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先に試合の主導権を握ったのが神戸大学オフェンスで、RB#40竹内、#1小椋、WR#12石井、#16長田によるランパスドライブで得点を重ねていった。 同志社大学ディフェンスもファインプレーはあるのだが、3回に1回のミドルゲインでFD更新なることでファインプレーも帳消しになってしまうというディフェンスの苦労が実らない苦しい展開となっていく。 一方の同志社大学オフェンスは模索状態から抜け出すべくもがき続けているという試合前半、ただし、ミドルレンジのパスがオフェンス糸口になりそうなことも掴んだようだった。 だが、試合後半も神戸大学オフェンスの勢いは止まらず、第3Qも神戸大学のペースに終始し、第4Qサイドチェンジ直後のWR#24大園へのTDパスによって24点差に広がる。 この点差によって、もしかしたら神戸大学が勝利を確信したかもしれない。同志社大学サイドで観戦していた私の周囲でも席を立つ人が少しずつ現れてきていた。 ******** しかし、この24点差が、逆に神戸大学に気の緩みを誘ったということになるのだろうか。あるいは、同志社大学側が開き直ったか、緊張がほぐれか。 試合前半で掴んだ攻撃の糸口であるWR#5上原へのミドルレンジのパスが、第4Qに炸裂する。ほとんどオンリーターゲット固定ターゲットと化したWR#5上原だったのだが、このミドルレンジパスを繰り返して同志社大学がTDを獲得する。 その直後の同志社大学フリーキックは、オンサイドキックを意識したものではなかったかもしれない。ただ、あまり飛距離のあるキックでもなく中央半端?なキックだったことで落下地点で両チームが入り乱れることになった。このボールを確保したのが同志社大学#48福田。 同志社大学は敵陣29ヤードからの攻撃をパスドライブでTDに結びつけると、次の神戸大学攻撃をシャットアウトした第4Dパントでも同志社大学にビッグプレーが生まれる。 パントキックを#24辻田がブロックしたことで同志社大学攻撃は敵陣エンドゾーン前4ヤードから。ここもTDに結びつけ、さらにPATキック成功で3点差に詰め寄った。 ******** 同志社大学最後のオフェンスは自陣30ヤード、残り2分43秒、タイムアウトは残り2回。ただし、いきなり最初の地点で第4Dギャンブルシーンを迎えるなどでボールが手に付かない。 さらに、神戸大学ディフェンスDL#90荒谷、#99小澤によるサックロスなどの執拗な粘りを受けつつも、タイムアウト全てを使い切って、WR#11木原、#7橋本、#5上原、さらにRB#2太刀掛によるランパスをつないで4回のFD更新の末に敵陣5ヤードに到達したのが残り時間0分43秒だった。 第1Dスパイクで時計を止める。だが、ここで次のプレー確認のためにオフェンス主要メンバーがベンチに戻ってしまったことが次のディレイの反則の原因となる。 TDまで10ヤード、やりなおしの第1DでQB#17多川右ロールに対してDLあと一歩届かず、ここからスローバック気味のTDパスをTEに投じたのだが、神戸大学DBが残っていた。パス失敗。 その第2D。ここでの当初狙ったプレーは何だったのだろう。おそらくパスのコールでターゲットは・・・というところではなかったのか。定かではないが、エンドゾーンに迫っていてフィールド範囲が限定されてしまったことでディフェンスの密度が濃くなってしまったというのもあるかもしれない。 残り31秒から始まった第2Dプレーは、パスを諦めた(?)QBキープスクランブルは右OT付近。神戸大学のタックルを受けて痛恨のファンブルロストとなってしまった。 ******** ファイナルスコア神戸大学31、同志社大学28。同志社大学の猛追あと一歩及ばずだったが、神戸大学ディフェンスの健闘も光った試合だった。 この結果、神戸大学はリーグ戦6位となり、西日本学生王座決定戦に進出し、12月09日に平和台陸上競技場で九州大学と対戦する。 一方の同志社大学は12月08日の入れ替え戦に出場して京都産業大学と対戦することが決定した。 この試合の展望コメントへ |
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前半は関西学院大学オフェンスがRB#99河原モーションプレーやWR#85秋山スローバックパスなどでリズムよく前進を重ね、さらに、オンサイドキックのようなフリーキックを決めるなどで4TDを獲得する。 一方の立命館大学もRB#26松森の中央突破ランやWR#7小城へのクイックパスを決めて2TDを奪い、点の取り合いの試合様相を見せた。 注目の両チームディフェンスだが、関西学院大学ディフェンスは、やはり、中央付近のランに対して甘いところをみせており、一方の立命館大学ディフェンスもモーションやショベルパス、クイックパスなどのプレーに振り回されている状態だった。 だが、後半、立命館大学ディフェンスが関西学院大学のトリッキーなオフェンスに対してアジャストしたことで、関西学院大学オフェンスに手詰まり感が現れてくる。 そして立命館大学オフェンスがRB#26松森、#21山城などのランプレーとWR#11前田、#7小城、#1本多、#80井上というターゲットへミドルパスヒットを重ねて2TDを返した。 オフェンスドライブできる立命館大学と、手詰まり?の関西学院大学オフェンスという状況で第4Qに突入、点差はわずかに3点。 第4Q残り9分03秒自陣19ヤードから始まった立命館大学ドライブだったが、やはり関西学院大学ディフェンスが止められなかった。1回のランで5ヤード以上を確実に進むオフェンスドライブでエンドゾーン目前に迫る。 だが、敵陣12ヤード付近での第2D中央突破ラン途中に痛恨のファンブルロスト、攻撃権は関西学院大学に移動する。 立命館大学ディフェンスが再び攻撃権を奪い取ったのが残り1分04秒自陣20ヤード。WR#80井上へのミドルパスなどで前進を試みるが、タイムアップとなってしまった。 ********(以下20071209記) コイントスで選択権を得た立命館大学は、後半に権利尾を残し、そして関西学院大学レシーブで試合は始まった。 関西学院大学第1シリーズは自陣20ヤードから。RB#99河原の中央ランプレーやRB#38平田ショベル、さらにノーバックからWR#81榊原へのショートパス、さらにQB#16加納をワンポイントで起用するなど、最初のシリーズから様々になディフェンス幻惑プレーを繰り返した。 だが、むしろこのシリーズは中央付近をランで突破できるか否かを確認することが第一というシリーズだった。QB#9三原ロールアウトに対してディフェンスがもれ気味などで、中央ラン突破は無理、ボールを長い時間QBが持つこともやはり無理ということが確認できた、そんなシリーズだったのではないだろうか。 続く立命館大学オフェンスは自陣6ヤード付近から。そして、いきなり怒涛のパワーオフェンスが炸裂する。セットバックのIフォーメーションでTB#26松森の中央突破で9ヤードゲイン。その後WR#1本多へもクイックパス9ヤードを通してFD更新、さらにRB#21山城の右OT付近が29ヤードのロングゲインと続く。ライン戦で圧倒した立命館大学オフェンスは敵陣46ヤードに到達した。 その後もWR#7小城へのクイックパス2本、RB#26松森のランが止まらない。OLの絶妙なブロックもあって、最後はRB#26松森が中央付近21ヤードを抜けてTDランと、最初のシリーズから立命館大学オフェンスパワーが爆発した。これが続けば、あっという間に・・・と考えていたのだが。 第1シリーズをパワープレーでゲインを重ねることができた立命館大学オフェンスだったが、第2シリーズはWR#1本多、#11前田へミドルパス横パス3本失敗によりFD更新ならず。 ランドライブでゲインを重ねた第1シリーズの裏プレーを目論む、関西学院大学ディフェンスシフトに対する裏という意図があったかもしれないのだが、私には関西学院大学ディフェンスシフトまで判断する眼力はありません。 ******** 第1Q終盤、関西学院大学自陣38ヤードから始まった第2シリーズ。右アウトWR#85秋山への13ヤードでFD更新、さらにWR#81榊原へのショートパスのあとにQB#9三原のスクランブルランが加わった。 スローバックパスと、QBスクランブルと、モーションハンドオフにそのフェイク等々、関西学院大学バックス陣の細かい様々な左右への振り回しにQBランによる前後の揺さぶりが加わって、立命館大学ディフェンスをまさに翻弄したと言っても良い。 4回のFD更新で敵陣エンドゾーン前2ヤードに到達する。この2ヤードをとるのに3プレーを要したが最終的にはTDによって再びリードが広がる。 そして関西学院大学フリーキックによる試合再開。立命館大学リターンチームはキックと同時に後ろへ下がる。キッカー#6大西のキックは、小さな山なりのショートキックだった。 フィールド中央50ヤード付近に大きく空いた隙間に飛んだボールを#34磯野がダイレクトキャッチ、これで攻撃権は再び関西学院大学が握る。 その直後、第1D、QB#9三原から右WR#85秋山のロングポストは、QBのワンフェイク動作も加わり、さらに、WRステップもあって、DB2人を抜いて48ヤードのTDパスとなった。 関西学院大学は、このフリーキックの試みをどのように見つけたのか、そこが興味深い。 「オーバーリアクション」として考えられるものは何かすべてあげよ、という問いかけに対する一つの結果なのか、それとも、フリーキックのときにキックコースを長短左右全パターンについてシミュレーションした結果なのか。 プレーコールを出すこと自体は、前半に畳み掛けて先行リードを広げる。という方針が決まっていれば、あとは、これをチョイスするだけなので、それ自体に度胸が必要ということはないだろう。1回目のTD後でなく2回目のTD後になったのは、1回目のフリーキックがその最終確認の意味があったということかもしれない。 2TD差。 ******** 次の関西学院大学キックは普通の弾道、そして、立命館大学#26松森が右サイドライン際を60ヤード超のビッグリターンを見せた。 敵陣24ヤードスタートのオフェンスシリーズ、第1DでこそWR#11前田へのTDパス失敗(エンドライン越え)となるが、その後QB#9木下から左#11前田へ12ヤードミドルパス、そしてアンバランスセットからのRB#2家亀の右オープン12ヤードランのわずか2プレーで7点を獲得、1TD差に迫った。 立命館大学はさらにLB#99岸本のインターセプトによって敵陣スタートの攻撃権を得ている。1TD差を同点にする絶好のチャンスだったのだが。 ******** 立命館大学は攻撃権を得た直後にタイムアウト行使、さらに、3プレーであっさりと止まってしまった。 ここが、この試合のもっとも大きなターニングポイントだと思う。この7点差リードされている立命館大学が敵陣で攻撃権を得ながらTD7点を得られなかったこと、相手のミスにつけこめなかったことが大きい。 立命館大学第3DでのQBスクランブルランはパスターゲットカバーがあったのかもしれない。ただ、第1DのOTと第2Dのスイープは、そのボールキャリア云々ではなく、なぜここでこれを選択したのか明確な理由があったのだろうか。 つまるところ、この試合における立命館大学オフェンスが目指すところのストーリーが何だったのか、その前に、そもそもストーリー自体が存在したのだろうかという点にまで遡りたい。 相手のどこを突けば効果的か、ここまでの時間で最もゲインしていたのは何?というのがあれば、ここでオープンへの展開は無かったと思う。何よりタイムアウトを使って考えるまでもなかった。 やはり、結局のところ、やりたいことをやったらたまたま当たったというだけのことなのだろうか。 関西学院大学側から見れば、ここまでバックス陣が様々に縦横に動き回って獲得した、オンサイドフリーキックで獲得したリードが、自らのミスで消滅するかもという状況で、実際、関西学院大学オフェンスに対して立命館大学DLLBのプレッシャーが効き始めてきて、少しずつゲインできるプレーが制限されていく途中段階だった。 ターンオーバーの時点で関西学院大学サイドラインではおそらく同点は覚悟しただろう。しかし、ディフェンスは緊急発進にもかかわらず、十二分に対応したと言える。3プレー合計5ヤードゲインに止めたことで自陣での被ターンオーバーに対するディフェンスの仕事は十分に成した。こうして関西学院大学に一息つく時間が生まれる。 立命館大学このシリーズはFG失敗似終わるが、FGトライに追い込んだ時点で関西学院大学は十分で、キックの成否はもはや重要ではない。関西学院大学にとってはリードが保たれたことで安堵だったのではないか。 ******** 次の関西学院大学攻撃は自陣20ヤードスタート。さきのターンオーバーを失点ゼロで切り抜けたこともあって、まだオフェンスに緊張の色は少ない。 だが、ショベルパスにLB#52海島が対応してノーゲイン、さらに両DEが突っ込んでくるので止むを得ずQBスクランブルと、徐々にディフェンスプレスが効いてくる。 RB#99河原、WR#85秋山への一発のランパスで敵陣深いところまで侵攻できたが、ここからエンドゾーンへ飛び込むまでにプレー数を要している。2個目のTDシリーズも同様で、このあたりにもライン戦攻防結果が見え隠れしていた。 ******** 前半を終わって、関西学院大学が2TDをリードする展開。2004年に行われたプレーオフでも先攻逃げ切りを意識した試合展開だったが、今回もその系統に属する試合になった。 私の戦前予想では、凝ったカウンター系のプレーを導入しないでももう少し関西学院大学オフェンスが自由に出来るのではないか、と考えていたのだが。 立命館大学ディフェンスは前半のパフォーマンスをさらに進化させて、スローバック・ショベル・スクリーン・モーションプレーに対して完璧に対応するようになり、QBサックによるロスを奪うようになりで、圧倒的に立命館大学優位となっていった。 ******** 第3Q、関西学院大学はDB#3藤本によるパスインターセプトで敵陣7ヤードというポジションを獲得しながら、ボールをエンドゾーンに持ち込めず、FG3点を追加するに留まる。 一方の立命館大学オフェンスは、後半開始早々のシリーズからWR#11前田へ連続ミドルパス、RB#26松森中央ミドルゲイン等、ランパスとも1回10ヤードゲインによって速攻のTDドライブを見せた。 その後も、RB#26松森、#21山城の中央ランが止まらない。パスターゲットもWR#11前田に#80井上も加わったミドルゲインになる。 フィールドポジションがあっという間に中央付近に至ったことで、関西学院大学DBも強引なインセプ狙いもできなくなり、ズルズルとポジションが移動していった。 立命館大学敵陣33ヤード、RB#21山城中央突破で23ヤードゲイン、敵陣10ヤード、RB#21山城の右オープンからのカットインわずかに1プレーでTDを獲得している。攻守力関係の力関係に明白な差を確認できてしまった瞬間だった。 ******** 第4Q、関西学院大学自陣からRB#99河原オープン14ヤード、WR#1岸へ縦パス20ヤードでフィールド中央付近に到達する。だが、ここで横へ展開するプレーを投入したことで流れが変わる。 DL#90櫻、#97久司がQBに2回ロスタックルを見舞って関西学院大学ドライブが止まる。 自陣19ヤード立命館大学はRB#26松森を負傷で欠くもののオフェンスバックス陣のプレーヤーとスピードには事欠かない。RB#21山城の中央ラン、WR#7小城、#11前田へのミドルパスとQB#9木下キープも加わってロングドライブを見せて敵陣14ヤード。 FD更新後もインサイドラン突破は止まらなかったのだが、ここで痛恨のファンブルターンオーバーとなってしまった。 この時点で残り時間3分58秒、時計の回転を止めるために立命館大学は3回のタイムアウトを使い切る。 ファンブルターンオーバーによる突然のプレーを要求されたディフェンスは、第1プレーで中央を大きく割られたもののその後のランプレーに対してはLB#54名和、DLなどのフロントパワーでいずれもショートゲインに仕留めている。 しかし立命館大学に攻撃機会が巡ってきたのは残り時間1分04秒ポジション自陣20ヤード。WR#80井上などへミドルパスを通すが、残り時間と残り距離のミスマッチから攻撃手段が尽きてしまった。 **************** この試合の大きなターニングポイントは、やはり、立命館大学第2Qのターンオーバー直後の攻撃機会で無得点に終わってしまったこと、その次の関西学院大学攻撃で得点が加わったこと、ここのトータル2TD差が、そのまま試合終盤まで効いてしまった。 もしも立命館大学に得点が入って同点になっていれば、その直後の次の関西学院大学攻撃シリーズにおける攻守のモチベーション、冷静/緊張度は変わっていたかもしれない。 試合後半には立命館大学攻守の試合ペースになっていったが、それが第2Q中盤から試合主導権を立命館大学が握ったなら。 先攻逃げ切りを目論んだ関西学院大学ペースでハーフタイムを迎えたことで、結果的に終盤の立命館大学追い上げ時間がなくなってしまったという試合だった。 (了) この試合の展望コメントへ |