関西学生アメリカンフットボール Div1 第5節



10月24日(土) 王子スタジアム 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学1031014374-1-0
神戸大学000001-3-1
(現地観戦)
 
関西学院大学
神戸大学
FG 1Q
TD 1Q
2Q
FG
END 2Q
3Q
TD
FG 3Q
4Q G×
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学最初の攻撃。QB#6加藤からRB#7松岡のオープン18ヤード、WR#18萬代に14ヤードさらにWR#1松原へはスローバック気味の15ヤードとミドルゲイン連発した。だが、敵陣4ヤードでのFD更新後はランプレー3回でエンドゾーンに届かない。

 次のシリーズでは再び自陣からロングドライブ。DBWR競争でDB#17種田に競い負けするレシーバー陣があったりする中で、ターゲットWR(IR)#87柴田だけは別格の存在になったと感じさせるシリーズになった
 スローバック15ヤードを皮切りに、セイフティバルブになったり縦ミドルレンジ20ヤードターゲットになったり。他にも信頼できるレシーバーも存在はするが、試合出場数とパスキャッチ経験などを総合的に加味して考えると、QB#6加藤とのホットラインとして名実ともに攻撃のキーレシーバーになった。
 このシリーズは最終的にはエンドゾーン前2ヤードでのFD更新から、RB#38平田が中央突破して待望のTD7点を追加する。

 第3シリーズは、TE#95垣内、RB#7松岡、#38平田、#99河原というメンバーで再び自陣からドライブするが、敵陣10ヤード付近での第3D、スペシャルプレー自由の女神でボール交換でミスってしまった。結局、前半2回目のFG3点に止まる。

 なお関西学院大学2回のパントは、神戸大学ディフェンス堅守によるもので、DL#10東松、#72白石、#LB#3花田による強烈なプレッシャーを受けて15ヤードロスゲインによるものと、DL#97庭山による8ヤードロスから2回のミドルパスが決まらずで、第4Dパントに至る。
 神戸大学DBでは#17種田が判断よくロングパスやスローバックに反応してWR競争に勝利するボールへの執着心の高さを見せた。

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 結局試合前半の関西学院大学オフェンスは3〜4回の自陣から敵陣へ侵攻するドライブを見せてはいるものの1TD2FGの13点に止まってしまっている。

 イメージ的には関西学院大学攻撃は進んでいるように思えた。実際チャートを見てもピンクの長い線が3〜4本ある。反対に神戸大学はFD更新すら儘ならない状態。
 最初の3シリーズ連続で一気に得点したこと、攻撃自体は自陣から進んでいたので、関西学院大学優勢の印象があったのだが、ハーフタイムでふとスコアボードを見ると、わずかに13点。あらためてメモを見て1TD2FGという事実にあたった。

 後半先攻は神戸大学だったので、何かの拍子で神戸大学に得点が入ると、試合の流れが変わってしまいそうな微妙な得点差で後半戦に突入する。

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 第3Q。しかし先に得点をあげたのが関西学院大学で、試合はそのまま同じようなペースで進行していく。
 関西学院大学は4分ドライブで追加点を獲得、さらにWR#1松原へのミドルとQB#6加藤スクランブルで得たフィールドポジションをFGに結び付けてセイフティーリードを獲得すると第4QからはQB#11糟谷に交代する。
 そしてQB#11糟谷もWR#80小山との連携をはじめショットガンセットから同じプレースタイルで2TDを追加してバックアップQBの立場を明確にした。

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 一方の神戸大学オフェンスは、WR#24大園やRB#9松村のカウンター、さらにWR#7稲垣へのミドルパスなどでFD更新するものの、コンスタントには攻撃が進まない。DL#52平澤やDB#4香山、#14吉井のインターセプト等関西学院大学ディフェンスの動きが相対的には際立った試合だった。






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10月24日(土) 王子スタジアム 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学1421213595-0-0
近畿大学00100100-5-0
(現地観戦)
 
関西大学
近畿大学
1Q FG×
TD
TD 1Q
2Q
TD
TD
RTD
2Q END
TD 3Q
TD
TD
TD
3Q FG
4Q
FG
G×I
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西大学がリターンTD含む連続8TDと1FGで59点を獲得し、今シーズン関西学生最高得点で勝利した。なお近畿大学も1TD1FGで今季最高の10点を獲得している。ここまで白星なしの近畿大学なのだが、なぜか完封負けは神戸大学戦の1試合のみ。残りの4試合では何らかの形で得点をしていて、今回関西大学戦ではとうとう2桁になった。

 ちなみにこの試合の関西大学ディフェンスチームは、全体的に重たい感じで乗りがよくはなかったことと、さらにDL欠場者の存在もあって、これまでの試合とは少しバランスが違っていたところもある。
 近畿大学得点は第3Q中盤なのでメンバー交代も若干加わった時間帯ではあるが、第1Q最初のパスドライブではメンバー交代云々の話は関係ない。

 近畿大学QB#8荒木からWR#24秋田と#88小野澤へのパスが試合を重ねるごとにヒットするようになってきている。
 ただし、WR#24秋田と#88小野澤という2名固定ターゲットというところがRB固定と重なってしまう。対戦相手が完璧にマークされたときに第3ターゲットが存在するか、だが、春の試合を見る限りでは、もう少しターゲットは増えてもいいはず。

 近畿大学の次節は甲南大学戦。QB#8荒木とレシーバー陣のパス攻撃に更なる成長があるか、を見所ポイントとして挙げておく。
 甲南大学のパスディフェンスには少しだが不安があって、近畿大学オフェンスの得意とするところと合致してしまっている。固定ターゲットだったときに甲南大学DB陣パスカバーが上回るか。このあたりが試合を分けるポイントになりそうだ。

 なお近畿大学RBは相変わらず#29吉田オンリーの起用で、足元がもつれながらもプレーするという状態が続き、その後、負傷退場救急車という事態になった。

 以上、近畿大学の観戦記と次節展望を兼ねてみました。

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 関西大学は、上記のように連続8TDという猛攻となった。QB#14原口がスターターとして第3Q途中までオフェンスを指揮、その後はQB#18井上が交代出場して試合経験を積んでいる。
 ただし、QB#14原口メインの時間帯においてQBに#16岡がセットするシーンが何度か2?3回あった。

 最初のTD得点シーンでもQB位置に#16岡がセットするトリッキーなプレーが引き金になった。
 QB#14原口からピッチを受けたRB#22松森左オープンスイープ31ヤードゲインでフィールド中央に到達した第2D。QBに#16岡がセットしてRB#1藤森カウンター左オープンラン、2個のトリックでディフェンスに一瞬の迷いが生まれる。そのスキを突いた44ヤードTDランで先制する。

 第2シリーズではランパスショートゲインを重ねるものの第4Dショートを迎えてパントキックへ。しかし40秒タイムマネジメントミスも重なって止むを得ずタイムアウト行使と攻撃リズムは悪いものの、最終的には第4Dギャンブルに変更してFD更新すると、RB#22松森のOT18ヤードTDランで得点を追加した。

 第2Q早々の自陣32ヤードからの攻撃シリーズでは、FB#20有谷のダイブのショートゲインや、RB#1藤森スピードラン、ノーバックWR#16岡へミドルヒットなどのミドルゲインを重ねて7点追加。
 さらに次のシリーズでもWR#10辻へのスローバックパスとRB#5播川左オープンランは、松森藤森のスピードと違わない高速ランでエンドゾーンへ駆け込んでいる。

 その後、第2Q終盤にDB#8飾磨の40ヤードインターセプトリターンTD、第3Q開始第1プレーでRB#5播川が再びの超高速スピードでディフェンスを置き去りにした63ヤードTDと、#22松森の86ヤードパントリターンTDと、瞬く間に点差が広がっていく。
 そして第3Q中盤にはQB#14からWR12ヤードパスヒットと、交代したQB#18井上のピッチを受けたRB#22松森の51ヤードのTDラン。第3Q再開後の関西大学オフェンスは2シリーズ合計3プレーで2TDを獲得するミラクルも加わって関西大学が勝利した。

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 この日の関西大学オフェンスは、要所では新たなキャリアを登場させて経験を積んだり、1プレー限りのスペシャルを試みてほぼ成功させている。ディレイの反則やRBオープンプレーにブロッカー全くなしなど、細かく見れば疑問な点もなくはないが、それなりに挽回もしている。

 ディフェンスについては、冒頭に記したように若干動きが鈍かったところもあるが、この試合の得点の広がり方等を見れば、十分すぎる。前節で達成した「唯一全勝チーム」という事実が、悪い方向に影響しているのか否かという点では、攻守ともに全くなし、という試合だった。

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 さて、関西大学次節は、再び「優勝」の文字がちらつく試合になる。関西大学はあと1勝すれば61年ぶり関西学生リーグ優勝で、残り2戦2勝すれば関西学生リーグ単独優勝となる。

 では第6節と第7節で、どちらがやりにくいか、だが、私は第6節ではないだろうかと考えている。(同志社大学・甲南大学という対戦相手のことを抜きにして考えたときに)

 もしも第6節で勝利すれば、その勢いで第7節を乗り切ることができるのではないか。勝利の余韻でプレー散漫になることも、そろそろなくなって来ている頃だろう、むしろ、今年のチームで出来る試合数が少なくなってくるので、より一層まとまってくるはず。したがって、第6節で勝利したならば第7節で緊張することは、おそらく、ない。そして、もしも第6節で敗退すれば、それは別の話になる。

 その第6節での対戦相手となる同志社大学だが、開幕から2試合は黒星だったが、その後は3連勝していて勢いがある。オフェンスのまとまりと辛抱、ディフェンスもまとまりと辛抱で神戸大学京都大学甲南大学といずれも丁寧に試合をコントロールしながら自分のペースに持ち込んで3個の白星をもぎ取った。
 その冷静かつ丁寧な部分が、関西大学に対しても発揮できるならば・・・もしも関西大学側に隙間があるようだと、そこに入り込んで割ってくるかも。
 ところで、丁寧な我慢な試合運びという特徴は、今年の関西大学攻守にも当てはまるところが多い。

 第6節の関西大学VS同志社大学。試合展開によっては、もしかしたら、かなり重たい試合になるかもしれない。


 以上、関西大学についても観戦記と次節展望を兼ねてみました。







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10月25日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
甲南大学01000101-3-1
同志社大学7700143-2-0
(現地観戦)
 
甲南大学
同志社大学
1Q
1Q TD
FG 2Q
TD
TD
G× 2Q
3Q
G× 3Q
4Q
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 同志社大学は最初のシリーズでQB#8佐藤からWR#11へ8ヤードクイックパス、RB#41土井、#45中村の中央突破ラン各8ヤードなど刻みながらもFD更新を繰り返して、自陣36ヤードから敵陣35ヤードに到達する。
 そして再び#11へ8ヤードパスヒット後の第3D、右SB#46青木の左クロスパターンはQB#8佐藤左ロールからのヒットとなって23ヤードゲイン。これで敵陣8ヤードに到達すると、OL#69中野などのブロックもあって右ピッチを受けたRB#34河野のカットインでエンドゾーンに飛び込んで同志社大学が先制した。

 続く甲南大学は、自陣10ヤード付近から#34永井によるリターンTDが反則で取り消しになるものの、QB#11松延からWR#10戸田、WR#14国田右サイド縦クイック10ヤード2回ヒットなどで前進を重ねる。
 いずれもRB#26高谷へのワンフェイクが効いたプレーで、甲南大学最初の攻撃シリーズで3連続RB#26高谷キャリーだったこともあり、ディフェンスの動きが瞬間止まってクイックパスヒットとなっていた。
 しかし同志社大学陣14ヤードでのFD更新後からは同志社大学LB#53藤田、#57杉垣のファインプレーが続き、甲南大学はFGで3点獲得までとなった。

 それでも甲南大学は次のシリーズでQB#11松延から右WR#18大槻へ70ヤード超のロングポストがヒット、一発逆転TDを獲得している。
 このときの同志社大学DB陣は4人セット。甲南大学は右サイドに3人のレシーバーを置いていたのだが約1名が浮き気味だったこと、さらにその3人が一気に縦に上がったことでカバー人数不足となってフリーレシーバーが生まれた。

 ちなみに、第2Q最後の甲南大学攻撃でもQB#11松延からWR#18大槻への同じパスパターンをコールしている。フィールドポジションは敵陣へ入ったあたり。第3Dで残り時間1分を切っていたのでロングパスのコールは十分にありえた。
 ただし同志社大学は、おそらくここの時間帯だけだったと思うがDB5人体勢。それでも右WR#18大槻の縦ロングパスはDB陣を抜き去ってはいたのだが、5番目のDB#29岸田が諦めずに追いかけて最後の一伸びでパスカットというファインプレーを披露した。

 この日の同志社大学ディフェンスは、このプレーを筆頭に、試合時間経過とともに随所にファインプレーが現れてくる状態で、ディフェンス全体のリズムが良かった。ファインプレーをした選手名を挙げていくとほぼ全員になる。
 DL#39西田による再三のQB&RB#26高谷へのプレッシャーとロスタックルとスクリーンパス30ヤードを止めたタックル。LB#4辻田の絶妙なタイミングのブリッツ。DL#43栗山、LB#53藤田と#57杉垣のキャリアを逃さない的確なタックル。
 DB陣では、DB#5中嶌のスクリーン対応とインターセプト。DB#24岡、#23富によるオープンインサイドキャリアに寄っていく判断スピード。ミドルパスをかき出してFGフェイクに最初に反応した#23富と、リターンファンブルをファインセーブした#24岡。#2福田のインターセプト。そして#29岸田のファインカット。まさにチーム一丸のディフェンス体勢だった。

 なお、第2Q同志社大学の得点シーンもRBの1ヤードへのこだわりとOLのブロックの連携が光ったものだった。
 #22重坂による35ヤードキックオフリターンからRB#34河野、#22重坂による中央突破ランが再び10ヤード近くゲインして敵陣31ヤードでFD更新、さらに右OTプレーはOL#69中野、#64浜田の好ブロックとRB#22重坂が最後まで足を動かし続ける粘りを見せて再びFD更新すると、その後もRB#34河野のデイライトドローとRB#41土井のオープンラン、全てランプレーでの同志社大学再逆転TDドライブとなった。

********

 前半を終わって、同志社大学14点、甲南大学10点。ともに4シリーズあるいは5シリーズ中の2回を得点に結びつけるという攻守攻防は、攻撃優位とも守備優勢ともとれる接戦となった。

 甲南大学はRB#26高谷をフェイクにしたパスとロングパスによる得点、一方の同志社大学は小刻みなランドライブを繰り返した得点。お互いの特徴を生かしたオフェンス組み立てだったが、対する両ディフェンスとも少しずつ対応方法を整備していった。

 その結果、試合後半はお互いに得点が入らないばかりか、FD更新もままならない状態が続く。
 同志社大学攻撃に対してLB#42平瀬、DB#34永井、DL#67塚本など各ポジションでプレッシャーが厳しくなり、ショートクイックパスの乱れやランゲインショートなど。甲南大学攻撃に対しても同志社大学DL#39西田のプレッシャーが厳しい。

 この膠着状態の中で突破口を見出したのが甲南大学だった。RB#26高谷へのスクリーンパス。これが第3Q後半のロングゲイン2回になる。
 第3Q終盤、甲南大学は敵陣26ヤード付近でFD更新するが、第2Dのフォルススタートの反則ロスが痛恨だった。
 第2D15ヤードでのミドルパスをDB#23富がかきだす。そして第3Dではここまで2回のロングゲインなったスクリーンパスに同志社大学LB#53藤田が反応してカット。そして15ヤードを残した第4Dでは、甲南大学FGトライセットからのギャンブルだったが、#23富が反応して失敗に終わってしまった。

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 得点は同志社大学4点リードのまま、第4Q残り4分31秒甲南大学攻撃は自陣47ヤード付近スタート。

 同志社大学パントキックがミスキック気味になったことによる甲南大学絶好のフィールドポジションだったがが、同志社大学ディフェンスプレッシャーの中で投げた甲南大学パスは失速気味。これを同志社大学DB#5中嶌がインターセプトして大きくリターンすると、残り時間4分05秒を同志社大学が使い切ってしまった。

 この最後のドライブ途中、残り1分付近で時計の故障があって、そのためのレフリータイムアウトがある。
 同志社大学攻撃は敵陣4ヤードでの第4Dを迎えていた。タイムアウトは残っていなかったのだが、レフリータイムアウトでプレー準備できたことが幸運だったかもしれない。第4Dでのプレーは右コーナーへのTDパスだったが、甲南大学に痛恨のパスインターフェアの反則となってしまい、甲南大学反撃の機会がなくなってしまった。

 第4DでのこのシーンはFG選択もあるが、失敗すれば20ヤードから甲南大学の攻撃となる。成功しても7点差で甲南大学のリターンの脅威にさらされる。ならば、4ヤードランと4ヤードパスの二択からインターフェアを誘ったかどうかは判らないが、時計の故障という偶然の出来事も同志社大学に味方をした。

********

 これで同志社大学は3連勝と勢いに乗る。そして次節で全勝の関西大学と対戦する。

 同志社大学ディフェンス完成度は上記のとおり。個々の選手の能力も高いがチーム全体でまとまって勢いがあるところに注目したい。

 ところでこの試合で同志社大学オフェンスに長いパスがなかった。ロングターゲットはWR#82黒田、#81和田、さらにリターナーに入った#89山林などメンバーは揃っているにもかかわらず。
 一方でSB#46青木が要所で巧妙なパスターゲットになり、RB#41土井と#45中村がパワーランナーとして繰り返し起用されたのは今シーズン初めてかもしれない。
 さらに最後のインターフェアを誘った(?)TE#86清松も久しぶりにターゲットになった。そしてRB#34河野と#22重坂はオフェンス組み立て中心ランナーとして均等に起用され、OLの絶妙なブロックと最後の+1ヤードのこだわりが2〜3ヤードのプラスゲインを生み出している。また、今回はプレー参加するものボールキャリアにならなかった(?)某君など、オフェンスプレー&キャリアは多彩。

 さて関西大学との試合だが、このあたりを参考にして、展望を考えてみると・・・

(以上)





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10月25日(日) 西京極陸上競技場 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学121500274-1-0
京都大学000331-4-0
(現地観戦)
 
立命館大学
京都大学
TD 1Q
TD
1Q
TD 2Q
TD
END 2Q
3Q
FG× 3Q
4Q
FG
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 コイントスで選択権を得た京都大学は、「選択権後半行使」の選択をした。京都大学としては試合前半を僅差で終えて後半に試合の主導権を握りたい、というストーリーだと思うのだが、やはり、実際には、そのようにはならなかった。  立命館大学は試合前半に4TDを獲得、その後は攻守ともにメンバーを少しずつ交代させつつ、QB#11松田(大)の試合勘の取り戻しを行いながら試合時間を消化し、今シーズン4勝目の白星獲得となった。

 したがって、第4Qに京都大学オフェンスドライブしている時点での立命館大学ディフェンスメンバーは、実際のところは若手主体だった。それでも京都大学は8分を使った50ヤードドライブも完成しなかった。
 このシリーズ、パスはWR#82中村への2回とRB#21佐野に1回、残りをQB#10桐原、RB#39高松によるランプレーでドライブを組み立てている。ただし一気に突き抜けることが出来なかった。
 こうして敵陣10ヤード地点で迎えた第4D残り10ヤード、スタンド京都大学応援関係者のほとんどはギャンブルTDを望んでいたと思うが、残り10ヤードならばFGも止むを得ないところだろう。

 ただし、なぜこのシリーズがラン中心シリーズになったのか、そちらのほうが疑問。WR#18坂田、#83木原、#82中村のターゲットの中で負傷者らしきは確かに存在したが、来年のレシーバーに経験を積ませるでもよかった。
 そもそも残り8分でランドライブならば点数逆転するストーリーが描けない。このシリーズを次節関西学院大学戦に向けてのパワーランオフェンスの練習とするのであれば話は別だが。

********

 第3Q残り5分、京都大学の攻撃は自陣34ヤード付近で第4Dを迎える。FD更新まで残した距離は1ヤード。得点差は4TD分に相当するので、残り時間から逆算すると、このシリーズで得点しておかないと少々苦しい時間帯。
 たしかにポジションは自陣なのでギャンブルしにくい場所だが、そこを挑戦するところが挑戦者たる所以。たしかにギャンブルなのだが、この状況に追い詰められたならば試合に勝利するために通過しなければならない関門も生まれてくる。
 しかし、あっさりとパントチームが入ってきて攻撃権放棄のパント。これは、勝利を放棄するに等しいパントだった。

 コイントス選択と第4Dランドライブと第3Qパント。攻めたり、引いたりの両極端は、個人的にはしっくりとしない。この試合のどの時点で勝利を諦めてしまったのだろうか。そもそも、試合の途中に勝負を諦めるという選択肢自体存在するのだろうか。何か明かせない事情があってのこと、と思いたい。(以上は、見てきたことに基づいて私の感じたことを書くという趣旨に基づく記載です。チーム関係者内部しか知りえない事情があるかもしれない、ということを付け加えておく)

********

 立命館大学のレシーブで試合開始。リターナーのリバースで自陣15ヤードから60ヤードのビッグリターンから始まった立命館大学攻撃はQB#9松田(竜)がスターターとしてオフェンスを指揮し、RB#34橋本キャリーと#27高野橋のキャリーで先取点を獲得した。

 そして第3シリーズからは今シーズン初登場となるQB#11松田(大)が加わって、RB#34橋本、#27高野橋とWR#17呉田、TE#89安藤などへのショートパスを挟み、最後は再びRB#34橋本、#39川端の中央突破ランでTDを獲得する。

 さらに、DB#21海島によるパスインターセプトと66ヤードリターンによるポジションをQB#16辰巳キープやRB#39川端のTDランに結びつけると、その次の攻撃ではフリーフリッカーでQB#11松田(大)からWR#80宜本へ64ヤードのロングTDパスが決まる。

 こうして、試合前半を4TD1I1Pで試合の主導権を握った立命館大学は、後半無得点もQB#11松田(大)フル出場となって、WR#17呉田、#80宜本へミドル〜ロングレンジの距離を目標としたパス、および、クロスパターンなどのタイミングパスの調整に時間を費やす。
 QB#11松田(大)の試合勘を取り戻すための時間帯であるとともにRB#39川端、#10北川などの経験値をあげる試合となった。つまり、バックスメンバーに怪我人が増えてきているところが気になる。

 ディフェンスはDL#96青山、#48十亀のフロントパワーが冴えていて、OLを突き抜けてQBRBに届く反応のいいプレーが繰り返された。さらにDB#35柘植もインターセプト1回を記録している。

 もっとも、この試合の立命館大学攻守は、どちらかといえば動けていないほうで、特にディフェンスに圧倒する威圧感みたいなものが少なかった。やはり前節の敗戦から完全には脱却ていない、ということなのだろう。

 それでも、試合前半に速攻の4TD27得点で試合の主導権を握ると、後半は様々な取り組みを見せていて次節以降に期待を持たせている。チーム一丸で勝利したことで再び、立命館大学特有な存在感のある攻守に変化していくことだろう。今年のチームでできる試合は、最小で残り2戦。まずは、次節。楽しみにしています。




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