関西学生アメリカンフットボール Div1 第2節



09月16日(土) 王子スタジアム 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学10141420582-0-0
大阪産業大学000000-2-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
大阪産業大学
1Q
TD
FG 1Q
2Q
TD
FL
TD
END 2Q
TD 3Q
TD 3Q
4Q
TD
TD
RTD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル



 関西学院大学は、全攻撃10回中8回を得点(7TD・1FG)に結びつけた。オフィシャルページによると関西学院大学の攻撃時間は僅かに17分。チャートにも示したが、フィールド中央からのロングTDパスが4本(QB#12幸田→WR#81榊原、#85秋山、#91萬代×2回)。これが、攻撃時間と得点数が比例しない原因の一つである。

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 試合先攻は大阪産業大学だったが、第3Dパスを関西学院大学DB#8泊がインターセプト、関西学院大学に攻撃権が移動すると怒涛のオフェンスドライブが始まった。
 中央ランでFD更新すると、WR#81榊原、WR#85秋山への左右短いパスヒットとパスキャッチからのランで大きく前進して得点に結びつける。

 次のシリーズもRB#36山田、#21稲毛、#35古谷の中央オープンラン、さらにはQB#9三原の決め打ちのスクランブル中央、そして左WR#85秋山へショートパスからのランゲインで3回のFD更新と続いた。

 このシリーズは、続くオープンピッチとスクランブルがノーゲイン、プレーアクションパス狙いではディフェンスプレッシャーを嫌ってパスコントロールを乱してしまい、FG3点に止まるが、QB#9三原によるショットガンオフェンスはランパスとも絶好調だった。

 そして第2Q、関西学院大学のオフェンスにとっては超省エネQとなった。
 QB#12幸田からWR#91萬代へのロングTDパス2本の攻撃時間は計30秒。第2Q終了間際のランプレー10秒を加えても僅かに40秒という攻撃時間は、記録的である一方でディフェンス側の負担になった。

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 大阪産業大学オフェンスは、QB#11康によるIフォーメーションセットからのプレー組み立て。そして、このスタイルから時々ミドルゲインを見せている。  RB#30田儀へのスクリーン気味のパスで15ヤード前進、WR#1粕井がフリーになっているのをみつけて18ヤードパスがヒットなど、凝ったプレーや崩れかけのプレーで前進していた。  しかし、第2Qに入ると、RB#30田儀、#2渡邊などの中央突破が突き抜けるシーンが増えてくる。もちろんOLとDLのライン戦の結果で、一瞬、大阪産業大学のOLがホールを開けることが出来る。そのタイミングでRBが中央を抜けるという力技でFD更新が続いた。

 こうして約5分続いたロングドライブは、大阪産業大学自陣から敵陣へ侵攻するところまで続く。いいテンポだったのだが、ラン途中に痛恨のファンブルロスト。ドライブが続いていれば、得点の可能性もという勢いがあっただけに惜しい。

 大阪産業大学前半最終シリーズは、#24辻による約40ヤードのキックリターンによって敵陣スタート、RB#2渡邊のドロー中央突破でFD更新するが、そこからイリーガルフォーメーション・ホールディングの反則が続き、得点には至らなかった。

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 後半、大阪産業大学オンサイドキックをボールキャッチした関西学院大学は、フィールド中央からランドライブで得点となった。そのRBには、#31川村、#32河原、#36山田。WR#85秋山へ10ヤードパスを挟んだが、中央ラン連続によるTDドライブを展開、QB#12幸田によるオフェンスコンビネーションも完璧さをアピールした。

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 一方、大阪産業大学後半は、中央ランが前半ほどゲインしなくなったのは、どちらかのメンバー交替によるのか不明。
 特に関西学院大学ディフェンスは前半からいろいろな選手を起用していて、中央ランが止まらなかったときの選手構成も実は定かではない(私がメモしていない)。さらに後半からは積極的にメンバー交替が成されていく。  ちなみに、関西学院大学スタッフが入り口で配布していたメンバー表によると、スターターは、DL#97國方、#53柏木、#93早川、#98黒澤、LB#45吉川、#56佐藤、#62古下、DB#28山本、#44笠原、#13岡本、#8泊である。
   DB陣も時間の経過とともに#29畑中、#18野村、#17向畑等が交替出場してくる。そして第4Q終盤、DB#17向畑がパスインターセプト、そのままリターンTDしてこの日8TD目を記録した。

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 関西学院大学QB#12幸田が2番手QBとして第2Qから最後まで出場した。これまで、#三原と加納でほとんどの試合をしていたので、新鮮なオフェンスだった。ロングパスのレシーバーとのタイミングやパスボールは秀逸で、3人体制となるQBの層は厚い。

 一方で、得点後のフリーキックでのカバーが悪く大阪産業大学#19寺川や#24辻などスピードのある選手に何度も30ヤード近く戻されてしまっている。キック距離とカバーチームのスピードのミスマッチな面が一因なのかもしれない。
 しかし、第2Q、1回だけ大阪産業大学がリターンできなかった時があるが、それは#29(?)がボール落下地点に届いていたことによる。

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 次節、関西学院大学は、京都西京極において全勝対決の関京戦を迎える。ここまでの全勝チームは、立命館大学・関西学院大学・京都大学の3校のみで、関京戦は星の潰しあいとなる。
 第3節に組み込まれる関京戦というのも珍しいが、第3節でリーグ戦山場というのも、近年はおろか、過去にあっただろうかというぐらいの事象ではないだろうか。2006年リーグ戦は中盤を省略して終盤を迎えることになるかもしれない。




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09月17日 (日)  王子スタジアム  18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学 3 7 21 21 52 2-0-0
神戸大学 0 7 7 7 21 0-2-0
(現地観戦)
 
立命館大学
神戸大学
1Q
FG
1Q
2Q
TD
G×
TD
REND 2Q
3Q TD
TD
TD
TD
3Q
TD 4Q
TD
G×
TD
RTD
G×I
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル



 試合前半、立命館大学オフェンスドライブが伸びずにロースコアの展開となり、そして第2Q終了間際に神戸大学がWR#24大園へのロングパスを絡めたドライブで得点する。
 前半を終わって立命館大学10、神戸大学7。少し奇妙な空気が漂い始めた状態でハーフタイムを迎えた。

 後半。先攻神戸大学が再び#WR24大園へロングTDパスを決めて逆転、神戸大学14、立命館大学10。

 しかし、最終的には神戸大学に逆転されたことで立命館大学攻守がようやく目覚めたという展開となった。最終スコアは大差がついているが、両校ともに、前節までの課題が解決し、そして新たな課題が明確になったという点で、得るところの多い、今後のにつながる試合である。

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 神戸大学オフェンス第一シリーズは、QB#7多和からWR#24大園へのミドルパスでフィールド中央まで到達するが、そこからパスが続かずパント。
 しかし、センタスナップボールを後逸したことで、キックすることはできたがポジションは挽回できなかった。

 続く立命館大学オフェンスはQB#9木下によるショットガンスタイル。RB#21中西による右サイドオープンへの展開はスピードで捲り上げて31ヤードゲインで神戸大学陣5ヤードへ侵攻。このまま一気に得点かと思われたが、ここから神戸大学の堅守が光った。
 ラン途中のファンブルリカバー、DL#97浦久保によるQBサックロス10ヤード、TDパスはDLのプレッシャーを受けて失敗し、FGの3点に止まった。

 その後も神戸大学ディフェンスの勢いは衰えることなく、DL#97浦久保、ILB#39松井のプレッシャーが中央のランプレーを止め、そしてQBにプレッシャーを与え続けていた。さらにCB#17黒川がミドルパスレシーバーの前に割り込んでのインターセプトを披露するなど、神戸大学ディフェンスの動きは前節とは全く異なるように勢いがあった。
 なお、この時点でのディフェンスメンバーはDL#95春山、#97浦久保、#99小澤、#90荒谷、LB#47川村、#42玉井、#39松井、DB#17黒川、#6阿部など。

 こうして神戸大学ディフェンスの勢いが立命館大学攻撃のテンポを乱していき、第2Q中盤まで3−0という接戦となっていく。

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 フィールドポジションとしても神戸大学側が優位に立っていたのだが、これを逆転するきっかけの一つが、実は、台風の影響による風だった。
 神戸大学のパントキックは上空に蹴り上げたときに逆風で押し戻されてしまい、飛距離は20ヤード以下。

 これでポジションを優位にした立命館大学は、ディフェンス隙間のインサイドのパスがWR#11前田に14ヤード、さらにRB#26松森によるドロー10ヤードで前進、途中に反則(5+10)後退はあるものの最後はWR#1本多へ再びインサイドの隙間へタイミングパスを決めてようやくTDとなった。

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 神戸大学オフェンスはQB#7多和によるショットガン隊形でセット、序盤はRB#1中井の中央ランや、WRモーションによる左右へのトリッキーな展開を試みるが、DL#90堀田、LB#53前田の反応よく効果的なゲインにはつながらない。

 オフェンスの手段として最後に残ったのは、第1シリーズでFD更新したようなパスだった。

 第2Q終盤、自陣からQB#7多和スクランブル中央7ヤードと、WR#24大園への縦ミドルパスでフィールド中央まで到達する。さらに、右WR#80古川へ速いタイミングパス15ヤードがヒット、DBとWRの1対1勝負では神戸大学優位が続く。

 このシリーズはドライブが止まるが、立命館大学オフェンスは必ずしも好調ではなく、また、神戸大学ディフェンスには勢いがある状態。そして、この神戸大学オフェンスのパスドライブが、試合の流れを変えるきっかけになった。

 次の立命館大学オフェンスはRB#26松森によるドローで中央11ヤードゲインするが、続くショートパスに対して神戸大学DB#27秦がレシーバーの前に割り込み、そして、地面スレスレでのダイビングキャッチ。審判団協議の末にパスインターセプトとなって、試合の雰囲気が変わった。

 第2Q残り40秒、神戸大学自陣40ヤード。右WR#24大園への連続パスは10ヤード+45ヤードで敵陣5ヤードに到達。最後はエンドゾーン内WR#19福田への中央パスで神戸大学が7点を獲得、そしてハーフタイムを迎えた。

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 後半先攻は神戸大学。

 自陣20ヤードからの第2D、QB#7多和キープスクランブルで15ヤード、さらに、再びキープスクランブルで7ヤード。前半の神戸大学オフェンスの勢いのままの後半立ち上がりとなる。
 そして、フィールド中央。左縦ロングパス。WR#24大園がDBを完全に振り切ってフリーになっているところへパスが飛ぶ。そしてそのままTD。14−10。神戸大学が逆転した。

 これに対して立命館大学もフィールド中央から右RB#26松森への横パス。サイドスクリーンのようにOLブロッカーを大量に並べて右サイドライン際を駆け上がり、TD。17−14。立命館大学が再逆転。

 続く神戸大学オフェンスは、これまで同様にパス中心の展開でドライブをつなげる。WR#24大園への中央ミドルパスに対して立命館大学パスインターフェアを誘い、さらにWR#80古川へのショートパスをつなげる。
 WRとDBでは完全に神戸大学優位、さらに、OLブロック時間とQBパス判断のタイミングも完璧なコンビネーション状態だった。

 しかし、この神戸大学パスドライブを中断させたのは、立命館大学LB。
 左WR#24大園へ、つながっていればおそらく10ヤード程度のパスになっていただろう、しかし、LB#5木下が横取りした形で値千金のインターセプト、立命館大学の攻撃とかわった。

 立命館大学はフィールド中央から先と同じく右#26松森へ横パスからOLブロッカーを引き連れたラン。これで40ヤードゲインとなって敵陣へ。
 さらにRB#26松森のスピードランが中央を抜けると、最後はWR#11前田へのショートパス。パスキャッチ後にエンドゾーンへ飛び込んで10点差を付けた。

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 立命館大学攻守は、第3Q序盤に逆転リードを奪われた時点から、明らかに動きが変わった。RB#26松森へのサイドスクリーンは、ここまでに見せたことのない、「とっておき」のプレーだっただろう、そして、リードを広げたシリーズでもバックスのスピードはこれまでと全く異なっていた。
 それはディフェンスにも言えることで、DLLBのスピードがまったく違う。10点差リードされた神戸大学オフェンスは同様のパスとQBスクランブルを試みたのだが、DLLBのプレッシャーが完全にオフェンスプレーを潰した。

 その後、立命館大学は第4D1ヤードギャンブルの中央突破をRB#37石井がそのままTDランにつなげるなど、怒涛のフェンスドライブが続く。第2節にして、ようやく、本領発揮という攻守となった。

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 神戸大学は、後半第2シリーズで再逆転できていれば、試合の流れは、完全に神戸大学側に傾いていたかもしれない。オフェンス側にミスはないのだが結果としては痛恨の被パスインターセプトとなってしまった。そして、10点差が神戸大学ディフェンスにも緊張を産み出してしまったかもしれない。だが、結果は黒星だが、攻守ともに、次につながる内容の濃い試合だった。



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09月18日(月) エキスポ フラッシュF 15:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
同志社大学010014241-1-0
近畿大学00147210-2-0
(現地観戦)
 
同志社大学
近畿大学
1Q
FG×
1Q
2Q
TD
FG
2Q G×
3Q FL
TD
3Q TD
TD 4Q
TD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル



 最終得点差は、3点。結果だけ見ればFG成否の差だが、当然、それは結果論でしかない。試合前半は、どちらかと言えばディフェンス優位で試合が進んでいた。その中で効率よく得点した同志社大学が10点リードして、ハーフタイムを迎える。
 そして、後半、先に得点したのは近畿大学。さらに追加点を挙げて第3Q中盤の時点では近畿大学が試合の主導権を握っていた。だが、両チームオフェンスの執念と勝利への執着心は途切れることなく、その後、二転三転する熱戦となった。

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 先攻同志社大学は、RB#22會田、#20和田谷のラン中央とQB#8村上ショットガンキープで2回FD更新するが、続く近畿大学DL#97高山によるQBサックロスを受けて攻撃権放棄。

 続く近畿大学は自陣20ヤードからオフェンススタート。そしてRB#20山上、#29吉田のオープンランがそれぞれ35ヤード、15ヤードとスピードでサイドライン際を一気に捲り上げるという近畿大学得意のスピードプレーで敵陣20ヤードへ到達、先制のチャンスを得る。
 さらにRB#35平城の中央5ヤードと前進を重ねたが、この中のランに対しては同志社大学ディフェンスも分厚い。DL#78松本、DB#18津田がそれぞれショートゲインに抑え、第4Dで3ヤードを残した近畿大学はFGで3点を狙ったが僅かに右へそれてしまった。

 その後1回ずつのパントの蹴り合いの中で、近畿大学に飛距離の伸びないミスキック気味のパントがあった。これで同志社大学は敵陣スタートとなる。

 QB#8村上による中央ランフェイクで近畿大学ディフェンス陣を惑わしたキープ右オープンで15ヤード、さらにランフェイク動作の入ったプレーアクションパスがWR#15中川へ。DBWR競いながらもWR#15中川がしっかりとパスキャッチしてTD、同志社大学が7点を先行した。

 さらに近畿大学攻撃途中のピッチファンブル後逸をきっかけにして、再び敵陣スタートとなった同志社大学は、WR#14田又へ12ヤードパス、RB#20和田谷ピッチ17ヤードとミドルゲインを連発して敵陣12ヤードに到達する。

 しかし、近畿大学ディフェンスプレッシャーも厳しいものがあり、QBサックロス、ホールディングロスなどで大きく後退する。得点機を逸したかに見えたが、K#6浦が飛距離約50ヤードのロングFGを決めて3点を追加した。

 続く近畿大学オフェンスは、QBに#10岡と#5春日井を交互起用して流れを変えようと試みるが、自陣17ヤード残り4分28秒から始まった中央突破ランドライブは同志社大学LB#10三浦、#12田中、DB#27蔓の堅守を受けて、フィールド中央まで到達するので精一杯だった。

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 前半を終わって、10−0と同志社大学が10点のリード。だが、2回の敵陣スタートのオフェンスシリーズを確実かつ効率よく得点に結びつけたことによる。
 ただし、2回ともミドルパスキャッチが絡んでいて、前節はWRのパスキャッチミスがいくつか見られたが、この試合はレシーバーの好捕が得点につながっていると言っても過言ではない。

 一方の近畿大学オフェンスも、進んでいないわけではない。特にRB#20山上、#29吉田のスピードランは一気にTDランになる可能性を十分に見せている。中央のランパスに対しては同志社大学DL#78松本、LB#10三浦、#12田中に対応されて押さえ込まれている面もなくはないが、手詰まり状態ではない。

 前半のオフェンスドライブ距離だけならば両チームともほぼ同等、ただ、フィールドポジションの優劣がそのまま得点に現れているという状況だった。
 したがって、10−0だが、後半の試合展開は全く予想も出来ない状態、そして、予断を許さない攻防が繰り広げられることになった。

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 後半先攻近畿大学は#7冨尾による30ヤード超のリターンと、WR#19森への中央ミドルパスがDBの隙間にヒットして21ヤードとビッグゲイン2プレーで敵陣へ。幸先のよいスタートはQB#5春日井キープが20ヤード近くゲインしたのだが最後で痛恨のファンブルロストとなってしまった。

 それに対して同志社大学もWR#11木原へ25ヤードパスヒットでフィールド中央へ、そしてさらにパスで前進という狙いがあったのだろう、だが、近畿大学DLLBに追われながらの無理なパスを近畿大学DBにインターセプトされる。

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 近畿大学は、インターセプトからのリターンで敵陣へ侵攻したことでオフェンススタート地点がエンドゾーン前26ヤード。QB#5春日井からWR#6井本へのパスにCB#27蔓、LB#54輪地がかろうじて12ヤードゲインに止める状態、さらにRB#21尾下の中央ラン7ヤードと、オフェンスの勢いがディフェンスを圧倒、最後はRB#21尾下の右OTランによって、近畿大学が7点を返した。

 続く同志社大学の攻撃をDL#97高山などの強烈なタックルでFD更新を許さず、攻守ともに近畿大学のペースとなってきた。

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 近畿大学は自陣33ヤード付近から、RB#20山上10ヤード、右外プレーアクションパスWR#88永山11ヤード、左WR#6井本インサイドへ20ヤードのミドルパスと、同志社大学LBDBの隙間へミドルパスが連続ヒットして敵陣24ヤード、そして最後はQB#5春日井による右フェイクの左オープンカウンターランでTD、近畿大学が逆転した。

 第3Q残り時間3分01秒。そして、ここからは、両チームとも「点を取られたら取り返す」という白熱した攻防が繰り広げられていく。

 同志社大学ドライブは、WR#14田又がリードブロッカーとなったQB#8村上のスクランブル16ヤード、RB#20和田谷右OT20ヤードと、中央付近を力でこじ開けようとする試み、そして、敵陣24ヤードからQB#8村上によるスクランブル2回で7点を獲得する。

 それに対して近畿大学は、RB#20山上へのパスとランとレイトヒットで瞬く間に敵陣20ヤードに到達、QB#5春日井からWR#6井本へのパス&ランは#19森のブロックよく14ヤードゲイン、そして、RB#21尾下が中央突破で再々逆転する。

 この時点で第4Q残り時間4分21秒。再びリードを許した同志社大学の意識は、まだ切れていなかった。

 #9池田による50ヤード近いキックオフリターンが同志社大学オフェンスに得点チャンスをもたらした。そしてWR#11木原へ20ヤード近いパスをつなげて敵陣10ヤード。
 残り時間1分30秒での攻防は近畿大学ディフェンスが2回のタイムアウト行使でエンドゾーンを死守するが、第3D残り5ヤード、RB#22會田が左OTを抜けて同志社大学が24点目を獲得した。

 続く近畿大学も#29吉田による30ヤードリターンによってフィールド中央からの攻撃開始となるのだが、パス狙いに対してディフェンスの強烈なタックルを浴びてファンブル。リカバー近畿大学だったが、最後のタイムアウトを使い切ってしまい、最後は時計を止める手段がなくなってしまった。

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 両チームとも最後まで意識の途切れることがないハイレベルな試合となった。タイムアップの時点で同志社大学がリードしていたという試合であり、両チームとも全くイーブンの内容だった。

 同志社大学オフェンスで特筆すべきは、パスの成功率が上がったことがオフェンスドライブのつながっている大きな要因であること。そして、レシーバー陣はパスキャッチ以外にも、ランナーのブロック役として走路を確保してミドルゲインを生み出し、また、キックリターンでポジションを得るなど、この試合では大活躍だった。
 ディフェンスはLB#10三浦、#12田中など第2列による中央ランストップが秀逸。これで相手攻撃の芽を半分摘み取っている

 近畿大学オフェンスも前節と比較するとランパスともキャリアが増えたことでディフェンスに的を絞らせない攻撃スタイルとなった。
 2試合連続の惜敗が続くが、試合内容は決して悪くない。結果につながっていないのが惜しいのだが、次節は立命館大学戦、昨年も終盤の追い上げ急で立命館大学を慌てさせているように接戦になることが多いカードである。次節期待しています。




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09月18日(月) エキスポ フラッシュF 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学000001-1-0
京都大学07010172-0-0
 
関西大学
京都大学
FL 1Q
FL
1Q
2Q TD
FL
2Q END
3Q
FL 3Q
4Q FG
FG×
FG×
TD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)
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 京都大学前半の得点は関西大学ディフェンスの健闘によって7点のみ。一方の関西大学オフェンスはミドルパスというディフェンス攻略に有効なプレーを見つけて多用する。確かにレシーバーはフリーになっていた。ミドルパスが通っていれば、というシーンが何回も。だが、DBの強烈なタックルを受けるなど、実際には僅かなところでパスが繋がらない。

 こうして時間だけが経過していき、第4Q、京都大学がFGで加点して逃げ切り体制に入る。関西大学はミドルパスを繋げるが、エンドゾーンへボールを持ち込むまでには至らない。
 そして、第4Q終盤、京都大学は時間消費しながらのランドライブでダメ押しのTDを決めた。

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 コイントスで関西大学が先攻を選択、そしてこの試合ではQBに#9宮城を配した。
 第1シリーズ、自陣30ヤードからTE#86強へ中央ミドル16ヤード、さらにWR#16永川17ヤードとミドルパスを立て続けにヒットさせて敵陣へ。だが、続くピッチプレーで京都大学ディフェンスにプレッシャーを真正面に受けてしまいファンブルロスト、テンポのいい攻撃が続かなかった。

 第2シリーズは、ラフィングザキッカーでFD更新するが、その後はDL#91三井、#92木村、LB#29植竹のプレッシャーが厳しく、ランプレーではほとんどゲイン出来ない。WR#80光山へショートパスは通るが、続くパス狙いでLBにサックされ、再びファンブルロスト。波に乗れない状態が続く。

 QB#9宮城は、2年生ながら京都大学のプレッシャーにビビルことなくプレーしていた。第3シリーズもWR#29河原へミドルパスを決めるなど瞬時の判断がいい。
 第2Q終了間際の第4シリーズでも、自陣13ヤードからWR#29河原へ縦ミドル20ヤードを決め、次の中央縦ミドルパスもレシーバーはボールを確保していた。

 だが、キャッチ後にさらに前進しようとしたときにDBと正面衝突。他のディフェンス陣の集まりもよく3回目のファンブルロストターンオーバーを喫してしまう。
 関西大学に攻撃手段はあるのだが、京都大学の強烈なタックルがそれを許さないという状況だった。

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 一方の京都大学オフェンスも関西大学DL#94岡田、#90和久、LB#49宮崎、DB#13山本による中央ランカバーがきびしく、RB#39高松、#21金による中央ラン突破できない。最初の2シリーズはFD更新なく終わった。

 そして第3シリーズ、中央の壁が厚いと見たのか、RB#39高松が左OTを突く。これが11ヤード前進ことがきっかけになって、中央ランフェイクのQBオープンキープやWR#87藪崎への外へのショートパスなど、左右へ広げたプレーが通るようになっていった。  このシリーズ、最後はRB#21金が右パスキャッチ後のランによってTDを獲得、京都大学が先制した。

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 試合前半、ともに相手ディフェンス攻略の突破口を探り当てることができた。  こうして第2Q中盤から、関西大学はミドルパスによって、京都大学は左右オープンへの展開によってFD更新できるようになっていく。

 だが、それに対して、ディフェンスの堅守も続いた。

 関西大学QB#9宮城からのミドルパスはパスコントロールよくフリーターゲットへ飛ぶのだが、惜しいキャッチミスとファンブルで繋がらない。さらにQB#10原口を起用してRB#29河原へのミドルパスをつなげるが、エンドゾーンまでドライブが届かないというもどかしい状況が続く。
 さらに、時間が経過するにつれてWRがDBに邪魔されてコースに出られなくなり、ロングパスターゲット不在のシーンが増えてくるようになっていった。

 一方、QB#19宮下率いる京都大学オフェンスも、RB#85上田、WR#1藤本による左右パスやOTプレーで4,5ヤードのゲインはあるものの、関西大学LB#49宮崎、DB#8井野が守備範囲を広げてミドルゲインを許さず、またDB(S)#13山本、#23長谷川は最終ラインを死守する。

********

 第2Q京都大学得点後も膠着状態が続いていたので、関西大学のミドルパスが通っていれば、そして、得点につながっていれば、全く違った試合展開になっていたかもしれない。

 だが実際は、フィールド中央付近での関西大学ファンブルロストをきっかけにして京都大学が敵陣へ侵攻する。
 そして、第4Q残り10分41秒、K#28佐々木がFGを決めて10点差としたことで、試合が大きく動いた。

 その後、関西大学はパスの比重をより高めて追い上げを図るが、京都大学ディフェンスもパス重点守備隊形となっていき、DB#6泉のパスカットやレシーバーがパスコースに出られなくなるなどで攻撃の芽がなくなってしまった。



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