関西学生アメリカンフットボール Div1 第1節



09月01日(金) エキスボ フラッシュF 18:30
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学007071-0-0
近畿大学003030-1-0
(現地観戦)
 
関西大学
近畿大学
1Q
1Q FG×
G× 2Q
2Q END
3Q
TD
3Q FG
4Q
END 4Q
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


 どちらのチームもオフェンスのロングドライブがあるのだが最後まで届かない。その理由はいくつかあるのだが、プレー選択についてはひとつの選択の結果なので、こういうこともあるだろうなのだが、あと少しの距離を届いたつもりになってプレーに勢いがなくなるのは、やはり、違うかもしれない。
 両チームともにさらに1TD以上は得点できたかもしれないが、ただし、それでも僅差の試合展開は変わらなかっただろう。

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 試合は関西大学先攻ではじまる。
 リターナー#16永川が40ヤード近い距離をリターンして始まった関西大学オフェンスはQB#14森口によるセットバック主体。RBには#22中西、#33平をTBに交互起用するスタイル。
 第一プレーは、左真横パスWR#29河原へのパス。パスキャッチ後の縦ランで6ヤードゲインした。その後の関西大学オフェンスにおいても、この真横パスは精度の高いパスとなっていた。
 さらにRB#22中西による中央突破ドローでFD更新し、幸先のよいスタート、となるかに見えたのだが。
 次の右ショートパスをレシーバーが弾いてしまい、浮き上がったボールを近畿大学DB#17谷原にインターセプトされてターンオーバーとなった。

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 近畿大学のこの日のオフェンスはQB#5春日井がフルタイム出場。オフェンススタイルはセットバックからのランドライブとなる。

 自陣35ヤードから始まった攻撃は、QB#5春日井キープ、RB#21尾下、RB#29吉田の中央突破ランが続く。近畿大学の攻撃組み立てとしてはラン中心、それも執拗に中央を狙ったOLパワー前面に押し出したパワーフットボールを展開した。

 近畿大学と言えば、スピードでオープンを捲り上げるというイメージが強いのだが、この日は、パワー系フットボールを組み入れたことで、それまでのスピードプレーも生きるようになり、結果としてオフェンス組み立ての幅が広がっている。

 WR#19森へ10ヤードパスなどで3回連続のFD更新、敵陣30ヤードに到達する。しかし、オープンランで足を滑らしてノーゲイン、QBオープンキープもノーゲイン、外へ回るプレーさらに関西大学DLの強烈なプレッシャーのより無得点に終わった。

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 関西大学オフェンス第2シリーズは第1Q自陣27ヤード付近から約7分にわたるロングドライブを行った。
 
 QB#14森口のショートパスコントロールが冴えて、WR#16永川、RB#29河原へ真横パス、そしてキャッチ後のランで前進を重ねた。さらに、TE#89強、WR#17西尾へも短いパスがヒット、連続パス成功がロングドライブにつながっている。

 一般に早いタイミングのパスが真横サイドライン際へ飛ぶと、WRとDB(CB)の1対1になりやすい。そして、パスが通った時点で5ヤード程度のゲインは十分に見込める。さらに、DBを振り切れば大きく前進できる可能性が出てくる。

 敵陣24ヤード。左WR位置に入った#22中西が右モーション、そして右真横パスターゲットがその#22中西。そのままサイドライン際を上がって20ヤードゲイン。エンドゾーン前6ヤードで関西大学はFDを更新し、絶好の得点機となった。

 だが、中央突破0ヤード、第2DのQBキープは1対1状態ながら5ヤードに止まり、その後の1ヤードトライの中央突破は2回計ノーゲイン。近畿大学DLLBの執念が関西大学を粉砕した。

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 近畿大学は、関西大学ギャンブル失敗の後を受けて自陣1ヤードからの攻撃開始となる。  そして、QB#5春日井から左コーナーへのロングパス2連発。エンドゾーン内からの果敢なパス挑戦だったが、レシーバーとの距離があわずに失敗。こちらもWRとDB(CB)の1対1。レシーバーは完全にフリーではないのだが、投げたくなるようなパスコースである。

 結局このシリーズは第4Dでパントを蹴ることになるのだが。
 関西大学の反則(ランニング・インツーザキッカー+交替違反)で5ヤード×2回=10ヤード前進しFD更新するとともに、近畿大学に試合の流れが傾いた。

 その後、QB#5春日井の連続スクランブルで計50ヤード近いゲインを稼ぐ。ドロップバックによって関西大学ディフェンス陣が後ろに下がる、その空いた空間へのスクランブルで、QB#5春日井の判断が冴えた。
 敵陣19ヤード、左真横パスからの縦ランで15ヤード以上ゲインしたのだが、無資格レシーバーの反則で取り消し、さらに左コーナーへのTDパスもDB#24大塚のカット、などで得点に至らなかった。

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 こうして試合前半は両チーム無得点0−0のまま。ハーフタイムを迎える。

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 試合後半は、どちらかというと近畿大学のペースで進んでいった。
 近畿大学オフェンスプレーでゲインするのはQB#5春日井によるスクランブルランと、WRへのパス。試合前半はRB#21尾下などによるパワーラン系もゲインしていたのだが、関西大学DL#90和久、#91杉山、LB#92福岡、#49宮崎などが十分に機能するようになり、ランでのゲインは見込めなくなっていた。

 この状態にあって近畿大学オフェンスはプレーの組み立てフォーメーションに工夫を見せる。両TEセットにしてディフェンス陣を中に集め、そして、サイドライン際へのクイックパス、WRとDBの1対1になるよう、ディフェンスを分散させる工夫が随所に見られた。

 こうしてQB#5春日井による自由の女神ライクなスクランブル25ヤードやWR#19森へのクイックパスを重ねるなどでエンドゾーン前3ヤードに到達する。

 だが、ここでも、最終的には関西大学DL陣の厚い壁に遮られてしまう。中央ランでロス。QBオープンでノーゲイン。そして第3Dは結果はパスを投げられずインテンショナルグラウンディングによる後退となった。
 この第3Dプレーは、私の見たところでは、左WR#19森の右モーション、そしてそのまま右コーナーへ上がってパスターゲットとなるはずだったのではないだろうか。  実際にはタイミングの問題かDLプレッシャーのためか定かではないが、OLTEが後退してくるのと交錯してしまいパスコースに出られなかった、というところなのかもしれない。

 近畿大学は#23北村によるFG3点に止まった。

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 近畿大学オフェンスは次のシリーズも同様の組み立てによってドライブがつながるのだが、最終的には関西大学DL#90和久によるQBサックロス、DL#94岡田によるランストップなど、関西大学DLのプレッシャーから逃れることが出来ず、敵陣へ入ったところでの連続マイナスゲイン、パントを蹴るところまで追い込まれた。

 そしてフィールド中央から始まった最終シリーズ、QB#5春日井のパスを関西大学DB#24大塚がインターセプトで試合が決した。

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 試合全般を通じてコンスタントにオフェンスドライブしていたのは近畿大学だが、得点では関西大学が上回った。

 試合後半の関西大学オフェンスが前半ほどにドライブできなかったのはWRへの短いパスがつながらなかったことにある。QBWRのコンビネーションという点もあるが、近畿大学DL#97高山、LB#2吉田などのプレッシャーによるところが大きい。
 そして、関西大学の得点も、このWRへの短いパスがつながったことによる。ターゲットはWR#16永川。パスキャッチ後にDBを振り切ったら前が大きく開いていたという独走ラン計60ヤードによるTDプレーだった。

 近畿大学は、試合後半に中央突破ランを組み入れられなくなったこと、それに対して両TEセットによるWRへのショートパスなど試みていたのだが、最終的にはすべて関西大学DLパワーに崩されてしまった。
 前半のドライブしたどちらかのシリーズで得点していれば、あるいは、関西大学よりも先の得点していれば、また違ったストーリーの試合展開も描けたかもしれないが、それは置いて、試合前後半併せて敵陣へ4回も侵攻したオフェンスの総合力は今後につながる内容のあるものだった。






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09月02日(土) エキスポ フラッシュF 15:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学141477421-0-0
大阪産業大学000330-1-0
(現地観戦)
 
立命館大学
大阪産業大学
1Q
2Q
RTD
TD
G×
2Q END
FL 3Q
G×
TD
3Q G×
TD 4Q
RFL
FG×
P×
FG
4Q END
(作者Aのメモより)
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09月02日(土) エキスポ フラッシュF 18:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
同志社大学01007170-1-0
京都大学37100201-0-0
(現地観戦)
 
同志社大学
京都大学
1Q
FL
FG
1Q
2Q
TD
TD
FG
2Q END
3Q TD
3Q FG
TD 4Q
G×
G×
4Q END
(作者Aのメモより)
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 ショットガン全盛の関西学生にあって独自をスタイルを貫いている京都大学パワーフットボールが開幕戦白星をもぎ取った。
 同志社大学も終始追い上げる側の立場にありながら最後まで攻守とも力強いパフォーマンスを展開、特に第4Q最後のゴール前ディフェンスは圧巻だった。同志社大学にとっては初戦黒星となったが、今後につながるハイレベルの拮抗した試合だった。

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 試合は先攻同志社大学でスタート、QB#8村上によるショットガンから中央ショートDL裏WR#14田又へパス6ヤードとRB#20和田谷ピッチでFDを更新、さらにQB#8村上オープンスクランブルで再度のFD更新とテンポのいいオフェンスがつながりかけた。
 この間の京都大学ディフェンスは若干動きが鈍かったのだが、続くQB#8村上のパスに対してDL#91三井が11ヤード後退させるQBサックによってパントへ追い込んだ。

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 京都大学オフェンスは、QB宮下による両TEセットのIフォーメーション。TBには#39高松が入り、UBを配するときには昨年までDBLBだった#21金を配するというパワーフットボールの布陣。
 さらに昨年までOLの要だった伊藤を#34としてTEに配置する。(ちなみに、京都大学スタッフが入場門で配布していたメンバー表によるとOL#77の背番号もあるようだ)

 京都大学第1シリーズは、RB#39高松による中央突破ラン3回。だが、同志社大学DLと京都大学OLのライン戦は均衡、さらにLB#10三浦、DB#18津田の素早いタックルが加わってFD更新を許さない。
 なお同志社大学ディフェンスはラン中心の展開を予想したのか4−4−3でセットすることが多かった。

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 その後は、両チームとも攻撃側はFD更新すら出来ないまま時間が経過していく。
 同志社大学オフェンスはRB#22會田による中央突破やQBショットガンフォーメーションからのQB中央スクランブルラン。京都大学#91三井、#92木村、#74桂木のパワーDLに対して同志社大学OLも均衡するのだが、ランで中央を抜けるほどのランホールを開けるには至らなかった。

 その間、京都大学DLプレッシャーの影響なのか、自陣でのピッチプレー途中にファンブルロスト、これが京都大学K#28佐々木のFG3点につながっている。

 一方の京都大学オフェンスはRB#21金、#39高松、QB#19宮下キープによる中央突破を試みるが、同志社大学ディフェンスの集まりがよく、こちらも均衡状態を抜けきれない。特にLB#10三浦がRB#39高松の中央ランをしっかりとマークしていた。
 なお、この中でTE#34伊藤へのパスを2回試みている。1本目は失敗、2回目はミドルパス成功も反則で取り消しとなっているが、試合が動き始める予兆だった。

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 均衡状態を最初に打破したのは同志社大学オフェンスだった。そのきっかけとなるプレーは京都大学同様で、WR位置に入った#21山本への縦ミドルパスだった。そして、これが、その後の同志社大学オフェンスのキープレーとなっていく。

 フィールド中央付近へ到達すると、QB#8村上による右フェイクのカウンターランで13ヤードゲイン。さらに、WR#21山本へプレーアクションの縦パス20ヤード、そして最後は再びQB#8村上によるスクランブルランが15ヤードTDランとなる。  このシリーズは、DLとの正面衝突を避ける速いパスとカウンタープレーでミドルゲインを連発した。

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 一方の京都大学もRB#39高松、WR#1藤本による左オープンサイドへのランパスと、同志社大学と同じようにフィールドを広く取ったプレーを使い、4−4−3隊形の同志社大学DB陣に揺さぶりをかける。
 そして、QB#19宮下から左TE#34伊藤へ縦パス。DBの隙間をきれいに縫った58ヤードのTDパスで京都大学が試合を逆転した。

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 第2Q終盤、同志社大学は#22會田による28ヤードキックオフリターンなどでフィールド中央へ。さらにQBスクランブルで前進し敵陣35ヤード地点に到達、前半残り時間0分台ということもあってロングパスで一発TDを狙ったが2回とも失敗。だが、最後はK#6浦が50ヤードのロングFGキックを成功させて、同点に追いついた。

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 前半の両チームオフェンスは、中央突破ランで展開するがライン戦均衡でゲインできず、その後は左右オープンとDL裏へ攻撃ポイントを移動させていくというオフェンスストーリーを展開した。

 京都大学は、攻守ともに立ち上がりの数分に固さが見られたが、それもすぐに解消されていく。だが、ディレイオブゲーム寸前のタイムアウト行使や、フェイスマスクに手がかかるタックルなど、経験不足からくるバタバタなシーンが見え隠れしていた。

 しかし、春の試合活動がなかった京都大学攻守パフォーマンスについては、予想していた領域を遥かに超える完成度を見せていて、正直なところ驚いてしまった。

 そして、京都大学に関する情報がないままに試合を迎えることになった同志社大学から見ても、京都大学のパフォーマンスについては、想像していた以上のものを感じたのではないだろうか。
 得点上は追いかける展開、さらに、予想以上の仕上がりを見せる京都大学攻守に対して慌てることなく、また、ひるむことのない真っ向勝負は、試合後半、そして、試合終盤まで繰り広げられることになる。

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 試合後半は、京都大学先攻で再開する。

 京都大学自陣18ヤード付近、最初のプレーはQB#19宮下によるカウンターラン。右フェイクの左オープンランは、再開直後のプレーとしておそらくベストの選択で31ヤードのビッグゲインとなった。さらにRB#39高松とQBによるラン、WR#1藤本へのミドルパス18ヤードとドライブが続き、最後はTB#39高松によるOLブロッカー付きの右OTラン。そのまま12ヤードのTDランとなる。

 京都大学は、さらに次のシリーズでもOL#65角をブロッカーとしたRB#39高松の突進で37ヤードのロングゲインを奪う。  しかし同志社大学もLB#54輪地のランストップ、DL#53藤井によるQBサックなどで、FGの3点に留めた。

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 第3Q残り時間2分42秒の時点で、京都大学が10点のリード。

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 同志社大学は自陣35ヤードからオフェンススタート。10点差を逆転するためには、このシリーズで絶対に得点がほしいところ。そして、執念のTDドライブが始まる。

 WR#14田又へのショートパス、QBスクランブルでFD更新、さらに、この日確実にゲインしているWR#21山本への縦クイックパスを2本成功させて敵陣侵攻した。

 だが、WR#9池田への縦ポストをDB#18中西カットなどで第4D残り15ヤードというシチュエーション。ギャンブルプレー1回目はWR#21山本へのパスでクリアした。

 その後も京都大学DL#91三井、LB#5南出、#54川島などディフェンスの壁が厚い。さらに「不正な前パス」によるロスオブダウンで、再び第4D残り13ヤード。
  ギャンブル2回目もWR#9池田へのミドルパスでつないで、最後はQB#8村上キープによるTDラン。強引なオフェンスドライブだったが、集中したチームパフォーマンスは圧巻だった。

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 続く京都大学オフェンスは、UB#21金による40ヤード中央突破ダイブ、さらに、ディフェンスパスインターフェアの判定で敵陣10ヤードに達する。

 得点差は3点。第4Q終盤の時間帯で京都大学としては逃げ切りの得点がほしいところ、それに対して、同志社大学は絶対に失点を許されない状況。

 QBドロップバック中央スクランブル3ヤード、第2DWR#85上田への横パスをDB#27蔓がノーゲインタックル、第3DQBロールアウトに対してDL#90赤堀がプレッシャーを与えてノーゲイン、そして第4DのQBランをDB#18津田、LB#12田中がシャットアウト、同志社大学ディフェンスによる執念のゴール前ディフェンスだった。

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 同志社大学最後の攻撃は自陣5ヤードから。WR#21山本への縦パスはパスヒットとフェイスマスクによって35ヤード地点まで前進する。第4DでのWR#21山本への縦パスは、インターセプトを狙ったDBと交錯してパス失敗、同志社大学の追撃が潰えた。

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 京都大学のパワーフットボールとシンプルなオフェンスが新鮮だった。
 ただし、このオフェンススタイルがどこまで通用するか。昨年もQBキープの中央突破ランがリーグ戦序盤のキープレーとなったが、後半は各チームに対応されている。今年は如何に。だが、単純だから止まる、あるいは、単純だけど止まらない、どちらになるか、それは、ライン戦とオフェンス組み立て方によって大きく変わる。

 ディフェンスはDLパワー健在を確認、さらに第2列もLB#54川島、#5南出、#29植竹という強烈なメンバーがそろっていて力強いディフェンスを構成していた。
 次節は関西大学との試合。この2年間黒星続きだが、今年の対戦は判らない。そして第3節関西学院大学、第4節立命館大学と続く。

 同志社大学はディフェンスの完成度が高い。DL#53藤井、#90赤堀、#93染谷、LB#10三浦、#12田中、#54輪地、#27蔓、DB#25遠藤、#18津田、#24大長という布陣だったが、特にLB#54輪地と#10三浦の動きが傑出である。
 オフェンスはRB#22會田、QB#8によるランと、WR#21山本、WR#14田又、9池田へのパスというスタイル。ロングパスに対するコンビネーションが上方に向かえばさらに得点力のあるオフェンスになりそう。この試合は黒星だが攻守ともに力が漲っている。次節に期待。








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09月03日(日) 王子スタジアム 17:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学614713401-0-0
神戸大学01000100-1-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
神戸大学
1Q
TD
1Q
2Q
TD
TD
RTD
2Q FG
G× 3Q
TD
3Q
FL 4Q
TD
TD
REND 4Q
(作者Aのメモより)
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 関西学院大学40、神戸大学10。関西学院大学の底力を見せつけられた試合だった。

 関西学院大学第1シリーズは自陣30ヤード、ショットガンセットしたQB#9三原の第1プレーは右WR#1岸へのショートパス。そしてパスキャッチ後にDBを振りほどくと右サイドライン際を駆け上がって46ヤードのビッグゲインとなる。
 さらに、敵陣24ヤードの第3D、右WR#81榊原の左モーション、その途中にボールを受けた左オープンランに対して、ディオフェンスが完全にボールを見失ってしまい、そのまま24ヤードのTDランとなった。

 続く第2シリーズも、QB#9三原によるショットガンスクランブルによって中央駆け上がって28ヤードと大きく前進、ミドルゲインを連発うる。このシリーズはパントに終わるが、敵陣スタートとなった第3シリーズでもWR#83美田へのミドルパスとRB#21稲毛による連続中央スピード突破ランで得点を重ねた。

 関西学院大学オフェンススタイルは、ショットガン隊形からRB#31川村とRB#21稲毛によるランプレー、WR陣への長短パスとWRモーションラン。さらに、春にはほとんど見せることがなかったQBスクランブルも判断よくゲインを重ねる。他にオプションプレーなどもあり、開幕戦から様々なオフェンスプレーを披露した。
 近年では、RB陣が充実し、さらにQBスクランブルの脅威が加わり、スタイル・陣容とも充実している。

 さらに#81榊原、#91萬代による高速リターンTD(#81榊原リターンTDは反則による取り消し)も驚異的なトップスピードを見せ付けていて、春とは全く異なる関西学院大学オフェンスとして登場してきた。なおOLは#50生田、#59辻、#75福田、#55岡田、#71白水というスターティングメンバーである。

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 一方の神戸大学オフェンスもQB#7多和によるショットガンでセットし、WR#80古川、#19福田へショートパスをつないでFD更新するのだが、関西学院大学ディフェンスプレッシャーを受けて迷いが見られるようになっていく。      そして、ランプレーでは左右オープンランに対してDLやLB#11深川に対応されてノーゲイン、中央付近のランもDL#53柏木、LB#56佐藤などの壁が厚い。こうしてランプレー全般は、早い段階でディフェンスのパワーに押し潰されてしまった。

 それでもFD更新が続くのはTE#43三輪への縦パスやWR#24大園ミドルなどが時折ヒットすることによる。ただし、ディフェンスのプレッシャーを避けながらのパスで必ずしも最初から決まっていたパスターゲットではない。パスを投じることに躊躇するシーンが増えてくるようになり、関西学院大学のディフェンスが優勢だった。

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 このように神戸大学オフェンスは順調とは言えないところがあるのだが、第2Q終盤になって、突然、ドライブがつながり始める。

 LB#47川村によるインターセプトによって敵陣スタートとなったオフェンスシリーズ。第4Dまで追い込まれはしたものの、RB#20竹内への縦クイックパスがジャストヒット、そのまま15ヤードのTDパスとなった。

 さらに第2Q最終シリーズは残り1分50秒自陣25ヤードスタート。このシリーズは神戸大学にとって是が非でも得点したいところ。一方で75ヤードの距離を残り僅かな時間で進まなければならないという逼迫した状態でもあった。
 だが、おそらく、このように追い詰められた状況が災いしたのではないだろうか、躊躇することのない思い切りのいいパスがレシーバーへ飛んでいく。TE#43三輪へ20ヤード、WR#24大園へ18ヤード、さらにWR#83東内へ21ヤードと3本のパスを連続ヒットさせている。最後はFGに終わっているが、勢いのあるドライブだった。

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 前半を終わって20−10と関西学院大学がリード。

 関西学院大学のスピードオフェンスが神戸大学ディフェンスを置き去りにしてリードを奪っていたが、第2Q最後の神戸大学オフェンスのテンポいいパスドライブが、後半一波乱の可能性を覗かせていた。

 そして、その時に関西学院大学攻守はどのように対応するか。プレッシャー下のパフォーマンスも見ておきたい、というのが後半の見所だったのだが。

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 後半先攻関西学院大学。そして、後半もランパスのミドルゲインは止まることがなかった、。WR#86水原ミドル25ヤード、RB#21稲毛カウンターラン35ヤードとビッグゲインは続く。このシリーズは敵陣エンドゾーン手前に到達しながら無得点に終わるという、別の課題を覗かせはしたものの、関西学院大学オフェンスバックスのスピードに対して神戸大学ディフェンス陣が対応できないまま時間が経過した。

 第3Q中盤にはWR#85秋山へのパスとQBオプションキープで、さらに第4QにはWR#81榊原への縦パス66ヤード等、スピードとテクニックによる巧妙なオフェンスによる得点ドライブが続いた。
 第4Q終盤には、QB#16加納もショットガンからのスクランブルランを披露して得点につないでいる。

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 神戸大学オフェンスは、ショットガンからWR#19福田へパスヒット等パス中心の組み立てで再スタートした。だがLB#11深川、DB#28山本のパスカット、DL#93早川のQBサックロスゲインなど関西学院大学ディフェンス堅守を前にして、なかなかパスがつながらない。さらに、ランでもショートゲイン止まりとなって、攻撃手段がなくなってしまった。

 第4Q終盤、再びパスドライブがつながって自陣からのドライブを見せたが、TDパスをDB#11深川にインターセプトされて試合後半は無得点に終わった。

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 関西学院大学のオフェンスが春と全く異なるスタイルで再登場してきた。WRRBのスピード、さらにタイプの少し異なるRBが存在、さらに、ショットガン隊形からスクランブルするQBとオフェンスの幅が広い。
 ただし、春も4月はそれにありに相手を圧倒したオフェンスを展開していたが、プレッシャーがかかるとどうなのか。この試合では、この点が見えてこなかった。さらにファンブルやギャンブル失敗、インターセプト等細かい点はある。だが、開幕戦は白星スタートが最大目標である。
 なお、スタジアム入り口の関西学院大学テントで配布していたメンバー表によると、ディフェンス第1・2列スタートメンバーは、DL#93早川、#53柏木、#94荒牧、#98黒澤、LB#11深川、#56佐藤、#41武島という構成になっている。

 神戸大学は、ディフェンスが関西学院大学のスピードに振り回されたまま終わってしまった。オフェンスはパスがつながるシリーズもあるのだが、全般にランもパスも封じられてしまったようだ。
 オフェンスは、ランで切り崩すか、それとも、パスから入るか個人的に興味を持っていたのだが、この日はパスから入っている。ランプレーは確かに止まっていたのだが、RB#45東を配したパワープレーなどの中央突破ゴリ押しオフェンスの展開も見たかった。神戸大学は昨年同様の開幕戦白星にはならなかったが、今後に期待。








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