関西学生アメリカンフットボール Div1 第4節



10月15日(土) 王子スタジアム 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学
関西学院大学


 リーグ戦も第4節を迎えて各チームとも折り返し地点に立つ。ここまで3戦全勝のチームもあれば3戦全敗のチームもある。その全勝チームVS全敗チームという構図の最後になる第4節、これまでの3戦の傾向の延長線にならえば確率的に考えても最も波乱は少ないのが第4節になるのは止むを得ないところ。勝敗の行方という点だけで言うならば、残念ながら、多くの人が考えているとおりになるだろう。

 だが、試合内容は重要で、それぞれ次節以降の順位に直結する重要な試合を前にして、どのような攻守チームになっているか、今年のチームの方向性の最終確認の試合になる。

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 甲南大学オフェンスは、試合を重ねるごとに攻撃手段が整備されて手数も増えてきた。そのオフェンスチームは、関西学院大学ディフェンスに対してどのようなプレー選択をしてゲイン&ドライブを重ねることができるか。
 関西学院大学ディフェンスといえども攻略ポイントはあって、特にインサイドターゲットへのクイックパスとRBQBオプション、さらにインサイドラン突破。いずれかでも、もしも甲南大学攻撃が突破口を掴むようなことがあれば、そして、徹底的にそのポイントを狙っていけば、優位に立てば、ドライブによる得点もありえるだろう。
 ただし、それでもコンスタントに何回もドライブ&得点に至るかどうか、ここは、試合の流れモメンタムの力を借りなければならないかもしれない。

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 そして甲南大学ディフェンスのスピードが関西学院大学QB#18畑キープ、RB#7松岡、WR#16和田、WR#9梅本のスピードキャリアをどの位置でプレーデッドにさせるか、ここがこの試合展開を別ける最大ポイントになる。スピードキャリアに一発でロングゲインされるか、ショートゲイン〜ミドルゲイン付近でとめながら、ディフェンスファインプレーで第4Dへと追い詰めていきたい。

 ただし、毎回コンスタントに仕留めなければならないところが、アメリカンフットボールの特性上、避けて通れない厳しいルールである。つまり、1回のビッグゲインで3回のディフェンスファインプレーは帳消しになってしまう。甲南大学DL#99堀、44安楽LB#23豊福、#5松村は運動量の見せ所、そして、DB#22政倉、#1中津、#28告野は嗅覚判断力を縦横に発揮してほしい。

 甲南大学ディフェンスが関西学院大学攻撃を止めるシリーズが続けば、それは、そのまま甲南大学攻撃に勢いがつく、というループが構成できるか、ここか甲南大学側が試合の主導権を握るための必須条件になる。

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 関西学院大学視点に立てば、次節以降の全勝対決に向けて、最後の「いろいろと試みが出来る試合」という位置づけの試合になるか。
 オフェンスは、ラン中心の組み立てというシーズン当初の目標とは若干異なるストーリーを進んでいるように見えるが、この試合、どのようなプレーで主導権を握っていくことになるだろうか。次節以降につながる組み立てを披露してくれるか、それとも、前節の傾向を汲んだものになるのか、興味深いところだ。

 ディフェンスについては、上記したような攻略ポイントが今年のチームのウイークポイントとして挙げられそう。これまでの試合では、ここ数年の懸案事項である中央ラン突破を繰り返されるシーンがなかったが、今回もこの部分は甲南大学手段系にパワープレーという項目がなさそうなので、クリアしてしまうのかも。

 順当ならば、関西学院大学優位な試合という構図は崩れそうもない。ただし、第5節以降を見据えたときに、どうか。甲南大学オフェンス手数とディフェンススピード、そして関西学院大学攻守の傾向等々、先を透かしながらの観戦をお勧めします。









10月15日(土) 王子スタジアム 15:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
神戸大学
立命館大学


 前節神戸大学は、関西学院大学スピードキャリアにビッグゲインを許し続けて、終わってみれば、全11シリーズ中6TD1FG被弾&2回のセイフティ献上で49失点という結果に終わっている。

 立命館大学RBWRの陣容を見れば、スピードランナーRB#21井上、#20北川、#33東松、#26松森、パワーランナーQB#15谷口、WR#2宜本、#11頓花、#83岡部、TE#45永野など、前節関西学院大学同様のスピードを有する選手が多い。さらに運動量の多い重量級ラインブロックも強烈である。このようにある意味では完成された攻撃陣容を擁する立命館大学オフェンス陣容に対して、神戸大学ディフェンスは、どのような対抗策を持って試合に臨むだろうか。

 正直なところ、神戸大学に関係なく、私的に、この立命館大学OL+バックスによる攻撃パターンに対する攻略方法が、まったく見当もついていない。どこに攻略ポイントを置けばいいのだろうか。
 唯一、アメリカンフットボールの基本に立ち返って単純に考えるならば、立命館大学OLと拮抗するDL陣をそろえてライン戦で均衡することが、攻略方法の一番手ではある。ただし、DL1名2名だけが極端にパワフルスピーディーという選手構成では、OL2名によるダブルカバーでDL個人を無力化できるだろう。したがって、3名4名と揃えなければならないのだが、それが、学生チームにおいて可能かどうか。 

 また、前節立命館大学VS同志社大学の観戦記でも示したように、短いパスしかないのかと思っていたところが、前節はWR#11頓花にロングパスが2本ヒット、これで、QB#15谷口によるオフェンスプレー範囲は、文字通りランパスなんでもありになってしまった。
 競った試合展開を経験していないところは挙げられるが、そもそも、そのような展開に持ち込む方法がないところが対戦相手から見て問題なのであって、ロースコアの試合展開になってからのことを考えても仕方がない。となると、攻略手段がなくなってしまう。
 少なくとも対学生限定ならば、最も安定感のあるオフェンスチームだが、その中で、なにか攻略ポイントはないだろうか、個人的にはそこを探る試合にしたい。

 ということで、この試合も、第1試合に続いて、立命館大学優位は、残念ながら、動かしがたい。

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 そのような試合展開になったとして、ひとつの注目ポイントは立命館大学2番手と3番手のQBに誰を起用するか。前節甲南大学戦の2番手はQB#8山口、第1戦と2戦はQB#12荒木が2番手QBを担当した。2試合ずつに割り当てならば、今回もQB#8山口が出場してくるかもしれない。来年のことを言うと鬼が笑う・・というが、まだ、そんな季節でもない中秋。









10月16日(日) EXPO FLASH FIELD 12:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学
同志社大学


 同志社大学は前節京都大学戦を7−0の1TD差で勝利を獲得した。攻守ともに丁寧なプレーが続いたことが大きな勝因として挙げられる。
 オフェンスはQB#14中沖の丁寧なボール扱いとRBへのハンドオフの連携が見事。そして、このハンドオフをフェイクにして派生したプレー何度かロングゲインを見せている。その中の一つがSB#46青木へのミドルパスヒット&独走ランによる55ヤードTDパス。その他にもQBキープなど、フェイクによるプレー選択の妙がビッグゲインを生み出している。

 ディフェンスは各ポジション各選手とも精度の良いタックルを決めて、セカンドエフォーとによるエキストラのゲインを許さず、京都大学攻撃手段を次々に消していった。
 さらにエンドゾーン近くまで攻め込まれた3回をパスインターセプト2回、第4Dギャンブルランのシャットアウト1回とディフェンス堅守で回避。
 さらにP#93前田の絶妙なパントキックとリターナービッグゲインでフィールドポジションをコントロールし、最終的には試合時間もコントロールして試合勝利への流れを作り出していった。

 攻守&スペシャルの活躍による粘り勝ち&逃げ切り勝ち、つまり、同志社大学チーム全体で勝ち取った白星なので、チームの雰囲気は上向き上昇中だろう。

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 対する関西大学前節は、龍谷大学RB奥田とWR堀に対応できなくて3TDを奪われるものの、QB#19井上率いるオフェンスチームがパス攻撃をつなげてロングドライブを展開して4TDを獲得、リターナー#7高崎のビッグリターン等々QBWR陣の活躍で、点の取り合いの試合を制した。

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 さて、関西大学攻撃だが、ここまでの3戦ともQB#19井上とWR#81武、#7高崎、#17長島、#86平山などへのミドルパスロングパスでドライブを重ね得点を挙げてきた。
 では、この試合、今までどおりパス中心のオフェンス組み立てで臨むか、それとも今まであまり用いていないランプレーの比率を高めるか。

 どちらを選択するかは天候に左右されるところだが、少なくとも日曜日は雨は降らないだろうという前提の下に私の考えるところでは、この試合でも獲得ゲイン比率・プレー機会ともにパスのほうが多い、そんなゲームプランになるのではないだろうか、と考えている。
(こういう視点から眺めると、雨天の開幕戦でイーブン程度に多用していたランドライブは貴重なシーンである。ただし残念ながらrtv映像がない)

 ところで、関西大学QB#19井上は、ここまで2回のインターセプト被弾がある。ただし、その悪い雰囲気を次のシリーズに持ち越さないふてぶてしさがあるように見える。接戦になったときにも同様のスタイルを貫き通せるかどうか、ここまでの試合では判らなかったが、今後の試合では重要なポイントに成るのは間違いない。

 対する同志社大学ディフェンスだが、前節京都大学戦では3人のDB(#5中嶌・#28吉川・#29岸田)による3インターセプトで京都大学得点機を奪っている。
 そもそも同志社大学ディフェンス陣のなかではLBDBとも昨年経験者が残り試合経験豊富なポジションで、前節は、そのような試合経験が生きた試合なので、勢いに乗っているDB陣のパスディフェンスには注目したい。

 つまり、この試合、同志社大学側視点で関西大学攻略ポイントを探した時に、同志社大学DB陣と関西大学WR陣との対決が最大注目ポイントになると考えている。
 精度の良いタックルとパスコースを読みきってパスインターセプトを仕掛ける攻撃的パスディフェンスで、試合の流れをイーブン以上同志社大学側に引きずり込むことができれば、試合展開が変わってくる。

(パス攻守の力関係、という話の展開から逸れるが、同志社大学ランディフェンスにも注目。
 特にLBは守備範囲の広い#53糸井と#45北野、堅実なLB#6木下という多彩なメンバーで構成されていて、前節は精度良いタックルでランプレーに対応した。さらにDL#93前田、#96大西と、前節の中央ランプレーを止めたDL#70樋口によるライン壁も試合展開をコントロールする。)

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 同志社大学視点に立てば、ディフェンス健闘して前節同様のロースコアの展開の持ち込みながらQBRBOLの丁寧なプレーで、少しずつでも得点していく、というストーリーに持ち込みたい。

 関西大学視点ならば、前節まで同様パスドライブで得点できればいいのだが、手詰まったときにどのように打開していくか。
 次節以降の兼ね合いもあって、手の内を晒したくない状態の中でのオフェンス組み立て・引き出しの段数・どこの段を開けるか、QBのプレー精度とともに、このようなところを見ておきたい。









10月16日(日) EXPO FLASH FIELD 15:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学
龍谷大学


 第4節、残念ながら対戦前から勝敗の行方が見えてしまう試合が多い中で、このカードだけは、少し例外になるかもしれない。

 京都大学前節は、同志社大学に0−7の1TD差ながら黒星を喫している。第2節甲南大学戦も、甲南大学側の選択如何では白星が引分に変わっていたかもしれない。そんなロースコア接戦が2試合も続いている。

 この2試合とも、オフェンス自体はドライブできていて、何度かは敵陣へ侵攻、得点チャンスはあった。だが、実際には得点に至らないケースが多発している。  例えば、プレーが決まらずにディレイ反則寸前にタイムアウト行使、これでテンポ良くドライブした勢いが途切れる、第4Dショートヤードをギャンブル選択するもFD更新できず、TDパスをインターセプト被弾等々。
 あと一歩で得点に繋がるのだが、現実は無得点のまま時間だけが経過、最終的にロースコア接戦に持ち込まれるという展開、この2試合を要約すると、このようになる。

 したがって、第4節、この試合、京都大学オフェンスについては、前節までの攻撃チームの悪い流れが解消されているか否か、ここは大きな要件になることは間違いないだろう。


 対する龍谷大学ディフェンスは、DL#10淵崎、LB#54森本など各ポジションともにスピードのある攻撃的な選手が揃う。
 この積極的な龍谷大学ディフェンスチームの雰囲気と、リズムに乗り切れない京都大学攻撃が対峙した時、気持ちの面で優位に立つのはどちらだろうか、ということを考えざるを得ない。

 一般的には、積極的攻撃的な気持ちが、思い悩む考え込む側を抑え込んでしまうのが世の常、これに倣うと、龍谷大学ディフェンス優位になりそうだ。故に、京都大学側は攻撃チームの諸々の悪い流れを絶っていなければならない。

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 龍谷大学の前節の試合は、RB#9奥田とWR#7堀、アスリート2名の活躍で関西大学陣内へ何度も侵攻、QB#6上西、WR#18橋本、TE#3村田などにボールを散らすなどでディフェンスを撹乱、3TDを奪っている。

 特に龍谷大学RB#9奥田のランプレーは、開幕節で対戦した立命館大学、第2節関西学院大学、両チームからもビッグゲインを奪っている。つまり、DIV1トップチームのディフェンス陣容であってもなかなか止められないランプレーであることが判る。

 したがって、焦点は、京都大学ディフェンスがRB#9奥田のスピード&ステップのランプレーに対して、どの位置でタックルできるかというのがポイントになる。もしも、これまでの対戦校以上にビッグゲインを許すのであれば、それは、京都大学失点龍谷大学得点が増えることに繋がる。WR#7堀のスピードも前節は関西大学DB陣を振り回していた。

 京都大学DLフロントが抑え込むというストーリーはKGが実際に行っていたので有効だろう、ただしスクリメージを抜かれるとLB#84福田、#98森田、DB(S)#15後藤、#11槙原などとのスピード競争&タックルが芯に入るか否かの問題になる。さらにWRスピードは#7堀だけでなく、#18橋本、#3村田などターゲットは豊富である。
 京都大学守備としてはDLスクリメージラインでランプレーに何とか対応したい。さらにQBにプレッシャーを与えてパスが飛ばない状況に持って行きたいところ。DLにスピードがあればなんとか対応できるかもしれないところは、関西学院大学DL陣が示している。

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 この試合は、京都大学攻撃の得点スピードと、龍谷大学攻撃の得点スピードの競争になる。ここまでの試合では京都大学敵陣侵攻ドライブには時間を要する、一方の龍谷大学はビッグゲインが出れば、一気に敵陣侵攻、RBWRのプレーが出なければFD更新にも苦労するというのが過去3戦の傾向である。

 当然のことながら、初めて対戦するので、両チームともに攻撃チームのパフォーマンスがどのようになるのか、対戦してみないと判らないところになる。ここを観戦ポイントとしてあげておく。









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