関西学生アメリカンフットボール Div1 第5節



10月30日(土) 長居陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学131010405-0-0
同志社大学101-4-0
(現地観戦)
 
関西大学
同志社大学
1Q
TD
FL
TD
FG
1Q
2Q
TD
FG 2Q
FG 3Q
TD
3Q
TD 4Q
TD
G×I
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 第1Q、先攻同志社大学の攻撃を関西大学DLがノーゲインに押さえ込んでパント。後攻関西大学の攻撃は、同志社大学パント時のディレイオブゲームやキックキャッチインターフェアの反則で、敵陣40ヤードスタートとなる。

 関西大学第1プレーフォーメーションは、右の外側レシーバ位置に#7池井、内側のレシーバ位置に#17高原がセット、そして左側レシーバー位置の#1がモーションしてプレー開始。スナップを受けたQB#5播川から#1藤森にハンドオフでボールがわたり、さらに#1藤森からトスでボールをもらった#7池井がエンドゾーンへ走っていった#17高原へロングパス。これがTDパスとなって関西大学が先制した。

 このPATで2ポイントを選択。右にラインズを固めたロンリーセンターは、スナップを受けたQB役(背番号不詳)が左サイドへのパスを試みる。ディフェンス側配置等を見て、プレーを変えたようなパスだったがパス失敗で2ポイント獲得ならず。

 しかし、次の同志社大学攻撃途中でのファンブルロストから、関西大学は再び敵陣で攻撃権を獲得した。今度はRB#1藤森、#5播川およびOL陣のコンビネーションプレーが炸裂する。ラインブロックで空いた左G付近をRB#1藤森が突いて8ヤード、さらにOL#50五ノ井のラインブロックとFB#92宗實によるLBブロックで確保した走路をRB#5播川が丁寧にすりぬけてTDを獲得、ランとパスで速攻の2TDとなった。

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 こうして幸先の良いスタートを切った関西大学オフェンスだったが、この日はQB#7池井とレシーバー陣のコンビネーション精度が悪かった。特にメインコースとなるQB#7池井WR#17高原のパスパターンを何度も試みていたがパス失敗が続く。
 さらに#25高崎へはミドルパス27ヤード等ヒットするが、うち1回はラインの反則で取り消し。ライン反則によるパス取り消しはもう1回あってパス攻撃でリズムに乗れない。WR#16岡、#19堤もショートパスはヒットするものの距離が長くなるほど精度が落ちていく状態。若干不安を残すパスユニットとなった。
 ただし、#25高崎のような新しいレシーバーも登場していたり、先制TDのようなトリッキーなパスも加わっている。そのような練習時間が増えたことで、これまでメインだった#16岡、#19堤、#17高原あたりとの連携不足になった、のかもしれない。

 そして、この日絶好調だったのがOL+RBのランユニットだった。左右OT付近までの中央突破ランをメインに、OLやFBブロックで空いた空間をRB#1藤森、#5播川がきれいに通っていく。今までの試合では不調気味だった両RBとも、FBブロック・ラインブロックとの意思疎通とタイミングが見事な連携プレーが続いた。
 正直なところ若干同志社大学側に問題がなくはないのだが、理想的なブロック&ランを実戦でも行えたことが重要なポイントであって、今後の試合に向けてのイメージトレーニングの材料を更新できた意味は大きい。

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 前半第4シリーズは、RB#42菊池ブロックでRB#1藤森の15ヤード、RB#92宗實リードブロックの10ヤードとフィールド中央から2回のFD更新して敵陣23ヤード。OL#75保呂のブロックとRB#1藤森のラン走路見極めが冴えての18ヤードTDラン、前半最後のシリーズはWR#19の12ヤードパスヒット、#5播川の中央突破12ヤードとビッグゲインが続く、WR#25高崎へのパスはラインの反則で取り消しとなったが、RB#1藤森への25ヤードパスでFGレンジへ侵入して3点を追加してハーフタイムを迎える。

 試合後半も、同志社大学オンサイドキック失敗で得た敵陣スタートの得点チャンスに、ランプレーで前進を重ねた。途中でラインの反則でTDパス1本が無効になったがFGで3点追加、さらに次のシリーズでも、RB#1藤森と#5播川およびラインとリードブロッカーの活躍で7点を加える。
 第3Q終盤から始まった攻撃シリーズでは、バックスメンバー交代して、QB#18井上とRB#28藤井と#39前田が登場するが同様のプレースタイルを展開、#20有谷リードブロックも正確にヒットしてランプレーのミドルゲインが続いた。特にRB#28藤井のスピードは両巨頭の陰に隠れてしまっているのが残念な非凡なランテクニックを披露していてミドルゲインランとTDランを決めていた。

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 一方の関西大学ディフェンスだが、こちらは、ところどころでDLLBメンバーを触っていて、DL#79藤原、#98石田、#95水村、LB#49白滝、#45岡田、#31西口、#41島澤で3−4を試みている。

 同志社大学第1QのFGドライブは、そのフォーメーションも一つのきっかけではあるのだが、左3人レシーバのダウンフィールドブロックが見事に決まった結果のもので、キャリアRB#41土井RBをDBが追走して止めた時には30ヤードランゲインとなった。さらにRB#35松井が中央を抜ける。DB#8飾磨が対応したが15ヤードゲインとなってFGレンジ侵入。こうして同志社大学に3点が入った。

 だが、関西大学DL#98石田をはじめとするフロントパワー陣に苦しめられた時間帯のほうが長く、95、98のQBサック記録がつくなどで、同志社大学ドライブは、基本的には完封されてしまっている。後半もレイトヒット反則やRB#35松井でFD更新はあるものの、得点ドライブには至っていない。
 第4Qに入って、ようやく同志社大学RB#34河野、#35松井、SB#46青木、WR#8山林などでミドルゲインが続くようになったが、ディフェンス側に若干のメンバー交代があってからのものになる。




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10月30日(土) 長居陸上競技場 14:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学134-1-0
立命館大学205-0-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
立命館大学
FL 1Q
TD
TD
FL 1Q
2Q FG
2Q FG
3Q
3Q
4Q
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 先攻関西学院大学、第1シリーズの第2D。RB中央突破でボールをかき出されてファンブルターンオーバー。攻撃権は立命館大学に移動して敵陣42ヤード攻撃開始となる。

 そしえて立命館大学は、RB#27高野橋の中央パワープレー9ヤードとQB#9松田キープでFD更新する。この間、QB#15谷口と#9松田がともにフィールド内にいてディフェンスを撹乱していた。
 FD更新してQB#15に交代すると、その第1プレーが中央RBフェイクの左オープンQBキープ。QB#15谷口のフェイク動作につられてディフェンスの大多数が右サイドへ移動してしまった。こうして手薄になった左サイドをトップスピードで駆け抜けるQB#15谷口にDB陣タックルできず。そのままエンドゾーンまで走り込んでTD、ファンブルターンオーバーから立命館大学が先制点を挙げた。

 だが、続く関西学院大学オフェンスもノーハドルオフェンスでプレー展開してドライブが進む。QBは#6加藤と#18畑がノーハドルでセットしてからQB交代してディフェンス撹乱、さらに、この試合で復帰なったRB#7松岡が先ほどのミスを取り返すべく、オープン7ヤード、中央突破20ヤードとランプレーでのメインキャリアとなった。
 さらに、ノーバックからのQBドローが2回、WR#1松原へのショートパスヒットも絡めた自陣19ヤードから始まったドライブは約6分におよぶ。エンドゾーン手前8ヤードでFD更新後はディフェンス堅守で第4Dまで追い込まれるものの最後はRB#31尾嶋の中央突破でTDを獲得した。

 ここのPATで2ポイントを選択、ロンリーセンタのスナップは左斜め後方へ飛んだ。そしてラインパワーブロックによるラン突破を試みるが、立命館大学ディフェンスンに遮られてしまった。

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 なお、ここでの2ポイントPATの選択だが、GAORA中継を見た人・第1試合から観戦した人には判ると思う、私も観戦メモを見直していて気がついたのだが、第1試合で関西大学がフリフリによるTD後のPATで、同様にロンリーセンターからの2ポイントを狙っている。

 関西学院大学が「ストロング」サイドでのラン突破、関西大学は「ウイーク」サイドへのパス。いずれも失敗に終わっているのだが、関西学院大学が、第1試合を見ていて準備したものを披露したのか、それとも単なる偶然なのか、当然のことながら不明。だが、「偶然の一致」とするよりは「狙ったもの」と考えたほうが、いろいろと面白い。

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 こうして両チームとも早い段階で得点が入るのだが、その後はディフェンス堅守で膠着状態が続き、第1Q中盤以降は両チームともFD更新なしパントが多くなっていく。

 関西学院大学ディフェンスは、DL#90梶原、#96池永、#69岸、#98長島で、ILBにこれまでDLだった#52平澤を下げて、OLBを#91村上と#8善元が担当した。
 RB#33東松の横パスからのランプレーにOLB#8善元が反応してノーゲイン、中央突破はDL#98長島とLB#91村上が壁になってゼロヤード。特に中のランプレーは、この時点ではDL#90梶原などの壁が厚く、立命館大学RB#39川端、#27高野橋のランはショートゲインに押さえ込まれてる。

 一方の立命館大学ディフェンスもDL#3南、#6十亀、#95山本、#54武知、LB#43盛田、#8佐藤、#5菊地、#52猪野などフロントの勢いが激しい。
 関西学院大学のスクリーンパスは2回ともマイナスゲインを記録、DL#6十亀のQBサックは2回、さらに、RB#7松岡へのマークも厳しくなってDL#3がマイナスヤードに止める。さらに、これまでの試合で活躍していたRB#39稲村、#31尾嶋のランプレーはかなり早い段階でシャットアウトされていた。
 QBへのプレッシャーをすり抜けて投げたパスも、第2Q最初こそWR#1松原ミドル中央パスヒットで敵陣侵攻のきっかけにはなるもののDBカバーも厳しくなっていく。WR#1松原への同じようなパスコースにはDB#35柘植がパスキャッチの瞬間に絡んでパス失敗なったり、パスコースを読んだDB#13荻須がレシーバー前に割り込んでパスインターセプト。

 第1Q中盤以降、両チームディフェンスとも、プレー判断ボールキャリア判断、そしてラインをすりぬけるスピードタックルがすばらしく、ショートゲイン・マイナスゲインが続いた。

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 このようなディフェンス堅守からオフェンスが進まない状況の中で、立命館大学K#17松山が40ヤードの長距離FGキックを2回決めたことで、点差が広がっていく。

 1回目のFGシーンは第1Q終盤、関西学院大学オフェンスのエクスチェンジミスからのファンブルターンオーバーから。立命館大学オフェンスは上記のディフェンス堅守にあってFD更新できなかったのだが、K#17松山が40ヤードのFGキックを決めて3点を追加、チャンスを確実にモノにした。

 そして2回目は第2Q終盤。自陣38ヤードからの攻撃シリーズで訪れる。
 残り時間1分08秒自陣スタートなのでオフェンスチームとしては2ミニッツ攻撃の練習成果の見せ所、ではあるのだが、このシリーズ開始前段階ですでに立命館大学はタイムアウト3回を使いきっていて、シチュエーション的には少々苦しい状況。  WR#25宜本へのミドルパスヒットで14ヤードゲイン、さらにWR#84頓花へ15ヤードパスヒットして敵陣34ヤードでFD更新するものの、まだ距離を残していた。
 第1Dパス失敗、第2Dはパス成功もフィールド内でデッドで時計は回る。ここで関西学院大学が1回目のタイムアウトを取って時計を止めた。残り29秒。
 立命館大学第3DはQBスクランブルランでFD更新目指すが、届かず。さらにフィールド内デッドで時計側回っていて、立命館大学は急いでFGチームと交代する。

 私も、フィールド内の立命館大学FGチームの準備状況とスタジアムの時計数字の両睨みの状態で、数字が減っていって残り5秒付近で立命館大学はやっとプレースタートできようかという状態、0秒になるまでにボールスナップが要求されるあわただしいFGトライだった。しかし、ここで関西学院大学が再びタイムアウトで時計を止める。

 こうして立命館大学は落ち着いてFGに臨めるようになり、K#17松山が2回目の飛距離40ヤードのFGキックを決めた。

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 第2Q最後のシーンは、結果的には、関西学院大学が時計を止めて立命館大学にFGを蹴らせる準備時間を提供したことになる。

 もっとも、試合得点で言えば、このFGがなくても10−6の4点差、FGが決まったことでTD7点でも同点までという違いはあるものの、大勢に影響はない。

 だが、ここまで立命館大学の前半得点が、「全て関西学院大学オフェンスのミス絡み」で絶好フィールドポジションを提供したことが起点になっている、という「気持ちの悪さ」を、最後の最後でわざわざ強調した3点献上なので、「得点差7点」といえども、ハーフタームでの試合建て直しの出鼻をくじかれた格好になる。立命館大学ペースで試合展開していることを印象付けたようなイベントであった。

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 試合後半。再びディフェンシブな試合が繰り広げられることになる。関西学院大学前半の諸々の影響も微塵にも感じさせない立ち直り、立命館大学も同様で、LB#52平澤、#91村上、DL#96池永、LB#5菊地、DB#13荻須など、両チームディフェンスの集中力が相手攻撃を上回っていた。

 そんな中で最初にロングドライブなったのは関西学院大学。前半同様、QB#6加藤と#18畑によるノーハードルに撹乱からWR#87小山への2本パスヒットなどで2回のFD更新してフィールド中央へ。オフェンスプレーとしては、ランプレーよりもパスでDBLBの隙間を突くほうが成立しやすい。
 ここからは立命館大学ディフェンスの壁が激しくなりDB#35柘植、DL#95山本のランパス対応で一度は第4Dを迎える。残り3ヤードのショートシチュエーションでRB中央突破をおとりにした右TE#95垣内へのパスだったのだが、立命館大学DB#20矢部がしっかりと対応してFD更新までとした。

 結局、ここからパスインタフェアでさらにFD更新するものの、プレーアクションパスにDL#3南のプレッシャー、その後の中央ラン突破2回ではディフェンスの壁を崩せず。FGフェイクのパントとなった。

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 第4Q残り11分23秒、立命館大学攻撃は自陣5ヤードから。ここのドライブが明暗を分けることになる。試合時間というリミットと7点のビハインドの相乗効果が、両チームのプレーに表れて、そして、気持ちを揺さぶっていく。

 最初は関西学院大学堅守によるなんでもないパントシーンだった。QB#15谷口の中央突破が8ヤードゲインしていた第4Dパント。

 あわよくばパントブロックでフィールドポジションを逆転したい、という気持ちは、パントブロック役という役割を任された者ならば当然やらなければならない仕事になる。
 結果は「ランニング・イン・ツー・ザ・キッカー」の反則で立命館大学にFD更新を許すことになるのだが、飛び込んだ角度が前回と違っていたか、立命館大学壁が思ったほど高くなかった・・そんなところだろう。いずれにしても役割を果たすべく突っ込んだ行為のたままたまの結果にすぎない。むしろ、その後のドライブを止められなかったディフェンス陣は役割を果たしたのか?という範疇の話になる。

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 自陣19ヤードでFD更新した立命館大学は、QB#9松田のパス失敗のあと、WR#25宜本のモーションランで7ヤードゲイン、そして第3D中央突破ランが8ヤードゲイン、大きく割られて連続FD更新となると、立命館大学オフェンスは、40秒の持ち時間を使い切るようなプレースタートに移行していく。

 こうなると、関西学院大学ディフェンスも意識せずにはいられなくなっていく。制限時間と点数。立命館大学攻撃の背中を押し、関西学院大学ディフェンスに緊張を生んで、対比を際立たせていくことになった。

 立命館大学自陣32ヤード。RB#27高野橋の中央突破ラン21ヤードでフィールド中央に。ここで一度はロスゲインを奪うもののWR#25宜本へのミドルパスヒットでFD更新したことで立命館大学ドライブが止まらなくなる。最後はRB#30北川の中央突破で立命館大学が2TD差へと突き放した。
 なお、このドライブ途中に関西学院大学がタイムアウト行使したのは、エンドゾーン手前4ヤード、残り3分17秒での1回のみ。

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 第4Q残り2分26秒。キックリターンで45ヤードからの攻撃となった関西学院大学だったはここで第4DギャンブルシーンをWR#86春日へのロングパス成功で回避、敵陣20ヤードに達すると、再びWR#86春日中央ポストのTDパスがつながって7点差に迫るが、オンサイドキック失敗でここまで、となった。

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 両チームともディフェンス堅守が続く中で、結果を別けたのはミスという試合になった。力の均衡したチームが対戦するときにミスが怖い、というのは、展望観戦記で久しく使わなかったフレーズだが、この試合では前半3個のそれが際立ってしまった。

 立命館大学オフェンスも平常時は、かならずしもドライブできていた訳ではなく、チャートでも判るように関西学院大学ディフェンス優勢だった。しかし、相手からもらったチャンスを活かした最初のシーンと、40ヤードFGを2回も決めたK#17松山のキック力。こうして掴んだ試合の流れモメンタムが、最後の最後に8分52秒95ヤードにつながった。

 関西学院大学オフェンスが付け入る隙間、として強いてあげるならば、ミドルパスをもう少し早い段階で用いていたら変わっていたかもしれない。後半2回目の攻撃シリーズでもゲインしていたのはパスプレーだった。敵陣32ヤードでのFD更新からランプレーが2回続いたのだが、これは結果論だろう。次の攻撃チャンスが第4Q残り2分台になろうとは、この時点では、誰も考えていなかったことである。

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 2009年の関学VS立命のDVD映像を見ながらの駆け込みで展望らいきものをUPしてみたが、この試合の展望を考える上で土台・スタートとなったのは、やはり昨年の試合。

 関学は例年通りいろいろと楽しいこと目新しいことを仕込んでくるだろうことは十分に予測できた。RB#7松岡の起用、QB#6加藤と#18畑の併用、ノーハドルオフェンス、中央フェイクのTEパス等々、ここまで見せない攻撃を展開、ディフェンスもDLLB一部メンバーでポジション交換があったり、3−4パス警戒などのスペシャル仕様となった。

 立命館大学もQB#15谷口と#9松田併用の立ち上がりは関西学院大学ディフェンスを揺さぶったが、その他の時間帯ではQB併用以外ではベースに徹する。一方のディフェンスは、特にLBDBで選手をこまめにチェンジして微調整を図っていた。
 第5節の全勝対決。これまでの4戦とは対戦相手と比べても力量差は大きい。ましてや、一年間の最大目標というほどの対戦相手なので、第4戦までの試合内容でこの対決の展望は、集中力とかスピードなど抽象的な話になってしまう。

 展望や前節観戦記にも書いたように、関西学院大学は前節京都大学戦で、その片鱗を覗かせていた。方や立命館大学は第4節で少し攻守変化を感じたが、文字通り少し(この部分は、私の感受性と観戦姿勢の問題なので、選手チームの実態とは一致しません)だった。

 そこで、頼りにしたのが、過去に第4節までは、イマイチな試合をしながら、最終的には勝ち上がっていった2008年など昔の立命館大学チームの変化。過去にはこんなチームもあった。
 ただし、過去のチームのことは現役選手には何の関係のないこと、過去と比較されても迷惑な話である。
 それでも、チームカラーとして何か受け継いでいるものはないのだろうか、昨年の試合はこれだけども・・という意味で映像を見ながら大過去を振り返ってみたのがあの展望になります。

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 立命館大学は5戦全勝となって、次節は、こちらも5戦全勝の関西大学との全勝対決を迎える。昨年は、第4節の京セラドームでの全勝対決で関西大学勝利となって62シーズンぶりリーグ優勝へ大きく近づいた試合だったが、今年もリーグ優勝の行方に大きく関係する試合となった。なお、関西学院大学にも同率優勝の可能性が残っている。詳細な場合分けの記述は次節展望にて。

 2010年リーグ戦、いよいよ終盤戦です。

(了)




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10月31日(日) エキスポフラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学14262-3-0
近畿大学180-5-0
(現地観戦)
 
京都大学
近畿大学
FG 1Q
G×
1Q
2Q
G×
FG
2Q END
3Q TD
TD
P×
FG
3Q FL
TD 4Q
TD
G×
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 先攻京都大学は#18坂田の56ヤードリターンで敵陣29ヤードスタートとなると、中央パスフェイクのQB#17今村キープでFD更新して敵陣5ヤード。しかしFBダイブで後退し、スイングパスはDB対応、左コーナーTDパスも失敗でFGに止まる。

 その後の京都大学攻撃は、RB#95曽田の中央突破ランが1回は23ヤードゲインを稼ぐものの、かなり早い段階でDLLBに止められるようになる。LB#47乗影、DL#9倉脇、#15青石、#95上村など。
 さらに京都大学RB#21高木、QBキープに近畿大学ディフェンスDLLBの集まりが目に付くようになっていく。

 そして、京都大学オフェンスがパス攻撃メインに切り替えたのが第2Q最後のシリーズ、自陣31ヤードからWR#18坂田左コーナー16ヤードヒット、フェイスマスクの反則も加わって敵陣36ヤードまでと到達する。
 右SEへのTDパスはヒットするものの今度は京都大学にチョップブロックの反則があって向こうに、結局、このシリーズはDB#11池田にロングパスをイオンターセプトされて攻撃ドライブは止まってしまった。ただし、パスに攻撃のきっかけを試合前半掴んだシリーズでもある。

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 一方の近畿大学オフェンスは、QB#7中田とQB#16龍野を交互に起用して攻撃を組み立てる。WR#88小野澤へもショートパスヒットはあるものの前半で最もゲインしていたのはQB#7中田のキーププレーだった。

 第1Q最後、フィールド中央からキープ30ヤードはパスフェイクで前が大きく開いたところを走り抜けたもの、これで敵陣26ヤードに達するが、右縦パスを京都大学DB#24大岡がインターセプトして敵陣1回目は終了。

 しかし、次のシリーズもQB#7中田の右OTが19ヤードのビッグゲインとなると、今度はRB#29藤井、#27福田がショートゲインながらも中央ゴリ押しでFD更新、敵陣侵攻で近畿大学オフェンスに勢いが突いた。
 その後WR#88小野澤ショートパスヒットと京都大学オフサイドで敵陣19ヤードでFD更新、左FLの右オープンプレーでエンドゾーン前1ヤードに達する。

 しかし残り1ヤードは中央ランをLB#84福田に跳ね返されてロス、ショートパス失敗、第3DもパワーIの中央ラン突破を京都大学ディフェンス陣の壁が厚かった。

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 こうして試合前半は、3−3.ともにFG1本づつの同点に終わる。均衡した試合だが、京都大学はパス、近畿大学はQBキープランである程度のオフェンスゲインが見込める状態。ここに他のプレーで色付けしていきたい状況で後半開始

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 後半先攻は近畿大学。

 再び、QB#7中田のキープで51ヤードのビッグゲイン、そしてQB#16龍野の右オープンキープランはナイスブロックも加わってTDプレーとなる。
 しかし、先のビッグゲインでQB#7中田が負傷してしまい、以降の攻撃シリーズでは出場せず。QB#16龍野によるオフェンスとなるのだが、オフェンスリズムが整うまでに時間を要してしまい、結果、これが後半の得点の開きにもなっていく。

 一方の京都大学は試合前半で感触を得たパス攻撃で畳み掛けるようなオフェンスを開始。自陣22ヤードからRB#95曽田のショートゲイン3回とWR#83木原の8ヤードでフィールド中央に達すると、中央縦のロングパス。WR#10杉本へのポスト45ヤードがTDパスとなって7点追加する

 さらに近畿大学パント時の膝付きで敵陣18ヤードという攻撃権をFGにつなぎ、近畿大学パス判断に迷っている間のQBサックからのファンブルターンオーバーでも、WR#83木原、#18坂田、TE#87畠野へのミドルパスを繋いでTD、第4QにもWR#83木原へ38ヤードTDパスを決めた。

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 近畿大学オフェンスはQB#7中田の負傷退場以降パスではQB2連続サックとなったり、ランプレーゲインしても反則取り消しなど、攻撃のリズムがつかめない。 第4QもスクリーンパスをDL#98盛田にインターセプトされてしまう

 ただ、試合の大勢が決してからではあったが、第4D終盤、WR#88小野澤、#87酒道へのパスを繋いで1TD&2ポイントPAT成功で8点差まで迫ったのだが、残り時間わずかで、同点に追いつくまでには至らなかった




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10月31日(日) エキスポフラッシュF 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学10101-4-0
神戸大学14142-3-0
(現地観戦)
 
甲南大学
神戸大学
1Q TD
FL
TD
1Q
2Q
FG
RFL
TD
2Q END
3Q
3Q
4Q
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 先攻神戸大学が#87東江による52ヤードのビッグリターンて、いきなり敵陣30ヤードスタートという絶好の得点チャンスを迎える。QBには#7林は入ったり、#22木内、#29種になったりとめまぐるしく変わり、ボールキャリアもQBあるいはRBの#7林、#22木内、#29種というようにハンドオフ・ピッチ。キープとディフェンスを混乱させる工夫が入る。こうして30ヤードを様々なランプレーで神戸大学がドライブして先制点を獲得する。

 さらに次の甲南大学攻撃途中、雨の影響か足を滑らせてしまったこも影響してボールをファンブル。
 こうして神戸大学2かいめの攻撃も敵陣23ヤードスターというラッキーが続く。
 そして、前回同様に中央ランプレーはFB#98寶田、OL#70日野の好ブロックもあってゲインを重ねて再びランドライブによるTD獲得となった。

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 試合立ち上がりに、ビッグリターンとファンブルターンオーバーから2TDを獲得した神戸大学だが、その後のオフェンスはチャートでも判るように、FD更新がやっとという状態が続く。

 RB#22木内、#29種の中央突破や#81岡本パスヒットなどはあるものの、甲南大学DL#52吉田、#47尾崎のQBサックロス10ヤード、LB#6内芝のピッチプレーへのロスゲインタックル10ヤード。さらに前半はゲインしていた中央突破のランプレーも甲南大学DL99などディフェンスの集まりが早くノーゲインが続いた。

 神戸大学攻撃的には攻撃手段が尽きた状態なのだが、神戸大学ディフェンの健闘によって、試合得点では第1Qの2TD14点で神戸大学が終始リードしている状況。

 さらに神戸大学パントキックで第3Q終盤に絶好のフィールドポジションを確保したことが大きかった。次のパンとではエンドゾーンタッチバックになってしまうのだが、神戸大学ディフェンス堅守との相乗効果で、甲南大学攻撃がなかなか神戸大学側陣に入れない

 こうして第4Qには残り時間を見ながらの時間消費ドライブも加わって、神戸大学が2TDで逃げ切り勝利となった

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 甲南大学オフェンスも、第2Qでは時間12分のうち11分近いボール攻撃時間を使い1FG1TDを上げる。

 第2Q自陣30ヤードスタートの攻撃。RB#26高谷が復帰したのだが、いまだ本調子ではないのか、本来の走りのキレがない状態だったが、そこをRB#29三谷のスピードがカバー。自陣30ヤードから10ヤード突破、左SE#3永吉へ17ヤードパスヒットで敵陣侵攻すると、RB#26高谷へのショベルパスがブリッツとのすれ違いになって16ヤードゲインと攻撃にリズムが出てくる。

 だが神戸大学ディフェンスもDB陣が最後列を死守した。敵陣34ヤード、RB#29三谷のスピードに乗ったOTランプレーはDBがかろうじて10ヤードに止める。

 そして甲南大学にファンブル(甲南大学リカバー)と交代違反の反則。これで甲南大学リズムに乱れが生じたか、それとも神戸大学ディフェンスがいきおいにのったか。第3D10ヤードのシチュエーションでRB#26高谷の中央突破ランを神戸大学DB#17種田と#20川口が7ヤードに仕留めてFG3点とした。

 しかし、次の甲南大学フリーキックがショートしたこともあって神戸大学リターナーがファンブル、こぼれたボールを甲南大学が確保して、再び敵陣35ヤードで攻撃権を獲得する。

 神戸大学DB#13小川パスカット、WR#7仲野へのスクリーンも反応よく7ヤードゲインに止めて第4D、甲南大学はギャンブル選択してWR#3永吉へのインパターンはFD更新ギリギリの5ヤードゲインとなって攻撃がつながる。

 QB#11松延とレシーバー陣の好連携が続いていて、その後、LB#8長渕のQBサックやCBパスカット等神戸大学ディフェンス堅守も続くのだが、第2Q残り7秒、ギリギリのところで値千金のTDパスがWR#7仲野へヒットする。
 2回連続FGでは後半に向けての勢いがつかなかったが、第2Q最後の最後で甲南大学パスユニットが魅せた。

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 こうして甲南大学10、神戸大学14。得点差はわずかに4点。なのだが、雨天の影響なのだろうか、甲南大学オフェンスが第3Qに再びランプレーを仕掛けたこと、これに対して神戸大学DL#90福島、#92白石が甲南大学ラインを抜けてボールキャリアにロスタックルを見舞う。
 第4Q残り7分16秒のシリーズでは一転してパスを試みるも、LB#8長渕、#3花だがスクリーンパス・ショベルパスに反応してショートゲインすし止めるファインプレーが続き、第3DWR#85前田へ10ヤードパスヒットでもFD更新できず。
 甲南大学はここでタイムアウトを取って第4D1ヤードを検討したが、パントを蹴ることになる。
 しかし最後の攻撃は自陣23ヤード、残り43秒となって、ロングパスで敵陣侵攻を目論むものの神戸大学DB#34吉江にインターセプトされてしまい、タイムアップを迎えることとなった。

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 この結果、第5節を終了した段階で神戸大学と京都大学が2勝3敗で並び、1勝4敗に同志社大学と甲南大学、そして近畿大学5敗という星勘定になる。

 現時点で、リーグ戦勝ち越しとリーグ戦4位を両方とも達成できる可能性を残すのは、神戸大学と京都大学のみ。そして次節は両校が「リーグ戦勝ち越し&リーグ戦4位」を賭けて対戦する。

 2010年リーグ戦、終盤戦です。




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