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神戸大学はQB#7多和によるショットガン、近畿大学はQB#10岡と#5春日井併用によるセットバックからのバランスアタック。 第1Qは、このオフェンススタイルでともにある程度のドライブはするのだが、相手ディフェンス近畿大学LB#2吉田、#25岩井、神戸大学LB#39松井、47川村が要所で機動力を発揮し、ドライブを止めた。 こうして試合開始直後から2回ずつのパントの蹴りあいとなるのだが、この2回目の神戸大学パント近畿大学リターンにおいて、近畿大学#20山上が約70ヤードのビッグリターン。 近畿大学オフェンススタート地点は敵陣17ヤードとなって、近畿大学が試合の流れを掴んだ。 RB#29吉田による左オープンランはスピードで捲り上げて17ヤードのTDプレートすると、さらに次のシリーズでもRB#20山上の右オープンスイープが80ヤード超のビッグゲインTDラン。 近畿大学はスピードキャリアによる2個のビッグゲインで2TDを奪うという、自慢のスピードを活かした得点シリーズとなった。 ******** 一方の神戸大学も、第2QにWR#19福田とRB#1中井へのミドルパスをつないで敵陣へ侵攻、さらにQBサックロス10ヤードかと思われた時に近畿大学の反則で逆に5ヤード前進というラッキーも加わった。 そして最後はWR#24大園とTE#83東内のクロスによるTE#83東内へのTDパスによって1TDを返している。 なお、神戸大学は、このシリーズ中にもメインパスターゲットWR#24大園へ2回のパストライがあるのだが、近畿大学DB#25岩井のパスカットなど#24大園が完璧執拗なマークを受けて、ミドル〜ロングのパスが決まらない。 おそらく今シーズンここまでの試合の中で、WR#24大園に対して最も厳しいDBマークだったかもしれない。 WR#24大園へのロングパスを封じられたことでオフェンス組み立て方針の変更を余儀なくされたが、来年シーズンは各チームともWR#24大園の徹底マークは必至で、神戸大学にとっては検討材料を提供してもらったような試合になった。 ******** 第3Qも神戸大学WR#24大園へのロングパスを近畿大学DB#26武藤にカット、さらに次のシリーズも同様にDB#34西村によるロングパスカットとキープレーが全く決まらない。 一方近畿大学オフェンスはOLが神戸大学DLをコントロールできるようになり、RB#29吉田、RB#20山上、QBドローなどのランプレーで1回15ヤードゲインという荒稼ぎ状態。RB#20の連続キャリーも止まらないまま、2FGを追加した 神戸大学ディフェンス側から見れば、オフェンスがドライブできずに点差が広がる一方で、さらに「第3Qだけの土砂降りの雨」という奇妙な気象状態にあっては、集中力が切れてもおかしくなかった。 しかし、2FGに止めたLB#47川村、LB#39松井、DL#97浦久保などのディフェンスの底力を見るべきかもしれない。 ******** 第4Q神戸大学後半3回目のオフェンスシリーズは、これまでと違って徹底したラン中心のプレー組み立てとなった。 WR#24大園へのパスが決まらないので方針転換も止む無しだが、これが功を奏して、QBスクランブルやRB#20竹内ラン、#1中井スクリーンなどで、自陣46ヤード付近から久しぶりにドライブがつながる。 敵陣へ侵攻したあたりからRB#45東がUBとして参加してブロックを強化し、徹底したランドライブはRB#20竹内による左OTパワースイープによって、待望のTD7点をあげた。 なお、このドライブ途中にも1回だけWR#24大園へのミドルTDパストライがあった。結果はエンドライン外でのパスキャッチとなるが、近畿大学DBがパスキャッチポイントをカバーしていたことによる。 ラン攻撃が続いている最中でのパスにもかかわらず、近畿大学DBのパスカバーは完璧に機能していて続けていた。 ******** 得点は近畿大学20、神戸大学14。6点差という微妙な点差のまま第4Q終盤へ突入していく。 残り時間6分31秒自陣28ヤード付近から始まった神戸大学オフェンスシリーズ。0ヤードランのあと2回連続パス失敗。10ヤードを残した第4DギャンブルプレーはWR#24大園とTE#83東内のクロス。 そして、この試合で始めてのWR#24大園へ20ヤードミドルパス成功となって20ヤード前進する。 さらにQBキープなどでFD更新するが、1ヤードを残した第4Dギャンブルプレーは中央ランフェイクの右ショートパス。しかし、近畿大学DBが残っていてパス失敗に終わる。 終盤にもう一度攻撃機会が与えられたが、WR#24大園への徹底マークは最後まで途切れることがなく、神戸大学逆転のパスはつながらなかった。 この試合の展望コメントへ |
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この試合の立命館大学ディフェンスは、おそらく今季のベストメンバーに近いのではないか。ということで公式に発表されたスターティングメンバーはDL#56岡本、#97久司、#58武知、#92前田、LB#44橋本、#5木下、#54名和、DB#14藤本、#24大亀、#4河村、#13石貞である。 試合序盤こそ関西大学にWR#29河原ミドルパス23ヤードや、TE#86強への横パスからのラン8ヤード、スクリーン8ヤードなどのゲインを許しているが、時間の経過とともに、立命館大学ディフェンスが対応できるようになっていく。 結局、関西大学QB#14森口による左右横パスからのランプレーやスクリーンパスなどでゲイン出来たのは、第1Qのみ。その後は立命館大学LBDLがボールキャリアを確実に捕捉していて関西大学にゲインを許さない。 第2Q序盤で関西大学攻撃の芽が完全に摘み取られてしまい、関西大学もQBに#22中西を配するなどの工夫を見せるのだが、DLLBのフロントパワーを打ち破るには至らなかった。 ******** 第4Q、立命館大学パントスナップの乱れによって、関西大学オフェンスは敵陣スタート。 しかし、立命館大学DB#25佐藤がWR#16永川へのパスをカット、LB#67海島がロスタックル等で関西大学のチャンスを潰した。 ******** 立命館大学オフェンスは、この試合もQB#9木下がフル出場となった。ショットガンからのランパスはRBWRの個人によるところも多いが、この試合ではRB#26松森以外に#37石井、#21中西、#99太田などが交替で活躍し、WRも#22和田などいつもの多彩なメンバーが登場し、様々にランパスが繋がっている。 ******** オフェンス全体としては、WRのダウンフィールドブロックとかOLとRBが一体になったスクリーンなどのコンビネーションプレーが少ないように見えるが、そのあたりの整備状況は如何に。 また、QB#3渋井が第4節京都大学戦で数プレー参加して以降出場機会がないが、そのあたりも含めて、次節は今季初の立命館大学フルパワーハイパーオフェンスを見せてくれることだろう。 この試合の展望コメントへ |
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リーグ戦第6節ともなれば、ケガ人が増えてきていて、万全の体制では試合に臨めない。また、出場している選手も何らかのケガを負っている。仕方のないことだが、ベストメンバーでの試合も見てみたかった。 同志社大学スターティングメンバーはディフェンス2・3列とオフェンスバックスWRRB陣、関西学院大学もオフェンスバックス陣、両チームとも今季ここまでの布陣と若干異なった構成になっている。 ******** 先攻同志社大学はRB#22會田のラン中央13ヤードWR#21山本へ縦タイミングパス8ヤード、さらに17ヤードミドルパス成功とラフィングザパサー15ヤードによる約5分間70ヤード近いFGドライブは、ミドルゲイン連発と関西学院大学反則による。 一方の関西学院大学も左右OT付近のランプレーが1回10ヤードゲイン、さらにWR#81榊原へ11ヤードなど、こちらもミドルゲインを連発して5分間70ヤードのロングドライブをFGへ。 ある意味ではノーディフェンス状態とも言えるし、両チーム最後の決め手を欠く状態だったが、この展開は、第2Qに入っても変わらなかった。 第2Qの関西学院大学FGシリーズも、WR#91萬代へのスクリーンパスからの30ヤードゲイン、RB#31川村によるOTランプレー、TE#95韓への9ヤードパスとミドルゲインが続く。 しかし、敵陣5ヤードで右コーナーTDパスの距離不一致や、LB#55川口によるQBキープノーゲイン堅守でFGに終わる。5分間70ヤードドライブも突き放すきっかけにはならなかった。 一方の同志社大学も関西学院大学DLに対してパワープレーを挑んで10ヤード近いゲインを稼いだり、QB#8村上スクランブルやRB#22會田の中央突破ランが止まらなかった。 ILB#56佐藤による鋭いタックルシーンもあったが、しかし、その他で4〜5ヤードゲインが続くのでドライブが止まらない。同志社大学前半最後の5分間50ヤードドライブは、試合残り時間との兼ね合いもあってFGに終わる 結局、試合前半はともにFG2本ずつの6−6で終えることになるが、オフェンスドライブするものの最後の決め手を欠き、一方のディフェンスはミドルゲインを許し続けるという状況で、この時点では後半戦の展開が全く見えてこなかった。 ******** 後半、同志社大学は関西学院大学に2TD先行を許す。この間の同志社大学1回あったオフェンスシリーズはパストライ3連続失敗による空白シリーズとなった。 ランから入ればある程度ドライブしていたので、少し特異なシリーズだったというのは結果論だが、両オフェンスがノーディフェンス状態でほぼ全シリーズ得点できている途中の空白シリーズは、その後の組み立てに少なからず影響を与えたかもしれない。次のシリーズも最終的には3連続パストライでゲイン出来なかったことでドライブが止まる。 第4Q敵陣で得た攻撃チャンスは、ラン途中のファンブルロストによるターンオーバー、この時点で残り時間は5分53秒14点差ということもあって、逆転の可能性がほぼ潰えてしまった。 ********* 関西学院大学後半の2TDプレーは、いずれも右オープンへ展開するランプレーだった。大量のブロッカーを引き連れたRB#35古谷のオープンランと、WR#91萬代による右サイドのスピードランは、いずれも同志社大学ディフェンスは詰めていたのだが、人数差とタックルミスが重なって、試合の流れを決めるTDプレーとなった、 私のメモを見返してみると、第2Q序盤に右オープンサイドを突いたときにビッグゲインになったプレーがあるが、同じポイントを突いてみたら、再びミドルゲイン、ということなのだろうか。 ******** 第4Q関西学院大学自陣13ヤード付近から始まったオフェンスシリーズ。第1Dはランゲイン0ヤード、第2DでQBサックロス5ヤード。同志社大学ディフェンスはエンドゾーン目前ということもあってDLのプレッシャーが厳しい。 そして第3Dは、ドロップバックからのパス狙いだった。 自陣エンドゾーン内に入ってパスを投じようとしたが、DLに囲まれてあわやQBサック。セイフティを避けるための前パスはショベルパスとなったが、同志社大学DLが一人残っていたのみ。 インターセプトの可能性もあったが、あるいは、インテンショナル・グランディング反則によるセイフティ献上は、どこかで見た風景。QB判断やプレー選択面で疑問符がつくが、次のシリーズでパントフォーメーションからパンタースクランブルによるギャンブルプレーを重ねると、いろいろな準備の一つなのかもしれない。 ******** 関西学院大学ディフェンスはおそらく主将LB#53柏木を除いて今シーズンベストメンバー、そして、ILB#56佐藤がILBとしての重責を果たしている。 一方で同志社大学に試合序盤の段階で1回10ヤードのランパスドライブを許しているのだが、最終戦を前に不安が残る。というのが私個人の思い、ですが。あと1週間。準備万端整えて、全勝対決・決戦の場を迎えることと思います。 2006年関西学生DIV1、いよいよ最終節です。 この試合の展望コメントへ |
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パントの回数は京都大学10回、大阪産業大学10回。そして、オフェンスがドライブらしいシーンを見せたのが京都大学の1回のみという、両チームとも最初からオフェンス手詰まりの試合となった。 京都大学オフェンスはQB#19宮下によるラン中心の展開、そしてRB#39高松のスピードとパワーを備えたランに託してボールを集める。 しかし、大阪産業大学ディフェンスも厚く、DL#97白井、#94、#89春田、#55中田が京都大学OLを完全にオーバーパワーし、中央付近のラン突破を全く許さない。オープンへの展開に対してもDBが対応、完全にRB#39をマークしてゲインを許さなかった。 パス回数が少なかった理由が怪我の影響なのか戦略かは不明だが、QBキープを時折混ぜながらのRB#39高松によるラン多用のオフェンスは、試合最後まで大阪産業大学ディフェンスを突破する糸口を掴めなかった。 第2Q唯一のドライブは、QB#10桐原のスクランブルや、ディフェンスが弾いたボールをWR#82中村がキャッチするなどの半ラッキーがによる。自陣からのロングドライブとなったが、それも敵陣での反則ロス10ヤードを挽回できずにドライブが止まった。 ******** 一方の大阪産業大学オフェンスは、最初からロンリーセンターによって京都大学ディフェンスに揺さぶりを掛ける。 ディフェンス陣の拡散配置による力の分散と空間の確保が主な狙いだと思うが、しかし、1対1でも京都大学パワー優位は変わらず、QBやRB目指した突進が早く、ほとんどゲインできない。 右ロングピッチのオープンランに対しては、京都大学DL#91三井、#92木村のプレッシャーが厳しく、ロスゲインはあれども、プラスに至らず。 そして最後の望みの綱となったのが、WRへのタイミングパス。京都大学ディフェンスの隙間へのジャストヒットが狙いだったが、WRQBのコンビネーションタイミングが一致しない。 さらに京都大学DB#11武藤、#23田畑などのパスカバーも完璧で、DBカットによるパス失敗か、タイミングのズレによるパス失敗かという状況が続く。セットバックからの普通のラン突破も京都大学ディフェンスの壁を打ち破ることができない。 ******** 両チームともオフェンスの手がない、手詰まりの試合だったが、その均衡が唯一崩れたのは第1Q終盤だった。 大阪産業大学の短いタイミングパスだったが、長身DLのパスカットによるのか、あるいは、直接ヘルメットに当たったか、その両方なのだろうか。 ともかく、スクリーメージライン付近で真上にボールが浮いてしまった。そして最終的にボールを確保したのが京都大学だった。 フィールドポジションは当然のように、京都大学敵陣スタートとなる。 ポジションは敵陣15ヤード地点。突き詰めて考えれば、前半京都大学キックで試合が始まっているフィールドポジションが、そのまま京都大学にエンドゾーン目前の攻撃機会を与えたことになる。 その第1プレーでDL#97白井が一直線にRB#39高松へ向かいロスゲインを奪う。大阪産業大学ディフェンスも気を張っていたのだが、ここで第1Q終了、サイドチェンジとなり、緊張が緩んでしまったのも大阪産業大学にとっては不運だったかもしれない。 第2Q最初のプレーが、RB#39高松によるTDプレーとなった。(この試合唯一の得点シーンだが、見逃してしまったので詳細は不明。) ******** 第2Q序盤の京都大学TDプレーだったが、しかし、PATキックの失敗よって6点のみ。この点差が試合終盤までの緊張を作り出していた。 試合後半も、お互いにパントキックの蹴り合いとなったが、キックの飛距離とカバーチームのスピードが一致していたのは、大阪産業大学のほうだった。 京都大学はほとんどリターンできない状態で、京都大学オフェンススタートはほぼ毎回自陣20ヤード付近だった。オフェンスがゲイン出来ない状態にあって、このポジションはFGトライすら無理な位置になってしまう。 一方の大阪産業大学は10ヤードほどリターンできることもあって、オフェンス開始位置は自陣ながらフィールド中央付近を確保、さらに大阪産業大学攻撃がショートパスを盛んに試みていたので、京都大学ディフェンス側に少しでもミスがあると、それはそのままビッグゲインから逆転に繋がる可能性を残していた。 しかし、京都大学ディフェンスもミスのない完璧なパスカバーを続ける。 さらに、大阪産業大学オフェンスがパス多用&パス失敗で時計が止まるので、必然的に大阪産業大学ディフェンスの登場機会が増えてくるのだが、こちらも、京都大学のパワーランオフェンスに対してミスのない的確なタックルを決め続けていく。 お互いに我慢に我慢を重ねたミスのない反則の少ない緊張した試合だったが、唯一のターンオーバーがフィールドポジションを逆転させて決勝点をもたらした。 (2006.11.17 詳細テーブルを一部修正しました。) この試合の展望コメントへ |