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関西大学オフェンスは、QB#9宮城によるノーハドルオフェンスを展開するが、同志社大学ディフェンスもこれに対応、QBスクランブルにLB#52田中が、パスにはDE#9藤井がQBサックを見舞う。 攻守膠着状態がしばらく続いていたのだが、関西大学第2シリーズ第3D、左WR#16永川への縦ロングパスが42ヤードヒットした。この日始めてのロングパス試行で、レシーバーがクロスしたのかDBマークなしで完全フリー状態でのパスキャッチとなる。 これで関西大学は敵陣13ヤードに到達するが、ここから再び同志社大学LB#54輪地、DL#56西村に対応されてFGに止まってしまった。 関西大学第3シリーズ、左WR#19中村へのミドルパスに対して同志社大学DBが寸前でパスカットを見せたのだが、これがパスインターフェアの反則となって15ヤード前進する。 さらに関西大学はショットガンノーバックでセットしてWR#16永川へ12ヤードのパスを通して、同志社大学ディフェンスが完全に調子を乱してしまった。 この後はOL#57山元ブロックによるRB#27地下の22ヤードゲイン、再びの5レシーバー左WR#17西尾へミドル16ヤード、セットバックからWR#16永川へスクリーン15ヤードと、ミドルゲインを繰り返し、最後は右TE#89強へのコーナーへのTDパスで関西大学がTD7点を加えた。 ******** 一方の同志社大学オフェンスは、第1シリーズでRB#2太刀掛による中央ラン突破でFD更新するものの、関西大学ディフェンスLB#33大舘などによるRBへのマークが厳しくなっていく。 第2シリーズではTE#89西田へのパスでFD更新するが、パスに対しても関西大学ディフェンスLB#5坂田などのQBへのプレッシャーが厳しい。さらにロングパスをDB#35小原にインターセプトされるなどで、いくつかの攻撃手段が少しずつ封じ込まれていった。 第3シリーズではQB#17多川のスクランブルランが加わったことで、RB#2太刀掛のドローランなどで前進する。第4Dギャンブルでのフェイクプレー成功で敵陣15ヤードまで侵攻するのだが、やはりディフェンスDL97、LB5の壁に遮られ、さらに、FG失敗で、前半は無得点に終わった。 ******** 試合前半は、関西大学10点、同志社大学0点という結果で終わっている。関西大学はオフェンス3シリーズを1TD1FGという内訳だが、FGシリーズではWR#16永川への42ヤードのロングパス、FGシリーズでも#16永川へのスクリーンパス、WR#17西尾へのミドルパスが絡んでいる。 一方の同志社大学はRB#2太刀掛とQB#17多川キープでロングドライブを行っているが、関西大学LB#33大舘、#5坂田の鋭い判断と突っ込みで得点にまでは至らない。 さらに試合時間の経過とともにRB#2太刀掛に対する関西大学ディフェンス陣のマークが執拗になっていき、なかなかゲイン出来ない状態になっていた。 ******** 後半、同志社大学のパントをブロックして敵陣での攻撃権を得た関西大学はFGで3点を追加、第3Q中盤で13点差2TD差とリードを広げていく。 これに対して同志社大学もQB#17多川からWR#11木原へ10ヤードパス、ミドルインで35ヤードと2本のビッグゲインパスが続き、最後はRB#2太刀掛が右OT付近をスピードで抜けて23ヤードのTDランとした。 これに対して関西大学もRB#22松森のスピードランとWR#16永川へのスクリーンパスでTDを追加して第3Q終盤で再び2本差のリードを確保する。 さらに同志社大学自陣でのパスをLB#33大館がインターセプトして敵陣37ヤード地点で攻撃権で得た。ここで関西大学が最低でも3点を獲得していれば第4Qの展開はなかったかもしれない。 敵陣37ヤードは、FGを確実に決めるためには最低でもFD更新1回が必要な距離だったのだが、RB#22松森の連続キャリーを同志社大学ディフェンス陣に対応されてしまい、FD更新まで数ヤードが残ってしまった。FGキック自体は、方向は良かったのだが、距離が少し足らなかった。 ここの攻防で、同志社大学ディフェンスが関西大学に得点を与えなかったこと、そして、2本差のまま第4Qに突入したということで、試合の流れが変わって行く。 ******** 続く同志社大学自陣29ヤードからの攻撃では、ボールキャリーはQB#17多川のスクランブルと、RB#2太刀掛による中央ランのみ。ショットガン隊形なのでパスの可能性も否定できずで、ディフェンス側に混乱が生じていく中で、同志社大学が1TDを返した。 さらに次のシリーズでもQB#17多川からWR#5上原へスローバック気味の30ヤードパスがヒットして敵陣9ヤードまで到達する。残り時間2分50秒だった。 しかし、ここでの関西大学ゴール前ディフェンスは完璧だった。LB#49宮崎がRB#2太刀掛を、LB#33大舘とDL#92福岡でQBサックを奪い、第4DギャンブルでもLB#5坂田によるQBサックを浴びせて攻撃権を奪い取った。 ******** 残り時間1分19秒、関西大学20点、同志社大学14点。攻撃権は関西大学にあって、自陣25ヤード地点。 ******** 関西大学は第1Dで左RBへのピッチプレーだったのだが、乱れが生じてボールが転がってしまった。イーブンボールを両チームが奪い合う中で最終的にボールを確保したのが同志社大学で、その地点がエンドゾーン内だったことで、同志社大学にTD6点が加わり、この時点で同点となる。 同志社大学は、さらにPATを決めれば逆転だったのだが、失敗してしまった。20−20の同点。残り時間1分07秒 ******** 続くキックで同志社大学はオンサイドではなく、ゴロキックを中央付近に蹴りこんだ。同志社大学側がボールを積極的に確保するという意図でもなかったようだが、ボールを確保した関西大学は自陣1(?)ヤードから攻撃をしなければならない状況に追い込まれた。 同志社大学はタイムアウト2回を使って、関西大学にパント含め4プレーを要求する。どこかでセイフティーの2点を奪うことが目的だったが、しかし、関西大学側もかろうじてパントキック成功にまで持ち込むことができた。 ******** 次節、関西大学は近畿大学と対戦する。そして、同志社大学は関西学院大学に挑戦する。 ******** この試合を観戦したのは、スコアボードと反対側の30ヤードライン付近でした。そして試合終盤の攻防は、現地で観戦していた人には判ると思いますが、スコアボード側で起きています。 「何が起きたか」というところは、各選手の動きから類推することができるのですが、「誰が」という点では、ほとんど把握できていません。また、パントキック失敗のシーンは、手元のメモを見ていたので、こちらも詳細を把握していません。 この試合の展望コメントへ |
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リーグ戦なので黒星は絶対に許されない。だから、とれるところで点を取っていこうという関西学院大学オフェンスのスタイルだった。前節龍谷大学戦でもそのような傾向を感じたが、これで時間稼ぎをしながらリーグ戦後半終盤戦を迎えるというストーリーもありうることを改めて認識した試合だった。 近畿大学側から見ると、攻守守攻とも均衡していた第1Qから第2Q前半までで別の展開を見せていたら、もしかしたらの可能性もあったかもしれないのだが、ビッグゲインを奪われて失点が重なったのが惜しい。 ******* 近畿大学オフェンスは、QB#8荒木と#18原田を併用するスタイルで組み立てた。第1シリーズは、QB#8荒木から右WR#88永山へ9ヤードのサイドライン際へパスがヒットするが、QBキープをLB#56佐藤に、第3Dでも中央ランをLB#90古下に対応されてパントに追い込まれる。 第2シリーズはQB#18原田が登場してRB#20山上へのハンドオフ中央9ヤード、OL#57岸田ブロックによる中央ランでFDを更新するが、QB#8荒木による横パスをノーゲインなどで再びパントキックへ。 第3シリーズでは、RB#5尾下による中央突破12ヤードゲインも、その後中央のランをDL#62平澤に、スクリーンパスをLB#90古下に、それぞれ対応されてしてしまう。 しかし、その後もRB#20山上へのオープンピッチ10ヤードやWR#7冨尾への横パス10ヤード、RB#29吉田によるオープンラン36ヤードなど、オフェンスの突破口は見え隠れしており、結果としてはオフェンス無得点なのだが、1プレーで10ヤード以上進むこともしばしばで、あと一歩という攻防が続いた。 この攻防も最終的には関西学院大学DL#94村上、LB#56佐藤、DB#84徳井などディフェンス個々人の判断でプレーが止まっていることになる。近畿大学側から見ると攻撃ポイントを絞りきれなかったことになるのだろうか。 ******** 関西学院大学QB#9三原によるオフェンスは、立ち上がりに、近畿大学LB#43末吉、DL#97高山の強烈なブリッツを受けて、少しコントロールを乱している。 ブリッツに対して関西学院大学はTE#95韓への短いパスをヒットさせて止めようとするが、ディフェンスの勢いは止まらず1回目のシリーズはパントに追い込まれてしまった。 近畿大学ディフェンスの勢いに押さえ込まれそうになっている関西学院大学オフェンスの第2シリーズに注目していたのだが、それは意外なところから始まる。 近畿大学のパントをブロックし、敵陣エンドゾーン直前で攻撃権を得るラッキーを先制点につなげた。 そして、実質2回目のオフェンスシリーズは、自陣43ヤードから。RB#99河原の左オープン13ヤードとQBロールから右サイドWR#85秋山へ14ヤードと左右へ振るプルーでゲインを重ねる。 しかし、中央ラン突破を狙ったプレーでは、近畿大学DL#99平原、#43末吉、#9藤井などに止められてFGトライへ。さらにそのFGキックも近畿大学にブックされてしまう、のだが。 転がったボールをキックホルダーだった#17浅海が拾い上げると判断よく右オープンへ走ってFDを獲得する。FG3点で止まっているところだったが、この勢いにのって関西学院大学はTD7点を追加した。 さきの#84徳井によるパントブロックとか、このFGブロックからの#17浅海によるFD更新による2TDは、試合展開上関西学院大学にとってはとてもラッキーだった。もっとも、このラッキーを生み出した個人の動きは賞賛に値する。 第2Q中盤以降の関西学院大学オフェンスは、オープン位置から長めの距離に絞って一気に畳みかけていくというプレー選択となり、WR#81榊原の縦パス45ヤードやRB#21稲毛に右オープンブロックよく70ヤードビッグゲインなど大技一気で2TDを追加する。 さらに、後半開始早々の第2DWR#85秋山へのロングパスはDBを振り切ってフリーのところへ投げ込んで82ヤードのTDパスとして逃げ切り体制を確立した。 ******** この日の関西学院大学攻守ラインのスタートメンバーには、複数名の若手が混じっていた。もちろん経験を積むためという面があるが、その一方で、今後対戦するチームにスカウティングをさせないという意図も、少なからずはあるはずだ。 そしてオフェンスでは中央付近でのランプレーが出ず、近畿大学ディフェンスのプレッシャーを受けるという序盤、さらに近畿大学オフェンスにインサイドのランプレーを通されるようになったのも、このラインの起用方法が一因であることに違いはないだろう。 近畿大学ディフェンスのプレッシャーが関西学院大学の攻撃テンポを乱すシーンが何回も見受けられ、DL#97高山、LB#43末吉などによるインサイドランやQBへのプレッシャーが強烈だった。 第2Qには、中央ランに対して強烈なタックルを浴びせてファンブルを誘発、イーブンボールをDB#34西村が拾い上げてリターンTDを奪っている。 ******** 後半近畿大学2回目のオフェンスは第3Q残り時間5分17秒から。この時点で関西学院大学ディフェンスメンバーは各ポジション1名程度の交代はあったものの概ね先発メンバーで構成されている。 そして、ここから近畿大学のインサイドランが止まらなくなる。QBキープ12ヤード、RB#44三好の5ヤード、その後、5ヤード、9ヤードと続き、オフサイドの反則も加わる。近畿大学陣29ヤード地点から始まったランオンリーのロングドライブがTDへと繋がった。 第4Qの近畿大学の得点も中央ラン中心の組み立てによるドライブによる。もっとも、この時は、ディフェンスメンバーは大きく変わっていたが。 試合前半で近畿大学オフェンスが中央のラン中心にオフェンスを展開したときにどのようになっていたか、興味深い点である。兆候は覗かせていたのだが。 この試合の展望コメントへ |
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立命館大学QB#9木下によるオフェンスは、開幕戦出場機会のなかったRB26とWR#1本多、#7小城、#11前田などによるショットガンオフェンスを展開、第1シリーズではTE#80井上へのパスなどをつないで速攻2分でTDを挙げる。 第2シリーズは、WR#11前田への横パスからディフェンスの隙間を縫って30ヤードTDランによる40秒ドライブ、そして第3シリーズはWR#7小城、#1本多などへの短いパスをつなぎ、WR#80井上の身体を使ったミドルパスキャッチも加わり、最後はTE#89吉田へのTDパスで3個目のTDを獲得した。 この試合の立命館オフェンスは、どちらかと言えばパス中心、そしてRB#26松森によるスピードでゲインするという昨年と同じオフェンススタイルだった。 第2Q中盤にもRB#26松森による縦突破の46ヤードTDランを決めて28点差とリードを広げてく。 ところで、この時間帯あたりから立命館大学攻守に反則が増えていった。試合開始時のキックオフで、すでにオフサイドによる罰退があったので、もしやとは思っていたのだが、攻撃側はフォルススタートやパント時のイリーガルフォーメーションなど、守備側ではすでに第1Qでラフィングザパサー、その後にオフサイドと攻守両面で反則のオンパレードとなった。開幕戦と比較すると、表現は悪いが、例年通りのチームに戻ったということになる。 もっとも、もしも開幕戦同様にある意味で丁寧なチームになってしまっていたとしたら、色々な面で手がつけられないチームになってしまうと心配していたのだが、カラーが大きくは変わっていないことを確認できたことで、正直なところ一安心してしまったという次第です。 ******** 立命館大学のリターンで再開した後半、#11前田が左サイドライン際をブロッカーを上手に使いながらの88ヤードリターンTDを決めて試合の趨勢が決した。 ******** 龍谷大学オフェンス前半は、QB#12善元からTE#4北山への長短様々な距離とタイミングのパスを中心にオフェンス展開を試みる。 このTEへのパスだけはパス成功が続いてFD更新なるのだが、ランプレーに対しては立命館大学ディフェンスLB#54名和、DL#57武知、LB#52海島のプレッシャーが厳しくてほとんど前進できない状態で、試合前半は無得点に終わった。 しかし、第3Q序盤、#7堀のビッグリターンによってこの日はじめて敵陣スタートとなると、右方向へロールアウトしたQB#12善元から左サイドに残っていたWR#13木下へのパスが成功、DBのパスカバーがない状態でそのまま34ヤードのTDパスとして立命館大学から1TDを奪った。 その後も龍谷大学オフェンスはQB#12善元からWR#84西野へ12ヤードなどのショート〜ミドルレンジのパスを通したりRB#36へのスクリーンパスなどでFD更新しているが、追加点までには至らなかった。 この試合の展望コメントへ |
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神戸大学はWR#24大園へのロングパス2本による14点、一方の京都大学もWR#82中村へのロングパス2本とパントリターンTDによる21点。両チームともロングパスによる得点である。 だからと言ってロングパスの投げ合いにありがちな「大味な試合」という表現は当てはまらない、のだが、しかし、落ち着いた試合展開とも少し異なる。試合展開としては特異な試合だったのではないだろうか。 この試合の雰囲気・基盤を作ったのは、やはり、第1Q最初の神戸大学パントに対する京都大学#1小澤によるリターンTDだろう。 ******** 神戸大学オフェンスの第1シリーズでWR#12石井、#16長田へ積極的にパスを投じていたのだが、若干強引な印象を受けていた。それが、いきなり、パントリターンで先制されたことで、神戸大学オフェンスの落ち着きを欠いていく。 第2Q神戸大学オフェンス自陣28ヤード、FDでピッチラン3ヤードのあとに右エンドに位置したWR#24大園へのロングTDパスが決まる。 さらに次のシリーズでも第1Dで右WR#24大園へ44ヤードのTDパスを決め、神戸大学が速攻の2TDを獲得して一気に逆転に成功した。 これに対して京都大学も直後の第1Dで左WR#82中村へ62ヤードのロングTDパスによってたちまち同点に追いつくという、荒い試合展開となった。 神戸大学はその次のシリーズでも、WR#24大園へポストパターンのロングパスを試みている。ボール着地地点でDBにカットされてパスキャッチ失敗に終わっているが、3連続のTDパスを狙っていたことは間違いない。 この日の神戸大学オフェンスは、QB#4大原とレシーバー陣のコンビネーションが抜群で、WR#16長田、#12石井、#7稲垣などへショートミドルレンジのパスでゲインを繰り返していたのが特徴的である。 チャートを見ていただければ判るようにFD更新を繰り返しているのだが、そのほとんど全てがこれらのパスゲインによる。最初のシリーズからパスで強引にねじ伏せようとするイメージがあった。 それに対して神戸大学のランプレーは、ほとんど全てを京都大学ディフェンスに封じ込まれている。第1Q最後のFG失敗シリーズも敵陣21ヤードからRB#40竹内ドローなどの中央突破を2回試みているが2、3ヤードに止まってFGトライへ。その他のシリーズもRB#47大月、#40竹内のランプレーはほとんどゲインできていなかった。 ******** 一方京都大学のオフェンスだが、特に序盤は、RB#39高松のランプレーなどに神戸大学ディフェンスが対応して数ヤードのゲインに止まっている。途中ではアウトサイドへの短いパスも入っていたがDBにカットされるなどで、どちらかといえば神戸大学ディフェンスが優位のイメージだった。 そんな状況で神戸大学WR#24大園への2本のロングTD。これに対して京都大学もこの日はじめてのロングパスを狙う。WR#82中村を奥へ走らせてそこへ投げ込んだパスがジャストヒットしたTDパスだった。 ******** 第2Q終了間際。 QB#19宮下から右WR#82中村へのスクリーン気味のパスで12ヤードゲイン、その次のパスは神戸大学ディフェンスにカットされたが、パスが続いたことが効いたか、次のQBドローで18ヤードのゲイン、そして最後は再び右WR#82中村への縦ロングパスでTDを獲得する。このシリーズ所要時間1分に満たない速攻シリーズだった。 これで前半京都大学3TD、神戸大学2TDで折り返した。 ******** 後半の神戸大学オフェンスも、どちらかというとパスを試みる回数は多かった。さらにWR#12石井、#7稲垣へ短いパスも通って後半最初のシリーズもいいテンポで進みかけるのだが、無資格レシーバーの反則で後退する。さらに第3Dで距離を残すとWR#24大園に対して京都大学がダブルカバーされて攻撃権放棄。 第2シリーズは、京都大学のミスキック気味のパントで得た敵陣24ヤードスタート。FDで右コーナーWR#24大園へのTDパスを狙うものの、ボール着地地点でDBとのボールの奪い合いとなり、最終的にはDB#15前川にインターセプトされてしまった。 フィールドポジションとしては神戸大学優位は続くのだが、しかし、WR#24大園に対するダブルカバーという事実と、第4Qに突入してリードされているという事実が、徐々に神戸大学に焦りを生んだということだろうか。あるいはここをしのぎきればという京都大学デイフェンスにパワーを与えたか。 第4Q、神戸大学オフェンスは、敵陣40ヤードからWR#2桂へのアウトパス7ヤードとラン2回でFD更新、さらに5DBの京都大学ディフェンスに対してミドルパス16ヤードヒットと、テンポよく進んで敵陣10ヤードに到達する。 だが、この10ヤードが遠かった。 TEへのクイックパスはディフェンスブロックで失敗、ミドルパスはレシーバーと合わず、第3Dで左WR#2桂のイン5ヤードが決まるが第4Dで5ヤードを残してしまう。 第4Dギャンブルではパス狙いだったが、WR#24大園はダブルカバーされていた。この状態で別のパスターゲットを探すではなくQBスクランブルでエンドゾーンを目指したのだが、しかし京都大学ディフェンスもスクランブルは予測してたのだろ、ほとんどゲインできないままにギャンブル失敗ターンオーバーとなってしまった。 ******** その後の京都大学オフェンスが圧巻で、5分という時間を消費することになる。 神戸大学ディフェンスもLB#52西澤、DL#94久岡が中央ランを0ヤードに止めるなどで、10ヤードを残した第3Dを迎えるのだが、京都大学はQB#19宮下によるクイックドローで14ヤードゲインしてFD更新となる。 第1DでDB#34宮路にロスゲインを奪われるものの、第2Dで再びQB#19宮下スクランブル18ヤードでFD更新、京都大学オフェンスドライブが止まりそうなのだが、そこをQB#19宮下のランでポジション獲得と時間消費を行い、そして今シーズン初白星をもたらした。 ******** 神戸大学オフェンスとしてはロングパスによるTDは意図したとおりのものだろう。それも2回ぐらい成功することは想定の範囲内、第2Q中盤の時間帯でリードを奪ってそのままハーフタイムに突入というストーリーは、ままある。 ただし、ダブルカバーされてからの次の手に余裕がなかったのが惜しい。この日はパスが様々のターゲットに通っていたのだから、そこへ散らせばよかったのではないかと考えるのだが。ダブルカバーの事実が逆にWR#24大園しかターゲットが見えなくなってしまったのだろうか。 後半、京都大学ディフェンスは#82中村をDBに配置して#54川島とのダブルカバーでWR#24大園を封じた。神戸大学1名に対して京都大学が2名を配当しているのだから、どこかに手薄なポジションがあるはずなのだが、それは、どこだったのだろう。(私は酷暑の中で頭が朦朧としていたので、全く把握できていません。) しかし、ここまで徹底したパスオフェンスの神戸大学は始めてだった。京都大学ディフェンスの隙間を突くという狙いもあったが、しかし、WR#12石井、#16長田、#7稲垣、さらに後半には#2桂もパスターゲットとして加わっている。そして、パス成功率もかなり高かったのではないだろうか。 神戸大学次節は立命館大学戦となる。さて、前節関西大学戦でもWR#24大園はダブルカバーされており、今回もとなれば、今後はダブルカバーされるのは当たり前で臨むべきだろう。そして、それに対する対抗策が必要だが。 相手がDB2人ならば神戸大学側もブロック役の1人を配置することになるか。それとも、WRを縦に並べてダンゴ3兄弟とするか。ここまでディフェンスを引き付ければ、他のポジションは、ガラ空きになるところも出てくる。WR#24大園を囮にして、その空間を突くか。面白いことが色々と考えられそうだ。 ******** 京都大学は、パスディフェンスとパスオフェンスで、今季初白星を獲得した。戦前イメージとは大きく異なる勝因というところがポイントである。開幕戦黒星スタートとなったが、もしかしたら、その黒星に目を奪われていたら誤ってしまうかもしれないことを示唆したような神戸大学戦の内容だった。次節、龍谷大学戦、要注目です。 この試合の展望コメントへ |