関西学生アメリカンフットボール Div1 第4節



10月15日(土) 宝が池球技場 11:00
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





同志社大学





 


 京都大学は、前節近畿大学戦最終的には辛勝だが、オフェンスはQB中央突破を止められたにもかかわらず、RBオープン、QBドローなど次の手を繰り出してドライブを続け、相手から得たチャンスも含め確実に得点に結びつけた。
 ディフェンスは、前列DL#91木村、LB#41小林、#38川島など1年生が上級生に混じって活躍するシーンが増えてきている。ただしLBDBが近畿大学のスピードに振り回されてしまい、これが試合終盤に接戦になった理由の一つでもある。
 またQB、DL、DB=WRと怪我人が多く発生しているが、リーグ戦半ばともなればどのチームも同様の状況、その中でQB#3御澤が同じプレースタイルでオフェンスドライブを続けており、京都大学オフェンスの貧攻イメージは払拭された。

 同志社大学はRB#1永富をはじめオフェンスディフェンスとも負傷者が多く苦しい状態が続く。攻守とも素地はあるのだが、試合を迎えるのが精一杯という状況が前節の関西大学戦だった。
 オフェンスはQB#8村上が健在だが、RB#1永富、#21山本、#22和田谷、#25福山、#32平野、#22會田のうち誰々が復帰できるかが一つのポイントではある。京都大学ディフェンスが苦手としているパスでゲインが続けば、ランも出るという理想的な展開を実現させるためにも、パスターゲットWR#4天野、#9池田、#14田又などへのパスは絶対につなげたい。

 つまり、この試合展開の鍵を握るのが同志社大学オフェンスと京都大学オフェンスの対決であり、QB村上からのパスがつながれば、WRとDBLBの攻防は接戦になるだろう。
 ただ京都大学ディフェンスは、パスを投げさせない、つまり、前(ライン)で勝負するスタイルであり、DLLBがQB#8村上にプレッシャーをかければパスコントロール・タイミングが乱れてしまいそうだ。
 したがって、京都大学DLと同志社大学OLおよびQBのライン戦、特に1年生DL#91木村、LB#38川島、#41小林などには注目、そして、同志社大学レシーバーと京都大学LBDBの対決が見所となりそうだ。






10月15日(土) 宝が池球技場 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
龍谷大学





関西学院大学





 


 関西学院大学はQB#10出原によるオフェンスの完成度が増してきており、前節神戸大学戦でも、RB#26辻野、#23稲毛、WR#91萬代、#85秋山などによる効率のよいランパスドライブで得点を重ねていた。

 ただし第4節を迎えて龍谷大学ディフェンスもかなり成長してきており、関西学院大学がこれまでに対戦してきた相手の中ではもっとも勢いのあるメンバーが揃っているといっても過言ではない。
 ラインではDL#91丹山、#99石川がサイズがありながら鋭い動きを見せ、第2列LB陣では#45末本、#44西のブリッツが厳しい。さらにDB#6板垣、#26原のパスカバーも完璧で関西学院大学レシーバー#20三浦、#91萬代、#85秋山とのポジション争いはこの試合の見所の一つである。
 関西学院大学OLとQB出原に対する龍谷大学ディフェンスフロントの攻防が、この試合の行方を大きく左右することになるだろう。関西学院大学OLと龍谷大学DLのライン戦、そして、DLLBが漏れてきた時のQB出原の対応方法は、要注目である。


 龍谷大学オフェンスはQB#12善元からWR#9中川へのパスが生命線の様子だが、RB#29楠田、#1山形のランが出ればWRTEへのパスも通る。前節関西学院大学は神戸大学のラン中央突破を止められなかったが、この試合では修正されているかが一つのポイント。一方の龍谷大学も前節でショットガンノーバックという積極的なフォーメーションを披露しており、この試合に向けても何らかの準備があるはずだ。

 この試合は、龍谷大学側から見たベストストーリーは、ディフェンス陣の鋭いブリッツなどで関西学院大学QB等にプレッシャーをかけて攻撃の勢いを止める。その隙にオフェンスWR#9中川などへのパスなどで得点をしていくという展開になる。そのためにも先に記したように、龍谷大学ディフェンスが関西学院大学攻撃を封じ込めることが必須である。

 一方、甲子園ボウル出場以上を狙う関西学院大学にとって、この試合をどのように乗り切るか、今後の試合を見ていく上で試金石となりそうだ。勢いのある厄介なディフェンスにどのように対抗するか、また、自チームディフェンスに勢いが戻っているか。
 第4節はリーグ戦全7戦中で中だるみの起きそうな微妙な時期だが、この試合は中途半端な状態で切り抜けられるようなカードではない。宝が池球技場初登場初勝利なるか。注目の試合である。






10月16日(日) 王子スタジアム 13:40
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





関西大学





 


 近畿大学の前節は京都大学に対して逆転勝利の寸前まで詰め寄った。結果は惜敗だが、オフェンスバックフィールドのスピードプレー1個だけで得点できることを改めて示した試合である。
 ディフェンスは#34碓井を第3列に置いたことで、中央縦のラインが頑強になった。この試合でもDB#34碓井はRB#22中西と対峙することになるだろうが、この対決は興味深い。他にDL#61石浜、#97高山、#79末常、LB#9井上などディフェンスでは目立つ選手が増えてきている。

 関西大学オフェンスはRB#22中西にボールが集まる傾向は続くが、春よりは他のメンバーも育ってきており、RB#29河原、RB#31森本、TE#99牧野、WR#8北尾、#82高谷、#25小西、#83三宅によるランパスなどオフェンス手段は広がる可能性はある。
 ところで、これまでの試合では、オフェンス手詰まりが試合の行方を左右する切羽詰まった状況に追い詰められていないのだが、もしもそのような状態に陥ったときどのように対応するか。やはり、RB#22中西のボールが集まるのだろうか。それとも、散らす余裕があるか。開幕戦ではプレーアクションパスなどがあったが、前節はRB中西負傷後もメインのボールキャリアを担当していた。

 関西大学ディフェンスはLB#44鈴木、#4平岡、DL#74柳川、DB#13山本等が核になって徐々に形になってきている。LBのランストップとDBのパスカバーが徐々に機能し始めてきている。
 この伸長著しいディフェンスメンバーが、近畿大学のWR#25冨尾、WR#19森、RB#7樋口、#20山上、などのスピード前面の個人技で一気にロングゲインを稼ぐボールキャリアに対してどのように対抗するか。これまでの対戦相手とは少し違ったスピードを有しており、関西大学ディフェンスのスピードが問われる試合になりそうだ。


 この試合は関西大学側から見ると第5節以降の「3強挑戦シリーズ」に向けての試金石となる。これまでの試合は終始関西大学がリードする形で繰り広げられてきたが、追う展開逃げの展開で絶対に得点が必要なシチュエーションで確実に得点できるか、そのためのプレー選択をどうするか。ディフェンスは相手スピードなどでバラバラに崩されそうになったときに、持ち堪えるか否か。
 リーグ戦順位を上げるためには、これらをクリアしておくべきと思うが、第4節なので、そろそろその兆候が見えてくる頃ではないだろうか。関西大学攻守のパフォーマンスに注目したい。

 一方の近畿大学は、関西学院大学・立命館大学・京都大学という強豪校相手に黒星が続いているが、オフェンス、ディフェンスともスピードがあり視野の広いタレントを擁しており、後半戦につなげるためにも、このあたりで踏ん張りを見ておきたい。






10月16日(日) 王子スタジアム 16:20
チーム名1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学





立命館大学





 


 神戸大学は、ディフェンスが苦しい試合が続く中が、DL#90荒谷、LB#47川村など次代のメンバーも順調に育っていることが明るい材料である。また、オフェンスは、前節で関西学院大学を相手に36分以上のボール所有時間を確保するという徹底的なタイムコントロールオフェンスを展開し、QB#7多和とバックスRB#1中井、#29中桐、#45東、WR#12村上、TE#43三輪とのコンビネーションが戻ってきている。

 一方の立命館大学は、前節龍谷大学戦で、前半を相手のターンオーバーロストに付け込んだ2FG6点のみ、ドライブした得点はハーフタイムで気合を入れた直後だけという、精彩のない試合を行っている。
 第2節近畿大学戦でも感じたのだが、立命館大学攻守の整備が昨年と比べて少し遅れ気味のように思う。だが、それはやはり対関西学院大学の試合が昨年と比べて1ヶ月遅い時期にあることが大きな理由なのだろう。信頼できる人の話によると、前節試合中に応援団の「バナナ」でも端のほうで何かハプニングがあったとのこと。

 この試合は、前節オフェンスドライブが星につながらなかった神戸大学と、なんとなく白星を獲得した立命館大学の対戦だが、予想される試合展開は、大きく分けて2通りが考えられる。

 ひとつは、立命館大学オフェンスが第1〜3節のように、QB#12池野−WR#11前田、#15末原、#88大滝のコンビネーションが確立して、パス1本で神戸大学ディフェンスを切り裂いてしまう展開である。神戸大学ディフェンスと立命館大学WRRBとのスピード競争になってしまうと、やはり立命館大学側に分がありそうだ。


 そしてもう一つが、神戸大学オフェンスが前節関西学院大学戦同様にランによる徹底的なタイムコントロールオフェンスを展開したときであり、立命館大学オフェンス攻撃機会が減って必然的にロースコアの試合展開になるというパターンである。
 神戸大学が前回関西学院大学に対して挑んだスタイルであり、神戸大学オフェンスのドライブがある程度続くことが大前提となるが、もしも、立命館大学攻撃機会が12分しかなかったとして、関西学院大学同様のテンポのいい速攻得点ドライブができるか否か。
 立命館大学オフェンスが調子のいいドライブがつながれば問題ないのだが、もしも前節同様のQBWRコンビネーション不調でもなれば、焦りがプレー精度を乱すことになる。前節はそれでも相手ミスに付け込んでなんとか白星で逃げ切っているが、もしも同じような展開になれば、この試合は結果さえも大きく左右しそうだ。

 したがって、神戸大学側から見ると前提となるロングドライブによる時間消費が必須条件となる。RB#1中井、#29中桐の中央突破とそれを支えるOL#58伊勢、#53水谷、#54安田、対する立命館大学DL#57谷野、#56岡本、#10谷澤とLB#9塚田、44橋本、DB#13三宅によるランストップが注目となる。神戸大学QB#7多和からWR#12村上やTE#43三輪などへのパスなどが適度にヒットすればディフェンスを撹乱できて面白い展開になりそうだ。

 どのような試合展開になるか。神戸大学側のゲームプランは時間消費ドライブを目標とするのはおそらく決定だろう。立命館大学がこの試合に向けてどの程度の準備・整備・集中して臨んでくるか。

 神戸大学VS立命館大学のカードは過去にも何度かロースコア僅差で前半を折り返したことがある。この試合もやってみないと結果はわからない。






リーグ戦表へ カレンダーへ