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ファイナルスコア27−10で関西学院大学が勝利し、関西学院大学も関西学生リーグ優勝(3年ぶり50回目)、前節で優勝確定した関西大学(2年連続6回目)と、前日に同志社大学に勝利して6勝1敗でリーグ戦終えていた立命館大学(2年ぶり9回目)の3校が同率優勝となって、2010年リーグ戦は終了した。 3校優勝は1996年(このHPを始めた年)以来14年ぶり2回目となる。当時は3校によるトーナメントで甲子園ボウルに出場する関西代表を決定したが、今回は西日本代表決定戦トーナメントで甲子園ボウルに出場する西日本学生代表チームを決定する。4日(土)12時@長居陸上で関大と関学が対戦、5日(日)14時@王子スタジアムで南山大学と立命館大学が対戦し、それぞれの勝者が13日(月)19時@京セラドーム大阪で西日本学生代表の座をかけて対戦する。 1996年のときは3校トーナメント((関学×立命)×京大)で1回戦不戦勝となった京都大学が甲子園ボウル出場となったが、さて2010年はどのようになるか。熱戦激闘はまだまだ続くが、疲労回復しないまま試合に臨むことになるの是非とも怪我のないように、そして、熱い戦いを楽しみにしています。 ******** ******** さて、この試合だが、関西学院大学にお祭り的なスペシャルプレーは特になく、スローバックパスが数本、RB兵田へのパス、カウンターのショベルスクリーンと凝ったプレーはあったが、どちらかと言えば真っ向勝負で挑んだ試合。このようなプレー傾向になるだろうとは思っていた。 私の想定外だったことは、ライン戦で関西学院大学が優勢だったことと、関西学院大学側に担架で運び出される選手がいなかったこと、スピードがフィジカルを上回ったこと、これは、フィジカルの追求をある程度までに抑えて(??)スピード重視とする関西学院大学が意図するとおりになった。 立命館大学攻守ラインのパワースピードのバランスと関西学院大学パワースピードのバランスが微妙に異なる。私の思考の中ではこの点をあまり考慮していなかったかと反省しています。立命館大学戦のようにプレーが崩れた状態からパスがヒットしなかったことのひとつはDLLBスピードが早すぎてQBにプレッシャーが届くまでの時間が前節と異なっていた、もしもこの通りならば、QBにとってはイメージしていたのと少し違う状況になったかもしれません。 ******** 関西大学第1シリーズ、第1DのQBカウンターキープにDL#52平澤が突っ込んできてマイナスゲイン、第2DはQBが左右に動きながらDLプレッシャーをかわしながらパスを投げようとしたが、レシーバーを見つけるよりもDLの手が届くのが先と判断して投げ捨て。 この2プレーを見て関西大学オフェンスは簡単には進まないかも、のこりはクイックタイミングのパスでどこまでいくか、RBの正面パワープレをショートゲインをコツコツと積み重ねるか、そしてWR#17高原の縦スピードの超ロングパスによるTDプレーを狙う。いずれにしても多く見積もっても3TDが上限になりそうという感触になった。 この中で、試合前半の関西大学オフェンスは、どちらかというと、RB#39前田、RB&QB#5播川、RB#92宗實、QB#7池井による中央をコツコツとつつくことを選択したようだ(#1藤森は欠場)。それもオープンはおろか左右OT付近もなく、ひたすら中央のみ(ロスゲインタックルでOTプレーが実現しなかった可能性は少々残る)したがって、ランプレーではLB#91村上、DL#52平澤がタックラーとなってショートゲインに止めたのが何度も。 関西大学SEの縦ロングパスは左右に1回ずつ。右はDB#8善元マークが徹底していてフリーになれなかったが、第3シリーズの左縦スピードロングのの試みはレシーバー自身はDBを抜いてフリーではあった。このパスが通っていれば少し違った展開になっていたかもしれない。なお、その後はSEのスピードに任せたロングパスは投げていないのだが、ディフェンスプレッシャーの脅威が身近に感じられることによる負傷回避が目的か。 ちなみにIRの縦ミドルパスは2本?ほどあって、うち1本はDB#8善元にあわやインターセプトという状態。そしてインターセプトされたパスはDLに迫られて投げさせられたようなIRへのパスをLB#41川端にインターセプトされている。 こうして前半の全6シリーズで関西大学オフェンスはFD更新回数は0回(パントキック5回・インターセプト1回)で、見た目は手詰まり状態だった。 そのため自陣からの第4Dパントキックとなるのだが、神戸ユニバフィールド上空には微妙な風が舞っていたにもかかわらず、P#30佐野のキックはパントカバーチーム#13中村などのスピードとの連携もあって関西学院大学攻撃開始地点を自陣に追いやることができていた。 ******** 関西学院大学オフェンスQBは#6加藤。第1シリーズ、QBスクランブルに関西大学ILBが対応してマイナスゲインを奪う。その後もQB#6加藤のキープランは関西大学ディフェンスがしっかりと対応してショートゲインにしとめていた。 さらに関西学院大学第3・4・5シリーズ(つまり前半で得点にならなかった攻撃回)RB#39稲村、#31尾嶋のランは、中央もオープンもLB#45岡田、#32谷、#31西口、DL#52小林、DB#8飾磨などそれぞれに対応していてショートゲインに止めている。関西大学反則やショートの積み重ねでFD更新なるものの第4D1ヤードの中央突破をLB#2豊田が大外から入り込んでRBの足元にタックルしてギャンブル失敗に仕留めるなどで、関西学院大学のほとんどのプレーには関西大学ディフェンスも対応できていた。 対応できなかったのが、WR#86春日へのミドルパスとRB#7松岡のインサイドクイックヒットのランプレーになる。 関西学院大学第2シリーズ、自陣46ヤードから右WR#86春日への縦パス15ヤードでFD更新、右ロールアウトからパスターゲットを探して左WR#86春日へスローバック気味?に9ヤードヒットなどで再びFD更新して敵陣29ヤード。 再び左IR#86春日へ6ヤードパスヒットと、同じレシーバーに長短様々に連続でパスがつながって一気に関西学院大学ペースとなると、スピードのあるランプレーも止まらなくなる。RB#7松岡カウンターOTで12ヤード、QBのパスフェイクのキープが6ヤードゲイン、そしてRB#31尾嶋と#7松岡のランプレーで関西学院大学にTD7点が入る。 さらに第2Q残り2分57秒自陣からの攻撃ではRB#7松岡のショベルパスがビッグゲインとなって敵陣35ヤードに到達、モーションマンRB#39稲村へのスローバックパス15ヤードと、WR#86春日へのスローバックパス17ヤード、そしてRB#7松岡のステップでのオープンランでTD獲得し14点差とした。 ******** さらに第3Q先攻関西学院大学の攻撃は、RB#7松岡のインサイドクイックヒット19ヤードで始まった。 続くQB#6加藤のプレーアクションパスは芸術的に決まる。スクランブルの構えにDBが前に上がってきてレシーバー#84松田がフリーになったところへパスヒット、この視野の広さは、好調な関西学院大学オフェンスを裏付けるプレーになった。 ただし敵陣13ヤードからのランプレーをDL#68清家がタックルでしとめ、スローバックパス失敗でFGに追い込んでいるのは、どちらかと言えば関西大学ディフェンスの目指したいペースである。 さらに試合後半は、関西学院大学に少しずつミスが生まれてくる。中央ラン突破にファンブルロスト、第4DFG成功もホールディング反則で取り消しとなってパントに変更されている。 (結果的にはこの関西学院大学パントによって関西大学攻撃が自陣6ヤードからとなり、第4DDB#8善元のパスインターセプトリターンTDが生まれる。その結果、関西学院大学後半の細々としたミスが目立たなくなっているのだが。ま、ここは結果論です。) 関西学院大学レッドゾーンオフェンスをにFGで終わらせるのは関西大学ディフェンスの目論見どおり、ではあるのだが、レッドゾーンへ侵入されるきっかけになったプレーが、WR#86春日とRB#7松岡の中央クイックヒット、さらにQB#6加藤の思い切りの良さである。 ******** 個人的には、関西学院大学QB#6加藤のオンリーターゲット的な存在であるWR#86春日へのパスに、何故、関西大学ディフェンスが対応できなかったのか、ここが疑問なところになっていますが、ライン戦で関西学院大学が優位に立ち、フリーになる空間に入り込むWR#86春日の判断と、QBとの連携が成熟したことでパスが通り続けたということになるのだろう。 もしも第2Q、WR#86春日パスが通っていなかったら、前半3−0、後半FG追加して6−3または9−3なので、十分、関西大学オフェンスの射程圏内??、というのが、私の「たられば」です。 もうひとつ挙げるならば、第4Q残り時間5分台自陣でギャンブルの選択だったが、この時点ではまだ2TD差だったので、パントを蹴ってもよかったのではないだろうか。もちろんオンサイドキック成功が条件になるような残り時間になっているとは思うので、選択の難しいところ。後からなら何でも言える領域の話です。 ******** ******** 後半の関西大学オフェンスは、前半とは少しプレー傾向が変わっていて、ショートパスをアウトサイドWR#25高崎へ成功させたり、バックフィールドに人数を集めたトリッキーなフォメーションからQB#16岡のラン突破などでFD更新を繰り返している。 一度目はFGフェイクのギャンブル失敗におわるが、その次のシリーズでもQB#7池井カウンターキープが40ヤードのビッグゲインとなるなど前半とは少々趣きが異なっている。 もっとも関西学院大学DL#52平澤、DL#96池永などスピードディフェンスは後半も健在で、ロスゲインタックルから第4DでFGフェイクのギャンブルやFGトライへと追い込まれていてるのだが。 結局関西大学TDドライブは、残り5分34秒からとなるのだが、得点差や残り時間などを加味したディフェンス方針変化があったかもしれない。それでも、関西大学QB#7池井からWR#16岡、#19堤へのミドルパスキャッチの連続でポジションを進めていった集中力は特筆すべきもの。再戦でのオフェンスパフォーマンスの可能性を見せている。 ******** 関西大学と関西学院大学は12月4日に再戦することになった。その試合の展望についてもここで触れておくと、 BR> 関西大学オフェンスについては、関西大学OLおよびQB池井バックス面々はDLLBスピードは慣れたか??。この1点に尽きる。前回はオーソドックスなランプレーばかり、パスはSEのロングパスが試合前半に、中央縦ミドルパスは試合終盤に、いずれも数本。ディフェンスプレッシャーの脅威から無茶投げを避けたところもあるようなそんな試合、ランもパスも手数は残っているはずだ。 関西大学ディフェンスでは、DLは関西学院大学OLブロックとRB#7松岡のインサイドプレーに慣れたか??。LBDBはWR#86春日のパスコースとステップに慣れたか??。以上のことに対応しつつQB#6加藤、#11糟谷、#18畑のQBスクランブルに対応できるか??。 つまるところ、関西学院大学が全く同じことをした時に、なんとかなる算段はついたか、というところ。試験で言えば前回出来なかったところの再試験になるので、ここのクリアは必要最低限の条件になる。 そこに関西学院大学の新手が加わるはずだが、RB#7松岡を囮にした他のRBのなかでも要注意なのはRB#39稲村、そしてキーどころで飛び出すRB#47兵田へのパス・FGフェイクプレー、このあたりになりそう。 関西大学DL陣が関西学院大学OLブロックをかいくぐって破壊できるストーリーが見つかったか。それともLB陣総員のローテーション起用とDB陣で阻止することになるか。 キーマンは、オフェンスでは#1藤森。リターナーとしてもそのスキルは重要。ディフェンスではLB#2豊田。 ******** 関西学院大学オフェンスでは、先週のドライブのキーとなったRB#7クイックヒットとWR#86春日へのパスを試みて関西大学の対応の程度を知るところから始まる。そして、そこから攻撃手段をどこまで広げられるか、ここが全て。(#7松岡へのフェイク。ただしランゲインできるランナーと出来ないランナーが如実に別れているのが気になるところ。) ディフェンスは、おそらく先週とは異なるプレーが加わってくるであろう関西大学オフェンスへの対応を迫られることになる。LB#91村上、DL#52平澤、DL#96池永のスピードが関西大学OLに再び通用するか否か。ここは、試合を分ける大きなポイントになるだろう。 ******* 関西学院大学は最終節に勝利すれば次の試合があることは最初から判っていたとは言え、まず勝たなければならない試合に全力を注ぐのは当然で、その1週間後の試合になる。一方、2年連続甲子園出場を狙う関西大学にとっても本当にあとがない、尻に火が付いた状況に追い込まれた試合。 いずれのチームとも新手がないまま前回同様の攻守では研究されて対応されてしまうかも。ただし先週日曜試合のあとにプレー分析して選手に注入するのはいつになるか、その時間があるかどうか、さらに実際に確認する時間があるかどうか。 窮屈な日程の中で全ての処理は出来ないので、優先順位に基づく取捨選択と日頃の引き出しの数・選手層の厚さ、そして各チームのメンタルフィジカル両面のスタミナと粘性が問われることになる。要するにチーム総力戦である。試合結果はやってみないとわからないことです。 12月04日(土)12時@長居陸上競技場。天候は、おそらく晴れ。陽のあたるのはメインスタンド?バックスタンド?どちらか暖かいほうでお待ちしています。 この試合の展望コメントへ |