関西学生アメリカンフットボール Div1 第3節



09月29日(土) 王子スタジアム 13:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学





同志社大学







 同志社大学はここまで1勝1分で黒星なしのままで第3節関西学院大学戦を迎えることになった。これまでの2試合はいずれも試合終盤で驚異の粘りを見せて黒星になりかけていた試合をひっくり返しているが、ここでも、再び強靭な精神力を発揮させたいところだ。
 ただし、各ポジションともに何人かのケガ人を抱えているようで、前節の試合でも、かなりのやりくりをしている様子が見え隠れしている。少し気掛かりなポイントではある。

 同志社大学オフェンスはOLの好ブロックにともなうRB#2太刀掛、#6浦、#91山口の中央突破のランと、QB#17多川のキープをメインに据え、そして、WR#11木原、#3越智、#87居戸などへの長短パスがプレー組み立てのアクセントとなっている。

 基本的には、ピッチとドローのランプレーにプレーアクションパスという組み合わせだが、キーポイントで見せるQB#17多川の判断いいスクランブルランで必ずFD更新できるという力強さがある。

 対する関西学院大学ディフェンスだが、春から前節の試合まで、中央を突破するランプレーでミドルゲインを許してしまう傾向が改善されない。龍谷大学や近畿大学に対しても、中央ラン突破だけでズルズルとロングドライブを許してしまっている。

 つまり、この試合の第一の見所は、関西学院大学ディフェンスのウイークポイントと同志社大学オフェンスの得意とするスタイルが見事に一致するところにある。

 OLとDLのライン対決が重要なのはもちろんのことだが、RB#2太刀掛のランテクニックに対峙する関西学院大学LB#56佐藤、#60古下、DB#84徳井のパフォーマンスも見逃せない。
 同志社大学側とすれば、WRTEへのミドルパスをヒットさせてLBDB人を攪乱、さらにランゲインも、というのが理想的な展開になる。QB#17多川のパスコントロールとスクランブル判断も試合展開の鍵を握ることになりそうだ。

********

 関西学院大学オフェンスは、QB#9三原による長短様々なパス攻撃が冴える。パスターゲットには、WR#1岸、#81榊原、#85秋山、など多彩なメンバーが揃い、ロングパス一本だけで得点することも十分に可能である。さらにQBのキープスクランブルランも加わって、ほとんど毎シリーズ得点を重ねるという完璧オフェンスを展開している。

 ランプレーは前節RB#99河原と#21稲毛によるスピードに任せたランが冴えたが、この試合含めておそらくリーグ戦中盤までは、ランによる連続ドライブではなくパス中心のオフェンス組み立てになるのではないだろうか。

 この関西学院大学の攻撃を止める方法は、唯一、QBにプレッシャーをかけてパスを投げさせないことだが、QBを追いかけまわすと、そこからのスクランブルランでゲインしてしまうのが守備側から見て厄介なところだ。

 このQB#9三原のパス/スクランブルというパターンに対して、同志社大学DL#9藤井、#56西村などがどのようにプレッシャーをかけるか、LB#54輪地、#52田中、DB陣がどのようにランパスにケアするかがポイントになる。

 様々なパスパターンと多数のレシーバーを有する関西学院大学パスに対する同志社大学DB陣の動きにも注目で、これまでの試合でも重要なところでインターセプトやパスカットと活躍するシーンが多い。だが、ケガ人が何人かいるのではないかと思うのがこのDBというポジションで、少々苦しいことになってしまっている。

 さて、同志社大学のここまでの試合だが、2TD差までの僅差で試合後半を迎えられたことが終盤のドラマチックな同点劇逆転のシーンにつながっている。そしてこの試合でも、おそらく2TD差あたりが境界線になってくるだろう。
 つまり、同志社大学DLのプレッシャーとパスディフェンスが試合展開を別けることになるのは、おそらく間違いないだろう。さらに、一発TDプレーだけは避けたいところだ。

********

 怪我人を抱えている同志社大学がどのような選手起用をするか、そしてその選手層の厚さは?。若手も含めて活躍が待たれるところ、同志社大学の総合力が問われるのだが、是非とも、ここでも粘りのある強さを見たい。

 怪我人という点では関西学院大学も概ね同じような事情のようで、どのような選手起用で試合に臨むか興味深いところがある。攻守ラインメンバーを開幕戦龍谷大学戦ではベストメンバーで構成したが、近畿大学戦では少し傾向が変わっていた。そして、この同志社大学戦は如何に。









09月29日(土) 王子スタジアム 16:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
近畿大学





関西大学







 関西大学は前節同志社大学戦を引き分けに終わったが、その試合でオフェンスの重要なポジションのいくつかで負傷者をかかえてしまったかもしれないようだが、それがどのように影響するか。
 ここまでの試合を観る限りでは必ずしも得点力のあるチームではないようなので、このあたりが試合の鍵を握ることになるかもしれない。

 関西大学のオフェンススタイルは、QBは#9宮城、#14原口、#18西隈によるランパスバランスアタックだが、RB#7地下、#37大丸、#22松森のランプレーよりは、WR#19中村、#16永川、TE#86強へのパスが中心になっているようだ。
 前節同志社大学戦ではQB#9宮城からWR#16永川へのミドルパスやスクリーンパスがオフェンスドライブのきっかけとなり、神戸大学戦でもWR#16永川、#19中村、#86強などのパスによる。
 ここまでWR陣のスピードに依存している印象が強いが、この試合ではどのようなオフェンスの組み立て方となるか。このあたりが前節の負傷者との兼ね合いで不明瞭なところになる。

 対する近畿大学ディフェンスは、前節関西学院大学に敗戦を喫したもののディフェンスはかなり健闘していて、DL#97高山、LB#43末吉、#9藤井による鋭い突っ込み・ブリッツディフェンスが関西学院大学オフェンスの動きを止めていた。
 さらにDB#21吉田、#32鷲野、#34西村などのパスカバーも判断力とスピードがあり、DLLBともに関西大学のスピードオフェンスに十分対応できそうだ。


 関西大学側から見るとオフェンスプレーの組み立てに注目したいところ。一方近畿大学側から見るとスピードのあるアグレッシブなディフェンスが関西大学に迷いを生じさせることが出来るか、という対決になる。
 ただし、ここまでの試合を観る限りでは、関西大学オフェンスの手段系が少ないように感じられるので、近畿大学ディフェンスが対応できるようになると、もしかしたら僅差接戦の試合展開も十分に考えられる。

********

 近畿大学オフェンスもこれまでの2試合で合計2TDのみだが、対戦相手が立命館大学関西学院大学ならば、言いたくはないが、止む無しか。
 2TDは関西学院大学戦後半の得点だが、RB#20山上、#5尾下、#44三好、#29吉田などによるタイプの違う中央突破ランをOL#56金田、#72皆川、#57岸田が支えるコンビネーションプレーによる。
 少数精鋭の大型ラインがインサイドランの突破口を切り開いているところに注目で、関西大学DLとのライン戦は、この試合を別けるポイントの一つになるだろう。

 さらにレシーバーも、WR#19森、#88永山、#7冨尾という高速ターゲットとTE#33佐藤というタイプの違ったレシーバーが存在し、さらにはRBもパスターゲットと成り得るので、攻撃手段の手数は多い。

 QBは#18原田と#8荒木による。QBに誰を起用するか、さらに、パスランをどのように組み込むか、攻撃手段の組み合わせ数を考えると天文学的(おおげさですが)な数になってしまうことが災いして方針が絞りきれないような印象も受けるが、取捨選択によっては、相手ディフェンスに的を絞らせないで効率的な攻撃を仕掛けることが出来るのではないだろうか。

 対する関西大学ディフェンスは、関西学生リーグでもトップクラスのLB#33大館、#5坂田、#49宮崎というLB陣に注目したい。これまでの2試合でも、特に相手ラン攻撃に対する対応が素早く、そして対応後はほとんど完璧に封じ込んでいて、それがロースコアの試合展開につながっている。
 さらに神戸大学WR大園を封じたDB#13林、#8井野、#7大亀などの第3列DB陣と近畿大学WRRBの対決も興味深いところである。

 もっとも、その前に、近畿大学OLと関西大学DLの攻防があるのだが、前節、関西学院大学DLにイーブンの力関係を見せた近畿大学OLと、同志社大学OLに押し込まれる時間帯のあった関西大学DLの関係だけは、実際に対戦してみないと判らないところが多い。

 近畿大学オフェンス手数が整うか、それに対する関西大学ディフェンスが柔軟に対応できるか、振り回されることは無いだろうかというところだが、どちらの側から見ても不透明な部分がある。

********

 この試合は、ロースコアの試合展開ならば試合結果は行方不明だが、もしも、オフェンス手段系で数の多い近畿大学が序盤から得点を重ねる試合展開になると、そのまま逃げ切りの可能性も完全には否定できない。関西大学側から見れば、オフェンスドライブを確実に得点に繋げたいところだが。微妙な試合になるかもしれない。








09月30日(日) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
龍谷大学





京都大学







 この試合についてリーグ戦開幕前後に私が考えていた試合展開予想では、龍谷大学のWR#18西川、TE#4北山へのパスに対して京都大学DB陣が振り回されると少し厄介なことになるのではないかと考えていたのだが、しかし、前節の京都大学パスディフェンスを見て、大きく考えを改めなければならないのではないかと思っている。

 確かに神戸大学のショート〜ミドルレンジのパスは繋がっていたのだが、試合を決める重要どころではDB#15前川によるパスインターセプトなど、レシーバー前に割り込んでパスをカットするシーンが何回も繰り広げられている。

 龍谷大学QB#12善元のパスパターンも、スローバックありショベルありと複雑巧妙なので何回かはミドルパス成功というシーンがあるかもしれない。
 だが、DBも#15前川、#14田畑など昨年から多くの経験を積んできていて、前節神戸大学戦でもDB5人を配してパスを封じていたように以前ほどにはパスでズルズル後退するというシーンは少なくなっているように見える。

 さて、こうなると、龍谷大学オフェンス側はどのようなプレーで攻撃を組み立てることになるのだろうか。RB#3楠田、#40野村、#9上野とパワー系スピード系ランナーは揃っているが。

 一方で京都大学もDL#91三井、#59木村、#79酒井とLB#52中村、#5南出、#54川島などによるランディフェンスは、特に中央付近のランに対しては堅いところを見せている。

 龍谷大学のパスに対する京都大学DBのレシーバーカバーとDLLBのQBへのプレッシャー度合い、それに対するQBの判断。さらに、中央ラン突破に対して硬いランディフェンスを左右ワイドオープンへ振り回すプレーを繰り返すことで突破口が広がるか。このあたりが攻防線となりそうだ。

********

 龍谷大学ディフェンスもDB#5高崎、#7堀とLB#54末本、#10田坂などアグレッシブなメンバーが揃う。ここまでは対戦相手のこともあって失点が重なるが、第3節、攻撃的ディフェンスが威力を発揮する。

 一方、京都大学の攻撃手段といえばRB#39高松とQB#19宮下によるラン中心というイメージがあったが、今年はそこにWR#82中村、#17生川などへのミドルレンジ以上のパスが加わったスタイルになっている。
 そして、QBによる巧妙なランプレーはあるものの、RB#39高松とOLによるパワーでねじ込むようなオフェンススタイルではないところが、今年の京都大学オフェンスの特徴である。

 この攻防は龍谷大学ディフェンスの真の姿が見えにくいこともあって、なんともだが、スピードという点では龍谷大学側か。対する京都大学は、前節同様パスとランの絶妙なバランスで突き進むことになるだろう。









09月30日(日) 西京極陸上競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





神戸大学







 立命館大学QB#9木下によるオフェンスは、開幕節でセットバックIフォーメーションからRB#25(43)高野橋、#29西田によるランプレーを中心とした攻撃を行い、そして第2節ではショットガン隊形からWR#1本多、#11前田への長短パスとRB#26松森のスピードランという攻撃を展開した。
 いずれの試合でも得点量産だが、2試合で全く違う組み立て方になっていて、今後どのようになるのか先が見えない状態にある。

 今シーズン3試合目となるこの試合ではがどちらのスタイルで臨むことになるか、それだけは当日になってみない判らないが、もし二者択一なのであれば、ここはセットバックによるIフォーメーションで神戸大学ディフェンスに挑んでほしいと思うのだが。

 その神戸大学ディフェンスは、前節京都大学戦でも中央ランプレーに対してはDL#99小澤、#95春山、LB#52西澤、#49浅野などが対応していた。
 しかし、京都大学に2本のロングTDパスを許しているが、今回も立命館大学のスピードあるレシーバー陣に対して効果的なパスカバーなるかというところがポイントになるのだろう。

********

 立命館大学ディフェンスは、ここまでの2戦でランによるゲインをほとんど許していない。昨年から経験を積む鉄壁のDLLB陣ではこれも納得してしまうところだ。
 この試合でもDL#56岡本、LB#54名和、#5木下、#52海島による鉄壁が神戸大学RB#40竹内、#47大月のランを封じることになるか。神戸大学OLがラン走路を確保したいところだが。

 ところで、神戸大学前節は京都大学に対してランプレーをほとんど捨ててパス中心の組み立てに徹していた。一般的にはパス失敗が続くとディフェンスに負担がかかるという悪循環はあるが、少なくとも前節は、パス成功率が上がったことでそういう展開にはなっていない。
 したがって、立命館大学の完璧なランディフェンスに対して真っ向勝負というのも効果が無いとは言わないが、前回同様あっさりと捨てるのも一つの選択肢になるのかもしれない。ということを前節神戸大学の戦い方を見ていて考えたことです。

 ということで、神戸大学QB#4大原とパスターゲットのコンビネーション精度と、OLのパスプロテクションに対する立命館大学DLのスピードとパワーの対決、というところがポイントになる。

 神戸大学パスターゲットは、WR#12石井、#16長田、#2桂、#7稲垣、そして#24大園。対する立命館大学は、#4町、#12今西、#13石貞、#20木下などスピードのあるDB陣が神戸大学レシーバーとどのような攻防を繰り広げるか。

 そして、最大の注目ポイントは、やはり、WR#24大園に対して立命館大学もダブルカバーするか、それともシングルで完全に抑えきることができるか、にある。神戸大学側もダブルカバーに対して何らかの対策が準備されくる頃だろう、そのあたりも興味深い試合である。










リーグ戦表へ カレンダーへ