関西学生アメリカンフットボール Div1 第7節



11月29日(土) エキスポフラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
近畿大学





神戸大学







 近畿大学はここまで2勝4敗。この最終戦の成績如何によっては入れ替え戦出場の可能性も残る。対する神戸大学はここまで3勝3敗。最終戦にリーグ戦勝ち越しをかけて臨む。

 近畿大学は今シーズンここまではオフェンスロースコアの試合が続いている。前節西京極での同志社大学戦は観戦していないのだが、1TD差の薄氷の勝利だった。
 QB#18原田、#3井木とRB#29吉田、WR#19森、TE#6井本、#7永山によるランパスバランスアタックも勢いがつくと面白いスタイルになるのだが、いよいよシーズン最終戦。

 対する神戸大学ディフェンスはDL中央の背番号ミラー#75小澤と#57春山のの連携パフォーマンスが光るシーズンだった。インサイドラン突破を許さず、DE#94久岡、#89杉本のオープンケアもスピードがある。さらにLB#55宮川、DB#5川崎、#26中江のボールキャリアへ詰め寄るスピードと迫力も注目を集めている。

 そして神戸大学オフェンスはQB#4大原から、様々なパスコース&レシーバー&フォーメーションで繰り広げられるパスが話題の中心となった。そして前々節ではRB#1小椋のインサイドラン突破でランプレーもあることをアピール、結果としてバランスのいい攻撃陣容となり、プレーバリーエーションが広がった面白いチームになった。
 前節は甲南大学ディフェンス堅守で苦労するところもあったが、その中で司令塔QB#4大原中心の冷静なオフェンス陣が得点を重ねていく姿には力強さがあった。
 この試合はWR#24大園のレシーブ距離も話題の一つであるのは間違いないが、今年の神戸大学オフェンスンの集大成として、何が飛び出てくるか。注目したい。

********

 今年の神戸大学攻守のパフォーマンスを見るのはこの試合が最後になるかもしれない。私の今後の予定上、たとえ関西学生6位になっても西下できないので。今年のチームは攻守ともにバランスよくまとまったチームで、第2節の雷順延試合とQB負傷退場というアクシデントも、チーム一丸で乗り切ってきた。最後に勝ち越しで有終の美を、と思う一方で、近畿大学にも最終戦にしてほしいという願いもあり、様々な葛藤が生まれてくる。

 2008年リーグ戦も、いよいよラストです。










11月29日(土) エキスポフラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学





京都大学
















11月29日(土) 王子スタジアム 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
甲南大学





同志社大学







 甲南大学は今シーズンここまで1勝4敗1分。関西大学に勝利し、京都大学と引き分けるが、近畿大学戦でのQB負傷退場でリーグ戦後半戦の星勘定に狂いが生じたかもしれない。
 しかし、オフェンスゲームプランの豊富なチームで、前節神戸ユニバでの神戸大学戦ではQB#13京極によるオプション攻撃で接戦を繰り広げている。
 ディフェンスも、スピード集中力の戻ってきた前節に引き続き、この試合でもDL#塚本、#54宮本、#69金子、#3池内やLB陣のスピードあるタックルが繰り返されることになるか。

 星勘定の上では、まだ入れ替え戦出場の可能性も残しているが、ここを白星獲得で回避の可能性を高めたいところになる。したがって、この最終戦はさらに充実した攻守になるのは間違いないだろう。

 なお、この試合は、エキスポフラッシュフィールドでの2試合との同時開催になります。そして、私は、エキスポに行きます。

 なので、今年の甲南大学の試合観戦は前節で終わりだったのですが、ゲームプランの豊富な甲南大学オフェンスプレーをもう一度見てみたい、アグレッシブなディフェンスパフォーマンスも楽しみたいと思う一方で、それは、甲南大学が入れ替え戦に出場してくれることを望むことになるので、それは、やめておきます。同時刻開催で、ここにもシーズンラストの葛藤です。主将TE#5橘田へのパスシーンは、えびすボウルにて。

 一方の同志社大学はここまで6戦全敗で、すでに8位が決定していて入れ替え戦勝利が至上の状態にある。したがって、リーグ戦最終戦の白星をもぎ取りに行くか、入れ替え戦に全身全霊のためにここは・・・という選択肢もなくはない。
 微妙な試合になりそうだが、この最終戦でケガのないように。一方で、攻守リズムを確立して、いいイメージで入れ替え戦に臨むために、ここで初白星獲得もひとつのストーリではある。










11月30日(日) 神戸ユニバー記念競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学





立命館大学







 2008年は、関西学院大学立命館大学ともに、オフェンス陣容が昨年から一新されて、文字通り白紙状態からのスタートとなった。
 昨年と変わらないポジションは、関西学院大学ではRB陣、立命館大学ではOL陣のみ。特にQBWRの関係は一から構築することになり、両チームとも試行錯誤が続いた2008年の春〜夏〜秋だった。

 今春開始時点から、両チームにとってオフェンススタイルの確立、つまりは、QBの成長が今シーズンの成績を大きく左右するだろうと言われていて、私もその考えに則っていた。  今春、DIV1所属8校の試合を観戦し、夏の時点で今年のリーグ戦の各試合日程や戦力を考えたときに、関西学院大学・立命館大学ともにオフェンスの充実度・QBの成長を測る試合になるだろうと考えていたのが、第5節と第6節の関西大学戦と京都大学戦だった。  強力なディフェンス陣を擁するチームに対して、オフェンスQBが迷うことなく対応できるか。立命館大学にとっては第4節神戸大学戦もそのような位置づけの試合になった。  そして、関西学院大学QB#加納も立命館大学QB#松田も、冷静かつ丁寧にオフェンス司令塔の重責を果たたと言える試合を展開した。

 それまでの過程で、関西学院大学QB#加納は、試合を重ねるごとにパス距離を伸ばしながらレシーバーとの関係も確立していき、信頼できる複数名のターゲットとの関係を築き上げてきている。

 立命館大学もQB#松田のパフォーマンスがリーグ戦を重ねるごとに進歩を遂げていて、冷静にパスターゲットを探し出してパスを投げ込み、ディフェンスに詰め寄られたときのプレー変更の迷いがなくなるまでになった。

 こうして、両チームQB筆頭に今年のオフェンススタイルをしっかりと確立してきたことで、今年もリーグ戦最終戦での全勝対決を迎えることになった。
 つまり、今年も、どきどきわくわく緊張感の溢れる試合が観戦できるのも、各人各チームの切磋琢磨によるもので、改めて両チーム選手に敬意を表したいと思います。

********

********

 この試合の予想される展開だが、おそらくロースコアゲームになるのではないだろうかだろうと考えている。それは、両チームとものディフェンス堅守の面と、さらに、、両チームオフェンスともランでもパスで一気にロングゲインTDというプレーがないことの両面による。
 攻撃プラン上は毎回ビッグゲインになるように仕込まれていて、理想どおりにブロックが決まればそのままTDプレーになる。のだが、現実は甘くない。

 両チーム前節の試合は、ともに強力ディフェンスチームに対して時間をかけたロングドライブ(関学8分・立命5分)が決勝点に結びついている。そしてこの試合も互いに手強いディフェンスチームと向かい合うことになるので、前節と同じように、ショートゲインを積み重ねたロングドライを何回行うことが出来るか、その中で何回得点に結びつくか、という試合になるように思う。

 まず、ドライブ回数(攻撃回数)は、前半後半あわせて6回(前半3回後半3回)+1回ぐらいになるのではないか。
 何故なら、例えば1チーム1回の攻撃シリーズに8分を要したとすると、2Q合計24分なので、両チーム合計でたったの3回で終わってしまう計算になる。もっともディフェンス側も毎回ドライブを許すことはないので、実際には、時間を気にせずに攻撃できるのは、上記のように前後半合計で両チームそれぞれ6回程度?

 この少ない攻撃機会を確実に得点に結びつけるかがポイントになる。敵陣侵攻したならば是非ともTDまで持って行きたい。ロースコアの試合ならばFGかTDかの違いは、そのまま試合結果に結びつく。

 さらに、オフェンスの反則罰退は、ショートゲインの積み重ねになるであろう攻撃ドライブを終わらせてしまうことに結びつき、自陣でのファンブルロスト・パス被インターセプトは、そのまま相手の得点になる。
 そして、少しでも優位なフィールドポジションを獲得するための、パントリターン&キックリターンと、対するカバーチームのコンテイン。ここのスペシャルチームのタックル精度も重要なポイントになる。キッカーとパンターのキックコントロールにも注目したい。このあたりは、ロースコアゲームにおける基本的な観戦ポイントである。

********

 というように、両チームオフェンス傾向から考えてみると、ショートゲインを積み重ねて時間をかけたロングドライブによる得点、というパターンになりそうだ。
 ただし、これはディフェンスチームが機能しているとき。機能しないことがありえるか否かを、立命攻撃VS関学守備・関学攻撃VS立命守備で考えてみたい。

********

 立命館大学ディフェンスはDL#90久司、#57武知、#92前田が1年次からスターターに名前を連ねる超アスリート。そして今年から、#48十亀または#30南が加わって重厚なラインを構成している。
 前節京都大学でも、このDL陣がインサイドラン突破を許さずQBRBに厳しいプレッシャーをかけていた。しかし、サイドライン際への短いパスが何本も通されていたことは、正直なところ衝撃的だった。
 この、サイドライン際へのショートパスは関西学院大学の得意とするパスパターンの一つなのだが、あまりにも簡単にヒットし続けていた姿は、本当に真実の姿なのだろうか。それとも、ひっかけ、なのか。
 昨年は関西学院大学が得意とするパスの一つでもあるスローバックパスに対してLBが完璧に対応していたディフェンス準備と実戦での対応力を考えると、京都大学戦のパスディフェンスをそのまま受け入れることは出来ないのだが。

 関西学院大学攻撃側も、真偽を確認するまでは容易にはショートパスを投げ込まないだろう。したがって最初のドライブは、RB#99河原、#45石田によるパワーランドライブと、#21稲毛とWR陣を使った左右モーションを絡めたランプレーによる。
 これで、早い時間帯に、敵陣に入りたい。そこで、アウトサイドへのパスを試みることになる。たとえ京都大学戦パスディフェンスがひっかけダミーだったとしても敵陣でのインターセプトならば、怪我は少ない。もしも、ここでパスヒットが続くならば、関西学院大学攻撃は、前節京都大学同様に、なかなか止まらないものになりそうだ。
 パスコースはサイドライン際へのショートパス。OLBとDB(CB)のサポートにDB(S)が参加することになるが、この時点でDB(S)の運動量動く範囲が広くなってしまう。つまり、パスヒットが続くようならば、左右パスとRB中央突破、TE中央ミドルパスを巧妙に織り交ぜていって、ディフェンスがばらばらにされるかもしれない。

 したがって、関西学院大学オフェンスのキープレーは、やはり、短いパス。この有効性を試合時間の早い段階で確認したい。
 DLのプレッシャーを受ける中でQB#16加納が冷静にパスの判断を行い、そしてレシーバーWR#4太田、#87柴田、#18萬代が確実にボールキャッチしていく。インサイドのレシーバーでは#95垣内と#86春日もマークしておきたい。

 対する立命館大学ディフェンス第2・3列はLB#99岸本、#53相馬、#52海島、DB(S)#4町、#12今西とCB#24毛利、#13滝澤のパスディフェンスと、長身DL陣によるパスカットとQBプレスに注目したい。

 関西学院大学の短いパスが立命館大学パスディフェンスの餌食になるのであれば、ランプレーオンリーになるのだが、RB#33多田羅、#27浅谷など個性豊かなランナー陣が1プレー毎の交代でディフェンスリズムを突き崩していくことになる。そのときにはOLとDLのライン戦も重要なポイントとなるが、スタミナ競争含め、ここは、実際対戦してみないと判らないところになる。

********

 今年の関西学院大学守備は、パワー重量よりもスピードを重視したスタイルで構成されていて、シーズン当初から3−4−4で取り組んでいる。
 DLは、NGに主将#93早川、DEには#98黒澤と2年生ながらスタートメンバーに名を連ねる#52平澤による。特に#52平澤は毎試合何回か驚くようなスピードにのったプレーを見せているので、今回も注目しておきたい。
 LBは#68吉井、#90古下をOLBに、#11深川、#7坂戸がILBという4LB体制になる。今年は#11深川のパフォーマンスが昨年ほどに目立たないのだが、LBDBのスピードが早くて全員タックルになっていることによる。京都大学戦では試合の流れを左右する重要なポイントでソロタックルを決めているように、最後の砦としてのスピード判断の切れには磨きがかかっている。さらにDB(S)では#84徳井のスピードに負けず劣らずの#8善元に注目したい。ランサポートパスカバーで活躍している。
 DLLBDBともにスピードのあるメンバーが揃っていることが特徴の関西学院大学ディフェンス陣容である。

 対する立命館大学QB#11松田率いるオフェンスは、RB#26松森、#25橋本、#22西田、#42高野橋、WR#2宜本、#1呉田、#31常包、TE#5森。このあたりが今シーズンボールキャリーの多かったバックスメンバーになる。京都大学戦ではショート〜ミドルレンジのパスヒットとパス成功パターンが多くなってきたが、ランプレーではオープンへ展開する方法で打開した。さらに、対関西学院大学戦用に準備していたのではないかと思われるようなカウンター系の特殊なランプレーもみられた。

 立命館大学オフェンスが関西学院大学ディフェンスに対して、どのようなプレーで挑むことを考えているか、この部分が予測できないのだが、パワーに依存するものなのか、スピードに依存する系統になるか。
 3年前には#26松森のスピードで一気に突き放した立命館大学オフェンスだったが、今年もこの試合のために、プレー面選手起用面でいくつかが用意されていると思う。
 ただ、パワー系のプレーはほとんど見る機会がなかったので、スピードで引っ掻き回すことになりそうだが、ランプレーオンリーでは、DL#52平澤、DB#84徳井、#8善元、LB#11深川とスピード豊富な選手の揃う今年のディフェンス網に通じるか、ひとつのポイントになる。
 立命館大学にとって効果的なところは、おそらくDB陣を前にあげないようにするためのフィールド中央付近へのミドルレンジのパス。パスターゲットは上記レシーバー陣とランナー陣。QB#11松田のパス精度とレシーバハンドリング精度が維持できていれば、面白い攻防になるかもしれない。

********

 ロースコア必至だが、相手ディフェンスチームを攻略できるようになる時間帯によっては、少し変わった試合展開になるかもしれない。

 全勝対決となった2008年関西学生DIV1リーグ戦最終戦は14時キックオフです。









リーグ戦表へ カレンダーへ