関西学生アメリカンフットボール Div1 第6節



11月15日(土) 神戸総合運動公園ユニバ記念競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学3077173-3-0
甲南大学300031-4-1
(現地観戦)
 
神戸大学
甲南大学
1Q FG
FG
1Q RFL
FG× 2Q
FL
2Q END
TD 3Q
3Q
4Q FL
TD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
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11月15日(土) 神戸総合運動公園ユニバ記念競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学77810326-0-0
関西大学13600192-4-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
関西大学
1Q RTD
FL
TD
TD
1Q
2Q
FG
TD
2Q FG
TD 3Q
3Q
TD 4Q
G×
FG
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 コイントスで関西学院大学が後半行使の選択、関西大学のリターンで試合が始まった。
 関西学院大学キックはエンドゾーン目前まで届く距離のあるものだったが、#16永川が自陣6ヤード地点でキャッチすると、カバーチーム選手の隙間を縫いながら、さらに#22松森の好ブロックも加わって94ヤードのリターンTD、関西大学が開始早々に先制点を獲得するという展開となった。

 関西学院大学は神戸大学戦でリターナー#24大園へ直接蹴り込んでカバーチームの練習をしていたこともあったがその時もコンスタントに20ヤード近くリターンされていた。
 この試合もリターナー#16永川に対してどのように臨むか楽しみにしていたのだが、このリターンTD以降のフリーキックは、いずれもショートキックに変わる。これがフィールドポジションにも若干の影響を与えた。

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 続く関西学院大学攻撃は自陣21ヤード付近、RB#21稲毛のドローを関西大学OLB#49宮崎がファーストタックルでショートゲインにしとめる。さらに第2Dの中央突破ランプレーでファンブルロスト&ターンオーバー。
 リターンTDで先制した直後の関西大学に、敵陣38ヤードスタートという追加点のチャンスが転がり込んできた。

 この関西大学第1プレーはQBに#16永川がセットすると、右オープンをスピードで駆け抜けて12ヤードのミドルゲインを獲得して、完全に関西大学ペースとなった。
 その後QB#9宮城のインサイドスクランブルも11ヤード、14ヤードのミドルゲイン2回。1回目は決め打ちのようだったが2回目はパスのロールアウトで空いた空間へ走り込む好判断による。
 これでエンドゾーン前1ヤードに到達すると、次の第1Dは左RB#22松森のオープンラン。このキャリア#22松森に詰め寄ってきたディフェンス陣の裏へWR#86強が入り込むと、#22松森からのTDパスがつながった。

 こうして関西大学は、リターンTDとディフェンス渾身のタックル、さらにオフェンス準備の結果によって、試合開始2分弱で2TD13点リードを確保という速攻で一気に試合の主導権を握ることになった。

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 この日の関西大学ディフェンスフォーメーションは3−3−5。DL#92福岡、#97中田、#90重近、LB#33大舘、#49宮崎、#34白滝、DBはDB(CB)#8飾磨、#6、DB(S)#13林、#30小原。

 戦前展望が落ちてしまったが、私の試合前の考えではDLLBがQBにプレッシャーをかけられるるかがポイントと思っていたのだが、実際にはQBよりもランプレーのボールキャリアに対してスクリメージライン付近まででプレッシャーを与えている。
 OLBは外から回り込むようにしてボールキャリアとQBを包み込むようなプレスをかけていた。さらに他の選手も、ボールキャリアに対してファーストタックルで確実に対応していて、前節とは全く異なるスピードと集中力のある守備陣だった。

 3−3−5でOLBが外ケアのために、中央付近に若干のスペースができる。ファーストタックルで止まるものの5ヤード程度のゲインが続いたのが、第1Q残り8分55秒から始まった関西学院大学実質最初のオフェンスシリーズだった。
 RB#99河原、#45石田の中央突破ラン、さらにQB#16加納がWR#1松原フリーターゲットを探してパスヒット等、ディフェンス堅守とのせめぎ合いの中で、関西学院大学がFD更新6回という刻んだドライブをTDに結びつけて7点を返す。

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 しかし、その後は関西大学ディフェンスは中央のランにも対応しつつオープンプレーもショートゲインで止めるタックルの正確さが続く。
 運動量が多いスタイルだったが、今シーズン久しぶりにディフェンスフルメンバーでその後関西学院大学に2回連続でパントを蹴らすことになる。

 一方の関西大学オフェンスもQB#16永川のワンポイント起用や右側にレシーバー5人(正確にはちょっと違うのですが・・・)を固めるトリッキーなフォーメーションを試みるもののゲインにはつながらない。QB#9宮城のキープが唯一ゲインできる状態という第1Qから第2Qにかけての関西大学攻撃だった。
 なお、WR1名が、おそらく最初のTDシリーズ以降出場していなかったかもしれない。これも5レシーバーフォーメーションが機能しなかった理由の一つになるか。第4Qになって何回かプレー参加機会はあったようなので、大事ではないようだが、試合均衡していた時間帯のオフェンス組み立てに影響してしまったか。

 関西大学は第2Q、#22松森による22ヤードのパントリターンと関西学院大学ラフィングザパサーの反則で得たフィールドポジションをK#30小原によるFGで3点を追加するに留まった。

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 両チームともディフェンス堅守が続く中、関西大学9点リードで迎えた第2Q残り2分06秒。

 関西学院大学自陣29ヤード、QB#16加納からWR#87柴田へ12ヤードパスヒット、QB#16加納スクランブルでフィールド中央に到達するものの、力的に圧倒している状態ではない。
 事実、敵陣49ヤードからWR#18萬代、#1松原のショートパスにはDBのファーストタックル、DB#13林のジャンプカットと堅守が続く。
 反対の視点に立てば、関西大学ディフェンス堅守の隙間をつくQB#16加納の好判断好コントロールとレシーバーバスキャッチ精度の高さが際立っていた。

 RB#21稲毛ののインサイドラン突破でかろうじてFD更新したものの、スパイクで時計を止めて残り時間48秒敵陣36ヤードは、かなり万策尽きた状態である。

 その第1Dは、この日初めてのロングパス。ターゲットWR#42金村だった。
 右コーナーロングパスはエンドゾーン内落下地点でWRDBの競争となったのだが、WR#42金村がパスキャッチしてTD。関西学院大学が前半終了間際になって、ようやく2点差、やっと関西大学の背中が見えてくる位置に辿りつくことが出来た

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 しかし、関西学院大学フリーキックは例によってショートキック。そして関西大学攻撃は自陣47ヤード、つまりフィールド中央スタートとなる。残り時間37秒。
 その第1Dプレーが右横WR#12森田へのパスヒットからディフェンス陣を掻い潜って34ヤードのビッグゲイン。こうして関西大学は、残り時間25秒だが敵陣19ヤードに到達する。

 2点差に迫ってきた関西学院大学を、関西大学は突き離したいところ。ここでTDならば9点差になって関西学院大学逆転に2回の機会が必要になる。
 起死回生のロングTDパスで湧いてきた追撃ムードに冷や水を浴びせかけることが出来るか。ハーフタイムの雰囲気や試合後半のゲームプランに大きく影響を及ぼすことが出来るか。

 試合の結果を分けた分岐点の一つが、この関西大学攻撃シリーズだった。

 フィールド内オフェンスチームは、敵陣19ヤードでレディーフォープレーと同時にスパイクで時計を止めるべく、素早く準備を始める。しかし、ここで関西大学サイドラインからタイムアウト(2回目)の要求があった。

 このシーン、最初は、QBスパイク後の第2Dセットに時間をかけなければWR#12森田ミドルパスゲインの勢いが切れることなく続いていたかもしれない、と思っていた。スパイクで攻撃権1回捨てることを良しとしなかったサイドラインのタイムアウト要請だった、と気付くのはその後のことになる。

 残り25秒。第1D、中央ショートパスは3ヤード。フィールド内デッドで3回目のタイムアウト行使。
 第2D、左コーナーミドルパスは、エンドゾーンのさらにコーナーギリギリのところへ落ちるTDパスを狙う。左コーナーでレシーバーはキャッチしたのだが、フィールド外という判定が下されて、残り9秒。

 残り9秒だが、もう一度プレー選択してパスを試みる。DLに襲い掛かられてダウン寸前の投げ捨てて、FG3点を獲得する1秒が残った。

 このシーンでFG3点追加では、2点差が5点差に広がるものの、関西学院大学攻撃機会1回で逆転は変わらない。
 関西大学としては是が非でもTD7点獲得したかったシーンだったので、スパイクでの攻撃権1回ロスを避け、残り9秒でもプレー選択した。

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 5点差で後半再開。
 先攻関西学院大学は、自陣26ヤードからの攻撃シリーズをQB#6加藤に委ねた。ここでQB#6加藤を起用した理由の類推できるところは、チェンジオブペースで関西大学ディフェンスに揺さぶりをかけることと、外からディフェンスを見ること。などなど。
 一方の関西大学ディフェンスも後半再開直後の緩みなく緊張感がみなぎっていて、前半同様にファーストタックルふぁ決まっていた。

 このシリーズ、関西学院大学FD更新回数は6回。そのうち第3Dまでもつれたのが3回。その中では第3Dロング1回、第4Dギャンブル1回と攻守ともの力のぶつかり合いは続いた。
 だが、この攻守衝突の中で得点差5点が関西学院大学オフェンスを後押しし、関西大学ディフェンスに徐々に緊張を強いていくことになる要因になっていたかも。違った点差だったら、関西学院大学関西大学ともに違った緊張だったかもしれないが、それは、もはや仮定の話。

 このシリーズは、関西大学ディフェンス全体に緊張感集中力はあったのだが、関西学院大学の得点で、8分間の緊張がとりあえず終了した。

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 その次の関西大学オフェンスがFD更新できず、2回のパス失敗等ですぐに攻撃権移動となってしまったのだが、関西大学ディフェンスにとって、短時間でフィールドに戻って・・・というサイクルが厳しかったかもしれない。

 この関西学院大学オフェンスシリーズは、QB#16加納からフィールド中央パスヒットとレシーバーに対するホールディング反則による15ヤードゲインを皮切りに、RB#33多田羅中央ラン15ヤード、WR#18萬代へ18ヤードパスヒット、RB#39稲村12ヤードランなど、この日始めて第1Dでの連続ミドルゲインとなる。
 関西大学ディフェンス陣の足が止まってしまい、タックルが届かずにずずると後退していき、10点差となるTDを許してしまった。

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 関西学院大学オフェンスは、前節京都大学戦でQBにプレッシャーが届き、今回はボールキャリアに対する正確で執拗なタックルを受けて攻撃が出ない。厳しいディフェンスチームに対して、どのようにオフェンスプレーを進めていくかという課題を突きつけられている。

 その中で、QB#16加納からWR#1松原、#18萬代へのミドルパスが確実にヒットするレシーバーを探す冷静さとコントロールは見事だった。それ以外にも、少しずつ打開策が煮詰まってきているように見える。

 この日はさらにWR#42金村が値千金の集中力のあるパスキャッチを披露し、さらに2ポイントコンバージョン成功でQB#16加納のガッツポーズが出た。オフェンスは順調にステップアップしてきている。

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 関西大学ディフェンスの前節と見違えるような集中力とスピードと正確なタックルが、後半第3Qでも衰えることなく連続して決まっていた。第6節の関西学院大学に対してこんなことができるのならば、あの時もこの時も、と思うのだが、それは来年考えるとして。

 怪我人復帰してほぼ万全の体制となったディフェンス陣は、この試合で再び負傷者を抱えてしまったかもしれないが、オフェンスもQB#9宮城のスクランブルランとTE#86強、WR#16永川へのパス、さらにRB#37大丸、#21境家などで、次節が今シーズン最後の試合にしてください。




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11月16日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
近畿大学 0 0 7 0 7 2-4-0
同志社大学 0 0 0 0 0 0-6-0





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11月16日(日) 西京極陸上競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学7007146-0-0
京都大学31000133-2-1
(現地観戦)
 
立命館大学
京都大学
1Q FL
TD
1Q FG
2Q
FG
FL
TD
END 2Q
3Q
3Q
TD 4Q
FG×
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
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AK-CHARTの見方


 先攻京都大学。自陣20ヤードスタートの攻撃は、左右に2人ずつレシーバーを配置してスタートした。QB#10桐原とWR陣のパス攻撃は今シーズン京都大学オフェンスの売りポイントだが、この試合も徹底したパス攻撃が試合前半のロングドライブ3回につながってる。

 第1プレーが右WR#82中村へ11ヤードのクイックヒット。さらに、右WR#18坂田へ17ヤードパスヒットと続く。2プレー連続で右サイドへのショートパスだったが、この時点で、このあとも何回も同じような左右パスが繰り返され、そしてパス成功率の高いドライブが続くとは、考えもしなかったが、京都大学オフェンスプランは、このポイントに徹底していた。

 この日3プレー目は左サイドロールから左インサイドレシーバー#82中村のアウト13ヤードヒット。これで敵陣39ヤード地点でFD更新となる。その第3D、右TE#20永田の縦クイックパスは敵陣20ヤード付近でパスキャッチ後のダウンかと思われたのだが、立命館大学にかき出されてしまい、ファンブルロスト。

 リズムよく進んでいた京都大学オフェンスの勢いも、このターンオーバーで終了かと思ったのだが、その後も勢いが衰えることもなく得意とするとろのショートパスによるゲームプランが機能し続けていく。

 京都大学第2シリーズは自陣16ヤードから。インサイドのランプレーだけは立命館大学鉄壁ディフェンスを突破できないものの、アウトサイドへのショートパスは左右にヒットする。
 このシリーズは、右を見て左サイド#17生川に5ヤード、右WR#17生川に18ヤードなど。さらに#18坂田、#8吉村のパスキャッチと、QBサック時の立命館大学フェイスマスク反則も加わって4回のFD更新で敵陣15ヤードまでのロングドライブ。左コーナーWR#82中村へのミドルTDパスは失敗に終わるがFGで3点を獲得した。

 さらに次のシリーズでも、#17生川、#82中村へ10数ヤードのパスが飛ぶ。立命館大学インターフェアの反則も加わって敵陣14ヤードに到達している。
 この時点で第2Q終盤。さすがに立命館大学ディフェンスも対抗策を考えるようになってきてこの3回目のドライブではOLB#52海島のパスカット、QBサックなど、少しずつ京都大学パスオフェンスが止まるようになっていった。

 京都大学としては、試合開始早々から3回のロングドライブで敵陣侵攻達成も2FGまで。少数得点に終わってしまったのが惜しい。3TDは無理でも、2TD1FGぐらいの貯金があったら、とは思うのだが、さすがに立命館大学ゴール前ディフェンスの力も侮れないということだろう。

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 一方の立命館大学オフェンスはQB#11松田による。今シーズンはセットバックとショットガンというスタイルを貫き通してきたが、試合を重ねるごとにQB#11松田のプレーにも落ち着きが見えてくるようになってきている。
 パス失敗してもディフェンスプレッシャーを受けてプレーが崩れても、それが次以降に尾を引かなくなってきた。冷静にパスターゲットを探しだし、あるいは、パスターゲットがフリーになる瞬間を狙ってパスを投げる、など冷静沈着な攻撃の司令塔になった。

 そのQB#11松田率いる立命館大学オフェンス第1シリーズは自陣32ヤードから、RB#26松森のオープンラン、WR#31常包へのクイックパスなどで前進を重ねる。
 しかし、京都大学DB(S)#15前川筆頭にディフェンス陣の出足が早く、また正確なタックルもあって、ビッグゲインには至らない。
 結局TE#5森や#31常包へ10ヤード程度のパスを通しながらの小刻みなドライブで立命館大学が先制する。

 次のシリーズもRB#25橋本ドロー11ヤードや、#26松森のスピードラン20ヤードなどで自陣からドライブを行ったが、京都大学ディフェンスの反応もいい。
 立命館大学ミドルパスを京都大学DBカット、そのカットボールを地面スレスレでDBがボールをキャッチするというファインプレーで攻撃権が移動してしまった。

 このように立命館大学オフェンスもドライブするもの、京都大学ディフェンスの堅守、等々でロースコアの引き締まった試合が繰り広げられた。ちなみに、ここの#26松森20ヤードゲインがこの日の最長プレー(私のメモによる)になる。

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 こうしてパントキックの応酬が続く中で第2Q終盤、立命館大学自陣でのパスキャッチ後のランプレート中のファンブルターンオーバーと、そのリターン後のレイトヒット反則が京都大学の得点に結びつく

 ファンブルあるいはインセプのターンオーバーと反則罰退が失点に結びついてしまうという典型的な流れであり、ロースコアの試合で厳禁な項目全てを立命館大学が引き起こしてしまった。

 これで京都大学は敵陣20ヤード付近で攻撃権を得ると、左WR#82中村への縦パスが17ヤードのTDパスとなって逆転、京都大学6点リードでハーフタイムを迎えることになった。

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 試合前半の立命館大学攻撃は計4回。2回のロングドライブと2回のあっさり終了。両校ともショートゲインが繰り返されプレーで時計が止まらない試合内容なので、時間がどんどん消化されていく。その結果、攻撃回数が少なくなってしまうので、一つのオフェンスシリーズも疎かに出来ない状況。そして、これは後半も変わらなかった。

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 後半、京都大学オフェンスは、立命館大学ディフェンスが対応できるようになってきたことなどにより、短いパスが決まらなくなっていく。
 一方の立命館大学オフェンスも、TE#5森パスやWR#1呉田リバース、さらにRB#22西田、#26松森のランを試みるものの、京都大学DB#14田畑、#15前川の反応のいい動きに遮られて、大きなゲインにはつながらない。

 ただし、立命館大学オフェンスのパワースピードと選手層は、やはり京都大学ディフェンスのそれを上回ることは否定できない。
 QB#11松田が慌てることなく冷静なパフォーマンスを繰り広げていたことも合って、いつかどこかで最低でも1回くらいは得点シーンがあるだろうと考えていた。

 一方の京都大学オフェンスも得点を取りたいが、前半のようには短いパスが繋がらなくなっていて、中央のランプレーは立命館大学DLに遮られている状態。
 このように手詰まり感はあるものの、この試合あまり用いていないロングパスを、どの時間帯で試みるか、さらに立命館大学に15ヤードロスの反則やターンオーバー攻撃権放棄が試合をひっくり返すか。

 京都大学が6点リードをしているものの、このままでは、一度は立命館大学逆転シーンは有り得るだろう、そのあとの京都大学反撃と立命館大学ミスの有無は如何に、という後半戦、第3Qはお互いに敵陣へ入ることもできないまま時間だけが経過した。

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 第3Q終盤立命館大学自陣16ヤードスタートの攻撃シリーズ。自陣でクリッピング15ヤードロスの反則があって、あっさり止まりそうなシリーズだったが、WR#31常包へカウンター気味のパスで反則ロス分を挽回してFD更新、さらにサイドチェンジを挟んでRB#26松森のランプレーなどで後半最初の敵陣侵攻、エンドゾーンまで30ヤードに到達した。

 このシリーズ、敵陣30ヤードまで侵攻したことで、立命館大学にとって重要な攻撃シリーズになった。ここを無得点だった場合に次の攻撃は残り5〜6分ごろから始まることになるので、失敗の許されない緊張感が漂う中での攻撃になってしまう。これは避けたい。

 したがって、出来る事ならば、今回この攻撃回で得点して逆転しておきたかったということなのだろう。本当は出したくなかったかもしれないような、OLブロッカー付きのRB#25橋本へのカウンタ系パスなどの取っておきのプレーが加わり、最後はRB#22西田のオープンランでエンドゾーンへ。第4Q残り時間9分09秒。立命館大学が逆転した。

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 立命館大学キックで試合再開。京都大学攻撃は自陣スタート。攻撃手段が少なくなってきた京都大学オフェンスにとって、フィールドポジションを挽回する手段がない。さらにランニングパントがショートになってしまってポジションを挽回できないまま、タイムアップとなってしまった。

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 京都大学QB#10桐原による短いパスが左右にヒット(左右比率では右が多い)し続けていた試合前半。3回のロングドライブはいずれも10ヤード程度のほぼ同じパターンのパスヒットによる。

 後半になると、この短いパスのヒット回数が減ってRB曽田、QBキープなどの中央突破ランが(止むを得ず)増えていったのは、一つは立命館大学ディフェンスが対応したこと、とくにオフェンスから見て右サイドのDLLBが同じパスコースに慣れてきてパスカットが続き、左サイドも同様にディフェンスが対応したこともある。
 また、後半は少しずつQB#10桐原のパスコントロールが乱れていったのだが、特にボールが浮いてしまうパス失敗も加わっていった。

 一方で立命館大学ディフェンスの立場から京都大学連続パスヒットを見ると、DLが何が何でもOLを割ってQBにプレッシャーを、という姿勢ではなかったことが、ヒットの続いた要因の一つ。
 LBDBも後半には完全に対応して止めたものの、前半の早い段階でアジャストしなってのは、出来なかったのか、故意にしなかったのか。関西学院大学オフェンスの得意なパスコースなので無策ということはないと思うのだが、奇異に映った試合前半。
 今年のパスディフェンススタイルなのか、次節のための隠蔽工作なのかは、次節の試合にならないと判らないところになる。

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 立命館大学は、第4Qのオフェンス逆転ドライブで白星をもぎ取った。今シーズンの試合でリードされてハーフタイムを迎えたのは、神戸大学戦に続いて2回目だったが、今回は冷静なオフェンスドライブで勝利を掴んだと言えよう。
 もっとも、このドライブ途中に、おそらく最終戦に向けて準備していたものだろう、とっておきのプレーをいくつか見ることができた。

 ただし関西学院大学も前日の関西大学戦で、とっておきを披露しているので、ここは引き分け。このあたりは、時間があれば、最終節展望にて。

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 京都大学は、最後に逆転を許してしまった形だが、攻守とも練ったゲームプランを確実にプレー遂行して実現させた最高の試合だった。ディフェンスに負傷者を多く抱えてしまった様子だが、最終戦、もう一度、今回のようなパフォーマンスをみたいところです。




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