関西学生アメリカンフットボール Div1 第7節



11月21日(土) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学





関西大学







 2009年リーグ戦も、とうとう、最終節を迎えることになった。春夏を経て8月最終週以降、悲喜交々のリーグ戦白星と黒星が交錯したが、それも今最終節で決着する。

 リーグ戦ここまでの戦績は、関西大学が唯一全勝チームとして1位をキープ、立命館大学と関西学院大学が1敗で関西大学を追う展開になっている。

 関西大学は前節でとりあえず61年ぶりの優勝を決めたものの、まだ大学選手権への出場権利は獲得できていない。そのためにはこの甲南大学戦を引き分け以上することが必要になる。
 もしもこの試合で負けることがあれば、大学選手権の出場権利をかけて立命VS関学の勝者とプレーオフを行うことになる。(万が一にも立命VS関学が引き分けるようなことがあれば、その時点で、関西大学単独優勝が決定するが・・・、)

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 関西大学前節は同志社大学戦。私の戦前予想とは全く違う展開になって関西大学が完封勝利した。

 今年の関西大学オフェンスは、バックスポジションで昨年メンバーから数名が交代しているものの、QB#14原口、#22松森やラインなど、基本部分はほぼ同じメンバー構成になっている。
 したがって昨年のオフェンススタイルをそのまま踏襲してしまう可能性もあったのだが。ここまで大きくスタイル変化できるものかというくらいに驚くほどぼ変貌を遂げた。

 今年の関西大学攻撃は、関学・立命戦でロースコア逃げ切りの試合になっているが、それでもオフェンス手詰まりになって頭を抱えるようなシーンは、今シーズンほとんどなかったはず。
 敢えて探してくるとすれば、第2節雨中の神戸大学戦になるか。どのプレーで前進しようか手探りしていたような時間帯があるが、今シーズンのオフェンスが手詰まって頭を抱えたところを無理矢理に挙げるとすれば、、唯一、ここだけだろう。
 もちろん関学立命戦ではタイムコントロール含めて全てのプレーに丁寧慎重は求められている緊張感はあるのだが、それでも慌てるシーンを見ていない。ここが昨年までと今年とで最も大きく異なるところになる。

 バタバタするサイドライン、あせるQB、パニくるオフェンス陣という経験がないところは、今後の試合において気になるところではあるのだが、とりあえず大学選手権出場を決めてから考えよう。

 ところで、王国では「関西大学変化の芽を見極めることができなかったのが痛恨」とのこと。こちらAK’sはアメリカンフットボールの知識において王国のはるか足元にも及ばないものの、試合観戦数だけは王国に誇れる点になる。(数をこなしても実になっていない好例・・)
 そしてAK’sなりに、ここかなと思う時期は掴んでいる、と思っている。
 チーム関係者から見れば的外れ、だとは思うが、もしも関西大学が単独優勝を決めるようなことがあれば、そして、何かの機会があれば、「私の感じたこと・考えたこと」としてコメントしてみたいと思う。

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 偏った内容になってしまいましたが、今しか書けないことなので、御容赦ください。

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 甲南大学前節は近畿大学と対戦して白星を獲得するとともに入れ替え戦出場回避を決定した。試合展開上は甲南大学優位のまま時間が経過したので、近畿大学攻撃に今シーズン最多得点を奪われているディフェンスというフレーズは、保留にしておいたほうがよい。

 ただし、この最終戦関西大学戦においては、やはり、甲南大学ディフェンが関西大学の攻撃を止められるか、というところが最大ポイントになるのは否定できない。
 DL#67塚本、#69金子、#44安楽、LB#52中田、#42平瀬などなどとDB#19川崎、#23豊福、#24田中、#34永井などのプレー反応にもう一度注目したい。ディフェンスが僅差の展開に持ち込んで・・・という試合ストーリで関西大学を慌てさせるような試合展開にしたい。

 ところで甲南大学は、この試合が2009年公式戦の最終戦になる。開幕戦で神戸大学戦引き分けて第2節京都大学戦勝利して開幕ダッシュの勢いがあったが、第3節立命と第4節関学戦で流れが断ち切られたかのような第5節同志社大学での僅差敗退を喫している。
 第3・4節をトップスピードで駆け抜けられなかったのは、今年特有のインフルエンザとか、もしかしたら、怪我人続出とか、外から見ているだけでは判りえないところですが、勢いがあったので本当に惜しいシーズンだった。

 そんなこんなもありながらも、最終戦なので今年のチームの集大成としての試合を楽しみにしています。

 今年の甲南大学オフェンス4年生は、WR#81大槻、#14国田、#81宅和と優秀なレシーバーが揃った学年で、一昨年あたりからパスターゲットとして大活躍している。OLは負傷者が多い様子だが、最後にRB#26高谷のランホールを空けて次代につなぎたい。
 そしてQB#13京極オプションが絶妙なチェンジオブペースとなって、手詰まり感のあるQB#11松延の攻撃シリーズよりテンポアップするシーンも多かった。両名の使い分けはその日のコンディション等々のプランで成されているところだが、UB#1寺内との連携によるオプションの切れは、もう一度見ておきたいプレーの一つ。さらにP#28板谷のコントロールパントも必見です。










11月22日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
同志社大学





近畿大学







 同志社大学前節は関西大学に完封負けを喫している。オフェンスがいきなりパスインターセプトされてしまい、そのまま試合の主導権も関西大学に握られたままタイムアップを迎えてしまった。私的には少々思い入れがあっただけに残念。

 今春から同志社大学の試合を見てきたが、エース的な存在はないが、まとまりのあるいいチームだった。オフェンスは、春から攻撃手段にめどがつきそうな勢いだった。
 なんと言っても今年初めてスターターとなったQB#8佐藤のパフォーマンスがしっかりしていたところが大きい。攻撃の起点が安定していたところも攻撃チームの完成までの時間を短縮させたように思う。RB#22重坂、#34河野、#45中村、#41土井、TE#86清松、WR#82黒田、#81和田、SB#21小寺、#46青木等々。バランスのいいチームで、春最終の名城大学戦観戦後から、今年は白星を何個重ねるかと楽しみだった。
 リーグ戦は開幕からの2戦は黒星だったが、その後、破竹の3連勝は同志社大学チームとしても久しぶりの経験で、この勢いが前節関西大学戦で・・・という私の考えだったのだが。

 ディフェンスチームの完成は秋リーグ戦になってからだったが、春からDLLBDBともにスキルの高い選手が揃っていたので、あとは、ディフェンス網としてまとまっていけば・・と思っていたところ・・。
 第4節京都大学戦、第5節甲南大学戦は、ディフェンス集中力が勝因の一つになっている。DL#39西田、#43栗山、#96大西のラインメンとLB#4辻田、#53藤田、#57杉垣による第2列は、タックル精度の高いかつスピードのあるフロントを構成した。
 そしてDB陣も最後にはDB#24岡、#23富のスピードと待ちの判断、そしてDB#5中嶌、#2福田、#29岸田のパスカバーレシーバーマークもしっかりしている。同志社大学ディフェンスにアグレッシブなメンバーが揃ったシーズンだった。

 今年の同志社攻守メンバーをもう少し見たい、もう少し時間があればもっと成長しそうな、そんな夢のあるチーム。残念ながら、今年のメンバーでの最終戦を迎えてしまった。学生スポーツなので止むを得ないところなのだが。

   攻撃はQB#8佐藤起点にさまざまなボールキャリアがいろいろなコースでランにパスにと多彩な展開を、そしてディフェンスは、少し勢いづいてきた近畿大学攻撃に対してフロント陣のパワースピードと正確なタックル、さらにDB陣のオープンランケアとパスディフェンス。
 今年のチームでの最終戦。関西大学戦敗戦から立ち直って、同志社大学チームカラーを遺憾なく発揮した最高のパフォーマンスを本当に期待しています。










11月22日(日) 西京極陸上競技場 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学





神戸大学







 この試合は、残念ながら入れ替え戦出場校決定戦になってしまった。

 神戸大学今シーズンの最多得点は、近畿大学戦を除くと開幕戦甲南大学戦の23点になる。この試合は、西京極と王子の同時開催だったので観戦していないのだが、このときのオフェンスはどのようなだったのだろうか。
 翌第2節関西大学戦では、関西大学の強力なディフェンス陣を前にして少々オフェンスパフォーマンス低下はあったものの、個人的にはいい印象はあった。しかし、試合を重ねるにつれて攻守とも少しずつ歯車が乱れていく。結局開幕戦を観戦しなかったことは、後悔のタネになっている。

 対する京都大学も、開幕関西大学戦でRBのスピードと関西大学パスディフェンスに追い込まれて大差敗退するところから今シーズンが始まった。その後、少しずつチームを立て直したものの、黒星先行のままシーズンが過ぎていく。前節は関西学院大学から白星をモギ取れる寸前にまでに変貌を遂げた。
 開幕戦、もしも全く違う展開から白星になっていたら、それこそ全く違うシーズンになっていたかもしれない。その時は、当然の如く関西大学も全く違うシーズンになっていた。過去のある時期を振り返っても意味のないことだが、今シーズンを別けた大きな意味のある試合だった。

 そして神戸大学の開幕戦を観戦できなかったのは、西京極で京都大学VS関西大学を観ていたからという私にとっては縁あるカードです。

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 ここで、いつものようにどんな試合になるか試合をわけるポイントや注目したい見所ポイントを示していくところなのですが、すみません。時間切れです。申し訳ありませんが、今回は省略します。










11月23日(月) 長居陸上競技場 13:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





関西学院大学







 リーグ戦ここまでの戦績は、立命館大学・関西学院大学ともに1敗していて、その1敗はいずれも関西大学戦での黒星になっている。この試合展望を執筆している時点では当然の如く土曜日の関西大学VS甲南大学結果は判っていない(土曜日午前中までUPできれば、だが・・)。しかし、この試合が開催されるまでに、プレーオフ出場権をかけた試合になるか、それとも2・3位の順位決定戦か決定している。

「一つ一つの試合に対して真摯に決着をつける、その積み重ねが、たまたま、リーグ優勝」というのが本来のリーグ戦でのあるべき姿だということを改めて認識した今シーズン。
 それぞれに目の前の対戦相手にリスペクトの念を抱いたか。対関学・対立命と同じ重みを持って臨めていたか、来年は同じ重みを持てるかどうか。だが、来年のことは来年考えることにしよう。

 この試合も重要度は1/7なので、前者の試合になっても後者になっても、同じパフォーマンスで試合が繰り広げられるはず。試合に出場するのは4年生だけではないので人それぞれだが、アメリカンフットボール生活X年の集大成だったり、それぞれの立場で終止符を打つ試合になる。

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 関西学院大学オフェンスは、試合を重ねる毎にQB#6加藤のパスが通るようになってきた。WR#87柴田はインサイドレシーバとして、WR#18萬代はSEロングターゲットを基本に、いずれもショート〜ロングレンジで様々なパスコースを担当している。
 もう一人のWRとでの3人体制でミドルロングレンジにレシーバーを放り込みたい。LLBのプレッシャーをかわすことができればだが、そてはクイックヒットパス精度があれば、例えばTE#95垣内へのショートパスがミスなく通れば、DLLBのプレッシャは少なくなる。
 RB#7松岡のスピードと復帰なったRB#38平田も加わった関西学院大学オフェンス陣容は、OTプレーとパスのコンビネーションとQBスクランブルで攻撃プランは出来上がる。立命館大学パスディフェンスの隙間を巧妙に突くことができれば、オフェンスドライブはできるだろう。

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 立命館大学オフェンスは、前節で新たなRBが登場してきたが、おそらく、今回この試合の鍵を握っているのではないだろうか。

 立命館大学RB陣は、#27高野橋、#39川端、#10北川がここ数試合のキャリー数順(概算)になっている。
 リーグ戦開幕当初には、さらに言えばもう少し人数が揃っているのだが、最近は上記の少数固定メンバーによるローテーションになっている。選手層としては必ずしも薄くはないチームだと思うのだが、実戦起用されている選手が少ないので、やはり層が薄い、ということなのか、よくわからないところです。

 こんな苦しい台所事情のRB陣にあって、前節神戸大学戦でQB#15谷口が登場してきた。技巧派スピード系のランナーが多い中でFBタイプのパワーランナーとして期待したい。
 立命館大学今シーズンの某試合において、途中で交代出場してくるのが#15谷口だったら相手チームにとってはイヤだろうな、と思う瞬間があった。実際には違うQBが出場してきたが、そのときは出場できないなんらかの理由があったのかもしれない。

 春から充実していたOLは、#73余合、#59浅野、#50岩田、#56市川、#55岡崎など。何名かバックアップメンバーとのローテーションを重ねながらも、今シーズンで唯一問題のなかったポジションといえる。
 そして立命館大学攻撃プランは、昨年と同じように、OLブロックによるRB中央突破ドライブが延々と続く、こんな展開が繰り広げられることになるか。

 復帰なったQB#11松田(大)と今年前半戦のオフェンス屋台骨として大活躍だった#9松田(竜)、そしてQB#15谷口による攻撃司令塔によるノーハドルオフェンス。
 パスターゲットはWR#2宜本、#80宜本、TE#99荒木。パスとスクランブルと、そしてラインブロックによるRB中央突破ラン。これで関西学院大学ディフェンスを揺さぶる。

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 さて、この試合の展開予想だが、負の要素を挙げないといけないところが残念だが、今シーズンここまでの試合を見る限り点の取り合いになるのではないだろうか。両チームとものディフェンスが、案外早い段階から機能しないかもしれない。

 立命館大学ディフェンスは、パスディフェンスが甘いことと、リーグ戦開幕前に思っていたほどにはDLプレッシャーが厳しくないので、結果、パスが通りやすい。
 第4節関西大学戦ではQBのロールアウトからのスクランブルとパスで振り回されたが、関西学院大学QB#6加藤も同じような攻撃スタイルになりそうなので、おそらくはこの対策はなされているはずだが。

 DB陣のパスカバーとランのバランス判断に関するところと、DLLBの前へのプレッシャー量、そしてタックル精度や選手間の連携の部分など。このあたりが立命館大学ディフェンスの注目ポイントになりそうだ。

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 一方の関西学院大学ディフェンスは、今シーズンも中央ラン突破を止められない試合が続いた。前節京都大学戦でQB#10桐原キープランと判っていながらも確実に10ヤード近いゲインを許している。
 その後二週間しか経過していないのだが、立命館大学OLとQBRBのパワープレーに対して、あれから策が出てきたか。最大注目ポイントが、ここになる。

 前節京都大学戦では今年のディフェンス方針だった4−3を途中から3−4に変更して対応しようと試みた。DLは#96長島、#45梶山、#91村上など揃うがトータルで見るとパワー系というよりはスピードを身上としたラインメンになっている。

 ところで私の勝手な思い込みなのだが、京都大学戦で3−4にセットしたとき、これは対立命館大学戦用のプレーとして準備してきた?あるいは、両方の試合ように準備していたフォーメーションだったのではないだろうか。
 昨年の3−4スタイルを敢えて今年も採用するというのは、戦略としては面白いかもと、他意なく真剣に思ったりもしています。

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 以上、オフェンス視点に立てば、QB#6加藤のミドルパスがヒットして得点を重ねていく関西学院大学と、中央ラン突破を繰り返すパワードライブで得点を重ねながら試合時間のコントロールも行っていく立命館大学、という対決の構図になる。

 そして、これをディフェンス視点に立つと、どちらのチームから見ても、相手攻撃を止める有効な手段が(前節までの試合を見る限り)見出せていない。つまり、前節までのディフェンスパフォーマンスそのままならば、両チームとも攻撃得点が積み重なっていく一方の試合にならざるを得ない、と思うのですが、いかがでしょうか。

 立命館大学オフェンスがランドライブにどのくらい時間をかけるか、にもよるが、攻撃機会は前後半それぞれ4回ずつくらいになるか。攻撃回数の半数が得点になったとして4TD28点付近。ここを最大到達点にしてディフェンスの健闘で点数が減少していく。(前後半各4シリーズならば合計5TD以上には、さすがにならないだろう。ことを願っています。)

 ただし懸案事項としては、立命館大学のランドライブは時間がかかりそうだが、関西学院大学パスはミドルヒットからのランゲインで都合一発TDプレーになる可能性もある。
 したがって、試合終盤まで点数僅差のまま推移したならば、最後に攻撃権を持っているのはどちらか、ここは緊張のシーンになるだろう。

 僅差接戦のまま試合終盤に突入するならば関西学院大学が優位に立つ。しかし、立命館大学が2TD差以上リードして終盤になれば、立命館大学優位。

 そして最後は、攻守ともに集中力と執念・こだわりの勝負になる。

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 2009年リーグ戦はこの試合が最後です。長居陸上競技場。

 ここ数日は寒さが厳しいですが、ボウル型屋根付き競技場なので、風は遮られやすいです。座席はゆったり。バックスタンドのみですが、晩秋の陽があたっています。
 テレビ生中継もありますが、「やっぱり見に行けばよかった」と後悔するかもしれないと思うのであれば、今回は是非、現地にて。お待ちしています。










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