関西学生アメリカンフットボール Div1 第2節



09月20日(土) エキスポフラッシュF 15:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学





近畿大学







 関西大学前節は神戸大学に敗戦を喫してしまい、ここは負けられない試合となった。一方の近畿大学も京都大学との接戦を落としているので、両校ともに出直しの試合となる。そして、ともに黒星は許されない重要な試合である。

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 関西大学オフェンス前節はQB#9宮城、#14西口のパスがWR#12森田、#16永川、#98守部、TE#86強へヒットしてドライブする可能性を見せつつも、神戸大学戦では重要なシーンでのパスがいずれもフィールド外という不運に見舞われた。
 ただし、春と比較するとパス成功率は上がっていて、決してオフェンス手詰まり状態ではない。ランプレーにおいてもまだまだできることの手持ちは多いはずで、前回は全力を出し切れていないような試合だった。
 さらに、ディフェンスに春ほどのパワフルかつスピーディーななパフォーマンスを見ることができなかったことも前節黒星の要因のひとつである。

 したがって、攻守とも実戦で本来の力を発揮できれば、開幕戦とは大きく違った試合内容になるのではないだろうかと考えている。

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 近畿大学前節の攻撃は、ランプレーだけという単調な攻撃組み立てになってしまったしまったこともオフェンス手詰まりの要因の一つで、京都大学ディフェンスに的を絞らせた前がかりの守備を許していいる。
 RB#29吉田、#44三好、#27三木、QB#18原田キープオンリーでは、やはり試合の主導権を完璧に握るのは苦しく、WR陣のスピードとテクニックが生きていないという前節のオフェンス陣だった。

 ところで、試合の大勢が決して、京都大学側のモチベーション低下(?)を考慮しんければならないような時間帯になってから、パスも織り交ぜてランパス様々な攻撃が進むようになっていたが、これをどのように考えるか微妙なところ。
 もっとも、どんなシチュエーションにせよ、パスを通してランでゲインを重ねた2回のロングドライブを行ったという実績は残っている。

 したがって、第2節は、プレー組み立てに注目してみたい。試合最初からパスも組み込めば違った展開も考えられるのか。

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 関西大学オフェンスは、QB#9宮城によるオフェンスをもう一度みてみたい。春のパスオフェンスからは一段ステップアップしていて、RB陣も豊富なので、潜在的なオフェンス得点力はある。
 パスに関しては、近畿大学パスディフェンスDB#32鷲野、#34西村、#21吉田らと、WR#16永川、#12森田、TE#86強による長短様々なパスの攻防だが、大型OLのパスプロテクションが機能すればレシーバーは豊富なのでフリーターゲットも生まれやすいはず。

 一方近畿大学オフェンスは、どのようにオフェンスゲームプランを組み替えるかだが、ラン一辺倒では前節同様に、関西大学パワフルディフェンスに対応されてしまうかもしれない。
 関西大学ディフェンスDL#97中田、#92福岡、LB#49宮崎どディフェンス陣に勢いのある動きが戻ってくれば、ゲームプラン次第だが、かなり、押し込むことも出来るのではないか。

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 なお、関西大学リターナー#16永川、#12森田、近畿大学リターナー#19森のスピードリターンにも注目したいが、果たして、相手チームがキックしてくるかは微妙。しかし、パントキックによるフィールドポジションのコントロールの部分については、仕掛けることは可能。

 両チームとも負けられない試合だが、関西大学は攻守が本調子を取り戻すか、近畿大学オフェンスには次の手があるか、というカードである。この試合できっかけを掴んで次の試合に繋げたい。










09月20日(土) エキスポフラッシュF 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





同志社大学







 昨年は第4節に対戦して、立35−同20(21−0、14−20)という最終スコアになっている。前半は立命館大学ペースで進んだが後半は一転して同志社大学が試合の主導権を完全把握してQB#17多川によるオフェンスが面白いようにゲインを稼いだ試合だった。
 今年は第2節で対戦することになったが、同志社大学は攻守とも昨年の選手構成から極端に大きな変化はない。立命館大学は攻守ともラインは昨年メンバーが残るがバックスは新規スタートメンバーによる。
 したがって、特に同志社大学側には昨年の試合のイメージが残っている、あるいは、記憶を蘇らせることができるかもしれない。昨年の出来事をどのように考えるかは両刃の剣だが、少なくともオフェンス殴り合いのような試合展開になれば、再び際どい試合になる可能性は高い。

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 同志社大学前節関西学院大学戦でのオフェンスオアフォーマンは決して悪いものではなく、WR#5上原、#7橋本、#81和田、TE#87居戸などにショートレンジのクイックパスやミドルパスなどパスヒットとRB#2太刀掛、#21小寺のインサイドクイックヒットで、かなりゲインしている。QB#17多川のキープランもあったが、ボールキャリアが様々に散らばったオフェンスを展開していた。

 ただし、その結果の5インターセプトは考え方の難しいところで、フィールドポジションによっては、そのまま失点につながってしまう。出来ることならばインターセプトもなし、ファンブルもなしで、最低でもパントキックを蹴って攻撃権放棄ターンオーバーにしておきたいところ。

 対する立命館大学ディフェンスは、前節甲南大学戦第2Qあたりの時間帯で、中央突破のランとクイックパスでドライブされかかるシーンが続いた。このシーンのメンバー的なところを厳密には確認できていないのだが、オフェンススタイルで同志社大学と甲南大学は共通点が多いので、この試合は、修正点が披露されるか、同じような展開に陥ってしまうか。

 DL#90久司、#92前田、LB#52海島、#99岸本などのフロント陣とDB#4町、#12今西、#13滝澤によるランディフェンスとパスディフェンスについて注目しておきたい。

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 立命館大学オフェンスはQB#18松田とRB#25橋本、#22西田、WR#1呉田、#34常包、#89堀田、TE#5森によるIフォーメーションからのランパスを積極的に用いる。RB陣は大きさはないが巧妙な走りがゲインを稼ぎ、レシーバー陣は総じて想像以上にストライクゾーンが広い?かも、という前節だった。ただし、試合前半と後半でパフォーマンスが全く異なっていて、おそらく試合後半が本来の姿なのだろうが、この試合ではそこを確認しておきたい。

 同志社大学ディフェンス前節は、関西学院大学QBに対してかなり積極的にプレッシャーをかけに行っている。この試合も前節同様に立命館大学QB#18松田へ厳しいラッシュを仕掛けていくことになるだろう。
 同志社大学DL主将#75清松筆頭に#56西村、#43栗山、#98夏目のラインと、LB#53藤田、#41倉科。そしてDB(S)も仕掛ける攻撃的ディフェンスが、立命館大学QBに届くか、立命館大学OLが遮るか。QBのパフォーマンスに影響が現れるか否か。ここが試合展開を分ける重要なポイントになりそうだ。

 パス精度に影響したときにランでゲインできるか。攻撃的なディフェンスというのはリズムにのれば破壊力は抜群だが、ランさえも手詰まりという八方塞な状況がありうるのか。立命館大学オフェンス側の打開策にも興味が湧いてくる。

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 立命館大学にとって攻守ともにちょっとした山場の試合になる可能性が否定できないが、それは、同志社大学側の攻撃的なオフェンスと攻撃的なディフェンスが十分に発揮しているとき。

 第2節は他のカードもいろいろと見所が多い試合になっているが、この立命館大学VS同志社大学は、とても繊細で微妙なバランスの中での試合になるか、ダイナミックな試合になるか、全く予断を許さない情勢である。










09月21日(日) 王子スタジアム 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学





甲南大学







 関西学院大学前節は同志社大学に対して24−0で勝利した。試合終了後関西学院大学側の応援席からは声があがっていたが、少なくともオフェンスに関しては、春以上の内容になっていたと思う。

 そして今節も、QB#16加納からWR#4太田、#18萬代、#87柴田、#1松原への短いパスとRB#45石田、#99河原、#38平田によるバリエーション豊かな中央突破のランプレーという今年のスタイルが繰り広げられることになるだろう。

 ショート〜ミドルレンジのパスをつなぎながら多彩なRB陣が走り回るという攻撃スタイルなので、一発ロングゲインTDというシーンは少なくなる。
 しかし、前節も6分ドライブが1回あったように、少しずつゲインを重ねながら試合時間を消化しながら得点を重ねていくので、イメージ的には、派手さはないが重厚かつダイナミックで、総合的には力強いパワフルなオフェンスになりそうな予感がした前節試合だった。

 このオフェンススタイルは試合時間は消費されるが、特に試合前半第2Q中盤までは得点差が小さくなるので、ある程度はディフェンスの助けが必要になってくる。(試合前半で主導権を握れば、第3Qに膨大な時間を消費するオフェンスドライブを1回行えば、おそらく試合の行方を決めることが出来る)

 そのディフェンス陣は昨年メンバーが多く残り経験豊富なアスリート揃いという印象だったのだが、前節同志社大学戦では、若干、ランでもパスでも切り崩されたところがあって、特にDLの厚みとミドルレンジのパスに対しするパスカバーの部分が微妙だった。

 したがって、今節は、ディフェンスのパフォーマンスにも注目してみたい。

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 甲南大学オフェンス前節はQB#11松延とWR#16吉田、#81宅和によるショートパスとRB#26高谷の中央突破のクイックヒットで、立命館大学からかなりのゲインを奪った。

 シチュエーションにあったプレー選択も冴え渡ったところがあったが、一方で反則で自らのドライブを止めてしまうところも散見するので、一進一退の振幅が大きい。
 試合を重ねていくと、ワンステップアップしたオフェンスに変わりそうだが、試合の流れを逃がして黒星が重なっていくとワンステップダウンしてしまう危険性もはらんでいる。正直なところ、良くも悪くもなりそうなオフェンスである。

 なので、シーズンの早い段階で、出来ればこの試合でステップアップする方向への方向付けをしておきたい。そのためにもオフェンスによる得点シーンが是非とも欲しいところである。

 甲南大学オフェンスは、RB#26高谷のインサイドランは高速スピードで突っ込んで最後は足を動かして距離を稼ぐ。このクイックヒットのランプレーとWR#16吉田、#81宅和への短いパスをつないでテンポアップしたオフェンススタイルを指向する。
 これは、関西学院大学ディフェンスにとって前節同志社大学と似通ったスタイルになるので、ある程度以上、かなり通用するかも。甲南大学としては流れを掴みかけた攻撃を、自らの反則等々で手放さないようにしたいところだ。

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 関西学院大学オフェンスと甲南大学ディフェンスの攻防だが、QB#16加納のショートパス&ランを主体とした組み立てに対して、速さとしつこさがある攻撃的なディフェンス甲南大学ディフェンス#67塚本、LB#7佐藤、#6内芝のはのプレッシャーと集中力のあるDB陣のレシーバーカバーの対決にも注目したい。

 関西学院大学QB#16加納が前節同様DLLBのプレッシャーと上手に付き合いながらプレー判断に迷い生じなければ、今回も時間的距離的なロングドライブを見ることができるかもしれない。

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 そして関西学院大学ディフェンスについては、甲南大学オフェンスの進撃を関西学院大学ディフェンスがどのポジションで食い止めることが出来るかが大きなポイントとなる。
 春から相手攻撃のドライブが続くと、なかなか止められない一面を覗かせており、さらに、甲南大学オフェンススタイルRB#26高谷のランとWRへのショートレンジのクイックパスは、今のウイークポイントに合致しそうだ。
 甲南大学オフェンスが反則で攻撃リズムを放棄しなければ、ランパスのプレー選択面とドロープレーアクションのフェイク動作が関西学院大学ディフェンスを揺さぶることも有り得るかも。

 攻守/守攻ともに見所の多い試合である。










09月23日(火) エキスポフラッシュF 17:30
09月21日(日) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
神戸大学





京都大学







 京都大学の前節近畿大学戦は、オフェンスでRBWRで切り崩した試合。RB#2元村、#3曽田による中央からOT付近を突くランは小型だがスピードがある。WRでは#17生川、#18坂田、#82中村などで総合的にはパスレンジの幅が広くなっている。そしてQB#10桐原のパスコントロールも冴え渡っただった試合だった。

 ディフェンスはLBDBのファインプレーはあったりしたものの試合の主導権を終始京都大学が握っていたこともあって、ディフェンスに大きな負荷がかからなかった試合でもある。今回は、もしかしたら様々なところでディフェンスに負荷がかかるかもしれない。

 一方の神戸大学はWR#24大園を囮にして、RB#1小椋、WR#2桂、#7稲垣、TE#83東内を自由に機能させ、その後は#24大園もパスターゲットに加わってバリエーション豊富な攻撃を展開した。相手ディフェンスのプレッシャーがQB大原に大きくかからなかったことも勝利の要因の一つだが、ランでもパスでもある程度のゲイン出来たことを突破口にして、そこから突き崩していく神戸大学勝利のパターンに見事にはまった試合だった。

 ディフェンスは、相手パス失敗に助けられた一面もなくはないが、ランプレーに対してはDLLBが十分に機能してスクリメージ付近でシャットアウトしていた。パスディフェンスについては助けられたところもあるので、今回京都大学戦では、一つの正念場となるかもしれない。

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 この対戦は、どちらも、パスオフェンスに対するパスディフェンスが重要な焦点になるのは間違いないだろう。パスを通すためのランプレーやフェイク動作、さらにレシーバーのハンドリングとQBパスコントロール。ディフェンス側ではDBLB付近のパスカバー、ランプレーとの兼ね合い。このようなところが見所としてあげられる。

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 京都大学オフェンスもRB#2元村、#3曽田のランのプレーでディフェンスを引き寄せながら、時折ミドルレンジ以上のパスを組み入れる試みになっている。神戸大学ディフェンスについては、前節同様DL#89杉本、#57春山、#75小澤、そしてLB#55宮川、#49浅野など勢いある判断のいいDLLBの段階でランプレーに対応しておきたいところ。

 そして、神戸大学のディフェンスのウイークポイントになりそうなところはDB陣のパスカバーになるか。前節関西大学戦ではサイドラインに助けられたところがあるライン際へのパスとフィールド中央付近のショート〜ミドルレンジのパスに対するカバーなど、若干隙間が空いているかもしれない。

 京都大学パスターゲットは、ミドルレンジまでの#8吉村、#17生川、ミドルレンジ以上の#18坂田、#82中村という担当わけだが、ここにTEタイプのレシーバーが加わると面白そう。前節は積極的なTEパスはなかったと思うが、誰か担い手はいないでしょうか?
 そしてWR#82中村は長身、#18坂田はパスキャッチ後のスピードがある。コーナーへのロングパスはWRとDB(CB)の1対1のシチュエーション、パスが飛んでしまえば、最後はこの両者の対決となる。

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 神戸大学WR#24大園に対する京都大学のパスディフェンス、これまで京都大学はWR#24大園に対してガチガチのダブルカバーを敷いていた。
 しかし今年は他のレシーバーも大きく成長していて、ショートターゲットにWR#2桂、#7稲垣、ミドルレンジ以上では#24大園とカバー範囲が重なる#84井上が存在する。豊富なレシーバー陣が揃い、さらに前節はWR#24大園を積極的に囮として使っているので、常時ダブルカバーはできないだろう。

 京都大学もDB#15前川、#1小澤のセイフティ陣は守備範囲が広く、CB#47阿部、#14田畑も日大レシーバーと対等の競争をこなすなど能力は高い。このDBとWRの対決は要注目だが、単純に神戸大学はこのミドルレンジ以上のパスを通すために様々に仕掛けをしてくる。

 RB#1小椋の中央突破ランでDBを前に引き付け、TE#83東内、#7稲垣へのミドルレンジのパスでフィールド中央付近にディフェンスを集めつつ、左右縦ロングパスは、QBのプレーアクション動作(RBへボールを渡すフリの動作をしてからパスを投げる)でLBDBを惑わす、などなど。
 前節関西大学戦では、神戸大学のこの巧妙なオフェンスコールが冴え渡ったことも白星に繋がった要因だが、この試合でもオフェンスのプレー組み立てプレーの順番には注目したい。

 一方で、京都大学DL#58川島、LB#90三井、#27山口が神戸大学QB#4大原にプレッシャーが届くようだとQB#4大原に迷いが生じて、パフォーマンスの低下、ということも考えられる。
 前節のQB#4大原はディフェンスプレッシャーが少なかったこともあって余裕のあるところを見せていたが、今回は神戸大学OLが京都大学DLLBのプレッシャ−を遮るか、このあたりにも目を配っておきたい。

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 パスの成否が得点に大きく影響するが、しかし、パスオンリーではなくランプレーも混ぜながら、如何にして必要なパスを通すかという、地上戦と空中戦の両方が必要になる。単純にパス精度とWRDBの競争構想だけではなく、両チーム攻守ともに様々なところがポイントとなる見所満載の手に汗握る面白い試合になりそうだ。

 スコア予想は、得点一桁の試合にはなりにくく、勝利者側は3〜4TD1FGくらい。そして均衡が破れる時間帯にもよるが対戦相手側も最低2TDはある。したがって、31、28、24あたりが最終スコアに並ぶ数値になるだろう。ただし、どちらがどうというのは、やってみないと判らない。

 第2節の注目の一戦、第2節なので全勝対決というところを強調するのは、あまりふさわしくないが、ここで神戸大学勝利だと今シーズンリーグ戦次節はさらにヒートアップ、一方で京都大学勝利ならば、少しずつステップアップしながらの今後の対戦カードが楽しみになる、そんな大きな意味を持つ試合である。今年のリーグ戦の色が決まる、というのは大袈裟?

 テレビ(GAORA)で生中継&録画中継がありますが、広い空間を選手がどのように動いてパスレシーブ/パスカバーするかという点は、テレビ画面では、おそらく、収まりきらないでしょう。最近はカメラワークもかなり良くなってきていますが、やはり、実際の360度広角視野を超えることはできません。台風一過の秋の夕暮れ、録画予約をして現地観戦することをお勧めします。










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