関西学生アメリカンフットボール Div1 第2節



09月12日(土) エキスポフラッシュF 15:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
近畿大学0-2-0
龍谷大学14311-1-0
(現地観戦)
 
近畿大学
龍谷大学
FL 1Q
TD
G×
1Q
2Q FG
G×
END 2Q
3Q TD
TD
TD 3Q
4Q
TD
G×
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


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09月12日(土) エキスポフラッシュF 18:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学14152114642-0-0
桃山学院大学0-2-0
(現地観戦)
 
立命館大学
桃山学院大学
1Q
TD
TD
1Q
2Q
TD
TD
2Q REND
TD 3Q
TD
TD
TD 3Q
4Q
TD
TD
4Q REND
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 2015年関西学生DIV1第2節全4試合は、例年の第2節よりもいろいろと見所の多い・濃い試合内容ばかりだった。ただひとつ、例外があってというのが、この試合だった。

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 立命館大学オフェンスQBは、前節開幕戦とは異なり、前半を2年生#11西山が担当し、後半途中から1年生#12植村による。ただしオフェンススタイルは、前節同様にRB#32西村と#42長谷川によるランプレーメインで組み立てた。そして合計9TD64得点は今年のチームの最大得点となった。

 リーグ戦で白星必須なので、得意とする、あるいは、相手との力関係で優位なプレーに絞って得点を積み上げていき、安全圏に逃げ込む、という考え方は正しい。そして、前半だけで29−0でほぼセイフティーリードを確保した。

 なので、第3Q以降の後半戦で立命館大学は攻撃スタイルを変えてくるのではないか、と期待していたのだけれども。

 勝利がほぼ確定した時間帯以降でも、なかなかパスドライブを試みる姿を披露してくれない。時々パスを試みるのだけれども、失敗するとすぐにランプレーに切り替えてしまう。結果的に、出来ることしかしなかった・得意なプレーだけで得点を重ねるだけの試合になってしまったのが、個人的に残念なところです。

 立命館大学がリーグ戦前半戦で対戦する4チームの中で、桃山学院大学DB陣のパスディフェンスは、春龍谷大学戦や前節関西学院大学戦で確認できたように、トップクラスのアスリート揃いで堅実度は高い。
 なので、他チームの戦力情報をもとに次の試合でオフェンスプレーをどのように組み立てていくかという準備は行っているならば、今回この試合では立命館大学パスオフェンスが胸を借りてパス精度向上を目指す、そんな試合になるはずと想像していた。
 アナライジングので段階では、桃山学院大学のパスディフェンスを把握していたけれども、最終的にチームの方向として採用されなかった可能性もある。あるいは、桃山学院大学のパスディフェンスを把握していなかったかもしれない。あるいは別のストーリーも?

 今年のオフェンス方向性としてラン重視になることは前節の段階でわかったが、拮抗した試合になればなるほど、どこかでパスも必要なはず。第3節、あるいは、第4節でもパス練習は出来る(?)のだけれども、早い時期に実戦で課題をあぶりだしたほうが修正時間・練習時間は確保できたはずだ。この時間ロスは大きいかもしれない。



 次節は、神戸大学と対戦する。時間があれば展望としてUPするが、現時点で考えていることは以下のとおり。
 前節神戸大学ディフェンスは関西大学ラン攻撃にかなり対応できている。ただ関西大学はロングパスに活路を見出して、なんとか得点を重ねることができた。それをそのまま次節立命館大学vs神戸大学に当てはめると、同じようにランプレーが止まってしまうと立命館大学攻撃はたちまち手詰まりになってしまうかもしれない?ということ。
 ただし、関西大学のランスタイルと立命館大学#42長谷川、#32西村、#86猪熊のランスタイルは若干異なっていて、スピードと左右フィールドを広く使うスタイルは立命館大学のほうが(現時点では)上回っているイメージ。なので神戸大学ディフェンスが前節よりも若干UPするオープンへのハイスピードな展開にどのように対応するか、だが。もしも封じられるようなことがあると、このようなときのためにパス練習をしておきたかった、と思うような試合になるかもしれない。

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 一方の桃山学院大学だが、この試合でDIV1での初TDを決めている。
 それは、第3Q、立命館大学パスをLB#40新井がインターセプトして55ヤードリターンしたところから始まる。QB#6真鍋の両サイドにRBがセットしたショットガンT。そしてRBへのハンドオフフェイクを入れてから右SB?RB?位置からオープンへ走り込んだ#8岩橋へのパスが決まる。そしてそのままエンドゾーンへ駆け込んで初得点となった。エンドゾーン手前30ヤードとかなり距離は残していたのだが、たったワンプレーで決めたTDだった。

 桃山学院大学オフェンスはQB#18織田、#6真鍋の4年生2名の併用スタイルになっている。前節関西学院大学戦では先発#6真鍋で終盤にQB#18織田が出場、今回は前半を#18織田が、後半を#6真鍋による。微妙に得意とするプレー傾向に違いがありそうだが、幅を広げる方向に機能していてまとまりがある攻撃陣容である。

 そして目に留まるのがP#2有村のパントキックである。リーグ戦前半戦は対戦相手との関係で止むを得ないことだが、パントを蹴る機会は多い。 なので、滞空時間が長くて飛距離のあるパントキックには注目である。ときどきミスキックで飛距離が出ないときもあるが、相手攻撃スタートポイントをエンドゾーンから遠ざけることが出来る武器である。
なお、これまでの2試合で相手チームのビッグリターンの記録がないが、それはフェアキャッチを続けた立命館大学など対戦相手チームの事情による。今後は相手チームのリターンシーンが増えてくるだろうがカバーチームにも注目。

 ディフェンスでは、開幕戦関西学院大学戦でも確認できていたのだが、DBLBのポジションで様々な選手がシリーズごとにローテーション交代出場しているところに注目したい。
 この試合で正確にメモをとっているところでは、第2Qの4回のディフェンス機会と第4Qの1回。この5機会でDB陣はCB#3高岸、#14西川、#25藤井、#26田中、S#4近石、#7植田、#27湯浅、#31後上の8名で多種多様な組み合わせで2年生1年生という若手選手が4年生に混じってフィールドに立っている。LBも#9小林、#40新井、#41仲宗根を基本構成に盛んに交代出場して、経験値を積み重ねている。

 そのDB陣は、開幕関西学院大学戦ではレシーバーカバーを完璧にこなしていたが、この日は、立命館大学のスピードランに対して追走して追いつくシーンが何度かあった。チャート上でロングゲインもエンドゾーン手前でFD更新なっているシリーズのいくつかが、それである。
 CB#14西川が、反対側サイドのビッグゲインランスピードキャリアに対して、なんとか対応しようとして追走する。結果的にはエンドゾーン手前で足元を引っ掛けたところまでで、そのままエンドゾーンに走りこまれてしまったのだが、エンドゾーン手前数ヤードでサイドライン外へはじき出していたかもしれないファインプレーだった。
 これが第1Qならまだしも、得点差の広がった第4Qでの出来事なので大量得点差にもかかわらず運動量が落ちないスタミナと姿勢には、感嘆するしかない。立命館大学RBのランプレーに追いつく互角以上のスピードと、なんとかしようとする心意気は見ていても気持ちいい。

 などなど。2試合連続で黒星にはなったのだが、前節関西学院大学と今節立命館大学のスピードを実戦経験したことで、次節以降で経験に基づく修正が加わる。それもローテーション参加で経験を重ねているので選手層も厚くなっていく。

 大昔に大阪産業大学がDIV1に昇格したときに魅せてくれたいろいろな取り組みに感心したことがあるが、その感動の再来と言ってもいい。緻密に練られた面白いチーム作りと少数精鋭による意識の高いフットボールを見ることができる。桃山学院大学の今後の試合を楽しみにしています。

(了)










09月13日(日) 王子スタジアム 14:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学242-0-0
神戸大学1-1-0
 
関西大学
神戸大学
1Q
TD
1Q
2Q
FG
2Q END
3Q
TD
3Q
4Q
G×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
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09月13日(日) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学14352-0-0
京都大学160-2-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
京都大学
1Q TD
TD
FL
1Q
FG× 2Q
TD
2Q END
TD 3Q
FG
3Q TD
TD 4Q
TD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 この展開を誰が予想しただろうか、という試合だった。一歩間違えば、モメンタムは完全に京都大学に傾いてしまっていたかもしれない。だが、実際は、イーブンか少しだけ京都大学というところまでで収まったのが関西学院大学の勝因である。

 ということで、私がどのような考え方・ロジックを組み立てた状態でこの試合を迎えたか、それを知っていただければと思い、ここからは言い訳オンパレードになります。

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 昨年シーズンが終了した段階で、この関京戦が第2節あたりに組み込まれるは十分に想定されていた。そして、確かに昨年シーズン終了時点では、仕上がっていない関西学院大学に対して均衡接戦あるいは勝敗逆転するところまであるかもしれない、と考えたのは事実です。

 その妄想が現実になるための条件のひとつとして考えていたのが、2015年春シーズンの京都大学チームの完成度だった。例えば2015年9月末を例年の11月末と同じピーク位置に持ってくるような整備の仕方、そこから逆算して、6月末の試合が実質シーズンイン程度の完成度になっていたら、つまり例年より2ヶ月早いスケジュールで春シーズンを終えていたら、ピークは第2節になる。そういう思いを込めての6月末立教大学戦と開幕戦立命館大学戦の観戦だった。

 しかし、立教大学戦では攻守ラインが押し込まれ、パスに可能性を見せるもののランゲインできず、反対に相手のラン攻撃でドライブを許す展開。さらに、前節立命館大学戦はパス封印していたが、ランでのコンスタントなゲインの可能性を見出せず。  これが立命館大学ディフェンスがかなり準備した状態だったか否かで少し考え方は変わる。さらに春の試合でパスドライブのシーンは見せていたのだがのだが秋本番で用いなかったこともあって、正直なところ、あまり、京都大学オフェンスにランもパスも可能性を感じられなかった。

 前節の立命館大学戦後からの成長として考えるには不連続な部分が多すぎるので、対関西学院大学戦用の何らかの準備はあったと考えるべきだろう。
 そして、今から思えば、西京極で雨が降ったことで、京都大学がパスを封印した絶好の隠れ蓑になるという好条件もあって、関西学院大学のスカウテゥング網に引っかからなかったということかもしれない。結果的には戦術を隠すというアメリカンフットボールらしい取り組みになっている。

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 関西学院大学前節の開幕戦桃山学院大学との試合では、攻守がイマイチまとまりきれず、少々、バタバタするシーンを見せていた。それでも、個人スキルでなんとか勝ち逃げしてしまうのが、今の関西学院大学攻守の状態。

 これは、ここ数年の傾向であって、今年に限ったことではない。つまり、前年度ライスボウルまで出場したことによる怪我と下級生を育てるという名目の元に、他チームよりも精神的なシーズンインが少しずつ遅くなっていく。それは、リーグ戦前半戦でのプレー精度や集中力そして選手起用面にも見え隠れする。
 このような状態でも連続学生日本一となってしまうのだから、年を重ねる毎にシーズンインが遅くなる傾向に拍車がかかってしまうのは止むを得ないところではある。リーグ戦前半戦を通して、少しずつ精度向上を図りながら成長して10月後半の照準を合わせる、そんな成長ストーリーに大きくシフトしていっている。開幕戦を観戦して、今年も例年通りのスロースタートということを確認した。

 ここ数年、リーグ戦序盤戦で精度がイマイチな関西学院大学が、いつかは、黒星を喫するような際どい試合をするのではないか、という思いを持ち続けていた。しかし、これだけ隙を見せているにもかかわらず、どこのチームも追い詰めることができていない。こんなにも不安定な状態でもなんとか白星に繋がってしまうのが現在の関西学生DIV1、という論調でシーズン展望や前節観戦記を書こうと思っていた。

 昨年、京都大学が7位になったときに、もしかしたら、関西学院大学を追い詰めるという大役を担ってくれるのではないかと思いをめぐらした。そして、京都大学の春の数試合とリーグ戦開幕戦を観戦した。という、冒頭の話に戻る。

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 願わくば、油断を突けるチャンスは年に1度しかないことなので、勝利するところまでを担当して欲しかったという思いはある。少なくとも今年は、関西学院大学チームが例年よりも少し速く「シーズンイン」してしまうのではないか、という意味で「チャンスを逸してしまった」のが残念ではある。

 関西学院大学は、今春、日本大学に敗戦はあるものの社会人相手にも大勝してしまい、春から厳しい試合を経験していない。そのまま秋本番のシーズンを迎える。その中で、早い時期に厳しい試合展開を経験できたことは大きい。この経験を生かすか否かは別の話だが。

 なおAK'sでの第1・2節終了時点での考え方は、京都大学攻守パフォーマンスの不連続性の一部と、立命館大学と関西学院大学の戦力関係の比較については、関西学院大学がまだ整備途上にあるので、ということで説明できる、というスタンスに立って、第3節以降に臨むことにします。

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 ところで、今回この試合の関西学院大学オフェンスメンバーでWR#85木下が復活し、#86松井が初登場となった。結果的には、この両名へのミドルロングパスが要所で決まっていたこともあって、京都大学側へ試合の流れが大きく傾くようなとにはならなかった、と行っても過言ではない。もしも、このレシーバー2名が出場していなかったら、前節同様のパフォーマンスだったら、もう少し、試合展開はもつれていたかもしれない。
 この試合で両名を投入したきっかけは何だったのだろう。偶然の産物か意図したところか、興味あるポイントです。

 さらにパスで言えば、右サイドレシーバー2名が中央から左サイドへ流れていく中で左IRが右奥へ後れて入っていくなど、いくつかのロングパスシーンでは、複数レシーバーが複雑に連携した手の込んだパスパターンを見ることが出来た。おそらく、11月以降の試合に向けての練習メニューがある??ということなのだろうと思う。

 というようなことを考えていくと、冒頭では「リーグ戦前半戦では、集中力やプレー精度に欠ける」とコメントしましたが、もしかしたら、この時期は、試合と練習で力の入れ方が逆転している??、ということもあり得るかも知れません。

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 今年の関西学院大学ディフェンスはDL#52松本、#92安田のフロントとDB(S)#2岡本、#37小池、DB(CB)#10田中、#3小椋、さらにLB#43作道、#47山岸という昨年経験者がそのまま残る不動のメンバー構成ではある。しかし、今春以降ここまで観ていて思うにILB小野の穴を埋め切れていないようだ。
 OLBとILBはかなり役割が異なるので、特にOLBからILBへのコンバートは難しいかもしれない。コンバートするならDLかDB(S)からで、DB(S)#2岡本がILB付近を担当したシーンもあったようだが、DLDBとも人材不足感はある。守備の要であるILBをどのように養成していくか注目したい。

 一方で、春から大活躍だったのがDB陣である。春の慶応義塾大学戦でDLLB網を抜けてきたRBに対して確実にタックルを決めていたのがDB(S)#2岡本。もしも#2岡本が出場していなければもう少し失点が増えていた。NEWREAでも#2岡本と#37小池のパスディフェンスが冴え渡っていて前後左右から手が伸びるパスカットシーンが続出していた。
 ただし、春の試合では若手選手を積極的に起用していたポジションが多い中で、DB陣はS・CBともに、かなり不動メンバーだったことが、すごく特異に映る。これは、かなり選手層が薄い、ということに繋がるのだろうか??


  という仮定の話は、さておき、リーグ戦対戦相手にとっては、フロントDLの攻略策は別途考えるとしても、関西学院大学ディフェンスキーマン的存在の一つであるDB(S)2名にどのように対応するか、というのが大きな課題だったと思う。
 そして京都大学がロングパスを繰り返してDB(S)の反応を探り、真っ向勝負でWR#82白根などが勝利したシーンを見せた。こうして現時点の姿をスカウティングできた意義は大きいかもしれない。

(とりあえず、了)














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