関西学生アメリカンフットボール Div1 第4節



10月13日(金) 西京極陸上競技場 18:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





立命館大学





 



 京都大学前節の雨天の中での関西学院大学戦は、関西学院大学のショットガンオフェンスに、というよりも、ショットガンスプレッドのシステムによって京都大学ディフェンスが分断された形になってしまった。
 そして、2週続けてショットガンスプレッドと対戦することになるのだが、この試合のポイントも、やはり京都大学ディフェンスが、ショットガンに対してどのような狙いを持って臨むかという点が最大の注目ポイントになる。

 立命館大学のボールキャリアに対してどこまでプレッシャーをかけることができるか、というよりも、どの時点でプレッシャーをかけることが出来るか。RBにボールが移った時点でDLあるいはLBが届いていないと、このオフェンスシステムを攻略するのは難しい。

 ロースコアの試合展開を望む京都大学にとっては、ディフェンスシステムが試合の結果を大きく左右することは間違いないだろう。

 また、オフェンスも、これまでの試合ではある程度以上のゲインが見込めていた中央付近のランプレーを、関西学院大学がDLLBを集めたフォーメーションを採用したこともあって、ほとんど止められてしまい、ランによる攻撃手段はほとんど消滅してしまった。

 しかし、このような状況の中で、QB#19宮下からWR#87薮崎、TE#34伊藤へショートロングの様々なパスがヒットしたことで、第3Q終盤までもつれる試合となり、そして逆転まであと一歩のところに手が届いたという点は、しっかりと見ておかなければならない。

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 さて、ショットガンフォーメーションに対して京都大学ディフェンスがほとんど機能しなかったことについて。

 ショットガンオフェンスに対するディフェンスのシステム面での一般的な課題(ディフェンス側に有効な手段が見出せていないこと)もあるのだが、もうひとつは、京都大学これまでの2試合と違って、DLのプレッシャーが全く届かなかったことは、やはり、関西学院大学OLと他校のOLでは力の差が大きいということなのだろうか。

 これまでに2試合は、京都大学DLが一塊となって相手のOLにぶつかったことで、OLが後退。そして、そのままボールキャリアも巻き込んで、大きなマイナスゲインを奪っていた。  しかし、これは結果としてボールキャリアを巻きこんでプレーが潰れたのか、それとも、DLがボールキャリアに向かっていった途中にOLを巻き込んだのか。見える結果は同じだが、少し違う。

 DLの最終的な相手はボールキャリアであってOLではない。本来ならOLを避けてQBRBに届きたいところ。あるいは、DLがOLを押さえ込むならば、LBがその間隙を突いてボールキャリアに突進する必要がある。

 この試合、立命館大学ショットガンオフェンスに対して、京都大学ディフェンスが、どのように対抗するかがポイント。だが。
「現在のショットガンオフェンスに対する有効なディフェンス手段が存在しない」という状況にあって、DLLLBDBそれぞれの役割を想像しながら、それを解決する手段をあなたが考えてみませんか。というのが、この試合の一つの見所である。
 なお、ショットガンオフェンスの特徴・目論見については前節の関西学院大学戦の展望および観戦記に拙い解説をしているので、参考にしてください。

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 立命館大学オフェンスは、前節近畿大学戦でスタートQBにこれまで同様QB#9木下を起用したが、後半は、おそらく今季初登場となる#3渋井が出場した。本来なら昨年からの経験がある4年生渋井がスターターになるのだが、ここまでの経緯が怪我によるのか来年のための戦力拡充経験を積むためのものなのか、それともなのかは、立命館大学内部関係者のみぞ知るところ。
 ただし、両QBとも順調なパフォーマンスを見せており、さらに、プレー内容にも違いがなく、バックアップQBとしての役割は十分に果たせそうだ。

 オフェンスは、WR#11前田、#7小城、#1本多、#22和田などへの長短パス、さらに、RB#26松森、#21中西、#37石井、#46山城、#99太田、などタイプの違うランナーによるランオフェンスとバランスのいい陣容ではある。

 ただし、ここまでの3試合、第2節神戸大学に逆転された直後を除くと、まだ、調整の域を出ていないような試合展開が続いている。意識してそのような試合になっているのか否かはわからないが、今年の立命館大学パフォーマンスは、いまだ姿を現さずという状況にある。もっとも、前節でQB渋井が登場したように試合を重ねるごとに少しずつ、今年の形(?)というものが覗いてくるようになってきている。

 さて、立命館大学はどのような意識をもって試合に臨むのか。まだ、ベストパフォーマンスではないという間隙を、京都大学DLLBが突いてQBRBにプレッシャーが届けば、試合の行方は変わるかもしれない。

 京都大学ディフェンスと立命館大学オフェンスの攻防、見所の一つめは、ショットガンオフェンスというシステムに対して京都大学がどのように挑むか、あるいは、あなただったらどのように攻略するかを考えること。そして二つめは、立命館大学オフェンスがどような意識で臨むか。この2点を挙げておく。

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 京都大学オフェンスは、前節でRB#21金、#39高松によるランプレーを完封されながらも、パスに活路を見出して得点を重ねていった。

 パスターゲットが、WR#1藤本、TE#34伊藤,WR#87薮崎と精鋭ながら少数なので、相手ディフェンスからマークされやすいのだが、それを、QB#19宮下が様々なフェイク動作を入れてディフェンスを惑わしている。この試合でもランプレーだけでは、なかなかドライブ出来ないだろう。だが、フェイク動作の加わったパスを絡めると、立命館大学ディフェンスに対して機能するかもしれない。

 立命館大学ディフェンスは、DL#90堀田、#97久司、#92前田、LB#44橋本、#5木下、#54名和、#53前田などフロントの守備は堅い。第3列DBもS#4河村、S#31乗次、CB#24大亀、CB#14藤本という布陣で、特にDB(S)#4河村のランストップなどの反応の速さは秀逸である。
 ただし、パスディフェンスについては、神戸大学戦でWR#24大園に再三抜かれているように、WRカバーなど課題の残るところである。

 したがって、立命館大学第3列のパスカバーの甘さと、京都大学の好調なパスオフェンスという構図は、凹凸が合致するようなことがあれば、京都大学の得点も伸びるだろう。ここは、京都大学オフェンスの組み立て方に注目したい。サプライズがあれば。それをきっかけに京都大学ペースの試合になる可能性も出てくる。

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 京都西京極で金曜夕刻の開催。そして、テレビ放送もGAORAと京都テレビで生放送中継があります。が。

 やはり、力と力の衝突は、空気の振動に触れて初めて感じ取ることができるものです。バックスタンドでお待ちしています。(駅から近いというだけで、他意はありません)






10月14日(土) エキスポ フラッシュF 14:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
大阪産業大学





同志社大学





 








10月14日(土) エキスポ フラッシュF 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





関西学院大学





 








10月15日(日) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学





関西大学





 



 神戸大学は前節同志社大学戦で逆転勝利による今季初白星を獲得した。攻守とも試合を重ねるごとに好調さが増してきている状態が続き、この試合も更なるステップアップを経て臨むことになるかもしれない。

 オフェンスは、QB#7多和からWR#24大園、#19福田などへのパスはもちろんのこと、RB#1中井、#20竹内などによるランプレーでも少しずつゲインが見込めるようになってきている。さらにディフェンスは、DL#90荒谷、#95春山、#97浦久保、#99小澤でほぼ固定され、LBには#39松井、#42玉井、#47川村という布陣、そしてDBも#6阿部、#17黒川、#27秦という最終ラインと、メンバーが安定してきている。
 前節の逆転勝利による勢いがこの試合でも垣間見ることになれば、今後の神戸大学には要注意、今後に向けても注目の試合になる。

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 一方の関西大学は、開幕戦近畿大学以降、京都大学戦、大阪産業大学戦とも得点上は接戦になってしまっているが、ディフェンスの特にDLの破壊力によってロースコアの試合ながら、ここまで2勝1敗で勝ち越している。

 ディフェンスが開幕前の予想以上のパフォーマンスを繰り広げていることによって、相対的にオフェンス調子が、より一層際立って見えてしまっているところがあるのかもしれない。
 さらに、開幕戦含め3試合ともで異なるQBがオフェンスを指揮する状態が続く。攻撃の要となるポジションが固定しないこともオフェンス不調の原因の一つかもしれない。

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 さてこの試合だが、得点力が伸びない関西大学オフェンスが、どのようなパフォーマンスを繰り広げるかで全く異なる試合展開になってしまうので、2通りの見所説明をしておくと。

 この試合でも関西大学の得点力が伸びないままと仮定すれば、神戸大学オフェンスと関西大学ディフェンスの攻防によるところが試合の行方を大きく左右することになりそうだ。

 関西大学がロースコアの接戦ながらここまで2勝してきたのは、ディフェンスによるところが大きい。この試合でもDL#90和久、#91杉山、#94岡田、LB#49宮崎という前列が、神戸大学のショットガンオフェンスに対してイーブン以上のパフォーマンスを展開することが、接戦になるための絶対条件になる

 関西大学DLLBのディフェンスは、ここまで中央のランディフェンスに対してはほぼ完璧で、中央を大きく割られたことはない。神戸大学にもRB#1中井、#20竹内などのパワータイプのRBと重量級のOLが存在するが、RBによるランプレーだけでディフェンスが崩壊することは考えにくい。
 やはりWR#24大園、#80古川、TE#83東内などへのミドル〜ロングレンジのパスとDB#13山本、#23長谷川などとのWRDB対決が焦点になるだろう。
 特に、春から成長の著しいDB(CB)#24大塚、#6木ノ下などは、これまでの試合でもインターセプトを繰り返しているように、パスカバーも充実してきている。関西大学ディフェンスにとって一つの正念場となる試合、パスによるバックスの攻防は注目である。

 そしてパスとなれば、神戸大学OLと関西大学OLLBの力関係もパス成否を分けるポイントになる。QB#7多和は少しずつパスの安定感が増してきていて、DLのプレッシャーを感じながらも肝の据わったシーンを見せている。
 関西大学DLのプレッシャーは相当に厳しいが、これを神戸大学OLがパスプロでQBに時間を与えるか否か。そして、落ち着いたパスを投じることができるか。あるいは、判断よくスクランブルに切り替えることができるか。

 神戸大学パス攻撃の成否は、両チームの明暗に大きく関係してくるだろう。

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 そして、先の仮定のもう一つの場合、つまり、関西大学オフェンスがここまでの不調が嘘のようなパフォーマンスを展開する場合である。
 RB#22中西のランとWR#29河原、#19永川、TE#83強などへのパスが関西大学オフェンスの中心的なプレーになるのが、このようにランパスともバランスよく備わっており、さらに、スピードとスピリットの高い選手が揃っているので一発TDの脅威は常に付きまとっている。

 これまでの試合でも、フィールド中央付近のなんでもないようなランやパスプレーが、ディフェンスの隙間を抜けてロングゲインTDというシーンが続く。このよに、バックスのスピードが生きるようなシーンになれば、何が起きても不思議ではない。本来のオフェンスコンビネーションを取り戻したい関西大学にとってもターニングポイントとなる試合にしたいところ。

 対する神戸大学ディフェンスもDLLBが充実し、さらに、春から最も安定しているDB(S)#6阿部のランストップと、DB#17黒川のパスカバーは秀逸で、関西大学の一発TDプレーを簡単には許さないはず。

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 この試合は、ここまで3戦を終えて、オフェンスに課題を残す関西大学に対して、攻守にまとまりが見えはじめてきた神戸大学が立ち向かうという構図である。今シーズン今後のためにも上昇気流に乗りたい両チームの攻防は要注目、今後のリーグ戦に大きく影響を及ぼしそうな鍵を握る試合である。






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