関西学生アメリカンフットボール Div1 第6節



11月10日(土) 神戸ユニバー記念競技場 13:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学





京都大学







 関西学院大学はQB#9三原と#16加納による怒涛のハイパーオフェンスに京都大学ディフェンスが対応できるか。

 関西学院大学のここまでの試合で時々だがOLによるパワーフットボールを挑むときがある。またパスによる速攻オフェンスもありと多彩なのが特徴である。

 パワーフットボールとなれば 京都大学重量級DL#59木村、#91三井、#79酒井と関西学院大学OL#55岡田、#72中山、#76廖などのライン戦は興味深いところで、RB#38平田、#21稲毛、#2横山の中央ランと対するLB#54川嶋、#29植竹、#11武藤のパフォーマンスに注目したい。

 そして、京都大学DB陣のパスディフェンスには安定感が出てきていてDB#15前川、#20永田、#47阿部などがここ数試合ではインターセプトやパスカットなどのファインプレーを見せている。
 昨年までの京都大学パスディフェンスは、どちらかと言えばウイークポイントになっていていくつかの苦い経験もあっただろう。しかし、今年「京都大学重量ディフェンス」というイメージがないのも、このDB陣の活躍によるところが大きい。

 DB陣と関西学院大学WR#85秋山、#1岸、#87柴田などとのパスオフェンス・パスディフェンスの攻防はこの試合のみどことの一つとしてあげたい。

********

 そして、関西学院大学ディフェンスと京都大学オフェンスとの攻防だが、こちらも興味の沸くポイントがいくつかある。

 京都大学オフェンスはパワータイプのRB#39高松、#99又賀による中央突破ランプレーでのゲインは、さらにRBまたはQB#19宮下のスピードテクニックラン、さらにWR#82中村によるショートパスという組み立てとなる。

 そしてこれらは今年の関西学院大学ランディフェンスのウイークポイントと見事に一致してしまっているので、インサイドランによるドライブ、あるいは、DBと1対1で向き合うパスは狙うサイド限定ながら、かなりのゲインドライブは見込めるだろう。

 関西学院大学としてはDLのプレスでオフェンス攻撃起点にプレスをかけたいところだが、今年のここまでの試合展開を見る限りでは、やはり、LBDBによるバックス陣とボールキャリアの対決というディフェンス構図になっている。
 そして、オープンランに対するコンテイン、インサイドランディフェンスなどでDBLBで個人に大きく依存するところがある。

 ただし、この攻略ポイントに対して京都大学オフェンスがどの程度確実に効率良く得点できるかが大きなポイントになる。

 おそらく関西学院大学には点の取り合いの試合になっても持ち堪えるだけのオフェンス力はある。プレースタイルとしてはWRのスピードプレー一発で持っていける関西学院大学のほうが「得点スピード」があるので、つまり、京都大学オフェンス側がそれに追いついていかないといけないのだが。

 ひとつはオフェンスが得点を重ねていくこと、もうひとつは、ディフェンスが失点を防ぐこと。京都大学にとってのワーストストーリーはジワジワと点差が広がってしまって、気がついたら、という試合展開である。関西学院大学側は、そのような試合展開に持ち込みたいところだろう。

********

********

 秋リーグ戦の星取表と各試合の点数を眺め、そして、これまでの試合内容を思い返して、この両チームの対戦ならば、このような試合になるのではないだろうか。というところから、この「試合展望メモ」は生まれてくる。

 京都大学のリーグ戦前半の4試合は1敗はあるものの、試合内容としては、いずれも京都大学がコントロールできていた時間帯があった。近畿大学戦第4Qまでの僅差や、神戸大学戦でWR大園徹底マークによるロースコアの試合、龍谷大学戦も丁寧な試合運びでロースコアながら圧勝の印象が残っている。

 実は、前節立命館大学戦の内容があまりにも一方的過ぎて(京都大学限定ではなく)言葉が無いというのが正直なところである。
 それまでの4戦は京都大学ペースで運んだのに、前節立命館大学戦では相手の調子が最高潮だったこともあるのだろうが、ここまで点差が広がってしまうのかと、京都大学限定ではなく、無力感充満となってしまった。

 改めて星取表スコアを眺めてみると、右下6チーム間での試合得点で、関西大学と龍谷大学が対戦した試合の30−0が最大得点差である。それ以外の試合は、全てロースコア僅差で、もしも再戦すれば同じ結果には絶対にならないだろう。

 そして、それ以外の対戦カード(関立/立関と6校の試合)の得点差は、少なくとも僅差ではない。立命館大学に肉薄した試合はあるが、やはり、最終的には突き放し、あるいは、逃げ切りで差は付いている。

 この傾向にクサビを突っ込む最後の機会が、この関西学院大学VS京都大学と、翌日の、立命館大学VS関西大学の2試合になる。









11月11日(日) エキスポフラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
同志社大学





近畿大学







 同志社大学前節は龍谷大学に対して終始後手を踏んでしまい追い上げが必要な試合で、リーグ戦序盤には終盤逆転同点劇につながったこともあったが、前節はそこには至らなかった。ただ、関学立命との試合が、チームの攻守のリズムを崩してしまったように見えるのだが。

 同志社大学オフェンスの組み立ては、QB#17多川キープとRB#2太刀掛のラン、さらにWR#11木原、#3越智、#35橋本、TE#87居戸へ短いタイミングパスという内容になっている。特にQB多川のパスとスクランブルの的確かつ大胆な判断によって相手ディフェンスが少しずつ惑わされていくところは、同志社大学側から見ると、楽しいポイントになるだろう。

 ところで、前節は第4DでFGかギャンブルかという選択シーンで、ギャンブルを試みている機会が多かった。キッカー不在なのか安定感というところなのかは判らないが、この試合もおそらくロースコア僅差になるだろうから、この選択結果は、そのまま試合結果を左右することになるかもいれない。

 同志社大学ディフェンスでは、DL#56西村、#92山上、#93染谷、#9藤井の動きに注目したい。巨漢のスピードが相手攻撃陣にプレッシャーをあたえて文字通り攻撃を破壊している。QBサックやRBに対してロスゲインタックルで試合の流れを変えることもありうる。
 一方で、LBとDBの境界付近でパスディフェンスの甘いところがあるのだが、しかし、ミドルレンジ以上ロングパスに対してのWRとの競争はDB側も得意とするところ。さらに、中央ランに対しては、LB#54輪地、#10三浦、#52田中、DB#25遠藤、#30桝谷とも鋭い的確なタックルが飛んでいく。

 シーズン開幕戦から続く粘りのある攻守、試合を最後まで諦めない腰の強いところの復活を期待したいところである、ただし、あのミラクルオフェンスは、一か八かのオフェンスではなく、ここを必ず通すという集中力と信念によるミラクルオフェンスだった。ここは一つ、立て直した躍動感溢れる攻守をもう一度見ておきたい。

********

 近畿大学オフェンスRB#5尾下、#29吉田、#20山上、QB#18原田、#10林、#3井木、WR#6井本、#7冨尾、#19森、#88永山によるランパスバランスオフェンス、パワーありスピードありで多彩かつバランスが良い。さらに、ここまでの試合を観て感じたことは、例年と比較するとオフェンス組み立て自体に冷静さが少し加わったかもしれない。
 ランとパスでは、ランプレーに安定感がある。RB#5尾下、#29吉田の中央突破がOL#57岸田、#56金田、#72皆川とのコンビネーションでゲインを重ねている。さらにQBのスクランブルランとパスの組み合わせも面白い。

 一方のディフェンスはDL#97高山、#99平原、LB#43末吉、#51森安、#9藤井のフロント陣のスピードに注目、また、DB#32鷲野、#34西村、#21吉田によるパスディフェンスも秀逸でファインカットインターセプトあり、ランにも素早い対応を見せている。

 近畿大学前節は神戸大学戦、半ば敗戦状態の試合だったのだがしかし最後まで試合コントロールの糸口は失っていなかった。その前京都大学戦も最後まで接戦を演じている。第6節同志社大学戦は如何に。ここは今年はもちろんだが来年以降の近畿大学を考える上で重要なポイントになる。

********

********

 さて、関西学院大学京都大学の項で書いたように、6チーム間の対戦は過去いずれもTD1個差内外の接戦になっていることを考えると、今回の2試合も、おそらくこれまでと同様のスコアになるのではないだろうか。そして、再戦すれば結果は変わる、そのような微妙な試合になりそうだ。

 この2試合については試合展開の詳細な予想はまず立てられない。勝敗の行方予想も無理。試合展開によって、その時の機微によって、千差万別に変化する組み合わせのひつの結果に到達するだけだろう。

 したがって、各試合各チーム単独の見所、注目するべきポジションについて紹介をしてみた。ただ、どのような試合展開になるか判らないので、その他のポジションの選手であっても、その動き一つが試合結果を左右することにつながることも十分にありえる。

 この混戦を抜け出すために何が必要なのだろう。人材に頼るのは手っ取り早いが、学生である以上、財産として永遠に残るわけではない。学生の入学から卒業までの期間よりも長いスパンを対象とするならば、チームに根付く思想・考え方を構築して残していくほうが、長期的な効果が維持できると思う。









11月11日(日) エキスポフラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





関西大学







 立命館大学は今年も攻守とも充実した陣容を誇る。もっとも、陣容と試合内容は必ずしも一致しないことは、特に第3、4節の試合で証明してしまっていて色々と苦難なシーズンでもあるのだが。それでも、やりくりと緊張の末に乗り切るだけの底力がある。

 オフェンスは、今年もQB#9木下によるショットガンから繰り出す、RB#26松森、#41高野橋、#29西田、WR#80井上、#7小城、#11前田、#84呉田、TE#89吉田などの高速キャリアと、それを支えるOL陣とによるハイパーオフェンスになっている。今年はショットガン以外にIフォーメーションからのランパスも加わるが、バックス陣容トータルに眺めると、少なくとも今年はパワープレー系のプレーがメインになることはない。

 またディフェンスはDLLBは充実の陣容を誇る。DL#56岡本は毎試合のようにQBサックを披露しDLの中心を成す。他にDL#57武知、#97久司、#90佐倉と経験豊富なメンバーーによる壁は厚い。ここを中央突破ランで抜くためには、よほどのOLパワーが必要になるだろう。
 LBには、3年#52海島をILBに据えて、その両サイドを4年生#54名和と#5木下が配される構図は壮観である。このDLLBの存在は、ランプレーに対しては中央突破で壁になるのはもとより、オープンプレーに対するDE,OLBのコンテイン速度も目を見張るものがあり、単純なランプレーでは突破できない。
 課題は第3列のパフォーマンスがDLLBほどには安定感が無いかもしれないところで、パスカバーで抜かれるシーンが時々発生している。もっともロングパスとなるとDLLBのプレッシャーを切り抜けられるQBの存在が条件となるが。

 関西大学オフェンスはQBに#9池井、#16永川、#18西隈を併用、さらにRBへのダイレクトスナップも加わっての総力オフェンスの様相となっている。RB#22松森、#27地下、#21境家、WR#16永川、#17西尾、#19中村以外にRBWRTEQB他シーズン当初には今シーズン活躍するであろう注目選手を挙げてみたのだが、負傷者発生に伴う戦力再構築というギリギリの対応を迫られる試合が続いている。

 この試合を立命館大学攻守がどのようなモチベーションで臨むか、前節京都大学戦で復活を見せたが、第3、4節のようなことも考えられなくもない。例え、後者であったとしても、どのように切り抜けて白星につなげるか、という観点も、また、楽しいかもしれない。

 おそらく、立命館大学がジワジワとリードを広げていこうとする流れの中で、関西大学オフェンスが立命館大学ディフェンスを攻略して、どこまで舵取りできるか、という構図になるのではないかと考えているのだが。
 総力戦の様子を見せる関西大学オフェンスは、すでにギリギリのところかもしれないが、しかし、総力戦だからこそ見えてくる、いくつかの考えたこと、新しい試みが、立命館大学の隙間のどこかに当てはまらないだろうか。スピードと言う点では関西大学オフェンスバックスも、立命館大学と同等のものはある。









11月11日(日) エキスポフラッシュF 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
神戸大学





龍谷大学







 神戸大学は、前節近畿大学との試合であと少しで今季初白星の届きそうだったのだが、終盤にひっくり返されてしまった。その結果、ここまで全戦黒星続きだが、いずれも際どい試合である。
 神戸大学オフェンスは、QB#4大原からエースターゲットWR#24大園、#16長田、#12石井というレシーバーへのパスに加え、前節ではRB#40竹内、#47大月のインサイドラン突破も執拗に繰り返している。ランパスのバランスオフェンスが復活している。

 前節の試合は台風の影響による風が吹き荒れていたために、ロングパスによる攻撃を一つのキープレーとしている性格上、無視できない影響があったのではないか。今週末日曜日の天候は晴れ。WR#24大園へのロングパスと龍谷大学DB#7堀のスピード競争は最大に見所になる。

 神戸大学ディフェンスはDB陣のパスディフェンスが試合を重ねるごとに強固になっているところが頼もしい。#11大垣、#21中江などの第3列に注目です。

 一方の龍谷大学は、前節同志社大学との試合で接戦をモノにして初白星を獲得した。攻守ともライン戦で均衡以上に立ったことが前節の勝因の一つである。

 オフェンスはQB#12善元によるIフォーメーションからのバランスアタックはRB#3楠田、#9上野、#21徳安、#31小幡というタイプの違うランナーが揃っているところが大きい。スピードで抜け、テクニックでゲインを稼ぎ、パワーでなぎ倒すという様々なランドライブにつながっている。
 パスターゲットもWR#18西川、#13木下、TE#4北山へのパス精度もUPしてバランスアタックに磨きがかかる。

 ディフェンスは、以前からそのスピード判断とボールへの執着心の高いチームだが、今年もDL(DE)#91城内、#10田坂、LB#44小栗などの動きはここ数試合で目に付く活躍をしている。さらに、リターナー#7堀のスピードリターンによる得点も今期何回か見られた。

 この試合は、DIV2との入れ替え戦出場に大きく影響を及ぼす試合だが、それ以前にこの試合結果はどっちに転んでもおかしくはない試合である。どのようなストーリーで臨むか、どのポジションを狙うか。










リーグ戦表へ カレンダーへ