関西学生アメリカンフットボール Div1 第3節



09月26日(土) 王子スタジアム 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学





関西学院大学







 第3節注目の試合。というよりも2009年関西学生アメリカンフットボールシーンを大きく左右するかもしれない試合である。関西大学はここまで2戦2勝。一方の関西学院大学もここまで2戦2勝で、全勝対決となった。

 両校は今春6月の関関戦で対戦していて、終盤まで関西大学がリードしていながら、最後に関西学院大学QB#6加藤によるパスアタックが勝敗をひっくり返すという激闘を繰り広げた。(正確には、TD6点獲得で1点差まで詰め寄った関西学院大学がPATで2ポイントを選択し、そしてスクリーンパスで逆転に至る。この2ポイントPATのプレーは、本来ならばリーグ戦まで隠しておきたかったような「取って置き」のプレーだった。)

 個人的には、もしも「関関戦」という冠がついていなかったら、つまり、大学対抗戦の中の一つの試合という責任がなかったら、関西学院大学サイドラインは、様々なスペシャルプレーを出してまで勝ちにこだわらなかったのではないだろうか、と思っているのだが、真実はチーム関係者に確認しないと不明です。

 一方の関西大学にとってこの6月の関関戦は、終盤にディフェンス崩壊してズルズルと逆転ドライブを許してしまった痛恨の試合として鮮明に記憶に残っているはずで、おそらく関西大学の雪辱意識はかなりハイレベルにあると予測できる。
 7月8月の準備を経て、リーグ戦開幕戦京都大学にスピードで圧倒して勝利し、第2節は神戸大学と雨天の中で我慢の試合を丁寧にコントロールして白星に結びつけ、ようやくたどり着いた今第3節。挑戦者の立場で関西学院大学に挑む。

 ところで関西学院大学内部には、6月の関関戦での敗戦黒星がチラついた景色心理状態が今でもチーム内部で感じる/思い出すことがあるだろうか。逆転勝利したチームと逆転負けを喫したチームでは、もしかしたら意識の違いがあるかもしれない。
 思い入れが強すぎてスタミナ配分のバランスを欠いたりとマイナス面もあるので一概には言えないが、関西大学チームがこの思いを上手に前向きにコントロールできていれば、十分な戦力になるだろう。

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 関西大学の前節神戸大学戦は雨中の試合になった。QB#14原口によるオフェンスは手詰まり感はあったもののRB#1藤森へのスローバックミドルパスを3本中2本成功させてその2チャンスをいずれも得点に結び付けて勝利している。その他にもスイーププレーで突破できる可能性を残しつつもセーブして余力を残したかのような戦い方だった。ディフェンスはDLLBのプレッシャーが神戸大学オフェンス全体のリズムを崩して完封している。

 一方の関西学院大学は、今春の攻守不調から少しずつ立て直しを図ってリーグ戦2試合を消化した。そのうちの1試合を私は観戦していないのだが、前節同志社大学戦を見る限りでは、ディフェンスメンバーはそろいつつも中央をランで抜かれるシーンがあったりして安定感があるとは言いにくい状態だった。
   オフェンスはQBに#17浅海を起用して、ドライブして敵陣深いところまで侵攻した全てのチャンスを何らかの得点に結び付けている。ただしドライブ途中の安定感という点では綱渡り的な要素がなくもなく、ディフェンス側プレッシャーによっては同じパフォーマンスを得られるかどうか、ここは一つのポイントになる。

 ところでQB#6加藤を起用しなかった理由は何だろうか。怪我でないならば関西大学側にパスコースをスカウティングさせたくなかったから???もっとも秋開幕戦、春関関戦とNEWERAのデータがあるので、おそらく影響は少ない???ということで、両チームともに、第3節のためのスカウティングを避けたかのような前節の試合だった。

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 さてこの試合の展開予想だが、まず、関西学院大学オフェンス勝利ならば、6月関関戦同様に、長短様々なパスでディフェンスを切り崩していくパターンになるだろう。パス距離にもよるが、ショートミドルが連続ヒットすれば簡単にフィールドポジションおよびモメンタムは逆転する。関西大学ディフェンスにとっては、春6月の敗戦からこの試合を今シーズンの目標の一つとして臨んでいることは想像に難くないので、もしも改良したパスディフェンスが成立しなければ苦しい状況に追い込まれそうだ。

 パスでディフェンスを崩せそうということが判れば、そこにランプレーも組み合わせてランとパスで左右前後に揺さぶりをかける。RB#99河原、#7松岡による中のランとWR#18萬代、#87柴田へパス、そしてこの状況でのQBスクランブルは止めを刺すことになるだろう。この展開になるならば、かなり早い段階、たとえば第2Qあたりから点数が重なっていく試合になるのではないか。

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 関西大学ディフェンスとしては、やはりパスを投げさせるべきではなく、DBべた付きのカバーは必要か。そして関西学院大学OLプロテクション耐久時間と、WRがDBカバーをすり抜けるのに要する時間の大小関係がパス成否の鍵を握る。そしてQBがパスターゲットに迷っていればDL#91杉原、#90重近、さらにLB陣がQBサックを見舞い、無理して投げればDB#13林、#23飯野、#83砂川などがインターセプトのタイミングを狙う。

 関西学院大学ターゲットは、特にサイズのあるレシーバーWR#87柴田、TE#95垣内はDBカバーをものともせずフリーになりきれるか、ここが大きなポイントになる。対するは動きのスマートなLB#30小原と勢いのあるLB#2豊田。なお、アウトサイドのスピード競争ターゲットとしては#1松原、#16和田など存在するが、最終は#18萬代がミドルロングの重要なターゲットになりそうだ。
 ところで、DBとWRがベタ付きの状態に対して関西学院大学オフェンスに簡単な攻略方法はあるだろうか。オフェンス整備で手一杯ならば、そこまで対応できないかもしれないが。

 そしてRB#99河原、#7松岡、#22久司などのランプレーは関西学院大学がどのような状態でコールするか。パスがヒットしている状態か手詰まりの状態かで獲得距離は大きく異なるだろうことは前述のとおり。パスが止まっている状態では、関西大学DL#91杉原、#90重近、#44田村の壁は厚いだろう。したがって関西学院大学としてはパスを通すことがオフェンスの必須課題になる。

 なお、QB#17浅海でも#6加藤でも、QBスクランブルに対する関西大学ディフェンスのケアは必須で、パスが止まっていてもQB一人にかき回される展開というのは考えられそうだ。

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 一方、関西大学オフェンス勝利ならば、関西学院大学ディフェンス特にDLフロントが崩壊する昨年秋リーグ戦最終戦のような試合展開になるか。
 春の関関戦で炸裂した、RBスピードにパワープレーの加わったランドライブは、ライン戦で関西大学勝利の結果である。今回と当時とでおそらくラインメンバーが大きく異なることになるだろうが、しかし、前節同志社大学戦で中央ラン突破を許す関西学院大学DLを見ていると、少なくとも磐石完璧とはいえない。どこまで持ち堪えるかという微妙な関係になりそうだ。そして関西学院大学にとっても今春から採用した4−3での結果が芳しくないと、今後に影響が残るかも。関西学院大学DLがどこまで、いつまで耐えられるか、全てはこのポイントが左右することになる。

 関西大学オフェンスの第2節まででのキープレーは、RB#22松森によるオープンへのパワースイープ。ブロックで開いた空間をスピードで抜けるというパターンで京都大学戦神戸大学戦では大きく前進している。スイープで左右に振り回しておいて、RB#1藤森、#5播川による中央突破のランプレーを織り込む。一瞬の隙間とスピードでスクリメージは突破できる。RBがスクリメージを抜けたあとのスピード競争になるとDB善元香山にもスピードはあると言え、一人では簡単には止まらないだろう。

 関西大学オフェンスは、パワープレーオフェンスで時間消費しながらのドライブを望むところだろう。インサイドの中央突破を繰り返しながらのスタミナ消耗戦と、スピードでディフェンスを振り回すスタミナ消耗戦と。ランでゲインしている限りはパスを投げない、そんな展開も考えられる。
 そしてもう一つ、関西大学にはここまでの試合ではほとんど用いていなかったような新たなプレーが加わることになるか。例えば前節神戸大学戦でのRB#1藤森へのスローバックミドルパスは、京都大学戦ではなかった。RBWRTEともに選手層は厚いので・・。

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 この試合はどちらが勝利の場合でも、かなりの大差になりそうな気がする。点数的な差もあるが心理的にも叩きのめされそうで、第4節の試合にまで影響を及ぼすかもしれない、くらいに両チームにとっては全精力を注ぐ試合になるだろう。

 それぞれの攻撃チームがどの時間帯に仕掛けるかだが、前半を様子見で後半に・・という余裕は、おそらく両チームにもないはず。したがって試合開始早々から直球勝負になれば、かなり早い時間帯から、どちらかのチームに得点が積み重なっていく。
 両チームとものディフェンス崩壊パターンを想定すると、ディフェンスが持ちこたえる辛抱我慢の展開にはならないような、両チームともに崩れるときは一気に崩れ落ちる。これが、どちらが勝利でも点数の広がる試合になるだろうと考える所以になる。
 あるいは、両チームともディフェンスが崩壊するパターンもあって、大量得点同士ということもなくはない。

 関西大学白星ならば優勝戦線に参加、関西学院大学白星ならばここでの経験によるステップアップ幅が楽しみな試合になる。9月26日土曜11時@王子です。










09月26日(土) 王子スタジアム 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
神戸大学





同志社大学
















09月27日(日) エキスポフラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学





立命館大学







 甲南大学はここまでの2戦を1勝1分、開幕戦神戸大学に引き分けて前節は京都大学戦で勝利を飾りで、黒星なく好調にスタートを切っている。開幕戦に引き続き、前節京都大学戦もイーブンの均衡した試合だったが、辛抱我慢の粘りで最終的に白星に結びつけるという近年の甲南大学らしい試合展開だった。

 京都大学の自滅がなかったら違った試合展開になっていたことは間違いないが、試合展開が変わったら即甲南大学勝利がなかったかと言えば、それはない。最近の甲南大学はその場での風景に応じて臨機応変に対応できるチームなので、その時は、全く異なる別の試合の流れのなかから白星に至る過程を探っていただろう。

 その前節勝利をもたらしてオフェンスプレーが中央ミドルレンジのパスだった。このポイントは立命館大学ディフェンスの「隙間の一つ??」かもしれないので、攻撃の糸口・突破口になりえるかもしれない。
 QB#11松延からWR#18大槻、#14国田、#3永吉などへの速いパスがLBDBの隙間にヒットするのであれば、オフェンスドライブの可能性が見えてくる。

 ここまで黒星なしと勢いのある甲南大学が王者立命館大学にどのように挑むか、粘りのある甲南大学ならではの戦い方に注目したい。

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 立命館大学は、ここまでの2試合を春のメンバーと微妙に違う選手構成で戦ってきた。このメンバー構成がデフォルトになるのか否か、というところは置くとしても、一つだけ挙げておくとすれば、試合の重要な局面では、試合経験というものはやはり必要になってくる。

 ここまではRBランによる先制&大量得点で試合主導権を完璧に掌握してから、いくつか試みるという順番だったが、これでは「重要な局面」が現れてこないところが少々気になるところ。

 オフェンスは、QB#9松田(竜)とRB#34橋本、#27高野橋、#33東松、#10北川による4人によるスピードランで得点を重ねていくスタイルは、昨年メンバーが多く残るOLの賜物だろう。そしてレシーバーでは#2宜本と#4尾崎をセイフティターゲットにして、新たなターゲットを模索している状態が続いている。

 ディフェンスは昨年メンバーから交代するポジションが多く再建色が濃いが、リーグ戦ここまででは試合勝敗を左右するような大きなイベントは発生していない。だが、リーグ戦今後のことを考えて行く上でこの試合では少し注目しておきたい。










09月27日(日) エキスポフラッシュF 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学





近畿大学







 前節までの戦績は、京都大学・近畿大学はともに2戦2敗だが、近畿大学は関西学院大学と立命館大学という上位2強と対戦しての2敗なのに対して、京都大学は関西大学甲南大学とで2敗を喫している。今後の対戦相手を考慮すると、同じ2敗でも意味合いが少し異なるのは否定できないところです。

 もっとも前節黒星は単純にめぐり合わせが悪かっただけの残念な結果と考えてよいかもしれない。京都大学オフェンスは、QB#10桐原からWR#82中村、#18坂田、#83木原に飛んでいくショート〜ミドルレンジのパスが連続ヒットしていて、決してオフェンス手詰まりではなく、今年もこのパスがオフェンスドライブのキラープレーになりえることを十分に証明していた。さらに、RB#7曽田、#34安河内、#39高松によるランプレーも加わってきている。
 ランでディフェンスをかき回して重要なパスを通すというストーリー、第3節にして今年のオフェンススタイルの全容が見えてくることになりそうだ。

 注目ポイントは、近畿大学のパスディフェンスとの攻防になる。近畿大学DB陣#21吉田、#25川野、#5尾崎、LB#47乗影などによるレシーバーカバーに対して、長身WR#82中村が如何にフリーになれるか、そこにQB#10桐原のパスがジャストヒットするか。あるいはインターセプトを狙ってくるか。
 京都大学の得点源がQB#10桐原→WRのルートになることはほぼ明白なので、焦点はここに絞られると言っても過言ではないだろう。

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 一方の近畿大学は、関西学院大学戦と立命館大学戦で封じ込められていた攻守がどのようなパフォーマンスを繰り広げるか、ここがこの試合の見所ポイントになる。

 私が観戦した今秋の近畿大学の試合は前節の立命館大学戦だけで、それもほぼ完封されてしまった試合だったのだが、その中でも光るポイントはあった。
 それは近畿大学リターナー#25川野のスピードと1年生パンター#89金谷によるパントキックで、この2個でフィールドポジションコントロールが出来そうな感触を得たことだ。さらにRB#29吉田のオープン捲くり上げのスピードは、年々磨きがかかり、QB#8荒木とWR#7永山の連携精度はディフェンスプレッシャー次第ということは春に確認している。

 関西大学が京都大学戦で、スペシャルチームとRBスピードの個人技で白星をもぎ取ったが、近畿大学も同じようなストーリーで個人のスピードで点が取れてしまう試合になるか。

 近畿大学攻守がどの程度のものなのか1試合を観戦しただけで測りきれていないところがあるのでなんとも言えないが、一方で京都大学ディフェンスも、LB#20下川参加とILBに#92徳原を配置するなどの修正が入った前節に続いて更なる整備が加わる可能性もある。

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 京都大学パス攻撃に対して、アスリートの揃う近畿大学ディフェンスがどのように対応を示すか、近畿大学の個人スピードに京都大学ディフェンスがどのように対応するか、などなど、シーズン開幕戦のように注目したいポイントが多い試合である。









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