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試合開始前のセレモニーで同志社大学の前半レシーブとなったが、その同志社大学攻撃の前半FD更新回数がゼロ。そのために、常に同志社大学陣内で試合が行われていて、このフィールドポジションを神戸大学が少しずつ得点に結び付けていった。 同志社大学ディフェンスも神戸大学の攻撃に対して粘りを見せてはいるものの、劣勢なフィールドポジションをディフェンスの力だけではなかなか挽回できなかった。 ******** 神戸大学第1シリーズはRB#4大原のオープンラン8ヤード、RB#1小椋のインサイド突破、さらに第4Dギャンブルのラン突破も挟んで敵陣20ヤード付近まで到達する。その後、WR#12石井へのミドル中央、WR#83東内左コーナーTDパスがいずれも失敗に終わったが、K#18阪本による40ヤードのFGキックを決めて先制した。 次のシリーズではWR#83東内へスクリーンヒットも、その後のWR#24大園への横パス、#84井上へのアクロスパスがいずれもタイミング不一致に終わる。 以上の2回のシリーズを参考にしたかどうかは判らないが、この日は、RB#1小椋による中央突破のランプレーが確実に計算できる状態。 こうして第1Qから第2QにかけてはQB#1小椋→RB#4大原→WR#24大園のスペシャルプレー失敗後のRB#1小椋によるドロー12ヤード、など中央をつくランプレー中心にTDドライブ、さらに、ディフェンスパスインターセプトで得たポジションも再びRB#1小椋による中央クイックヒットとWR#83東内へのショートパス&ランでTDに結びつけた。 しかし、第2Q最後のTDは、QB#4大原からWR#83東内へ25ヤード、#24大園へ19ヤード&11ヤードTDパスによる。 スローバックパスでは、レシーバー配置とパスターゲットの関係が見事だったり、さらに第3Q最後のシリーズもWR#24大園へ34ヤードパスヒットと、時間経過する毎にパスでも距離が出るようになっていった。 ********* この日の神戸大学オフェンスは、RB#1小椋、QB#4大原によるランプレーが試合の突破口となった。今シーズンどこかでは「パスのチーム」と書き、この試合の展望でも、わざわざスタッツ数値で確認してパスオフェンスのチームと紹介したのだが、見事に裏をかかれた(^^)状態である。 もともとランでもオフェンスプレーバリエーションの豊富なチームなので、RB#1小椋などによるラン中心の試合展開も十分に可能なチームではある。さらに相手ディフェンスとの力関係によってランパスプレー比率を変えていくことも当然ありうる。(と、弁解しておく) ********* ところで、神戸大学オフェンスの今季これまでの試合で、QBに#1小椋がセットして#4大原がRB位置に入るプレーが何回か見られた。QB#1小椋からRB#4大原へのピッチプレー、あるいはピッチを受けたRB#4大原から更にロングパス、というトリックプレーなどがあった。 だが、このフォーメーションの意図するところは、来年のQB候補として#1小椋を考えているということもあり得るかもしれない。もちろんQB#11東野も来年のエースを狙うべく、この試合の第4Qにフル出場している。が、来年のポジションは来年考えるとして。 その第4Qだが、QB#11東野が第4DQBスニークでファンブルロスト、RBと合わずピッチプレーをファンブルロスト、そしてRB#9松村はフィールド中央から40ヤードゲインの中央突破ランを見せるものの、エンドゾーン手前で同志社大学のタックルを受けてファンブルロスト、と両名とも苦い経験を積んでしまったが、酸いも甘いも経験ということで。 このように第4Qの神戸大学オフェンスチームは、いくつかのポジションで来年のための準備をする余裕を見せている。 ******** 同志社大学オフェンスは、試合前半でRB#2太刀掛による縦横のランプレーを神戸大学ディフェンスに完封されてしまっている。 中央突破には神戸大学ILB#55宮川が確実にフォロー、さらにDL#94久岡、#57春山などDLの壁が厚くてほとんどゲイン出来ない。これが試合前半でFD更新0回の主なる理由である。 しかし、試合後半ではランプレーを捨ててQB#17多川からWR#87居戸、#81和田などへのパス中心の組み立てに切り替える。 試合再開直後の勢いにも乗ってパス連続ヒットで敵陣3ヤードまで侵攻すると神戸大学ディフェンスの抵抗を受けつつも、第4DのQBギャンブルキープでTDを獲得する。 その後は毎シリーズ敵陣まで侵攻するのだが、ランプレー途中のファンブルロスト、ギャンブル失敗などで、あと一歩で得点につながらなかった。 その中で、WR#81和田へミドルパス3本ヒットしているが、スピードがあってハンドリングも良い選手である。来年のエースターゲット候補としても、今シーズン今後の試合では注目しておきたい。 この試合の展望コメントへ |
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立命館大学オフェンスは前半3TD1FG1P、後半第3Qも1TD1FG、第3Q終了時点で34点獲得してパントは1回のみ、という今シーズンベストのパフォーマンスを展開した。QB#11松田からWR#1呉田、#31常包、#5森へのパスと、久しぶり登場なったRB#26松森のキャリーを筆頭に、RB#25橋本、#42高野橋、#33山本のランがコンスタントにゲインする。OLはほぼ固定メンバーだがライン戦勝利で試合の主導権を握った。ランパスのゲイン距離もだが、特にオフェンス側の集中力などの面でも、これまでの4試合と少し違った印象が残った試合だった。 というよりも、私にとってシーズン前半の各試合での目論見意図が見えにくいチームだと言うことを、何年か前にも書いたような記憶がある。ただし、成長ストーリーが私の過去の諸々の経験と合わないだけで、こんな方法もありうるかもしれないと考えられるストーリーは辿っている。要するに、立命館大学なりの成長ストーリーがあって、それが「DNA」として受け継がれていて、今年も実践されているということなのだろう。 ******** 試合は先攻立命館大学第1シリーズ、第1DでQB#11松田によるショットガンTE#5森へ5ヤードパス、第2Dセットバック隊形からTB#25橋本の中央突破ラン8ヤードゲイン。この2プレーで立命館大学OLが関西大学DLを押し込んでいることが明確に見えると、次のシリーズからは、ランパスミドルゲインが繰り返された。 第2シリーズは自陣47ヤードから、右WR#1呉田へのミドルパス。このパスに対してDB反応がよくてボールを叩くのだが、イーブンボールをOL(?)がカバーしてFD更新というラッキーがあった。その後RB#25橋本13ヤード、RB#26松森9ヤードと続いて、最後はWR#5森へのTDパスで先制する。 次のシリーズは自陣15ヤードスタート。RB#25橋本、#26松森のスイープ、オープンランで自陣35ヤード地点でFD更新、その第3D。 QB#11松田ロールからのパス狙いに対して関西大学DLプレッシャを受けて逃げる状態。そしてターゲットを探していたところに、右サイドのレシーバーWR#31常包が戻ってきてフリーをアピールする。そしてパスジャストヒットとなったQBWRの連係プレーは、いい意味で唖然としてしまった。 このシリーズはRB#26松森オープン52ヤードのTDランで得点を加えると、第2Qに入ってもRB#25橋本カウンターラン10ヤード、右RB#26松森への横パスからのランにダウンフィールドブロックが加わって10ヤード近く前進、WR#31常包への縦パス21ヤードなど、様々なコンビネーションプレーとミドルパスヒットなどで、3個目のTDを獲得した。 試合後半も、前半同様に1プレー5ヤードゲインは確実に計算できる状況で、RB#42高野橋、RB#33山本のランも加わって1FG1TDを追加、試合を決めた。 関西大学ディフェンスは、冒頭に記したように、ライン戦で劣勢だったことと、立命館大学バックス陣のスピードとのミスマッチによるのかLBDBのタックルポイントが微妙にずれてしまっている。試合序盤からこの傾向が変わらないまま、ドライブされてしまった。 ******** 一方の関西大学オフェンスは、QB#9宮城と第3Qを担当したQB#14原口による。この試合では、特にQB#9宮城からWR#86強へのショートミドルレンジのパスの成功率が高く、試合前半のオフェンスドライブ4回中2回の敵陣10ヤード付近到達の要因になっている。 そして、これまで相手攻撃に完全に崩されたことがなかった立命館大学ディフェンスに対して、関西大学がオフェンス力で得点を挙げるシーンが目前まで迫っていたのだが。 第1Q最後から始まったシリーズでは、#16永川の40ヤードキックリターン、立命館大学反則、RB#37大丸の中央突破17ヤードミドルゲイン、などで敵陣12ヤードに到達するものの、RBへの横パスが乱れて失敗。 第2Q中盤にはWR#86強へ9ヤード、16ヤードと連続ヒットして敵陣15ヤード付近まで到達するも、QBスクランブルでスリップダウンしてしまう不運に見舞われる。 関西大学オフェンスがパスでテンポいいドライブを見せていたのだが、FG成功1回失敗1回で3点獲得に止まってしまったのが残念だった。TDまでもって行けてたならば、関西大学ベンチサイドもディフェンスチームも、そして立命館大学サイドも違ったムードになっていたかもしれない。 ******** ******** この試合は、最初にも書いたように立命館大学にこれまでの4戦とは全く違った展開を見せられてどうしたものか、と悩んでしまったのだが、オフェンス成長曲線は、今回で一変して上向きのカーブになったが、カーブは二次曲線か三次曲線か。あるいは、おそらく可能性はないだろうが下向きに変わるか。このあたりが次節の見所になる。 一方で、これまでの試合では盤石だったディフェンスが、今回はパスヒットが続いたり、反則が続いたりという傾向が見られた。もっとも、積極的なブリッツを試みるでもないまま経過していて、まだベストのパワースピードを発揮していない。次節京都大学戦では、このあたりに変化が見られるかもしれない。 関西大学オフェンスは、試合を重ねる毎にQB#9宮城とWRのコンビネーションが確立してきている。この試合ではWR#86強にパスヒットが続いている。さらにRB#22松森復帰などで今回のオフェンスリズムは次節以降のつながりそうだ。 この試合の展望コメントへ |
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甲南大学は前節で京都大学と引き分けていて1勝2敗1分、一方の近畿大学は4連敗。という背景を踏まえて、この試合の展望は落ちてしまったのだが、戦前予想は甲南大学が優位に試合を進めるかと考えていたのだが、結果は全く異なってしまった。 一番最初に目に付いたのが、甲南大学ディフェンスの動きが鈍かったこと。前節までのようなスピードや切れがなかった。さらに甲南大学QB#11松延が第3Q開始早々にケガで戦列を離れてしまったことで、2TD差を追いかける甲南大学オフェンスが窮地に陥ってしまった。 実は甲南大学オフェンスは前半最後のシリーズを除くと合計4シリーズでパスを2回しか投げていない。最初のパスをインターセプトされて、その後ランプレーが続く。再び投じたパスをインターセプトされているので、インターセプトを嫌がったというのもあるかもしれない。 ただし、前半最後のシリーズはWR#25檜垣、#18大槻、#81宅和に3連続ヒット、さらに最後もTE#8山本へミドルパスが繋がっている。 したがってランプレー比率が高かった前半は、パスインターセプトを嫌ったことよりも、後半のための「種まき」と思って見ていた。近畿大学ディフェンスの目をランプレーに集めておいて重要なところでパスを通すための、下準備。 第3Q甲南大学2プレー目。QB#11松延スクランブルランでFD更新する。これもプレーアクション絡みの「種まき」の一環かと思っていたのだが、このQBランで負傷退場、そして、フィールドに戻ることがなかった。 QB#11松延のオフェンススタイルに合わせて準備していた前半の「種まき」が無駄になり、QB#13京極によるオフェンススタイルでの立て直しとなった。 第3Q残り3分54秒甲南大学QB#13京極によるオフェンスは、自陣40ヤードからRB#34永井、#26高谷などのランプレーだけだったが、少しずつ前進していた。ラフィングザパサーの反則もあって敵陣22ヤードで再びFD。QBキープ5ヤード、RB#34永井左OT3ヤードで第3D残り2ヤード。 ここで第4Qに突入するサイドチェンジ&プレーを検討する時間が与えられた甲南大学は第3Dショートヤードでパスを選択するが失敗。そして、第4DギャンブルRB#26高谷のインサイドラン突破を近畿大学ディフェンスに遮られてしまった。 第4Q残り11分少々の段階で13点差だったが、ここの第4Dギャンブルを近畿大学ディフェンスが抑えたことで、近畿大学が試合の主導権を握ることになる。 甲南大学は第3Qに5分・4分を使いながら無得点に終わり、一方の近畿大学はRB#29吉田、QB#18原田スクランブル、UBダイブとWR#19森へショートパスなどなど勢いに乗って6分以上のロングドライブが続く。 第4Qで近畿大学がリードしている時に見せる時間消費ドライブは、過去にも何回か見てきていて定評があるが、今回もかなりの時間を消化してしまった。 甲南大学に攻撃権が巡ってきたのは第4Q残り5分。2TD差を追いかけるQB#13京極オフェンスユニットだが、ドライブの手段が消えてしまった。 ******** 甲南大学にとってQB#11松延の負傷が一つのターニングポイントだったのは間違いない。だが第3Q後半、QB#13京極が丁寧にコントロールしたランドライブによって敵陣14ヤード付近まで到達しながら無得点に終わったことで、試合の流れが決してしまった。 甲南大学としてはQB#11松延による本格的なパスオフェンスが展開されていない状態、さらに第2Q最後のシリーズで、そのパスドライブに目処がついて、逆転の後半戦に向けて、着々と準備が整っていったのだが、ゲームプランが崩れてしまったのが大きかった。 ******** 近畿大学オフェンスはQB#18原田、RB#29吉田による。序盤はインサイドのランプレーに甲南大学ディフェンスも対応するが、右サイドへのオープンランでRB#29吉田が16ヤード、9ヤードと大きく前進する。これでFGで3点を追加。 その次の近畿大学攻撃では、RB#29吉田、#44三好のパワー中央突破とインサイドにも穴が開くようになり、さらにWR#19森へ10ヤードパスヒットなど。甲南大学ディフェンスのタックルポイントがずれたりで、本来はショートゲインで止まりそうなプレーも少しずつ距離が伸びていく。 第2Q,近畿大学はWR#19森への右縦ロングパスが71ヤードのTDパスとなって10点差。さらに、次のシリーズも、RB#44三好の中央突破15ヤードを筆頭に、RB#29吉田、WR#19森、QB#18原田キープなどで敵陣侵攻、FGによって13点差とした。 さらに試合後半はFGレンジまで2回侵攻するドライブ力を見せた。得点は入らなかったが、攻撃で時間消化したことが試合勝利に繋がっている。 この試合の展望コメントへ |