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昨年のこの対戦カードは、私事都合で観戦できていないのだが、戦前予想以上の大差で近畿大学の勝利となっている。 なぜこのような大差になったのか、その理由の一端でもある近畿大学オフェンススタイルは、昨年と今年では大きくは変化していないだろうと思う。したがって、昨年と同じ結果になるか否かは、関西大学ディフェンスによるところが大きいだろう、というのがこの試合のポイントになりそうだ。 ******** 冒頭にも示したように、近畿大学スピードオフェンスRB#21尾下、#20山上のスピードラン、レシーバーWR#7冨尾、#19森へのハイスピードロングパスに対して関西大学ディフェンスがどのポジションで対応できるか。 関西大学ディフェンスの春の試合を観たときの印象では、パワーを前面に掲げた中央ゴリ押しの攻撃に対しては十分に機能を発揮しているようだ。だが、オープンをハイスピードで捲り上げるタイプの攻撃に対しては、スクリメージを抜けられると後手を踏むことになるかもしれない。 したがって、ランプレーに対してはDLがスクリメージライン上付近でしっかりと止めておきたいし、パスに対しては、出来ることならばQBに思い切りプレッシャーを与えて投げさせたくない。 DL#90和久、#91杉山、#92福岡、LB#49宮崎等の重量ラインが近畿大学オフェンスを封じ込めることが出来るか、それとも、LBDBが振り回されることになるか。関西大学DLと近畿大学OL#57前田、#77岸田などの重量級ラインとの攻防は、この試合の結果を大きく左右する一つのポイントになる。 さらに、もうひとつのポイントは、DLのプレッシャーを受けた近畿大学QBが、どのように対応するか。その選択肢は二つ。スクランブルによるランか、あるいは、フリーのパスターゲットを探し出してパスを投げることになるか。どちらもQBに広い視野と判断力が要求されるが、QB#5春日井、#10岡とも、この能力には一日の長がある。 このようなスピードあるバックス陣とパワーラインに対して、関西大学ディフェンスが、どの地点でボールキャリアにタックルを決めることが出来るか。これが、この試合の勝敗を分けるポイントになることは間違いないが、関西大学の今シーズン今後の試合展開をも大きく左右することになるかもしれない。 ******** 関西大学オフェンスは、QB#14森口からのRB#33平、#22中西による中央ラン突破と、WR#29河原、TE#89強へのショートパス、WR#17西尾、#19永川へのミドルレンジパスをつなぐというランパスのコンビネーションによって相手ディフェンスを崩すことを念頭に置いた組みたてになっている。 攻撃の要となるOLも重量級メンバーが春から実績を重ねており、特に中央突破ランのためのDLコントロールテクニックには磨きがかかる。 さらに、リターナーとしての#17、#16のスピードは、リターンTDの可能性を十分に秘めている。 しかし、今年のオフェンス陣容は、一発で得点できるビッグプレー狙いというよりは、どちらかと言えばすこしずつゲインを重ねていくスタイルになりそうだ。 対する近畿大学ディフェンスは、DL#97高山、#61石浜等の頑強なラインは春序盤から姿を見せていた。一方のLBDB陣は春の段階では発展途上というイメージを残していたが、その後6月社会人戦以降でどの程度ステップアップしたか。 この関西大学オフェンスと近畿大学ディフェンスの攻防は、関西大学オフェンスがどのような展開で臨むかがポイントになりそう。 ランパスバランスアタックのスタイルではあるが、安定感があるプレーはRB#33平と#22中西による中央突破ラン。執拗にランプレーを繰り返すというのも案外面白いかもしれないが、これは素人考えです。 このあたりは、スタイルが少しずつ変化していっている関西大学オフェンススタッフによる近畿大学攻略方法をじっくりと見たい。 ******** 関西大学にとっては、更なる上位進出のためには、白星必須の開幕戦である。しかし、昨年の借りを返すという具体的な目標があるので、おそらく夏期間は取り組みやすかったのではないだろうか。 対近畿大学戦に向けて2ヶ月準備期間があれば、それは結局のところどのチームに対しても通用するディフェンスの基盤となるスタイルが構築できたことだろう。そして、オフェンス側も同様である。攻守それぞれに近畿大学に向かう手段は揃っているはずだ。 一方の近畿大学も、得意のオフェンススタイルで、このカード2年連続白星になれば、次節以降の試合も取り組みやすくなることは間違いない。 2006年DIV1、混戦のシーズン。いよいよ、本当に、開幕します。 |
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この対戦カードは、残念ながら立命館大学の優位は動かないだろう。だが、5連覇を狙う立命館大学、DIV1復帰した大阪産業大学、それぞれ攻守の仕上がり具合を見るという点においては注目するところが多い。 立命館大学ショットガンオフェンスによるQB#3渋井とWR#89森脇、#22和田、RB#99太田、#37石井などとのコンビネーション、さらに、OL#52谷口、#55田中などによるラインコントロールという基本的なところの動きを実戦を通じて見ておきたい。 これに対する大阪産業大学ディフェンスは、春の時点で若い経験の浅いメンバーを擁しないと人数不足という面があったが、この試合ではDL#97白井、LB#56水野、DB#18奥野に続くメンバーの活躍するシーンが待たれる。 この立命館大学オフェンスと大阪産業大学ディフェンスの攻防は、スピード、パワー、人数経験値など、いずれの点においても、立命館大学優位は動かし難いところがある。 だが、大阪産業大学オプションオフェンスと立命館大学ディフェンスの攻防については、もしかしたら立命館大学ディフェンス攻略の一端を覗かせてくれるかもしれない。 立命館大学ディフェンスの弱点として度々言われることは、オーバーリアクション、つまり、反応の速さが逆に災いすることであり、例えばフェイクで逆サイドへ振られたときに対応が一歩遅れてしまうことである。 この試合でも大阪産業大学のオプションによるフェイクプレーに対して、立命館大学ディフェンス陣がプレーを見極める段階が早すぎると、逆サイドで突然ロングゲインというシーンがあるかもしれない。 もっとも、スピードのあるディフェンスというのはオーバーリアクションになって当然の面もある。本当に重要なポイントは、逆サイドのプレーだったことをどの段階で判断し、そして、実際に逆サイドへ動けるか、にある。今年のディフェンス陣の動きに注目したい。 大阪産業大学オフェンスは、QB#11康からRB#30田儀、#22木村へのピッチランとQBキープ、さらに、これらランプレーをフェイクにしたプレーアクションのショートパスがWR#82門谷、TE#89春田へつなげるというスタイルになる。 試合の流れを片側チームが終始完全に支配できるようなことはなく、この試合でも大阪産業大学ペースとなる時間帯が必ずどこかに現れるはずである。大阪産業大学はこのチャンスを確実に得点に結びつけたい。DIV1復帰初戦、昨年の関西学生覇者からオフェンスが得点を挙げたとなれば、次節以降の試合にも弾みがつくだろう。 |
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ベールに包まれた京都大学、という表現を使うなら、同志社大学はすべてをさらけ出している、ということになるのだろうか。 しかし、同志社大学の春の試合結果を見ていると、一番納得できるのが関西学院大学との同点引き分けのスコア。それ以外は私が観戦していないこともあって、得点結果を見ただけでは不可解な点が残る、という表現も逆に対戦チームにとって失礼になるのだが。同志社大学もベールに覆い隠されているような春の試合結果である。 ******** この試合は、おそらく、京都大学DLパワーと同志社大学オフェンスの対決、この結果が試合の行方をも大きく左右することになりそうだ。 京都大学DL#94桂木、#92木村、#91三井は、その身長体重の数値を眺めているだけでも大きな威圧感を受ける大型ラインである。もちろん、体格サイズだけでなく、スピードパワー判断力とも昨年から実績があり、トップクラスの破壊力を有する。 さらに、LBDBは昨年から若干メンバーが変わるところがあるが、それでも、、LB#29植竹、#54川島、#21金、DB#22中西という動きの鋭いメンバーが多く残っている。 このように今年の京都大学はディフェンス陣が充実しており、ロースコアの試合展開に持ち込みたいところだろう。 一方の同志社大学オフェンスも、守備側を攪乱するに有効な攻撃手段が十分に備わっていて、QB#8村上によるショットガンからのクイックパスとスクランブルランは円熟味を増してきた。 そのパスターゲットには#9池田、RB陣も#21山本、#2太刀掛などスピードあるメンバーが揃う。さらに、今季のオフェンスキープレーになりそうなRB#20山本へのクイックパス等々、中央付近からサイドライン際まで攻撃範囲は広い。 この攻撃を支えるOL陣は、近年サイズが大型化する一方で機動性も増してきていて、今年も#65足立、#64島田、#58辻村など充実している。 注目ポイントとしては、ロースコアに抑えたい京都大学DLとOLのライン戦、そして、同志社大学オフェンスバックスと京都大学ディフェンスバックスのプレーの読み合い対決だろう。 ライン勝負で同志社大学が優位に立つならば、それはそのままオフェンスドライブが続くことになるのか、いやいや、京都大学LBDB列の壁が待ち受けていて・・・となるのか。実際に対戦してみないと判らないところが多いが、この結果がそのまま試合結果に大きくつながりそうだ。 ******** 京都大学オフェンスは昨年は、QB#19宮下によるQBキープランがOLとの抜群なコンビネーションによってミドルゲインを連発、シーズン序盤の注目プレーとなった。そして、QB#19宮下は今年もオフェンスのキーマンになる。さらにOLも#77伊藤、#60増田、#73山本など昨年のメンバーが残っていて、基本部分は昨年の経験値を十分に生かせる。 ただし、バックス陣ではレシーバーWR#16小野、#1藤本が残るものの、RBとTEのメンバーが一新するのでランパスどちらに重きを置くか、見えてこない。OL経験値を生かしたパワー前面のフットボールをしたいところだが、という状況ではないだろうか。 対する同志社大学ディフェンスは、DL#53藤井、#90赤堀、LB#54輪地、#55川口、DB#18津田、#24大長という経験豊富なメンバーが要所のポジションを占めている。 この京都大学オフェンスと同志社大学ディフェンスの攻防という点では、やってみないと判らない部分が多い。 経験値で言えば同志社大学ディフェンス側に分がありそうだが、オフェンスプレーの組み立てが見えてこない以上、実戦でとてつもない試みをされたときに同志社大学側が柔軟に対応できるか、こればかりは不明である。 |
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第1節第4試合。神戸大学は昨年に引き続き開幕戦アップセット白星を獲得して上位進出の足掛かりを狙ってくるのは間違いのないところ。対する関西学院大学は、春不調によるモヤモヤを一掃する快勝白星発進なるか。 関西学院大学ショットガンオフェンスに対する神戸大学ディフェンス。 神戸大学ショットガンオフェンスに対する関西学院大学ディフェンス。 両チームとも春シーズンは、どちらかと言えばディフェンス側に課題を残す試合が多かったが、そこが解消できているか、ポイントはこの一点に集中する。 この試合の白星黒星が両チームにとって今シーズン今後の戦績を大きく左右することになるのは間違いないのだが、それ以上に2006年リーグ戦全体の静動にも大きく影響を及ぼしそうな重要な意味を持つ試合、になるかもしれない。 ******** 神戸大学ショットガンオフェンスは、QB#7多和、#4大原からWR#19福田、#80齋藤、#24大園、TE#43三輪へショート〜ロング様々なパスコースを有する。 さらに重量級OL#65田中筆頭に、#78伊賀、#70森嶋などがRB#1中井、##20竹内などの中央突破ランのための走路を大きく切り開く。 今年の神戸大学オフェンスの特徴は、例年以上のランパスバランスの取れたオフェンス陣容で、この様々なプレーが飛び出てくるところにある。 神戸大学が関西学院大学ディフェンスを切り崩す方法としての選択肢は3種類ある。ランパス均等で組み立てるか、ラン中央突破を繰り返すか、ショートパスをきっかけとするか。3種の中からどれを選択するか、興味深いところだ。 そして、この攻撃バリエーションに対して関西学院大学ディフェンス陣が迷うことなく完全に対応できるかが最大ポイントとなる。 特にDL#93早川、#97國方、#57市村が神戸大学重量級OLとのライン戦をイーブン以上の力関係で押さえ込むことができるか。さらにLB#56佐藤、#53柏木、#4橋本らも含めて、中央のランプレーをショートゲインに止めることができるか否かが分かれ目となる。 ディフェンスがバラバラになった瞬間からランでもショート〜ミドルパスでもなんでもゲインできてしまうことになるだろう。 神戸大学OLが早い時間帯でライン戦を制するか、それとも、関西学院大学DL優位のまま時間が経過していくか。いつごろ、どのようにして神戸大学オフェンスが進むようになるか。そのきっかけになるプレーは? さらには、神戸大学で特異なハイスピードレシーバー#24大園の存在は、一発TDパスの可能性を秘めており、関西学院大学DB陣との1対1の対決も見逃せない。 ******** 一方で関西学院大学QB#9三原、#13加納によるショットガンオフェンスも、OLがベストメンバーになれば、春のようにQBが追い込まれることも少なくなるだろう。パスターゲットは玉際に強いWR#1岸、#85秋山など複数名存在、さらに、RBには#35古谷、#31川村、#32稲毛と揃っている。 対する神戸大学のディフェンスは、春の段階ではメンバーの経験値不足の点が否定できず、特に第2、3列は新規スターターの成長が必須のポジションだった。ひと夏超えたことで、今年のスタイルが確立しているだろう。 この攻防、関西学院大学オフェンスは、おそらく、短いパスをサイドライン際からミドルレンジに確実にヒットさせてディフェンスを広げるところから始めるのではないだろうか。そして、ラン中央突破によって大きく前進・・というディフェンス攻略ストーリー。 関西学院大学春の試合でオフェンスが崩れたパターンは、レシーバーパスキャッチミスとQB判断ミス。DLがQBに手が届くようになればコントロールが乱れて・・・という一連の流れになるのだが、それは春OLが万全な体制でなかったことにも一因がある。 OL#78野原、#50生田というベストラインならば、神戸大学DL#90荒谷、#95春山、#97浦久保、LBのプレッシャーは、QBに届かないのか。それは、当日のライン戦結果による。 ******** 両チームともディフェンス側の完成度が今一だった春シーズン、さらに、関西学院大学OLベストメンバーならば、春と違ったショットガンパフォーマンスが展開されるのか。両チーム攻守両面に注目である。 この試合は、僅差の試合になるかもしれないし、どちらかが大量リードで終わるかもしれない。しかし、おそらく4〜5TD程度のハイスコアによる攻防になるだろうと考えています。 日曜夕刻。王子スタジアム。テレビ中継もありますが、現地観戦をお勧めします。 |