関西学生アメリカンフットボール Div1 第4節



10月18日(土) エキスポフラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学





甲南大学







 京都大学オフェンスはQB#10桐原のパスで前進をはかる。ランドライブできていないわけではないが、WR#82中村、#18坂田、#17生川へのパスをつないだドライブによる得点が目を引く今シーズンオフェンスである。
 さらに今春にはTE出場のあった#20永田もWRに加わって機能するレシーバー総勢4名というパス主体のオフェンスとなった。前節観戦記にこのようなシーンは何年ぶりかと書いたが、今シーズン中にノーバックスタイルもお目見えしてくるかもしれない。

 さらに前節神戸大学戦ではRBWRがハドルと関係なく参加してディフェンス配置を迷わすシーンが数回繰り返されている。あとから加わったWRRBがボールキャリアになることがあるので、ディフェンス側から見ると少々厄介な策になるかもしれない。
 昨年は複数名があとから加わるスタイルを立命戦で披露したが、今年はサイドラインに近いほうのレシーバー1名、または、ランナー1名のみになっている。1名と言えどもディフェンスにかなりの移動を要求されることになるのか、実際はそこまで悩まなくてもいいことなのか、バリエーションを研究してみると面白そうだが、私のところではそこまでの検討は行いません。

 京都大学ここまでの試合(同大近大神戸)では、相手ディフェンスのプレッシャーがQB#10桐原に届くようなシーンをあまり見かけていない。
 対する甲南大学ディフェンスもDL#67塚本、#54宮本、#3池内、LB#5橘田、#6内芝、DB#4中田と勢いのある選手が揃い、鋭いタックルが決まることもある。前節関西大学戦は最終的にはオフェンス殴り合い点の取り合いの様相を呈していたものの、最後の重要なシーンではディフェンスの集中力が冴えている。

 京都大学パスに対してDLLBがQBに届くか。そしてもうひとつが、WR#82中村と#18坂田に対するDB陣のパスカバー。寸前参加者に対する柔軟性の部分を見ておきたい。また今後の参考という意味も込めて、個人的には京都大学のランパス比率を確認したい。

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 京都大学ディフェンスはDB陣#15前川、#14田畑、#1小澤、#47阿部のパスカバー&インターセプト量産とハードタックルが話題の中心になっている。
 またフロント陣では昨年に引き続きLB#91三井の動きが際立つのだが、DL#58川島と今年からスターターになったLB#27山口の両名が要所で鋭いタックルを決めているところにも注目したい。一部オーバーリアクション気味のところも感じられるが、そのアグレッシブなところは光る。

 ただし、各人各ポジションとも、ランかパスか、ボールキャリアが誰かがわかった段階から動き始めるというスタイルを貫き通しているようだ。QBに積極的にブリッツで攻め立てることは極力避けている様子で、プレーが判明した後のタックルスピードでカバーするのが基本方針である。ただし、前節同志社大学戦では積極的なクイックパスに対して序盤からDBブリッツを試みていたので、対戦チームごとに臨機応変という部分も残っている。
 ただし、今回甲南大学戦では、RBWRともに充実したランパスバランスアタックということもあって、おそらく後方待機になるのではないか。

 その甲南大学オフェンス前節は、終始試合をコントロールして関西大学に対して完勝となった。
 RB#26高谷、RB#1、WR#16吉田、#81宅和、#18大槻とQB#11松延によるセットバック主体、時々ショットガンスタイルのランパス攻撃は、クイックヒット系のパスと中央を突くランプレーというオーソドックスだが、プレーの選択順や攻撃ポイントは巧妙に考えられていて、その部分も含めて相手ディフェンスに対して十二分に渡り合うことができるところが今年の特徴になっている。

 ところで甲南大学は前節にIフォーメーションのUBに#1、TB#26高谷を起用した。これまでもIの傾向はあったものの今秋本格的にRBを縦に並べてUBを積極的に起用したのは始めて。関西大学ディフェンスに対してUBダイブも後半には出るようになったが、それが通用するか。
 開幕2戦の立命関学にはやむなく敗戦を喫したものの第3節で白星を獲得して勢いに乗る今節第4節は京都大学をどのように攻略していくか。

 京都大学のオフェンスは、甲南大学ディフェンスに対して緊急の課題を突きつけた(上記ハドルブレイク後の参加)格好になっているが、甲南大学オフェンス側から京都大学ディフェンス側に突きつけるものがあれば「御相子」になる。

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 甲南大学は、UBダイブとクイックパスによる速攻ドライブで先取点を挙げて・・というのが、前節の試合展開。そして今回も同じストーリーに則って、オフェンスで時間を稼ぎ、ディフェンスが辛抱強くパスに対応する。これで逃げ切れるか否か。

 京都大学側視点にたてば、ここは完勝して一気に後半戦につなぎたいところになる。先行して時間消費スタイルが京都大学勝利のスタイルだが、神戸大学戦では時間消費オフェンスに失敗したところもあるので、このあたりのサジ加減も、見所として挙げておきたい。

 関西覇権奪取に手が届くか京都大学に挑むDIV1復帰1年目の甲南大学、という構図だが、やってみないと判らない項目が残っている試合である。










10月18日(土) エキスポフラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





近畿大学







 立命館大学の前節神戸大学戦はディフェンスがもたらした勝利で、オフェンスは辛抱の試合だった。ランプレーでは試合序盤でファンブルが2回。たまたまボール確保できたのでターンオーバーには至らなかっただけ。第4Dの無人のフィールドという異様なシーンなど、オフェンスチームのマイナス面ばかりが強調されてしまう試合だった。

 したがって、第4節今回の試合は、是が非でもオフェンスでしっかりと勝ち上がりたいところである。

 前節近畿大学と対戦した関西学院大学は6TD3FGを挙げているが、単純な数値比較だけではなく、その内容が必要になってくる。もしも立命館大学オフェンスの丁寧なプレースタイルを見ることが出来れば、たとえロースコアであっても、関西学院大学が獲得した51点よりも少なくても、そのほうが今後に繋がる試合になる。

 個々には、例えばQBのパスパフォーマンスやタイミング、レシーバーとの不一致やハンドリングミス、RBのファンブル多発など挙げられるが、OLブロック精度含め、全体的に完成度を上げて行きたい第4節。QB#11松田、RB#34橋本、#22西田、#26松森、WR#2宜本、#1呉田、#31常包、とOL陣の健闘を期待したい。

 一方のディフェンスだが、DL#90久司、#92前田のフロントに#57武知が復帰した前節だったが、その間に登場していた#48十亀、#30南も力をつけて穴が埋まりそうな状態にある。
 さらに#99岸本、#53相馬、#52海島という不動のメンバーによるLB、パスカバーランサポートに秀逸なDB#12今西、#4町の活躍は、今回も際立つことになるのか。

 昨年はLB#99岸本が立関戦でスローバックパスに対応して驚愕したが、今年は他のメンバーもスローバックパスに惑わされていない。
 もはやオーバーリアクションを期待するウンター系のプレーでは立命館大学ディフェンスを攻略できないのだろうか。と考える一方で、実は、これは立命館大学オフェンスとの相対的な完成度の違いだけによるのではないか、という不安も沸き起こってしまうのだが・・・・。

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 近畿大学はここまで3戦3敗、獲得点数は7点+9点+0点=16点(2TD1S)QB#18原田、#3井木、RB#29吉田、WR#19森、#6井本、#7永山によるランパスを志向するが、なかなかロングドライブに至っていない。

 立命館大学ディフェンスここまでの失点は、前節神戸大学戦第2Qのパンタースクランブルシリーズでの1TDのみ。力で崩されたシーンがない。
 対する近畿大学攻撃は3試合合計2TDなので、過去3戦を元に類推すると、近畿大学オフェンスが立命館大学から得点を奪うことができるのか、という疑念も湧くような状況ではある。

 しかし、近畿大学ディフェンスが立命館大学オフェンスを封じ込めたならば、そのときはモメンタムが近畿大学攻撃を後押しする。この試合のキーポイントは、近畿大学DL#52加藤、LB#9藤井、#49松井、DB#34西村、#32鷲野、#21吉田などのディフェンス陣が握っている。

 過去には、立命館大学にとって大きな壁になったこともある近畿大学だが、今年はいかに。










10月19日(日) 王子スタジアム 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
同志社大学





関西大学
















10月19日(日) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
神戸大学





関西学院大学







 神戸大学オフェンスは、開幕戦関西大学戦は短いパスをつないだりWR配置や起用方法に工夫があった。京都大学戦でもストーリーを感じたのだが、QB負傷退場で計算が狂ったところがあるかもしれない。
 前節立命館大学戦では、QB大原と東野の併用となったが、オーソドックスなプレーに終始したような印象を受けた。両QBそれぞれに負担がないようにプレー選択するのが精一杯ということなのか定かではないが、やはり、主戦QBの大きなケガが今シーズン今後のオフェンスパフォーマンスに大きく影響してしまうことになるのか。

 過去の出来事から約1ヶ月が経過した。神戸大学も現在の状況を踏まえて何が出来るかを練り直し、新しいスタイルの完成度を高めていく時期にさしかかっていることだろう。一方で負傷が癒えた完治したということも考えられるのだろうか。どのようなスタイルになるか、まず最初に、そこを確認したい。

 QB大原東野でもプレー傾向は同じようだが、経験という点では大原が上回るのはやむをえないところ。この折り合いをどのようにつけて、プレーセレクトを行うか。パスターゲットはWR#24大園、#2桂、WR#84井上、TE#83東内など。そしてRB#1小椋。

 なお昨年まで2年連続リーディングレシーバー#24大園のレシーブ記録と京都大学#18坂田との差も気になるところだが、まだ第4節。今回は封印と言うことで。

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 関西学院大学ディフェンスの今シーズンここまでの先発選手は不動のメンバーで固められている。
 DLはNGに主将#93早川、DE#98黒澤、#52平澤という最前列、そして第2列LBでは#11深川と#7坂戸をインサイドのLB(ILB)に、そしてアウトサイドのLB(OLB)に#90古下と#68吉井という若手を配置したのは、そのスキル面もあるだろうが、昨年まで#11深川が担当していたポジションのスキル伝承という意味も込められているかもしれない。(他チームのオフェンス動向を見ていると、来年も第2列にフリーマンが必要なのか疑問は残るが、技術の伝承は必要です)そして第3列DBは、Sに#84徳井と#8善元、CB#28三木、#23頼本という布陣になっている。

 このディフェンス陣による今シーズンここまでの失点は3点のみ。関西学院大学パントリターンのリターナーファンブルによるターンオーバーで攻撃権を与えたあとのFG(甲南大学戦)だけで、ドライブされた失点はない。

 開幕戦では、同志社大学のクイックヒット系のパスとRB#2太刀掛によるランドライブを許した時間帯もあったが、その後の2戦(甲南大学戦・近畿大学戦)は、ディフェンスが力で抑え込んで白星に繋がっている。

 神戸大学オフェンスと関西学院大学ディフェンスの攻防だが、タイプ的には同志社大学と同じようなクイックパスとRBのインサイドランという神戸大学攻撃プランに対して関西学院大学ディフェンスがどの時点で対応できるか。

 今春の関西学院大学ディフェンスは、インサイドをズルズルドライブされると、なかなか止められない傾向があったが、リーグ戦ここまでは、そのようなシーンがない。これがディフェンス建て直しの結果か、相手との力関係によるのかリーグ戦後半戦に突入する前に確認しておきたいポイントである。

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 今シーズンここまで神戸大学ディフェンスがいい。DL#57春山、#75小澤の中央縦突進とDE#89杉本、#94久岡によるオープンケア、守備範囲の広いILB#55宮川とOLB#49浅野、#42玉井。DB#17山下、#5川崎、#26中江のセイフティ陣のランサポートの上がりが早い。

 関西学院大学オフェンスとしては、これまでに対戦した相手と比較しても神戸大学ディフェンス各ポジションにばらつきの少ない充実した陣容になっているので、少々、手を焼くシーンが出てくるかも。
 ロースコアのまま試合が進んでいくと、立命館大学VS神戸大学の試合展望コメントに「今年のリーグ戦傾向」なるもののなかで立命関学を並列表記したが、そのまま今回の試合展開可能性にあてはまることになる。

 関西学院大学はどのように得点を重ねていくか、オフェンス組み立ては、ランとパスをどちらに主体を置くか、OLのパスプロテクション、および、そのときのQB判断も興味深いところになる。
 なお、前節近畿大学戦ではQB#16加納と#12幸田で1試合の半分ずつを担当していたが、ともに4年生で今年のオフェンスの中心に位置するので、この試合も共同して試合をコントロールして行くことになるだろう。

 パスレシーバーは、WR#4太田、#87柴田、#18萬代に左右クイックヒットからミドルレンジまで、さらにTE#82中山、#95垣内、#86春日とレシーバー層は厚い。
 またRB#99河原、#45石田、#38平田、#21稲毛のタイプの違うRBカルテットは、神戸大学の中央を突くかオープンを捲り上げるか、中はDL#57春山、、#75小澤、LB#55宮川が厚い。そしてオープンランにはDE#89杉本、#94久岡のスピードがある。

 さらにDB#5川崎、#26中江がどの位置でRBボールキャリアに絡めるか、スクリメージ付近から最大5ヤードゲインまでで毎回抑えることが出来ればオフェンスドライブが止まるが、一方でこの第2・3列の動きが止まるか否かは、関西学院大学QBWRのパス精度も大きく関係する。

 関西学院大学OL陣も今年は不動のメンバーがスターターに並ぶが、神戸大学DLとのラインの攻防という基本部分の力関係にも注目したい。

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 関西学院大学としては、この試合はオフェンス力を発揮して勝ちあがりたい試合で、今シーズンここまでの対戦相手の中では充実したディフェンス神戸大学に対して、オフェンスがどこまで機能するか、今年リーグ戦前半の集大成となる試合である。目標は、当然のことながら、ランとパスをつないで神戸大学ディフェンスを迷わせること。

 一方の神戸大学としてはディフェンスの機動力を生かしてロースコアの試合に持ち込んで、一方で、復調なったオフェンスがランパスでかき回したい。










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