関西学生アメリカンフットボール Div1 第5節



10月29日(土) 王子スタジアム 16:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





神戸大学





 


 神戸大学オフェンスは、RB#1中井、#29中桐、#2井ノ上の中央突破ランをメインに、TE#43三輪、WR#12村上などへ短いパスをつなぐというスタイルがほぼ確立してきたが、OL陣のサイズとパワーがこのスタイルの基盤となっていることは言うまでもない。第3節関西学院大学戦、第4節立命館大学戦ともタイムコントロールオフェンスを繰り広げてロースコアの試合に持ち込んだ冷静なベンチワークが際立つが、これが試合結果に結びついていないのが本当に惜しい。

 一方の近畿大学ディフェンスだが、前節の近畿大学の試合を観戦していないので関西大学RB#22中西のランをどのようにして止めたのか判らないのだが、神戸大学が得意とする中央突破ランももしかしたら止まってしまうかもしれない。ただしライン戦の結果に依存するところが大きく、OLとDLの力関係だけは、正直なところ、激突してみないと判らない。

 なお参考になる試合をあげるとすれば、近畿大学VS京都大学における京都大学のオフェンス組み立てになる。QB#12宮下の中央突破に対してDB#34碓井などがほとんどシャットアウトしていたので、もしかしたら神戸大学もこれまでのような中央ランだけによる連続ゲインは難しいかもしれない。だが、京都大学が近畿大学ディフェンスを切り崩しているように、オフェンス組み立てに工夫のある神戸大学ならば完封されることはないだろう。

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 近畿大学オフェンス前節は複数の知人の話によるとQBに#5春日井を先発起用したとのこと。この神戸大学戦でも#5春日井先発となるか従来の#10岡先発に戻るかは不明だが、もしも#5春日井起用ならばランパスのバランスなどオフェンススタイルに若干の変化がありそうだ。
 ただしQBが何れであっても、今年の近畿大学オフェンスの最大の特徴は、RB#7樋口、#25冨尾、#20山上、#19森などスピードのあるRBWRが揃っていることであり、これらのボールキャリアによる一発ロングゲインは対戦相手から見ると要注意である。

 その神戸大学ディフェンス前節は、DL#90荒谷、LB#47川村などが立命館大学オフェンスを止めたシーンもあるが、スピードキャリアRB#22佃の一発ロングゲインが止まらなかった。したがって、この試合でも近畿大学のスピードランパスに振りまわされてしまう可能性があるかもしれない。

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 この試合のポイントは近畿大学オフェンスにスピードに神戸大学ディフェンスが対応できるか、そして、失点をどこまでにとどめるか。神戸大学オフェンスが再び時間消費ランドライブをつなげれば、近畿大学攻撃機会も減って得点機会も減って結果僅差の試合になる可能性がある。これが神戸大学の理想的な目指すべき試合展開である。
 一方、近畿大学オフェンスが効率の良いまとまったオフェンス組み立てになれば、一気に得点を重ねて早い段階で試合の行方を決めることも不可能ではない。

 両チームとも1勝3敗で前半戦を終えており、今後の星勘定によっては最終順位4位以上の可能性が残っている。第5節後半戦の第一試合。注目のサバイバル戦である。






10月30日(日) 長居球技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
同志社大学





龍谷大学





 





10月30日(日) 長居球技場 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





京都大学





 


 立命館大学は前節神戸大学の試合で、QB#12池野の負傷退場により第2Q以降QB#3渋井が出場している。私が観戦したのは第3Q以降だが、WR#15末原へ短いパスが何本もつながっていた。
 QB渋井については今春の長浜ボウルで走れるQBという印象はあったが、パスコントロールはまだレシーバーと合っていないようなイメージだった。しかし前節はランもありパスもありの、落ち着いたパフォーマンスを繰り広げている。
 立命館大学のバックアップQBと言えは、これまでにもQB大橋、椙山等が突然大活躍したことがあるように、想像以上に層が厚く、今年も例外ではないようだ。バックアップQBとして大きく成長したQB渋井の存在は脅威になりそうだ。
 おそらく、今後もエースQB#12池野が先発することになるだろうが、QBパフォーマンスはライン戦の結果で大きく左右されることが多く、京都大学DLLBとQB渋井の対決も見てみたい。

 前置きが長くなったが。

 立命館大学オフェンスは、QB#12池野によるショットガンからRB#22佃、#28國枝のランと、WR#88大滝、、#15末原、#5阿南へのミドルパスというランパスマルチスタイルで展開する。ランプレーではRB#22佃のスピードが驚異的。
 パスターゲットとしてはWR#15末原の存在が大きくクローズアップされてきており、縦の短いタイミングパスの受け手として大活躍している。ロングパスターゲットは#88大滝と#5阿南、#11前田などが存在する。だが、QBとのタイミングが試合を重ねるごとに悪くなっていっているように思うのは、単に、第3節第4節だったからだろうか。
 開幕直後の2戦と比較すると、直近の2試合は、OLの押しパワーなどQBWR間に限らず全体的にモチベーションの低い試合だったように見える。これらが第5節京都大学を迎えて、どの程度の高い位置に戻ってきているか。、オフェンスに限らずディフェンス・スペシャルチーム含めて、ひとつの大きな試合を分けるポイントになりそうだ。

 立命館大学ショットガンオフェンスに対峙する京都大学ディフェンスはDL#10森田、#91三井、#76井上、#92木村、LB#29植竹、#38川島、#41小林など1年2年も多いメンバー構成だが試合を重ねてきたことで第1・2列の形が整ってきた。この大型DLLBと立命館大学OLのライン戦は面白そうだ。
 京都大学第3列DB陣のパスカバーは今年も少し弱いところがあり、WRとDBのスピード競争になってしまうと立命館大学優位は揺るぎそうにない。ただし、QBパスコントロールが冴えてWRに正しくパスが飛べばの話であって、DLLBがOLを掻い潜ってQBにプレッシャーをかけることが出来れば、パスの脅威は少なくなる。

 もしも立命館大学オフェンスが手詰まりになったとなれば、様子見と少しの変化をつけるためにQB#3渋井への交替シーンがあるかもしれない。

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 京都大学オフェンスはQB#12宮下の中央突破ランをメインプレーに、さらに左右OT付近のQBキープラン、RB#19奥原、#35木戸、#17藤原などによるオプションランと、短いパス、そのパスターゲットはWR#82鋤崎とWR#1藤本、さらにこの試合のキーとなりそうなパスターゲットによって立命館大学ディフェンスに挑む。

 対する立命館大学ディフェンスはDL#10谷澤、#57谷野、#56岡本、LB#9塚田、#44橋本、#41木下などの第1・2列、そしてCBが、京都大学のオプション攻撃に対して、どこの位置でタックルを決めることが出来るか。

 京都大学QB#12宮下の中央突破は止まるとしても、カウンター・オプションに対して対応が遅くなるのが立命館大学ディフェンスの伝統的傾向だが、今年の布陣もやはり、そうなのか?。立命館大学ディフェンスの動きについても、この直近の2試合を観戦する限りでは、オプション系のランでゲインを許してしまいそうなパフォーマンスだったのだが、それが立命館大学本来の姿なのか否か、まったく見えてこない。
 今年は立命館大学攻守とも例年と比べて仕上がりが遅いように見えるが、それが第5節京都大学を相手にしてどのように影響してくるのだろうか。このあたりが、試合展開を大きく左右することになりそうだ。

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 京都大学オフェンスランプレーがコンスタントに5ヤード以上のゲインを重ねるのであれば、京都大学が久しぶりに立命館大学から複数得点を重ねていくことになりそうだ。この、京都大学オフェンスの追い上げが、立命館大学オフェンスに影響を及ぼさないとも限らない。

 立命館大学VS京都大学のカード、昨年までは戦前からある程度の結末は予想できてしまったが、今年は少し違う。2005年関西学生DIV1後半戦・上位校同士の星の潰し合い、要注目の試合である。






10月30日(日) 長居球技場 16:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学





関西学院大学





 


 関西学院大学前節は宝が池球技場初登場で龍谷大学と対戦し、オフェンスはQB#10出原からのミドルパスとRBランプレーでコンスタントに得点を重ね、ディフェンスも後半からメンバーが入れ替わっていくという状態で、悪天候にもかかわらずほぼ完璧のパフォーマンスを展開した。
 ただし、オフェンス側は、おそらくこの試合の目標であったのだろうロングパス・ミドルパスによるTDパスがほとんど決まらなかったのだが、これは雨天のせいだけではないだろう。龍谷大学DBの執拗なパスカバーでWRとのクロスプレーになるシーンが散見された。が、それを踏まえて、さらにワンステップアップしてくることだろう。

 この試合もQB#10出原からWR#91萬代、#85秋山、#81榊原など様々なレシーバーへのパスとRB#26辻野などのラン、さらには自身のQBキープで左右中央フィールド広く使ったオフェンスを狙ってくるだろう。またRB#23稲毛のスピードランは関西大学RB#22中西のスピード競争としても見所である。

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 関西大学前節は、近畿大学にRB#22中西を完璧にマークされてしまってほとんどランゲインできなかった。オフェンススタイルとしてはQB#14森口によるセットバックからのRB#22中西、#29河原によるランとWR#25小西、#8北尾などへのパスというランパスマルチスタイルを実現できる陣容が揃っている。
 だが、エースRB#22中西をどのように起用するか、ここ数試合ではボールが集まる傾向にある。この試合でも、やはりRB中西にボールを集めてスピード競争を挑むか、それともRB中西フェイクの裏プレー中心とするか。オフェンスをどのように組み立てるかが大きなポイントになりそうだ。

 また関西大学ディフェンスは、LB#44鈴木、#4平岡、DL#59野田、#74柳川などを中心に徐々に形になってきており、積極的なブリッツを多用して相手オフェンスのプレーを潰すという攻撃的なディフェンススタイルになっている。さらにDB陣にも#23長谷川、#13山本などアスリートも多く、簡単に破られるようなメンバー構成ではない。

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 この試合の見所としては、関西大学の攻撃的なブリッツディフェンスに対して関西学院大学オフェンスOL陣とQB#10出原がどのように対応するのかが一つのポイントになる。関西学院大学前節はWRDBの攻防が接戦になったが、今回はOLQBとDLLBのライン戦が興味深い。関西学院大学がどのようにして切り崩していくだろうか。QB#10出原のダイナミックなスクランブルキープは有効な手段の一つになりそうだ。

 そして、もう一つが、関西大学RB中西のランに対して関西学院大学ディフェンス陣がどの程度のゲインで止めるか。スクリメージライン付近で止まるようでは、関西大学は途端に手詰まりに陥る。この時に関西大学側か繰り出す次の手段と、それに対して関西学院大学側のアジャスト能力。ここまでもつれるような試合展開になれば面白い。関西学院大学と関西大学の関関戦、伝統の一戦である。






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