関西学生アメリカンフットボール Div1 第3節



10月04日(土) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学0373131-2-0
甲南大学6737231-2-0
(現地観戦)
 
関西大学
甲南大学
1Q TD
1Q
2Q
FG
TD
END 2Q
TD 3Q
3Q FG
FG 4Q
TD
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 どちらのチームが、どの時点で、どのようにして攻略のきっかけ試合の主導権を掴むかというのがポイントだったが、予想よりもかなり早い時間帯に、均衡が崩れた。

 そのバランス変化で甲南大学オフェンスが勢いにのって先制点を挙げる。このドライブで関西大学ディフェンスと甲南大学オフェンスの力関係がなんとなく見えてくる。

 一方の関西大学オフェンスも、先発して前半を担当したQB#9宮城と後半交替出場したQB#14原口とも、ランパスともにゲインを重ねて得点につなげていく。

 こうして最終的には両チームオフェンスの点取り合戦の様相を呈してくるのだが、終始追いかける側となった関西大学に訪れた第4Q逆転チャンスでの決断が鈍ってしまったことになるのだろうか、という微妙なシーンを経て、甲南大学リードのままタイムアップとなった。

 なお、関西大学側が本当に決断に迷ったか、手続き上のものなのか、その真実は当事者のみぞ知るところで観客席から見ているだけでは判らない。その微妙なシーンについては別途後段で。

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 コイントスの結果、先攻は甲南大学。

 自陣23ヤードから始まった最初の攻撃は、QB#11松延のクイックパスをDLが弾いてパス失敗。RBへのピッチにLB#11玉岡が対応して0ヤード。オープンランもノーゲイン。甲南大学は3回の攻撃で全く進まないままに第4Dを迎える。

 ここでP#28板谷がボールを持って左サイドを走り抜けてFD更新をする。このプレーをきっかけにして甲南大学攻撃に弾みがつき、そのまま一気呵成状態のロングドライブとなった。

 第4Dで、なぜパンターが走ったのか、走ることが出来たのか、パンターがランナーに変身する瞬間を見ていない。気付いたときには左側を抜けていたので、詳細は不明です。

 パンターランによるFD更新後は、WR#81宅和へ12ヤード、RB#26高谷のドロー13ヤードと1回10ヤード超、関西大学ディフェンスは完全に脚と意識が止まってしまった。
 甲南大学はさらにRB#26高谷オプション、WR#25檜垣18ヤードとビッグゲインを重ねてTDドライブを完成、甲南大学が先制した。

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 その後はしばらく膠着状態が続くが、この中で関西大学もオフェンスドライブのきっかけを掴んでいく。甲南大学はRB#26高谷の左オープンランで24ヤードはあったものの2回ともパントキックに終わっている。
 あっさりした攻撃だったが、その前後の得点ドライブと比較すると、他の攻撃ポイントを探っていた、ということになるのだろうか。

 なお、甲南大学オフェンススタイルはQB#11松延によるセットバックIフォーメーションでTB#26高谷は前節までと同様だが、UBに#1寺内が加わってランパスドライブの厚みが増した。

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 関西大学オフェンスはQB#9宮城が先発、RBに#37大丸を配置したショットガンスタイル。

 第1シリーズでは左サイドWR#16永川へのショートミドルレンジのパスが連続でヒットした。さらに甲南大学DL#54宮本のラッシュに対してQB#9宮城がスクランブルランでかわして9ヤードゲイン。パスとランで自陣30ヤードから敵陣40ヤード付近まで前進した。

 ここで第2DFD更新まで残り1ヤードで左コーナーWR#16永川へのTDパスを試みる。ボール着地点には甲南大学DB2人との競争となってパス失敗。その後第4Q半ばまでサイドラインに下がったままになってしまった。

 ただし、QB#9宮城からWR#86強へのパスは通る。続くオフェンスシリーズもQB#9宮城スクランブルとWR#86強へのパスでフィールド中央まで。

 だが、最初に止まったのはランプレーだった。中央からOT付近までのランプレーに対してDL#67塚本、#69金子、#54宮本の壁とスピードでショートゲインに終わるようになってくる。

 これに対して関西大学も3回目のオフェンスシリーズからは、RB#41中東、RB#20小椋、RB#37大丸というパワーフォーメーションで対抗する。
 このRB陣のブロック参加が効いて、RB#37大丸の中央突破15ヤードを筆頭にインサイドランだけで敵陣19ヤード付近まで前進した。

 しかし最後は甲南大学DL#67塚本のQBサック、LB#5橘田ブリッツによるロスゲインによってポジションを下げた関西大学はFG3点に止まってしまった。

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 第2Q終盤、関西大学がFGで得点を挙げた。スコアは関西大学3、甲南大学6。

 残り1分55秒。甲南大学は自陣18ヤードスタートの2ミニッツオフェンス。その最初のターゲットはRB#26高谷、さらにドローフェイクの#81宅和インミドル18ヤード、6ヤード+ディフェンスホールディングとパス連続ヒットする。

 甲南大学オフェンスの1プレー10ヤード超ゲインが復活すると、さらにRB#26高谷へのスクリーンパス33ヤードのビッグゲインなどで7点を追加、甲南大学が得点差を広げてハーフタイムを迎えることになった。

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 試合前半の関西大学オフェンスは、QB#9宮城からWR#86強、WR#16永川によるパスドライブ、さらにRB3人によるパワープレーを試みた。そして後半からはQB#14原口を起用して、再びチェンジオブペースをはかる。
 そして試合前半と同様にWR#86強、WR#7池井スクリーン、WR#17高原パスヒットが続いて速攻7点獲得となった。

 後半立ち上がりは甲南大学ディフェンスの動きが悪かったのは立ち上がりだったからかチェンジオブペースの結果か。
 一方で甲南大学オフェンスと関西大学ディフェンスの攻防も、前半同様に甲南大学優勢のまま推移する。
 このように両チームオフェンス優勢の力関係になり、ディフェンス側にとってはギリギリの攻防が続く。その中でも各人の最後のところでのプレーが効く。

 甲南大学は5分間ドライブでFGを追加したが、ここをFG3点の合計得点差6点までに止めたのは関西大学ディフェンスLB#33大舘などのファインプレーによる。1TD1PATで逆転可能なシチュエーションを確保して、オフェンスの反撃を待った。

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 6点差を追う関西大学。

 第3Qから第4Qにまたがるドライブは、QB#14原口からWR#86強へのピンポイントパスヒットや、WR#98守部パス、RB#35楠田ランも加わって、自陣32ヤードから4回のFD更新。後半最初のドライブ同様にランとパスの速攻ドライブでエンドゾーン前9ヤードに到達する。

 TDで同点、PATが加われば関西大学逆転というシチュエーション。ここから関西大学のラン突破に甲南大学ディフェンスもゴール前ディフェンスでギリギリの攻防を見せた。

 その結果、3回のランプレーでエンドゾ−ンに届かず。3ヤードを残して第4Dとなった。

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 残した距離3ヤードなので、微妙な距離。フィールド内でもサイドラインでも、第4Dで何をするか明確に定まらないまま25秒計が回る。

 時計表示ゼロが先か、タイムアウトの要請が先か。審判協議の結果、ディレイオブゲームの判定がくだり5ヤードの後退。関西大学はFGで3点を返すものの、残り時間10分00秒で3点のビハインドを背負うことになった。

 ここの第4D残り3ヤードは簡単な距離ではない。選択肢としては(1)FGを蹴って得点差3点に縮めてもう一度追いかける。(2)ギャンブルでTD同点逆転を狙う。のいずれか。

 残した距離3ヤードと、今回のテンポアップしたドライブを見て次回シリーズも可能と判断すれば残り時間10分でFG選択もあり。一方で関西大学ディフェンスと甲南大学オフェンスの力関係を変えるためにも逆転リードして心理的優位を確保するというところもうなずける、微妙なシーンだった。

 ただし、ディレイの反則は、プレーの選択に時間を費やしたためなのか、タイムアウト要請の手続き面が主要因なのかは、当事者のみぞ知るところになる。

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 次の甲南大学オフェンスドライブは、やはり関西大学ディフェンスの防御を上回ってエンドゾーンまで到達、残り時間5分35秒で2ポゼッション差リードを確保する。

 得点差と残り時間から厳しいシチュエーションに追い込まれてしまった関西大学は、フィールド中央からWRへパスを狙ったが、弾いて浮いたボールを甲南大学にインターセプトされてしまい攻撃権喪失。
 残り時間2分36秒自陣20ヤードから丁寧に進めていたのだが、敵陣31ヤードで4回パス失敗で潰えてしまった。




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10月04日(土) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学3101424513-0-0
近畿大学000000-3-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
近畿大学
1Q
FG
FL 1Q
2Q
FG
TD
2Q END
TD 3Q
G×
TD
3Q
TD 4Q
RFL
TD
FG
TD
4Q REND
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 関西学院大学QBは#16加納と#12幸田による。第3Q途中まで#16加納だったが、前半第2シリーズは#12幸田という変則的な起用方法だった。
 したがって、#16加納責任では2TD2FG1P、#12幸田責任では4TD1FG1P。

 ハーフタイムの時点で関西学院大学13点。そして後半だけで38点獲得だが、タックルミスによるロングゲインが速攻得点につながっていることが大きい。

 試合後半は大勢が決していたこともあって、近畿大学ディフェンスモチベーションが試合前半とは異なるかもしれない点を考慮すれば。#16加納、#12幸田とも各自本来の特徴が出た試合と言える。

 スコアやスタッツだけでは試合内容はわからない、点数やスタッツ数値にモチベーションは表れない。選手起用面や詳細プレー内容などは、実際に見てみないと、という試合だった。 ********

 関西学院大学RB#45石田は「RBカルテット(#99河原、#38平田、#21稲毛、#45石田)」の中でも最もパワーランナーのタイプで、昨年までは負傷欠場が多かったが最終学年となった今年は、これまでの2年間の分も含めての大車輪の活躍となっている。

 パスでは、WR#4太田、#87柴田がミドルロングレンジのパスターゲットとして、QB#16加納とのコンビネーション確立するべく長い距離のパスを試していた。

 WR#87柴田にヒットしたのは最長38ヤード、さらに20ヤード程度の飛距離のパスキャッチ後にDBを交わしてエンドゾーンに持ち込んだTDパスなど、WR柴田の動きに磨きがかかってきた。
 WR#4太田も地面スレスレのパスキャッチ含めQB#16加納との関係が成熟してきている。

 QB#12幸田からのロングパスでは、WR#86春日に27ヤードヒット、#81和田に31ヤードなど。

 上記以外のパスターゲットは、WR#82中山、#42金村、#18萬代など。QB#16加納、#12幸田とともにいつもよりも長い目の距離のパスを積極的に用いて、QBWR間の確認を行っている様子だった。

 レシーバー側のファインレシーブもあればイージーミスもあるが、そろそろターゲット固定化される頃か。

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 関西学院大学ディフェンスDB#8善元、LB#11深川、DB#84徳井が飛んでくる。前半でFD更新を許したのはRB#29吉田オープンオプションによる1回のみ。なお第3Q以降ディフェンスメンバーが大きく変わっていく。

 近畿大学オフェンスは、QB#18原田と#3井木による。RB#29吉田、#90辻のランプレーとWR#19森、#6井本へのパスというバランスアタックを試みる。
 しかし、単発では大きなゲインはするものの、FD更新を繰り返して長い距離を進み続けるまでには至らなかった。




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10月05日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学014014283-0-0
同志社大学007070-3-0
(現地観戦)
 
京都大学
同志社大学
1Q FG×
1Q
TD 2Q
TD
END 2Q
3Q
TD
3Q
TD 4Q
FG×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 先攻同志社大学オフェンス第1シリーズは、自陣33ヤードからランパスによる速攻ドライブとなった。
 WR#7橋本、WR#5上原へのクイックタイミングのパスは、いずれも10ヤード程度の距離でヒットする。そしてRB#2太刀掛、#22重坂のランが加わって、試合開始直後の時間帯は完全同志社大学ペースで展開される。
 京都大学もLBDBがQBにプレッシャーをかけようと突進するのだが、この動きを同志社大学RBが見事に受け止めて(ピックアップ)してブリッツの無効化をはかり、そしてQBパスヒットにつながるという丁寧かつ練られたオフェンスが繰り広げられた。

 しかし、敵陣16ヤード。ピッチプレーで横のRBへのピッチに対して京都大学ディフェンスが狙っていたかのような突込みが激しくて7ヤードのロス。さらにQBに対してDB#14田畑が突っ込んできてロス。敵陣18ヤードまで攻め込んだのだが。エンドゾーンまでボールを持ち運ぶことが出来ない。
 さらにFGキックも距離はOKながら僅かに右に逸れてしまい無得点に終わる。先制点を獲得して一気に波に乗りたかったのだが、惜しかった。

 その後も同志社大学オフェンスはRBピックアップとWRへのショートパスという狙いは変わらないのだが、しかし、京都大学DB陣のハードタックルが続いて少しずつサイドラインに下がる選手が増える。しばらくすると復活してくるのだが、その他のところも含めて少しずつ乱れが生じてくる。
 パスキャッチ時の鋭いDBタックルを受けて最終的にボールを確保できなかったり、タイミングの乱れだったり。同志社大学レシーバーと京都大学DB陣の攻防が少しずつ効いていた。
 さらに、そしてパス主体の攻撃に併せて、京都大学ディフェンスが前に前にと押し込んできてLBDBのプレッシャーが次第にQBに届くようになる。こうして、同志社大学パスが手詰まりになってしまった。

 打開策をRB#2太刀掛、#21小寺などのランプレーに求めるのだが、QBスクランブル含め、ランだけでは連続ゲインにはならずという試合前半だった。そして試合後半、もう一度パスに活路を見出して追い上げシーンへとつながっていく。

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 一方の京都大学はオフェンスは、QB#10桐原によるパスオフェンスを展開する。WR#82中村、#18坂田をメインターゲットに試合後半は#17生川も参加してくる。そして特筆すべきは第2Qあたりからパスターゲットに加わったWR#20永田。(特筆内容は別途)結局、パスターゲットが3人4人という状態なので、WR#82中村、#18坂田へのディフェンスカバー密度を減らすという効果がある。

 ところで、京都大学オフェンスで信頼できかつ運動能力の高いレシーバーが同時に3人4人も揃うというのは、何年来のことだろうか。史上初と言ってもいいぐらい記憶にない。
 90年代は別名ギャングボーンのオプション主体のチームなので、それよりも前の年代となると、80年代QB東海WR福島TE若林C屋敷。QB大社WR梅津。と懐古していても仕方がないのだが、要するに、そのくらい前まで遡っても同じような布陣があっただろうかか、という珍しいことになる。


 京都大学の奇策。それはWR#20永田が11人目のプレーヤーとしてサイドラインからフィールド内に入ってくるタイミングは、ハドルが解けたあと。かと言って、プレーがWR#20永田に関係ないかと言えばそんなこともなく、ショートパスが飛んだりしているので、少々、厄介。
 またRBが11人目としてハドル後にプレー参加することもあった。RBの場合はTBやSBとして、レシーバーの場合は京都大学側サイドラインの近いほうのWRとして加わる。
 昨年もハドル解放後にサイドラインからプレー参加していたが、逆サイドのレシーバーがセットするまでの時間がかかってディフェンスに修正の時間を与えたことと移動距離が膨大すぎたという点について、改良が加わったということになる。

 ディフェンス側から見ると、例えばDBポジションが微妙にずれてしまったりする。プレー開始までにポジション修正ができれば、問題ないが、例えば4レシーバーが1人追加で5レシーバーになったりすると、ディフェンス側は大移動になるかもしれない。QB除く5人の配置によっては、入ってくるのがRBかWRか不明な配置もありうる。


 京都大学は第5節第6節の関学立命との試合に向けて、ここの精度UPを目指すことになるだろうから、おそらく次節甲南大学戦でも、何回かハドル解放後の参加を試みることになるだろう。次節、甲南大学ディフェンスの対応を確認しておきたい。

 と、横道にそれまくり。

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 同志社大学ディフェンスは、第1・2シリーズ京都大学のランに対してDL#75清松、DE#43栗山が対応してFD更新を許さない。この流れを変えたのが第3シリーズからのパス中心の攻撃組み立てであり、上記奇策による。

 DB配置が定まらなかったというほどの大きな混乱はなかったように見えたのだが、京都大学側サイドラインと反対側のオフェンス側から見て左サイドでWR#17生川へミドルパスヒットからビッグゲインとTDにつながっているところは、微妙に影響があるのかもしれない。

 京都大学続く第4シリーズでも、左サイドWR#18坂田へパスからスピードランによる50ヤードゲイン、さらに、TDプレーも左WR#82中村の27ヤードインミドルのパスと、オフェンスから見て左サイドを重点的に攻撃ポイントを絞った。

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 しかし、同志社大学ディフェンスの左サイドがウイークポイントだったのもこの時間帯のみで、若干のフォーメーションとメンバーを修正して対応した。その結果が第2Q終盤からの3回連続パスインターセプト(DB#48福田、#30桝谷、#20岡)でもある。

 試合後半の2回連続パス奪取、さらに敵陣での攻撃スタートという得点機にオフェンスも勢いづき、QB#17多川スクランブルと地面スレスレを拾い上げたTE#87居戸のパスキャッチ9ヤード。そして左コーナー隅WR#81和田へのTDパスで7点差に迫る。

 さらに、次のシリーズでもQB#17多川による30ヤードスクランブルランで一気に敵陣侵攻した同志社大学は、当然のように同点チャンスをうかがう。
 しかし、敵陣30ヤードでの第1D、DLに追われながらもフリーターゲットを探し出したものの、苦しい体勢から投じたパスを京都大学DB#15前川にインターセプトされてしまったのが惜しい。一気呵成のシリーズだったのだが。

 そのあとの京都大学攻撃が自陣から#3曽田、#82中村へのパス等で一気にフィールドポジションを逆転、緊急発進だった同志社大学ディフェンスだったが、次第にDB#25遠藤がパスに対応して流れが止まりかかったように見えたのだが、ここで第3Q終了。  サイドチェンジの間に準備が整った京都大学は、QB#10桐原のワンフェイク動作が加わったWR#17生川ミドルイン19ヤードのTDパスで2TD差にリードを広げた。

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 2機会差、パスとQBランでならまだ可能性が残ると思われた第4Q最初の同志社大学オフェンスプレーが自陣25ヤード地点からラン3回(QB#17多川、RB#21小寺、RB#2太刀掛)。いずれもインサイドを突くのだが京都大学に遮られてノーゲインのまま攻撃権放棄となる。
 その前までパスとQBランでダイナミックな攻撃を繰り広げていたのでこのシリーズも楽しみにしていたのだが、すごく淡白な攻撃で終わってしまったようなのが残念だった。




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10月05日(日) 西京極陸上競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学30717273-0-0
神戸大学070071-2-0
(現地観戦)
 
立命館大学
神戸大学
1Q
FG×
FG 1Q
2Q
TD
END 2Q
3Q
FL
TD
3Q
4Q
G×
RTD
G×
FG
G×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
AK-CHART
AK-CHARTの見方


 神戸大学オフェンスは前節京都大学戦で怪我をしたQB#4大原と#11東野による併用スタイルになった。

 そして第2Q中盤に立命館大学側の一瞬の乱れを突いてTD7点を獲得するのだが、それまでも、その後も神戸大学オフェンスはなかなか進めない苦しい状態が続く。
 QBパスに対するDLLBプレッシャーが厳しくて投げさせてもらえないのが実際。そこでRB#1小椋、QB#4大原によるランプレーになるのだが、これもディフェンス中央が厚い。

 RB#1小椋へのスクリーン10ヤード、WR#2桂へのスローバックパス16ヤード、QBスクランブルなど、各シリーズとも散発で1回ぐらいは大きなゲインはあるものの、通常のランは中央突破はもちろん、WRによる左右へのモーションランもDBの上がりが早くてショートゲインまで。確実に前進できるプレーがないので、オフェンスが進んでいる印象がない。

 第3Qに逆転されてからは、積極的にパス中心の速攻オフェンスを仕掛けるのだが、パスに偏ったところを見切ったパスディフェンス網が2回のインターセプト、うち1回が第4Q残り4分37秒の29ヤードリターンTD、試合の行方を決めてしまう得点につながった。

 神戸大学オフェンスは、これまでの関西大学戦京都大学戦のようにはパスがつながらず、さらに、試合前半ではパス機会自体が減っていったが、それは、立命館大学DLLBの前へのプレッシャーが激しく、パスを投じるまでの時間的余裕がなかったことによる。さらに、負傷したQBに無理して投げさせなかったこともあるかもしれない。

 神戸大学は1TDを獲得したが、力でもぎ取ったものではなく、立命館大学の乱れから発生した「勢い」に乗った時間帯での得点のみとなった。その後の早い段階で、もう一度得点が入っていれば、また、少し力関係が変わったかもしれないが、立命館大学強力守備がそれを遮った。

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 この試合を立命館大学サイドから見ると、ディフェンスが勝利をもぎ取った試合ということになるのかもしれない。

 第3Qのファンブルフォースは、神戸大学キャリアが横移動からカットインしたところへの串刺しタックルが効く。これで、敵陣で攻撃権を得た立命館大学がRB#26松森、WR#2宜本のランパスと最後はノーマルTのランでTDへ持って行った。
 さらに、第4QのLB#99岸本によるインターセプトも神戸大学自陣でのもので、2回とも好フィールドポジションが得点に結びついている。

 立命館大学オフェンスはQB#11松田による。第1Q最初のシリーズRB#41姉川へのパスという珍しいプレーはあったものの、その後は少しずつパス失敗が増えていく。  第2シリーズではRB#26松森、#34橋本のランは進んだのだが、DB#5川崎パスカットやパス失敗などでパント、そして、次のシリーズではDL#57春山、LB#55宮川がOLを割って入ってドローやリバースにロスゲインタックルが続く。単発でRBのランゲインはあるものの、神戸大学ディフェンスの前に出る勢いがパス失敗とOL突破につながって、立命館大学のオフェンスドライブを止めていた。

 ちなみに立命館大学オフェンスの最長ドライブは、第1Qの開始早々の自陣41ヤードから敵陣14ヤードまでの45ヤードドライブ、その次が、ファンブル後の40ヤードTDシリーズだった。

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 立命館大学オフェンス手詰まり、神戸大学オフェンスもなかなかきっかけがつかめないまま時間が経過。第2Q残り2分56秒から始まった神戸大学攻撃シリーズもQBサックやスローバック対応DBパスカットなどで3連続パス失敗。そして、第4Dを迎える。

 ここで、珍しいことが発生した。

 神戸大学パントチームはセットしているのだが、立命館大学側はフィールド内に選手がいない状態。なぜ「立命館大学0人」という状況になったのか、その理由は、チーム関係者に聞くしかない。理由は不明です。

 神戸大学は無人の相手に対してセットしてボールをスナップ。そしてパンター#18阪本がそのままボールを持て24ヤードゲイン、FD更新した。

 このシチュエーションで、神戸大学側は、誰が、無人の相手にプレーをしようと声をかけたのか。セットを促したこと自体がファインプレーであり、さらに、フォルススタートの反則もなく通常通りプレースタート出来たことも、キッキングチーム全体のファインプレーだろう。

 相手がいないので、変な緊張があったり、反対に緊張なくふらふらというのも考えられそうで、案外難しい。この異様な対面に対して神戸大学の集中力によるファインプレーが光った。

 自陣48ヤードでFD更新した神戸大学は、さらにラフィングザパサーの反則で敵陣35ヤードまで進む。その第2D、WR#24大園へのTDロングパスは立命館大学DBがカットしたのだが、それで浮き上がったボールを神戸大学WR#12石井がキャッチして、逆転TDとなった。

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 この神戸大学TDドライブは、パンタースクランブルに始まり、反則で前進して、最後もパスカットで浮いたボールをキャッチしたもので、偶然的な要素が強い。もちろん、このようなところから試合の流れが反転していくのがアメリカンフットボールだが、今回は、その流れに従わなかった。
 勢力的には、神戸大学オフェンスが立命館大学ディフェンスを圧倒している状態ではなく、第3Q以降は、立命館大学ディフェンスのパワーがフィールドポジションを確保しながら、2回のターンオーバーを効率よく得点に結びつけた立命館大学の勝利となった。

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 立命館大学にとっては上気したようにオフェンスが相手ディフェンスに封じ込まれた形で、ディフェンスによって試合勝利白星がもたらされた試合といえる。しかし、過去にも年に1回以上は、このような試合展開のものはある。

 今年の「勝利のスタイル」であり、たしかにDL#90久司、#92前田、LB#99岸本、#53相馬、#52海島、DB#12今西、#4町は学生界随一とも言える強力ディフェンス陣である。リーグ戦後半戦もこのスタイルを貫くことになるのか、それとも傾向に変化が現れてくるのか。リーグ戦も、そろそろ折り返し地点となった10月中旬である。。




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