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この試合は全敗対決とか今後の試合日程を込みで考えると「注目の一戦」となるのかもしれないが、まだ第4節。今シーズンここまでの星勘定や今後の星勘定の見積もりは考えていない。よく言われるように「目の前の試合を一つづつ戦っていく」という位置付けで見ることができる。 ******** 同志社大学攻撃は、ここまでの3試合、攻撃ドライブが完結しない(TDにまで至らない、という意味)状況にはあるのだが、それでも、試みていることは一貫している。 TDはゼロだが、立命館大学戦はFG2回。うちの1回はFD更新4回のロングドライブを見せていて、この試合&このドライブは十分に参考になる。 なお、立命館大学ディフェンスはDLLBDB数名が欠場していた状態でのランドライブシーンである。立命館大学視点に立てばバックアップ層が手薄?だったりLB陣の動きに一抹の不安があったりと課題が多く出た試合でもあった。が、立命館大学ディフェンスについては、ひとまず、保留。 同志社大学オフェンスは、どのようなプランでドライブしたか。開幕戦でも披露していたワイルドキャットフォーメーションを多用しているのも事実。だが、それ以上に大きく寄与していると思われるのが「豊富なバックス陣のフル活用」だろう。 RB複数名とWR複数名とQBとTEで10人くらい。この人数を2班に分けて、ほぼ各プレー毎に交代しているのではないかと思えるほど、プレー前後の出入りが激しい。 何をしているか。第1班の約5名はサイドラインでスタッフを交えてプレーの準備をしていると思われる。その間に、フィールドでは第2班がプレー遂行。プレー終了と同時に第1版が交代でフィールドに入る。そして打ち合わせをしたプレーを実践。その結果を持ってサイドラインに下がって反省と準備、というサイクルが繰り広げられていると考えられる。 RB陣では、#34谷奥、#43松本、#35菅谷、#49植田、#98峨家、そしてQB#12酒谷が主なボールキャリア。TE#24村松、WR#21草深、#9榎本、#81坂井などのレシーバー陣はブロック役として、あるいは、スピードを生かしたボールキャリアとして機能している。 この攻撃を支えるOL陣はLT#53宗像、LG#71徳永、C#58増田、RG#69足立、RT#73岡本、サイズが大きくコンビネーション連携も迷いがなく確立している印象がある。 ここまでの対戦相手とのライン戦では、時間的に連続して優位に立つことができなかったが、各試合ともに連続FD更新というシーンがあるのも事実。 このように、同志社大学オフェンスは、しっかりと準備をして攻撃に臨む、というスタイルを貫き通している。プレー内容は中央にオープンにとランコースは多彩。一言で中央突破と言っても、OLのブロックによって多彩に広がるのだが、プレー毎に準備しているので細かい変化がつけられる。 RB3人並んでそこからのプレースタート、ハンドオフフェイクやカウンターやショートリバースなど、キャリア判断も迷うし、小細工はいろいろできる。さらにスピードのあるRBWRが一気に縦に抜けるプレーを織り交ぜたりすると、ディフェンス側としては少々混乱してしまうかも。 ******** 対する京都大学オフェンスは、QB林田と佐々木を擁するオフェンスチームである。ここまでの試合では、ノーハドルオフェンスを貫き通してきている。 「ノーハドル」とは、オフェンスチームがプレーの開始前に集まって打ち合わせ(ハドル)を行わないこと。実際は、一箇所に集まっていないだけで、サインを使って「打ち合わせ」を行っているので「全員の意思統一」はできている。 そして、サインを見るだけなので、すぐに次のプレーを始められるところが「効果」である。守備チームに反省や準備をする時間が与えられないので、攻撃側が一気に畳み掛けることが可能になる。 欠点はサインでの伝達なので、プレー種類が限定される可能性があること(細かい変化をつけにくい)、サインを見落とすと攻撃の連携が乱れてしまうこと、など。 そして相手守備に準備の時間がないのと同じく、自チームの攻撃の準備時間も少ないので全員のスピード感が統一されていないと自らが墓穴を掘る、なんてこともありうるのが「ノーハドルオフェンス」である。 ******** ということで、同志社大学と京都大学の攻撃スタイルを比較してみたが、プレー開始前に長時間の準備をする同志社大学と、短時間の準備で臨む京都大学という、両極端の対決になる。 リーグ戦ここまでの戦績は横に置いて、「攻撃プランの対決」という視点で観戦するのも面白いです。 |
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