関西学生アメリカンフットボール Div1 第3節



10月01日(土) 西京極陸上競技場 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学
同志社大学


 京都大学オフェンス、前節甲南大学戦第1シリーズはランプレーで自陣からドライブして良いリズムで攻撃が繋がっていた。文字通りスコスコと進むので大差の試合になるのかと思っていたのだが、このシリーズをTDで終わっていたら確実にそうなっていたかもしれない。だが実際はFGで終わってしまったことで、甲南大学ディフェンスが生き返り、そして試合が膠着していった一因だろう。

 その後の京都大学オフェンスは、ホールディングなどの反則とディレイ寸前のタイムアウトなど多発して攻撃リズムが乱れていく。

 だが試合後半は、優位なフィールドポジションが続いたことと、甲南大学側の選択の妙もあって、FG3点を追加、引き分けではなくなんとか勝利を収めたという薄氷の試合展開となった。

 特に甲南大学ディフェンスに遮られた京都大学オフェンスという印象が残る。甲南大学DL3人LB4人という3−4フォーメーションに、京都大学の根幹でもあるパワー重視のOL陣が押し込まれるシーンが続出、こうしてオフェンスプレーがつぶされていく。
 今年の甲南大学ディフェンスは確かにパワー&スピードを備えた陣容なので、あり得ない光景ではないのだが、京都大学攻撃のリズムが破壊されてしまった。

 OL選手構成は開幕戦とほぼ同じなので、スピードのあるディフェンス陣には対応できないということなのだろうか。
 それとも、ここ数年の京都大学はリーグ戦のどこかでエアポケットに入ったかのように力を発揮しない試合があったりする。たまたま前節がそういう時期に重なったということだろうか。

 前節は天候もグラウンドコンディションも上々だったので、オフェンスにおいて開幕戦神戸大学戦との違いがどこにあるのか。第1節と第2節、どちらが本当の京都大学オフェンスなのか、という疑問を残して第3節に突入する。

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 同志社大学前節は立命館大学戦、得点差は広がっているが、QB#14中沖からWR#82黒田へのTDパスと、K#29岸田が距離のあるFGキックを決めて9点を獲得している。
 攻撃ドライブでは、SB#46青木パスとRB#35松井オープンをまくるスピード、RB#41土井はインサイド突破、そしてWR#82黒田へのTDパスはDB裏エンドゾーンコーナーへのピンポイントだった。
 攻撃が進み始めたのは第3Qに入ってからなので、立命館大学ディフェンスに押さえ込まれた感はあるが、開幕戦関西学院大学戦では得点に繋がらなかったものの試合序盤から、攻撃ドライブの兆候は覗かせている。

 ディフェンスもLB#6木下を筆頭に#45北野、#53糸井、DBでは#28吉川の積極性が際立ち、沈着冷静&確実性のある#29岸田、#5中島とのバランスの良い第3列になっている。DLでは#96大西、#93前田の両巨頭の動きに注目したい。

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 この試合、前節の京都大学攻撃の不調が今回も続くようであれば、ロースコア僅差の試合になる可能性が大きい。そのキーを握るのは同志社大学ディフェンスの特にフロント陣のスピードになるか。

 京都大学キャリアは、RB#21高木、#27、TE#82など。スピードのあるランナー、体格の大きいレシーバーでいずれもミドルゲインは見込める。
 だが、対する同志社大学LBDB陣も判断力とスピードはいい。京都大学ドライブがこれまで同様に時間のかかるものになるのであれば最高でも3TDまであたりか。

 そして同志社大学オフェンスは、RBに#35松井、#41、#2中島他多彩なメンバーが揃い、オープンに中央にと手段はある。開幕戦ではOLブロックタイミングとの不一致が見られたが、そこから時間も経過して修正されていることだろう。
 さらにSB46、#15安田、WR#82黒田、#8山林、#1山崎などレシーバーも多い。QB#14中沖のパスも試合を重ねるごとに精度UP、関西学院大学戦ではミドルパスがヒットし、前節立命館大学戦ではTDパスを決めている。

 スペシャルチームにもタレントは揃う。快速リターナーは#8山林と#1山崎の2名が存在し、また#93前田による絶妙なコントロールパントでもフィールドポジションコントロールすれば、同志社大学攻撃ドライブの実距離が短くても得点には繋がる。

 対する京都大学ディフェンスはDLLBが前掛かりでプレッシャーをかけるか、DBLBで鉄壁パスディフェンス網を構築するか、どちらだろうか。

 同志社大学は、関学戦立命戦の中で成長しながら迎える第3節、一方の京都大学は前節のロースコア僅差の試合イメージを払拭したい第3節。両チームともに見所の多い試合である。









10月01日(土) 西京極陸上競技場 16:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
龍谷大学
関西大学


 関西大学は、前節もディフェンス絶好調だが、その中で、怪我人が続出する。バックアップメンバーは揃っているものの、それでもDB陣はそろそろ手薄になってきたかもしれない。

 前節DLは、DT#98石田、#94上田、DE#10小林、#91池井、さらに#96澤田が交代出場した。DEは3人ともスピードあり破壊力ありインスピレーションのいい選手が揃う。場内放送によればDE#96澤田による「1シリーズで2回ロスゲインタックル」が2シリーズ??あった(実際には、ともに2個のうちの1個を私の目では確認できていませんが・・)

 さらに、OLB#4谷と#12金部のスピード判断力がソロタックルを決める、パスカットに手が伸びるという活躍を見せた。試合終盤でスタミナ切れだったのは今後の課題だが、その瞬間まではディフェンス11人の中心として各ポジションに気を配りながら細かい指示を出しながらのセットシーンは印象に残る。
 そして前節の試合で特筆すべきはILB#44島津の守備範囲が広がって判断よくタックルを決めていたこと、特に味方の選手を巻き込んででも自分で止めるという熱いタックルはILBにふさわしい。

 正直なところDL負傷者の影響は否定できないシーンもあったが、それを補ったDEとLB陣というのが前節の関西大学ディフェンスである。

 一方で、私があまり真剣に注目して観戦していないことが原因なのかもしれないが、DB(CBとS)の連携部分など第3列に変化の兆しが見えてこない。第2節でも新たな負傷者が発生してしまったようなので、フォーメーションも満足に組めない状況かもしれない。だが、第3節なので、何かしらの今年の形の片鱗を見ておきたい時期でもある。個人技でもやっていけるポジションだが、巧妙なレシーバー陣に対する連携準備は必要だろう。一方で#30中谷、#4谷、#24小栗、#3平井(順不同)によるパスカバーファインプレーも挙げておく。

 なお、第4Qに、神戸大学攻撃に約6分におよぶロングドライブ(第4Dギャンブル4回成功含む)を許しているが、このドライブの開始時点で21点差あったこともあって、残り時間と得点差を睨みながら、様々な試みを確認するほうに費やした時間帯と見るべきだろう。

 ディフェンスはこのシリーズで3−4フォーメーションを試みている。願わくばドライブをとめて欲しいところだが、LBDBに若干の入れ替わりもあり、もちろんバックアップメンバーが神戸大学ドライブを止められなかったことを問題視するのも良いが、このシリーズは経験を積むことのほうが重要で、次回出場時には、今回の経験が生きる、そんな時間帯として良いだろう。

 ところで、今年は、DL3人LB4人による3−4スタイルを採用するチームが多い(今春以降瞬間的なものも含めて採用した関西DIV1の大学は、甲南大学・同志社大学・神戸大学。京都大学も??)が、単なる流行なのでしょうか、それとも、昨今のショットガンセットに対して効果的な機能があるのでしょうか。少々興味深いところです。

 オフェンスは、QB#19井上からパスが決まるようになってきた。WR#17長島、TE#86平山へ2本成功、WR#81武、#7高崎には各1本成功という結果を残す。
 ロングパス失敗はあるものの、時々決まるミドルパスは、レシーバーパスキャッチの集中力と相まって脅威になりつつある。ミドルレンジは他校のウイークポイント付近、というところも興味深い。まず最初にこの距離の精度を上げて、次に前後に広げて行きましょうか。

 パス攻撃が順調に整備されているところと対比すると、ラインブロックとのコンビネーションとなるインサイドラン突破でRBOL関係が未整備の様子。QBスクランブルやオープンスイープ、ドローなどタイミングズラシや奇襲でのゲインはあるのだが、OLブロックとFB#42北川、#33森重とTB#26井角、#2xというパワープレーで相手DLLBを粉砕するシーンがない。ただ、実際は怪我を恐れて、タイミング併せに終始して全力を注いでいない??

 前節試合展開は、ハーフタイムをなんとしてもリードして終えたいというところからか、今まであまり用いていないランプレーによる一発TDをリターンTDに加えてリードを確保して折り返し。後半は、ランドライブは出来なかったもののミドルパスを要所でつなげてのドライブによる2TD1FGの得点なので、まま、こんなものではないだろうか。

 なお、#18岡へパスが飛ばないと思ってみていたら、第4Q終盤にQBとして#18岡が登場してきてた。また来年のQBがWR(SE)として数プレーに参加していたが関西大学らしいシーンである。

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 一方の龍谷大学だが、前節関西学院大学戦は、正直なところ、いろいろなところでのスタミナ切れという印象。立命戦に続き、対関学では集中力が切れてしまう?DIV1トップの壁に跳ね返されたそんな試合内容だった。

 攻撃はパントフェイクのギャンブルで勢いに乗りかけたが、RB#9奥田、WR#7堀ともにオンリーキャリアでは、さすがに手詰まりになる。一発で抜ければそのままTDもありうるのだが、立命・関学のスピードのあるLBDB陣を抜き去るのは、やはり、難しいのかもしれない。単発のロングゲインまででドライブが続かなかった。一方のディフェンスはレッドゾーンディフェンスで見せ場を作っている。

 だが、攻守ともに力を発揮できたのは試合前半まで。後半はターンオーバーの連続で失点が重なっていったのは冒頭に記したところになる。そして迎える第3節、3強の一角、関西大学との対戦になる。
 ただしこの試合も、龍谷大学オフェンスについては、キャリアの少数問題とLBDBとのスピード競争に帰着されることになりそうだ。ここが解決できれば、龍谷大学攻撃が試合の主導権を握ることもできるが、、ここがキーポイントになるのは止むを得ないところだろう。

 関西大学視点に立てば、オフェンスのドライブ力の確認とディフェンス整備のためにいろいろと試みたいが、実際には、その余裕が、どの時間帯からになるか、それとも、試合前半は均衡してしまうのか、というところをポイントとしてあげておく。









10月02日(日) 王子スタジアム 12:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学
神戸大学


 神戸大学オフェンスが、開幕戦京都大学戦不調から一変、前節はリズムに乗った攻撃を仕掛けて、関西大学に対して積極的に攻めた。最終的には関西大学攻撃が止められずリターンTDもありで敗戦となったが、オフェンスリズムが復活したことは、第3節に向けて明るい材料である。

 第1シリーズ、QB#7林、WR#81麻生とFB#45植田のダイブによる第4Dギャンブル成功などでFG3点獲得すると、その後のフリーキックでは予想もしなかったオンサイドキックを敢行、#2梅本によるカバーで神戸大学攻撃が続いた。

 次のシリーズはフィールド中央からRB#9羽星へのオプションピッチでディフェンスカバーのずれーを生み出してビッグゲインTDラン、こうして関西大学から一時的にせよ9点リードを奪った。

 ただ、その後は関西大学DLにプレーを破壊され、次の得点シーンは第4Qに入ってからになる。そのシリーズでは4回の第4Dギャンブルを成功させ、WR#82岩本へパス3本、WR#19塩見へ2本、WR#81麻生に1本、いずれもミドルレンジのパスをディフェンス人の隙間にヒットさせて、合計6回のFD更新(1回は関西大学反則による)というテンポいい攻撃で1TDを追加している。

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 関西学院大学前節の龍谷大学戦、オフェンスQBは#18畑が先発し第3Q最初のシリーズまでを担当、2TD2FG1P1G失敗という結果を残すが、その過程には微妙な影を落とす。

 2TDの内訳だが、一つ目は敵陣4ヤードでFD更新後に中央ランゲインできず第3DでQB#18畑によるキープオープンのTDラン、2個目は敵陣25ヤードでFD更新後、中央突破ゲインできずに迎えた第2D、QB#18畑によるパスからのスクランブルでTDランとなる。
 さらに2FGの内訳は、敵陣16ヤードでFD更新後、中央ランプレー2回ショートゲインなどを経てFGトライ&成功へ、そして2個目は第2Q残り0分49秒自陣から始まった攻撃を敵陣9ヤードでFD更新まで運ぶもののフォルススタート罰退でエンドゾーンまでの距離が増加、残り16秒でパス失敗後のFGトライ&成功、というものである。

 つまり龍谷大学ディフェンスに対してもインサイドランゲインできず、QBのスクランブルと第4Dや残り時間に迫られて止む無くFGを蹴る、という傾向が現れている。OLメンバーはほぼ今年のベストなので、おそらくパワープレーに関して今年の上位位置でのプレースタイルなのではないだろうか。

 なお、敵陣侵攻したプレーにも特徴があって、WR#16和田への真横パスから#16和田の個人技によるステップとスピードに任せたランゲイン、SE#9梅本への快速ロングパスとFL#7松岡、そしてRB#7松岡のスピード&ステップによる隙間を縫ったロングゲイン、そしてQBスクランブルというのが、敵陣侵攻したビッグゲインになる。

 この中で真横のパスというのはパス距離が短く、パス成功が確実なコースで、その後は#16和田の個人技に依存、WR#9梅本、#7松岡のスピードは、結局のところ、WRRBのスキルがパスキャッチ範囲を広げていることになってパス成功率が上昇するという、うがった見方も出来る。

 これが事実ならば、スピードターゲットを徹底マークしつつ中のランプレーを抑えることが出来れば攻撃の芽を摘み取ることが出来る、なんてことを想像してしまうのですが、致命的な考え違いがあることを望みます。


 なお、第3Qに関西学院大学はパントフェイクとFGフェイクのギャンブルプレーを試みていて、いずれも失敗に終わっている。
 スペシャルプレーの練習が日常茶飯事なのであれば、実戦で積極的に試みるのも一つの方法だが、要するに今年もキーとなるシチュエーションでは第4Dでスペシャルプレーを試みることを明確に宣言しているようなもの。対戦相手もパントとFGシーンで8割はスペシャルプレー、として対応するだろう。こうなった時点で、スペシャルに効果があるのか疑問。

 ところで、今年は異様にスペシャルプレーの準備が早い、というのであれば、それはまた違った話になるが、このあたりはチーム内部情報なので外に漏れてくることはないだろう。希望としては、もちろんのこと例年通りの準備量だが、実戦に取り入れる時期が早い、ということであってほしい。もしも例年以上にスペシャルに取り組む時期が早いということであれば・・・。
 なお、まだ試みられていないスペシャルプレーには、オンサイドキックと、ファンブルフェイクのパス。

 ディフェンスは、DL#91池永、#98長島筆頭にラインのスピードは相変わらず早い。そして第3列DB#23保宗、#14大森のパスカバー秀逸。一方で龍谷大学にミドルゲインを許した2個のプレーが10ヤード程度のFL縦あるいはSEのインというのは興味深いところ。

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 という両校の対戦になる。試合を分けるポイントの一つ目は、関西学院大学WR#16和田、RB#7松岡のスピードと個人技に神戸大学OLB#8長渕、OLB#41高松およびDB(S/CB)#2梅本、#34吉江、#13小川などがイーブンに対応できるか。  もうひとつは、神戸大学OLが関西学院大学のスピードあるDL陣のラッシュを防ぎきれるか、神戸大学QB#7林のパスコース&距離は上記したとおりのなので、適度に決まるようならば面白い試合展開になるだろう。関西学院大学DB陣のパスカバーも秀逸だが、神戸大学WR#81麻生、#19塩見、#82岩本も熱い。このWRDB対決にも注目したい。

 なお、失礼千万を承知の上で極論すれば、関西学院大学オフェンス上記以外のバックスメンバーが活躍するシーンが増えてくれば、その時は、試合の行方は決まっているかもしれない。









10月02日(日) 王子スタジアム 15:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学
立命館大学








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