関西学生アメリカンフットボール Div1 第2節



09月15日(土) エキスポフラッシュF 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西大学





同志社大学







 この対戦カードについては、リーグ戦開幕前段階では、ある程度の試合展開予想が掴めていたのだが、開幕戦で同志社大学が粘り強い内容で京都大学から白星を奪ったことで、春の結果など当てにならないということを改めて思い知らされるとともに、この試合についても、どのような展開になるか全く読めなくなってしまっている状態である。

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 まず関西大学オフェンスのオフェンスだが、QBは#9宮城と#18西隈の両名でセットバックから攻撃を仕掛ける。QBキープと、RB#37大丸によるパワー系の中央ラン、そして、RB#22松森はスピードとテクニックでオープンへ展開というランプレーと、スピードのあるWR#16永川、安定感のある#19中村、そしてTE#86強と、タイプの違うレシーバーが揃っている。さらにOLには##79保呂、#51角田の1年生含めほぼ全員が100キロ超の重量級選手が揃っている。
 このように、様々なタイプのバックス陣が、オフェンスの手段系はランパスとも多種多彩である。組み立て方としては、パワー系で振り回して最後はスピード系で決めるというストーリーになるだろう。

 対する同志社大学ディフェンスは、DL#9藤井、#93染谷のプレッシャーが厳しく、判断のいいLB#52田中、#54輪地と、パスディフェンスでファインプレーの続くDB陣#25遠藤、#19荒井という構成になっている。

 前節京都大学での白星は、ディフェンスが辛抱強いプレーを続けてオフェンスの反撃を待ったことによるところが大きく、粘り強いディフェンスがもたらしたものといっても過言ではない。そしてこの試合でも、DL#9藤井によるQBサックやDB陣による渾身のタックルが決まれば、均衡した試合になる可能性は大きい。
 同志社大学側から見るとゴリゴリ進まれるのはともかく、スピードのあるキャリアに対するタックルミスだけは避けたいところだが、前節を観る限りでは丁寧なプレーが続いていたので、大きな不安要素にはならないだろう。

 粘り強いタックルとパスカバーが関西大学オフェンスを混乱に陥れるか、それとも、関西大学のスピードが同志社大学守備陣を振り回すか。前節、第4Q終盤までもつれる試合展開となった両チームだが、終盤でようやく逃げ切った関西大学オフェンスと、粘り通した同志社大学ディフェンスの攻防は、とても興味深いところだ。

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 そして関西大学ディフェンスと同志社大学オフェンスの攻防だが、こちらも見所は多い。

 関西大学ディフェンスでは、守備範囲の広いILB#33大舘とOLB#49宮崎が必ずボールキャリアに絡んでいる。さらに前節神戸大学WR#24大園を完璧マークしたDB#13林をはじめ、DB#8井野、#6木ノ下、#7大亀が揃う。

 対する同志社大学オフェンスはQB#17多川によるIフォーメーションからのバランスアタックを展開する。RB#2太刀掛、#6浦のTB陣とFBに#91山口によるインサイドランと、WR#11木原、#3越智、TE#87居戸へのショート〜ミドルパスという組み立てになる。
 攻撃の手数系は少ないのだが、それをやりくりするテクニックがあり、こんなプレーがまだ残っていたのかというのが前節京都大学戦だった。つまるところ、本当にプレー数は少ないのかということなのだが。インサイドとオープンへのラン、ショベルパスとQBキープ、ショート〜ミドルレンジのタイミングパス等々。
 インサイドのランプレーでは関西大学LB#33大館、#49宮崎と正面衝突することになるが、このプレーでの勝率(ゲイン距離)がどの程度になるかが第一のポイントになる。
 そして、中央ランフェイクのプレーアクションパスも十分に考えられる#17多川のパフォーマンスに注目したい。プレッシャーに強いQBから投じられるタイミングパス・ミドルパスをレシーバー陣が確実にキャッチしていきたいところ。

 今年の関西大学ディフェンスは、例年以上にスピードとパワーで破壊力が備わっていて鉄壁のディフェンスではあるのだが、1試合フルタイムで鉄壁かというと、春からいくつかの試合を観戦しているが、やはり、どこかに甘い時間帯は発生してしまっている。同志社大学オフェンスとしては、そのピンポイントをうまく突くことができるか、そのあたりを突破口にしたいところだが。

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 この試合、もしも、試合終盤まで僅差の展開となれば、結果はわからなくなる。関西大学としては、試合の早い段階で、かなりの得点差をつけて同志社大学から戦意を奪うまでのダメージを与えておかないと終盤で猛追を受けることになるかもしれない。
 もっとも、そのような大量得点差が簡単に付くような力関係でもないのだが、もしもあるとすれば、同志社大学側に試合序盤で連続して大きなミスが出てしまうことと、関西大学リターナー#16永川による一発TDプレーによる。

 この試合は、おそらく最後までもつれる僅差の試合になるのではないだろうか。僅差の試合となれば、そして同志社大学K#6浦と関西大学K#35小原によるFG対決も注目したい。
 注目のカードが多い第2節第1試合。秋は夕暮れの17時試合開始です。









09月16日(日) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
関西学院大学





近畿大学







 関西学院大学はQB#9三原によるショットガンからのスピードのあるランパスプレーで得点を重ねるというのが前節の得点方法だった。パワー系のプレーでは、龍谷大学ディフェンスに手を妬く面も見せたが、開幕戦の緊張の中だったからなのか試行錯誤が続いているのか、という状態なのだろう。

 この試合をパワー系のプレーで攻撃するか、スピード系で置き去りにするか、もちろんオフェンスの常套手段としてはパワーとスピード交互に織り交ぜて相手を攪乱するのだが、キーをどちらに置くか、そして、どのようにして得点を挙げていくのか興味深いところがある。

 オフェンスバックスのメンバーは豊富で、ランプレーならばRB#45石田、RB#38平田、RB#21稲毛、RB#99河原など、WRならば#1岸、#85秋山、#88松原などに注目したい。

 近畿大学ディフェンスでは、DB陣#21吉田、#32鷲野、#26武藤、#34西村によるパスカバーが前節立命館大学戦でも際立っていた。この試合でも関西学院大学レシーバー陣との対決は見所の一つであり、さらに、毎試合1回以上のインターセプトを続けているDB陣によるパスインターセプトシーンを待つのも面白い。

 ただオープンランに対するディフェンスコンビネーションに若干の不安を見せていたのだが、この試合を均衡した試合とするか、点差の広がる試合とするかはこのランディフェンスがキーポイントになりそうだ。

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 近畿大学オフェンスはQB#18原田と#8荒木による。ランの#18原田、パスの#8荒木という表現はかなり強引かつ極端な面もあるが、若干傾向が違うのではないかと感じた開幕戦だった。この試合でもおそらく併用スタイルになると思うが、前後半で別けるか、交互起用するかで、試合展開が少し変わるかもしれない。

 近畿大学オフェンスの印象はスピード系のプレー中心というイメージがあったのだが、開幕戦を観た印象では、中央付近のランプレーに「重量」を感じた。そして今年の関西学院大学のディフェンスは、特にインサイドのランプレーがウイークポイントになりそうだが、この試合でも近畿大学RB#5尾下、#44三好のインサイドパワーとRB#20山上、#29吉田のスピードランとの兼ね合いが切り崩すきっかけにできるか。
 インサイドのパワープレーによる攻防、つまり、近畿大学OL#56金田、#72皆川、#57岸田と、関西学院大学DL#93早川、#97國方、そして守護神LB#56佐藤との対決も面白い。

 さらに近畿大学のスピードのあるレシーバー#19森、#88永山、#7冨尾、TE#33佐藤へのパスヒットが加われば、一気に混戦モードとなるのだが、ここはQB起用方法や天候との兼ね合いもあるかもしれない。

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 スペシャルチームの攻防としては、リターンを許さない近畿大学のスピードと、関西学院大学リターナー#81榊原、#88松原の対決も見逃せないポイントである。

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 近畿大学を介して立命館大学と関西学院大学の比較ができるという注目の一戦、もっとも両チームともに開幕戦をスカウティングできたことによる改善予測分は見込む必要があるのだが。
 というように試合の行方という点では関西学院大学優位なのは否定できないのだが、しかし、均衡した試合になる可能性も若干秘めている。いろいろなストーリー展開が考えられる試合であり、それぞれの攻守攻防でも見所の多い試合である。

 なお、関西学院大学側には、前節龍谷大学戦で早くも負傷者が数名出てしまったようだが、その回復傾向も少し気になるところ。この試合に限れば必然的に臨むオフェンススタイルが決まってしまうかもしれない。









09月17日(月) 西京極陸上競技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
立命館大学





龍谷大学







 関西学生開幕節のトピックといえば、やはり、立命館大学が攻守ともラインの安定感を見せ付けて好スタートを切ったこと、そして、大差にもかかわらず丁寧な試合運びを見せたことだろう。
 安定したラインについてだが、DLについては昨年実績のあるメンバーが残っているので予測の範囲内だったのだが、OLは今シーズンはじめてスタメンに名前を連ねるメンバーばかりだったので、なおさらである。もっとも、初スタメンだから不安定、と短絡的に結びつけるのも、いかがなものかと、だが。
 ただし、ラインの安定感というものは相手との力関係によるところが大きく、相対的な比較にならざるを得ない。したがって、前節では安定しているように見えていたが、この試合でも同様のパフォーマンスを見せ付けるか、ここが興味のあるポイントになる。

 そして、もう一つの注目ポイントは、やはり、オフェンススタイルである。Iフォーメーションのセットバックによるパワータイプ主体という布陣をこの試合でも踏襲するのか、それとも、まったく新しいというか昨年のようなRB1人を配置したショットガンからのスピードランを採用するか。
 パワースタイルについては、ある程度予想していてUBにはRB#44浅尾、#47中道を起用されたが、TBに#25高野橋、#29西田という昨年とは全く異なるメンバーを配置したのも新鮮だった。

 なお、QB木下のパスターゲットとしては、WR#1本多、#7小城、#11前田等だが、ターゲットが案外と固定しているような印象を受ける。新鮮なRB陣と比較してしまうこともあるのだが、パスのタイミングやコントロール精度、判断精度とともにターゲットについても見ておきたいところだ。

 立命館大学オフェンススタイルについては、この試合の傾向を掴めば、おそらくはリーグ戦中盤戦までの取り組みは見えてくるだろう。

 対する龍谷大学ディフェンスは、DL#10田坂、#91城内、LB#54末本、#98西村、#2安本、DB#5高崎、など、各ポジションともに均等に判断がよく、勢いのある選手が揃っているのが特徴である。立命館大学前節の対戦相手だった近畿大学もスピードのある選手が揃っていたが、破壊力という点では、龍谷大学メンバーも引けをとらない。立命館大学のパワースピードオフェンスにどこまで対抗できるか楽しみである。

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 立命館大学ディフェンスは主将DL#56岡本筆頭に、#97久司、#57武知がパワークイックネスに冴える。LBでは、昨年までILBで起用されることが多かった#5木下が#54名和とともにOLBへ、そして今年はILBとして3年の#52海島が配置されている。

 対する龍谷大学オフェンスはQB#12善元中心にバランスアタックを展開する。RBは#3楠田、#9上野、#31小幡とスピード系パワー系揃っている。レシーバーもスピード系のアウトサイドレシーバWR#18西川とインサイド担当TE#4北山というタイプの違う人材が揃っいて、少数ながら精鋭メンバーがバランスよく配置されている。

 QB#12善元は厳しいプレスの中でも果敢に投げられるタイプで、速いタイミングパス等のプレーコールも冴える。ランでは中央突破・オープンラン、ピッチオプションあり、そして、これらをノーハドルオフェンスで仕掛けることがある。レシーバーの安定感が増せば面白い攻撃スタイルになりそうだ。

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 この試合は、勝敗結果だけならば、立命館大学優位なのは間違いないが、両校の今シーズン今後の展開予測や他校との力関係を類推してリーグ戦全体の今シーズンの方向性を探るという点では見所の多い試合である。
 例えば、龍谷大学オフェンス陣は前節関西学院大学戦では、1シリーズあたり少なくとも1回はFD更新できているのだが、立命館大学ディフェンスもその程度の前進を許すか否か、その数値と比較するという見方もまた楽しいかもしれない。
 さらに、開幕戦で丁寧な試合運びを見せた立命館大学の第2戦の内容という点でも興味深い試合である。










09月17日(月) 西京極陸上競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗分
京都大学





神戸大学







 京都大学は同志社大学に逆転負けを喫し黒星が先行する状態。もしも、この試合でも黒星になるようだと本当に入れ替え戦が現実的なものになってしまいそうで、数10年間関西学生を観戦している身からすると・・・ということを考えなければならない。

 そして、昨年の対戦結果なのだが、神戸大学40点、京都大学16点と差が広がって神戸大学勝利、そのうちWR#24大園へのTDパスは3本である。

 したがって、この試合の行方を別けるポイントとなるのがQB#4大原からWR#24大園へのパスの成否であることはおそらく間違いないだろう。
 さらに前節の神戸大学の試合では、WR#12石井、#16長田へもショーとミドルパスがヒットしており、今年はパスターゲットが多く、ディフェンス側として全てのレシーバーをカバーしなければならない。
 さらにRB#40竹内、#1小椋、#33冨田の中央オープンへのランプレーは神戸大学伝統のランプレーもありというバランスアタックに磨きがかかっている。

 京都大学DLと神戸大学OLQBの攻防もこの行方に影響を及ぼすが、DL#91三井、#59木村、#11武藤と神戸大学OL陣のブロック力の対決では、京都大学DLパワーが若干優勢か、さらにLB#54川嶋、#5南出などが神戸大学の攻撃をスクリメージライン付近止めておきたいところ。DB陣まで負担がかかるところまでランゲインを許すと、パス攻撃と併せて京都大学DB陣の負担が大きくなりそう。  京都大学DB#14田畑、#15前川と昨年からの経験を積むメンバーが多く、ここまでもパスインターセプトやパスカバーを見せており、一方的な展開にはなりにくいかもしれないが、このDBのパフォーマンスが勝敗を別けるポイントになるのは間違いない。

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 一方京都大学オフェンスでは、QB#19宮下、短いパスが確実にヒットする、WR#87藪崎、WR#28坂田、WR#7安藤、RB#39高松とQBキープのインサイドランとの兼ね合いだが、前節の試合ではどちらかといえば、パスのほうが確実煮へインしていたのは、OLメンバーが新規になったことが効いているか。RBもWRも最後の一伸びをする少しでも前にという意識は高い。
 京都大学のサイドライン際への短いパスとその後のランゲインに対して神戸大学DB陣が、どのように対応できるか。パスキャッチの時点で確実にタックルを決めたいところだが。
 京都大学RB高松QB宮下による中央突破のランプレートの絡みで神戸大学DB陣が振り回されるかどうか。

 神戸大学としてはインサイドのランプレーに対しては、DLLBが確実に対応、DBに負担をかけないことが必須。DL#99小澤、LB#42玉井、#52西澤、#49浅野などのパフォーマンスは重要である。

 一方で神戸大学もDB#26中江、#34宮路中心に回るが、その他DB陣も成長の跡を見せておきたいところだ。

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 結局のところ、両チームとも相手のパスに対するディフェンスDB陣のパフォーマンスがキーポイントとなりそうだ。それに対して攻撃側は、ランプレーを絡めてディフェンス拡散を図ることになりそうだ。パスディフェンス、あるいは、DBが持ち堪えたほうが試合主導権を握るという展開になるだろう。









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