねてFD更新2回で敵陣侵攻するものの、中央パワープレーを龍谷大学DLに跳ね返されて6ヤードロス、かろうじてFGトライ位置に留まったものの交代違反の反則罰退でパントキックとなってしまった。 この日の立命館大学オフェンスは第1シリーズこそOLブロックで大きな走路空間を確保していたが、時間が経過するにつれて、DLLBが生き残ってRBに手がかかるシーンが増えていく。パワープレーでのランゲインが出来ないなど不安定な時間が続いた。 このロースコア均衡した展開は、結局、第2Q中盤のLB#56浦野によるショベルパスインターセプトによるフィールドポジションをRB#32西村とラインバックスブロックによるTDランによって、ようやく立命館大学優位の試合展開へと変わっていく。 ただし、第2Q最終シリーズは自陣20ヤード残り時間2分05秒から始まった攻撃シリーズだけは約1分30秒の速攻となっている。右OR#83宗村、IR#80吉永、左OR#84近江、IR#2佐溝などのウイングセットからQB#11西山によるパスヒットが続いた。#2佐溝へのアクロス20ヤードパスヒットを皮切りに、#83宗村9ヤード、#84近江に6ヤード、#83宗村の18ヤードとパスヒットを重ねて敵陣23ヤードに到達、最後はRB#32西村による中央突破からの好判断でエンドゾーンまでボールを運ぶ。 この日はオンリーターゲット的な存在だったWR#86猪熊は欠場だった様子だが、第4節を迎えてパスターゲットも充実してきていてオフェンスの幅が大きく広がってきたのは頼もしい。 ******** 今年の立命館大学オフェンスここまでの内容は、開幕戦京都大学戦と第2節桃山学院大学戦ではRB#32西村のスピードとRB#42長谷川のパワープレーというほぼランプレーのみで得点を重ねていた。そして前節神戸大学戦でミドルパスがテンポ良くヒットしはじめ、今回も、OR#83宗村、#84近江、IR#80吉永、#2佐溝、#85成田など多彩なターゲットにパスが繋がっている。 ただし、前節の神戸大学戦試合ではロングパスターゲット#86猪熊というシーンはあったが、この試合での飛距離は最大でも20ヤードまでで、飛距離の長いパスは試行自体が少ないというのが今年の立命館大学パスオフェンスの特徴になりそうだ。もっとも短い飛距離+ランゲインという記録上のロングパスは可能性としてはありえる。 さらに、ウイングセットの欠点ではあるのだが、ランプレーではRB#32西村が左右へスピード展開とRB#42長谷川による中央パワープレーという2択になっている。TBでは#27田中や#25森本、FBでは#46川崎なども加わるが、QB#11西山がキープで走りまくるシーンが少ないので、ランキャリアは推測しやすいかもしれない。 OLが機能すればそれなりにランゲインできるが、今節龍谷大学戦でもパワープレーで圧倒するようなシーンはごく僅かだった。これはラインパワーをセーブした結果なのかもしれない。ライン戦攻防の結果は実際に対戦してみないとわからないだろう。 ということで、意図したセーブか否かは不明だが、ここまでの試合結果だけを振り返ると、前節神戸大学戦今節龍谷大学戦のように1シリーズあたりの消費時間が4分5分6分と時間のかかるドライブシーンも多い、というのが今年のオフェンスの特徴のひとつになるかもしれない。 例えばこの試合では前半5回で3TD2P、後半は3回しか攻撃機会がなくて2TD1I。時間がかかるということは攻撃機会が少なくなることなので、一つ一つの攻撃シリーズを大切にして得点にまで結び付けなければならなくなる。 前半の敵陣侵攻しながらパントで終わっている1回は、FGフトライ時の反則罰退によって、FGキックがパントキックに変更なったもの。このあたりのプレー精度は要注意。もちろん、今節でもRB独走やパス連続ヒットの速攻もあるのだが、今後の試合に向けては、このあたりの攻撃力とか得点力とか1プレーあたりの獲得ゲインなどがポイントになるかもしれない。 またディフェンスも、DLが巻き込まれLBともども後退するシーンが、この試合前半からでも見え隠れしている。 第1Qのそれは、プレーが崩れた中でのフリーターゲットへのパス12ヤード成功やスクリーンパス34ヤードなどプレー選択の妙的な面もあるが、第2Qはインサイドのランプレーで22ヤード、8ヤード1、4ヤードと正面突破で大きくランゲインを許してレッドゾーンまで侵攻されていたりもする。 ただ、何度も言うようだが、攻守ラインの劣勢はどこまで本物なのかは判断が難しい。過去にも何度かラインパワー不足な印象でリーグ戦後半戦全勝対決を迎えたシーズンはあったが、毎回のように試合当日に反省している。ということで、次節、全勝対決を楽しみにしています。以上、観戦記と次節に向けての展望でした。 ******** 龍谷大学視点でのコメントも用意してあったのですが、時間切れとなってしまい申し訳ありません。次節展望をUPできたらそこで触れようと思っています。 要約すると、この試合前半で、オフェンスは2回のロングドライブを行い、守備では相手攻撃を2回もパントに追い込んでいて、均衡した時間帯でのこの結果は意義が大きい。BR> 次節から後半戦。最初の対戦相手となる京都大学との試合は、昨年に引き続き連勝なるかという重要な位置付けの試合でモチベーションも高いはず。真っ向勝負の面白い試合になりそうだが、粘り強さと集中力と、最後は堅実なプレー選択で、今秋2勝目を獲得したい。期待しています。 (了) |