関西学生アメリカンフットボール Div1 第7節



11月25日(土) エキスポ フラッシュF 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
大阪産業大学





神戸大学





 


 神戸大学の前節近畿大学戦敗戦は、オフェンスキーマンの一人であるWR#24大園を徹底的にマークされたことで、ロングパスが繋がらず得点が重ならなかったことが敗因の一つで、来期に向けてオフェンスプレープランに関する宿題を提示されたかのような試合だった。

 試合途中でも、WRとTEのクロスやRB中心のドライブなど様々にプレープランを変更していたが、パスキャッチ能力を陰でも陽でも活かせるプレープランが来シーズンに出てくることを楽しみに待つとして、今季最終戦は、大阪産業大学との対戦となる。

 しかし、神戸大学にとって大阪産業大学は02年、99年に何度か黒星を喫するなどで、どちらかと言えば相性のいい相手ではない。
 特に1999年、大阪産業大学オフェンスがツルーI(RBを縦に3人配置)からのオプションプレーで神戸大学ディフェンスを粉砕した試合は、策士集団である大阪産業大学コーチ陣を表現する例として、関西学生の語り草の一つとなっている。

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 大阪産業大学は、前節京都大学戦で地上戦を互角に戦っている。結果は僅差敗退が惜しいが、しかし、DL#97白井、#89春田、#55中田などディフェンスフロント陣が厚く京都大学のランプレーを完封している。

   対する神戸大学オフェンスは、前節はWR#24大園に対する完璧マークが効いたが、この試合でもRB#1中井、#20竹内、QB#7多和キープ、WR#80古川、#83東内、#19福田など豊富なバックス陣を巧みに使い分けて攻撃が組み立てることができるかがポイントになりそうだ。
 もしも前節同様の手詰まりとなると、焦りと緊張からますますオフェンスドライブが止まってしまう可能性も少なからずありそう。

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 一方、大阪産業大学オフェンスは、QB#11#康からRB#2渡邊、#30田儀のラン、WR#1粕井、#19寺川へのパスというオーソドックスなランパススタイルである。  しかし、前節京都大学戦ではロンリーセンターを用いてディフェンス分散を図り、また過去にはツルーIの逸話があるように、いろいろと考えてくるチームで、この試合でも何が出てくるか予測は出来ない。

 こられのフォーメーションに対して神戸大学ディフェンスが対応できればだが、もしも、神戸大学のオフェンスが手詰まりに陥っているようであれば、焦りと緊張の連鎖で振り回される可能性も残っている。

 試合の行方を分けるポイント、そして、見所は、両チームオフェンスの内容。ロンリーセンターを採用するかしないか、それは、大阪産業大学関係者にしか判らないが、少し変わったフォーメーションです。11時@エキスポです。






11月25日(土) エキスポ フラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
同志社大学





関西大学





 


 第7節全4試合の中で、最も試合展開が読めないのがこの試合だろう。

 関西大学オフェンスはQB#14森口WR##29河原、#16永川、#86強、RB#22中西などへのショートパスとランというスタイルだが、シーズンここまでロースコアの試合が続いている。特に直近の2試合である関学戦立命戦では早々に攻撃手詰まり状態に陥ってしまっている。

 ただし、#16永川と#西尾によるリターンやパスキャッチからのランは、そのスピードが効いてロングゲインや一発TDに繋がることが多く、相手ディフェンスに対して常に緊張を強いている。

 関西大学ディフェンスは、#91杉山、#90和久、#94岡田のパワーライン、守備範囲の広いLB#49宮崎、#8阪本、スピードのあるDB#23長谷川,#13山本などアスリートの活躍は、今リーグ戦での度重なるQBサックと、再三のパスインターセプトに現れている。

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 対する同志社大学オフェンスは、QB#8村上によるショットガンからのランパスが威力を発揮、さらに、SBに入った#21山本がランパス両方のキャリアとなったことでプレー幅が大きく広がったことが今年の特徴となっている。
 さらにRB#22會田、#2太刀掛、#20和田谷の中央オープンラン、ショートミドルパスターゲットとしての活躍とともに、丁寧なブロックもこなす、WR#9池田、#14田又、#11木原、#15中川などバックスにはアスリートが揃った。

 しかし、ここ数試合では怪我のためか万全の体制で試合に臨めていないように見える。これはディフェンス側にも言えることで、万全な体制だったら前節関西学院大学戦は少し違った試合展開になっていたかもしれない。

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 さてこの試合だが、ここまで波に乗り切れない関西大学オフェンスと、負傷者を多く抱えていそうな同志社大学オフェンスディフェンスということもあって、どのような試合展開になるかどちらが、どの面で有利不利か、力関係が全く予想できない。

 唯一言えることは、おそらく、ハイスコアの競ったゲームになるのではないかということ。4TDで安泰か、もしかしたら5本目が必要になるかもしれないが、どちらかのチームが圧倒的優位にはならないだろうと考えている。エキスポ第2試合も、注目です。






11月25日(土) エキスポ フラッシュF 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





近畿大学





 


 パワーの京都大学とスピードの近畿大学というタイプの異なるチームの対決である。

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 近畿大学は、前節神戸大学戦、前々節大阪産業大学戦ともRB#20山上、#29吉田、WR#19森、#6井本などのスピードを活かしたビッグゲインやキックリターンで掴んだチャンスを効率よく得点に結び付けている。
 この試合でも、QB#10岡、#5春日井の併用スタイルからのRB#45平城、#21尾上によるパワーと、RB#20山上#29吉田などのスピードから目を離すことはできない。

 そしてディフェンスは、なんと言っても、神戸大学WR#24大園に対してDIV1他校よりも最も完璧なパスカバーを行ったDB陣#27小野澤、#32鷲野、#17谷原が秀逸である。
 さらに、DL#97高山、#61石浜、#91末常のパワーラインはこれまでの試合でもQBサックを繰り返し、LB#2吉田、#25岩井のパフォーマンスは冴え渡り、磐石ディフェンスになりつつある。

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 京都大学DB陣はパスディフェンスが課題と言われることが多いが、今年は試合を重ねるごとに充実してきていて、前節大阪産業大学戦でも難しいショートパスに十分に対応していた。
 しかし、オープンランに対してはタックルミスが起きることも時々で、こちらは、まだ万全シーンを見せていない。この試合でも近畿大学RBのオープンランに対する京都大学DBの対応は、そのまま失点につながる可能性もあり、この試合の重要ポイントキーポイントになりそうだ。

 そのためにもDL#59桂木、#92木村、#91三井のパワーとLB#29植竹、#5南出、#54川島の機動力が、近畿大学ボールキャリアに対してスクリメージ付近で対応しておきたい。
 さらには、京都大学DLが近畿大学OLとQBにプレッシャーをかけて自由にプレーさせない展開に持ち込みたいところだ。

 一方の京都大学オフェンスは、前節大阪産業大学戦6−0の辛勝はオフェンスの攻撃の芽を摘み取られてしまったことによる。QB#19宮下、RB#39高松、#32庄司によるランプレーだけでは手詰まりの可能性もあるが、この試合でもQB#10桐原の起用や、WR??藪崎などへパスを繋げて手を広げたい。

 しかし、近畿大学ディフェンスに対して、どの程度ドライブできて得点につなげることができるかは予測しにくいところ。やはり、京都大学側に立つと何が何でもロースコアの試合展開が必須条件になりそうだ。

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 この試合の行方を大きく左右するのは、京都大学ディフェンスパフォーマンス。ここに全てがかかっている。
 京都大学DLのプレッシャーとスピードランに対するDBパフォーマンスは如何に。対する近畿大学は、これまでの試合同様に掴んだチャンスを得点に結び付けていけるか、オフェンスプランとプレー精度面がポイントになりそうだ。


 京都大学が開幕からの2戦で魅せたパワーフットボールは、ショットガン全盛のフットボール界に新鮮かつ衝撃的だった。春辞退からの見事な返り咲きを果たした今秋、その一連の締めくくりとなるこの試合は、京都大学パワーフットボールの集大成を見たい。

 一方の近畿大学は、ここにきて攻守とも充実振りが際立つ。今年のスタイルが完成した最終節で有終の美を飾るか。

 2006年DIV1エキスポ最終戦は17時試合開始です。









11月26日(日) 神戸ユニバ記念競技場 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





立命館大学





 


 2006年リーグ戦もいよいよ最終節最終試合となった。今年も優勝争いは立命と関学の2校に絞られ、そして最終戦全勝対決となる。立命館大学勝利ならば関西学生5連覇達成、そして関西学院大学勝利ならば、5年ぶりの甲子園出場が決まる。
 なお、第4Q終了時点で同点の場合は、そのまま引き分けで両校優勝としてリーグ戦が終了する。そして、改めて甲子園ボウル出場をかけた決定戦プレーオフが行われることになる。

 立命館大学が連覇記録を更新できるか、それとも、関西学院大学が久しぶりの甲子園出場を遂げるか。

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 両チームの今年のリーグ戦内容を振り返ってみると、大きな特徴的としては、両チームとも崖っぷちに追い込まれた試合がなかったことが挙げられる。
 昨年ならば立命館大学が第6節で第4Q終盤までリードを許す試合があったり、一昨年は、関西学院大学が関西大学にあわや逆転など、1〜2試合程度は緊迫する試合があるのだが。

 緊張感に支配されながらの試合経験は、細かいところまで丁寧になる。たとえば、試合管理時間管理という点で、いざというときに時計を止めるとか、逆に時計を動かすような時間を残さないプレーも咄嗟には難しい。追い詰められた状況での試合経験がなければ、それはそのまま「本番」での精度を落とすことになる。

 立命館大学は今シーズンここまでの試合でヒヤリとしたのは、神戸大学に第3Q開始時点で逆転された一瞬のみ。それ以外のほぼ全て試合時間は、順調とはいえなかったかもしれないが、ギリギリに追い詰められることもなかった。

 一方の関西学院大学は、試合前半を同点で折り返したのが2試合(関西大学同志社大学)だが、それでも、第3Q以降で得点差を広げて白星につながっている。第4Q終盤まで追い詰められた試合がない。

 これは、2校が他校と実力差があるということを示していることになるのだろう。下からの突き上げがない分だけ上の精度も落ちるという負のスパイラル。を、ここで言っても仕方ないが。

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 昨年のこの対戦では、立命館大学RB松森の登場が話題となったが、おそらく今年は立命館大学側には、大きな隠し玉・秘密兵器は存在しないだろうと考えている。
 ただし、今シーズンここまで5分〜7分の力だったかもしれないところからのスピードアップとパワーアップは、もしかしたら、大きな隠し玉とも言える。神戸大学戦で逆転されたあとの数分間だけは、選手の身体から溢れる闘争心がスタンドまで伝わり、プレーのスピードも全くの別物だった。

 モチベーションコントロールという面から見ると、今年はここから少しずつピークを迎えようとするのだろう。過去には秋〜冬の短い期間で小さいピークを2個3個と作ろうとしたこともあったが、今年は大きなピーク1個だけになりそうだ。
 ただし、一般的なこととして実力を出し切らないまま物事が終了することも、よくある話。そのような結末を迎えることが無いように、立命館大学選手スタッフは、この2週間で意識充填していることだろう。

 一方の関西学院大学は、おそらく、ここまでの試合で、選手やプレーなどでほぼ全容を現しているように思う。プレーの成功率・成熟度のアップということは当然考えられるが、新たな選手の出現とかの選手面で劇的な変化はないだろう。
 ただし、メンタル面だけは不明。甲子園から離れて5年という事実からくる不安定、そして、各人が甲子園出場のために払ったものに対するこだわり。これらは、全てこの試合で問われることになる。項目自体は隠し玉ではないが、ステップアップの量は、十分に隠し玉になる。

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 今シーズンの関西学院大学のメンバー構成だが、まず、ディフェンス側は、リーグ戦序盤には主将LB柏木がDLを担当するなど試行錯誤が続いたが、試合を重ねていく過程で、ほぼメンバーは決した。DL#97國方、#94荒巻、#98黒澤、#93早川、LB#56佐藤、#7坂戸、#62古下、DB#11深川、#13岡本、#28山本、#14藤井など。

 時々ランパスでドライブされ続ける時間帯が発生するが、それがモメンタムというもの。LB#56佐藤の守備範囲の広さと判断力、DL#97國方、#94荒巻の突進力が秀逸、そして、#11深川はOLBDB兼任の重要ポイントでランパスに目を光らせているアスリートである。
 各ポジションの試行錯誤期間があったことで、ポジション間の連携面に不安を残すが、それをカバーして余りあるスピードと判断力が磐石ディフェンスを構成する。

 ショットガンオフェンスは、シーズン中盤からQB#9三原のスクランブルランを多用するようになって、プレー幅が広がった。さらに今年は、RB#35古谷、#31川村、#36山田、#21稲毛など複数名のRBの存在が、近年にはなかったランプレーの脅威を与える。パワータイプスピードランともで人材豊富なのがたくましい。
 パスターゲットは、WR#81榊原、#91萬代、#84徳井、#85秋山、#95韓など。この中ではTE#95韓の存在と、ここ数試合で色々と複雑なことを試されているWR#84徳井に注目です。

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 立命館大学オフェンスは、QB#9木下中心に今年もショットガンフォーメーションからスクリーン・ショベル等様々なパスが炸裂する。パスターゲットとしてWR#11前田筆頭に、#22和田、#84中林、#1本多、#7小城など長短様々なパスターゲットが存在する。ランプレーでは、RB#26松森のスピードは脅威的だが、オンリーワン気味なところが気掛かり。ディフェンス徹底マークによってランゲイン出来なくなる可能性も残すが。

 QBは#3渋井の出場機会が少ないのは怪我によるところか。京都大学戦第3Qに一瞬だけ出場したが、キーププレーで負傷退場して以降出場機会がない。今年のオフェンスは、どちらかと言えば個人頼みでシステム的に未完の印象を受けるが、QB交替負傷によるシステム面の整備の不一致による可能性もあるのだろう。
 しかし、WRRBのバックス陣には、絶対にパスキャッチする・少しでも前に進む、という「姿勢」を感じることがある。さらに、OL#55田中、#52谷口、#57田口、#76寺戸などが、しっかりとQBをカバーしており、別の観点ではオフェンスの一体感が伺える。

 ディフェンスは、今年も学生最強の冠が付きそうな布陣で、DL#56岡本、#92前田、#97久司、#58武知、LB#44橋本、#54名和、#5木下、DB#4河村、#14藤本、#13石貞、#24大亀。DLLBのスピードとパワーは脅威で 単純なランプレーで中央突破は至難の業、QBがパス判断を迷うとQBサックを受けることになりそう。

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 さて、予想される試合展開だが、最終節最終戦の全勝対決であり、これまでの試合とは全く異なるモチベーションで臨むことになります。したがって、過去の試合を引き合いに出して、攻守攻防を予想すること自体にあまり意味はない、ということで、展開予想は出来ません。

 試合の見所ポイントとしては、これまでの試合では見ることができなかった集中力、スピードとパワーを挙げておきます。


 5連覇を目指す立命館大学と甲子園奪還に全てをかける関西学院大学。

 それぞれの思いは、各チームのベンチサイドから、何かしら伝わって来ます。研ぎ澄まされた緊張感は、神戸ユニバのフィールドに選手チーム関係者が現れた時点で、観客席にダイレクトに、そして、その思いの深さも含めて、全て伝わってきます。これは、文字で伝えられるものではありません。神戸ユニバでの空気の振動を通じてしか体験できないものです。

 11月26日14時@神戸ユニバ。最終戦。






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