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前節開幕戦では、同志社大学は京都大学に、近畿大学は関西大学に、ともに黒星スタートとなったが、両チームとも「負けてなお強し」の印象を残した。 近畿大学オフェンスは、RB#21尾下の中央突破ランとRB#20山下によるオープンへの展開、さらにWR#19森へのショートミドルのパス、そしてQB#5春日井によるスクランブルという攻撃手段を擁しており、さらにフォーメーションにも工夫が見られ、充実している。 一方の同志社大学オフェンスも、RB#22會田、#20和田谷による中央突破ラン、WR#21山本への縦パスというランパススタイル、さらに、QB#8村上によるスクランブルという構成になっている。 ディフェンスも同志社大学DL#90赤堀、#53藤井、LB#54輪地、#10三浦、DB#18津田、近畿大学もDL#97高山、LB#2吉田、DB#17谷原、#27小野澤など各ポジションに逸材が揃っていて、前節は両チームとも自陣エンドゾーン前の攻防を無失点でしのいでいる。 このように両チームの攻守スタイルは、互いに似通ったスタイル・構成になっているところが、このカードの特徴でもある。 ******** さて、この試合の行方を左右するポイント、要素は何になるのだろう。 攻守とも同じようなスタイルで、オフェンスWRRBQB、ディフェンスLBDB、さらにOLDLを比較し対峙させて、その衝突具合を想像しているのだが、どちらがどのように有利不利なのか。オフェンスのプレー組み立て、ディフェンスの陣容をもとにいろいろと類推してみるのだが、予想不能、全く見えてこない。 オフェンスがディフェンスのウイークポイントを攻略するとして、どこをどのように突き進めるか。逆に、ディフェンスが相手オフェンスのウイークポイントとしてどこを重点に置くか。考え方としては、この手順で正しいのだが、そこから先が進まない。 ロースコアになるのかハイスコアになるのか、試合展開すら読めない状態。本当に対戦してみないと判らない試合である。 展開予測を難しくしている要素の一つは、同志社大学QB#8村上と近畿大学QB#5春日井ともに、ディフェンスプレッシャー受けながらの瞬時のプレー判断が秀逸、という点にある。 相手DLに追われながらも、それを回避してプレーにつなげる能力があること、つまり、QB自身のスクランブルランであったり、フリーのレシーバーを探してパスを投げることが出来ること。両QBともにプレッシャーを避ける判断力は過去の実戦で十分に培われ、そして前節の試合でもQBスクランブルでミドルゲインを連発している。 したがって、単純にQBにプレッシャーをかけるだけでは、スクランブルとパスが止まらないだろう。だが、一方で、QB判断力にのみ頼る攻撃だけでは、ゲインできる距離にも限界はある。 この試合に限ったことではないが、両チームともオフェンス手詰まりとなる時間帯が、かならず存在する。その時に、次の手があるか。ないか。それが何か。それに対してディフェンスは? オフェンス側から見ると、パスキャッチミスやハンドリングミスによるファンブルなどが負の決め手になるが、逆の見方をすれば、ボールに対する執着心とか、少しでも前に進みたいという気持ちが、結果につながる。 ディフェンス側から見ると、ボールキャリアをしっかりと捕捉することが必須、これでショートゲインに止めることができれば。オフェンスのプレー組み立てに対してディフェンス側の予測と瞬時の対応速度、そして正確なタックルが決まれば、ディフェンス側が主導権を握ることが出来る試合でもある。 試合結果を分けるポイントは、相手の飛び道具を、どの位置で止めるか。この試合は、ディフェンスタックルミスがなくとも、たったひとつの被ミドルゲインが、もしかしたらディフェンス崩壊のきっかけになるかもしれない。ディフェンス側から見ても、やはり、前で止める・タックルするという意識の持続が、そのまま結果に直接つながりそうだ。 煮え切らない展望ですが、ここまで。意識の高い両チーム攻守の攻防は「チームの総合力の戦い」になります。前節は「負けてなお強し」だった両チーム、この試合ではともに白星になってほしい、というのは、無理なこと。だけども、上昇気流に乗ってほしいチームです。 |
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京都大学、関西大学とも前節開幕戦では白星を獲得、順調な滑り出しとなった。 関西大学オフェンスはQB#14森口からWR#29河原、#16永川、TE#86強へのショートパスとRB#33平、#22中西のランというスタイルだった。ただし、ランパスとも意図したほどには自由にゲイン出来ていないというのが実際のところかもしれない。もどかしさがにじみ出ているようだった。 そして、オフェンスが苦しんでいるところをディフェンス、特にDLのパワーが相手を粉砕し、ディフェンスが勝利に導いた試合でもある。 一方の京都大学は、戦前予想通りのDLLBディフェンスの壁の厚さを伺うことがが出来たが、QB#19宮下とRB#39高松、WR#1藤本、#34伊藤によるランパスで真正面から戦いを挑んで勝利という完成度の高いオフェンススタイルは戦前リーグ戦突入前予想を完全に覆した見事なものだった。 ******** 関西大学オフェンスと京都大学ディフェンスの攻防は、京都大学DLLBのプレッシャーを前にして、再び関西大学オフェンスが沈黙してしまうのか否か。この点が試合を分ける一つのポイントになりそう。 関西大学の前節近畿大学戦でもディフェンスプレッシャーを受けてQBレシーバー間のコンビネーションが乱れ、さらにライン戦で押し込まれたこともあって中央ランでも大きくゲインできない状態が続いている。この試合では、京都大学DL#91三井、#92木村、LB#5南出、#54川島などのプレッシャーを跳ね除けられるか。 ただし、常時、ライン戦で勝利する必要もなく、そのあたりはオフェンスの工夫で回避できる可能性はある。さらに、苦しい状態の中であっても、WRあるいはTEへの縦パス一本が通ればドライブのきっかけになる。 関西大学オフェンス側から見ると、ドライブをつなげる攻撃ポイントをどこに見出すか、オフェンス全般(選手+スタッフ)が、京都大学パワーディフェンス陣をどのように攻略するか注目したい。 ******** そして、京都大学オフェンスと関西大学ディフェンスの攻防だが、ともに、前節の試合を勝利に導いた立役者であり、この正面衝突の結果がそのまま試合結果につながることになるのは間違いないだろう。 関西大学ディフェンスは、#90和久、#91杉山、#94岡田など最上級学年がズラリと揃った大型DL、ILB#49宮崎とDB#23長谷川、#13山本。前節はDB(S)のところへはパスがほとんど飛んでこなかったように堅守を誇る陣容である。 対する京都大学オフェンスも、RB#39高松、#21金によるパワー系のランとQB#19宮下によるキープカウンター系のラン、さらにTE#34伊藤、WR#1藤本へのミドルパスなど、様々なタイミングのパスランが揃い、充実したオフェンスである。 パワーとスピード判断力を兼ね備えた関西大学重量級DLの壁と京都大学オフェンスの攻防が見ごたえがありそうだ。 京都大学側から見ると、どのようにして関西大学DLを攻略するか、あるいは、無力化・無機能化をするかにある。DL中央を攻めるかDL裏か、外か内か。京都大学オフェンススタッフが関西大学ディフェンスのどのポイントから切り崩して行こうとするか。 今年のこれまでの関西大学の試合を見ていると、オープン位置へのランパスの取り組みを見せるチームが多い。それはDB(S)・ILBを回避した結果なのか不明だが、京都大学がどのような組み立てで望むのか、興味深い。 一方の関西大学ディフェンスから見るとDLが生命線ではあるが、漏れてきたボールキャリアに対してLBDBがどの地点でタックルを決めるか。ミドルゲインを単発に抑え込むことができれば、この攻防は、イーブンになるだろう。 ******** 関西大学にとって理想的な展開は、京都大学オフェンスを慌てさせるような状況に追い込むこと、関西大学が先行して京都大学が追い上げるような展開になれば、攻撃のプレー選択の幅を狭めるというところへ追い込むことができる。 逆に京都大学側から見ると、ディフェンス堅守で関西大学の攻撃を止めてロースコアの展開に持ち込み、そして、自らが少しずつ得点を重ねていくというのが理想てきな試合展開になるのではないだろうか。 ともに開幕戦白星スタートした2チーム。関西大学と京都大学のリーグ戦での対戦成績は、この2年間、関西大学の勝利が続いている。だが、今年の対戦は、要注目。上位進出のため、そして、優勝争いに絡むためには両チームとも必勝必須である。第2節注目の試合は、18日月曜祝日エキスポ18時キックオフです。 |