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先攻同志社大学の第1シリーズは自陣29ヤードからQB#8村上キープやRB#22會田へのミドルパスRB#20和田谷オプションピッチなどで3回のFD更新を行い、テンポのいいドライブの様相を見せた。だが、10ヤードパス2回失敗などで7ヤードを残した第4D、FGを選択したがわずかに距離不足で無得点に終わる。 続く関西学院大学攻撃は、第1DでQB#10出原のパスがサイドライン外、WR#82太田のオープンランをディフェンスが止め、第3Dの右コーナーパスもDBマークでパス失敗に終わった。FD更新なく早々に攻撃権交替のパントとなるところだったのだが、この同志社大学パスカバー中にインターフェアの反則があって、関西学院大学の攻撃続くことになった。 同志社大学オフェンス第1シリーズが無得点に終わったことと、その後に関西学院大学ディフェンスに検討する時間を与えたことで、次の同志社大学攻撃以降完全に手詰まってしまった。そして、同志社大学に傾きかけていた試合の流れは、一気に関西学院大学側へ転がっていった。 ******** 関西学院大学QB#10出原によるショットガンオフェンスは、OLがライン戦を支配してQBに時間的余裕が生まれたこともあって、様々なパスターゲットにコントロールされたボールが飛んでいき、パス成功の連続となった。 第1シリーズはWR#84中井へ12ヤード、#82太田にはロールアウトから中央付近へ20ヤード、TDプレーはRB#26辻野ハンドオフ中央突破から右へのカットランだったが、第2シリーズ以降もWR#1岸、#85秋山、#81榊原、#82太田、#95韓と複数のターゲットへ満遍なくショート〜ロングのパスがつながっている。 QB#10出原によるオフェンス7シリーズの内訳は5TD2パントだが、1パントはレシーバーのロングパスキャッチ失敗、1パントはWRとDB#18津田の攻防の末であり、コントロールの乱れもなく冷静確実なQBパフォーマンスを展開し、また後半からはQB#3加納が登場して同様に3TDを追加した。 一方の同志社大学オフェンスは第1Q終盤にRB#1永富を欠いてからは、QB#8村上からのショートミドルパス中心のオフェンス組み立てになっていくのだが、このパスに対して関西学院大学DB#19岩城、LB#41武島、DB#12吉岡、LB#34伊東、#49井上、DB#8泊などのLBDB陣が入れ替わりでパスカットを披露、さらに、DL#56佐藤のインターセプトもあって、パスはほとんど機能しなくなっていく。 第2Qに関西学院大学自陣でのファンブルロストからQB#8村上キープ、RB福山#25へのオプションなどで得点はしたが、ランプレーも単発ゲインに止まり、オフェンスドライブまでには至らなくなってしまった。 この試合の展望コメントへ |
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立命館大学リターナー#11前田による90ヤード近いリターンTDによって試合が始まった。 立命館大学QB#12池野によるショットガンオフェンスは、立ち上がりこそコントロールミス・レシーバーのハンドリングミスが重なってテンポが悪い状態が続く。だが、第1Q終盤3回目のオフェンスシリーズになってようやくエンジンがかかり始めた。 自陣15ヤードからRB#28國枝のショートパスとラン、WR#89森脇、#11前田へパスをつないーでフィールド中央まで到達すると、再びWR#11前田への縦ロングパス。これが49ヤードのTDパスになる。 さらに次のシリーズもWR#15末原、#1松村のリバースなどで自陣からフィールド中央までドライブできている。QB#12池野のパス精度が時間とともに高くなってきているのだが、OLがしっかりと壁を作って時間的余裕を捻り出している結果とも言える。 第2Q残り1分11秒、立命館大学自陣27ヤードからのシリーズ。2ミニッツオフェンスの格好の見せ場だったのだが、フィールド中央付近への時計が流れるプレーが続いたあたりは、QB含めオフェンスチーム全体がまだ整備途上の様子を見せていた。 なお、パントリターンでの得点は、パントキックされたボールをタッチバックを狙うべく一度は見送る振りをしたあとの拾い上げ97ヤードリターンTDである。狙ったプレーか偶然か判らないが、考えた結果のフェイクプレーならば面白い。 第3Qになっても立命館大学優位は変わらず、QB#12池野のドロップバックロングパス狙いに近畿大学DBLも一斉に後ろへ下がった瞬間のRB#28國枝へのショートパスなど、WR#5、TE#15末原へもパスをつないで後半も1TD1FGをあげた。なお、第4Q最後の2シリーズをQB#3渋井が担当している。 立命館大学WR#11前田に対して近畿大学DB#17谷原が執拗にマークするようになり、試合後半のこの両名の対決はひとつの見所となった。 ******** 近畿大学オフェンスは、RB#7樋口などによる中央付近のランプレーを中心に仕掛けた。RB#7樋口のカウンター10ヤードや、立命館大学のオフサイド2回・フェイスマスクの反則による連続FD更新などで、オフェンスドライブの可能性を示していた。 さらに、執拗に狙った中央突破ランでも、あと一歩で抜けるところまでのランプレーが続く。最後の一人を抜いていれば、そのままロングゲインTDは確実。抜けるまであと1人。 なのだが、立命館大学ディフェンスの集まりが早い。結局中央突破での得点には至らなかったが、近畿大学オフェンスのスピードによる力を改めて実感した。 また、RB#21尾下によるオープンへのオプションプレー、WR#25冨尾のモーションピッチのオープンランとそれをフェイクにしたQBキープ、RB#7樋口へのディレイパスなど面白い試みも加え、WR#6長谷川へのミドルパスヒットなどで自陣からFD更新を行うのだが、パス失敗などでフィールド中央で止まってしまうのが惜しかった。 なおこの日の立命館大学DB陣の内訳は、CBに#13三宅、#17黒田、Sに#32河合、#4河村、さらにLBは#44橋本、#9塚田、#41木下という少々実験的な布陣ではあった。 結局近畿大学が得点をしたのは第3Qになってからだが、WR#19森へ18ヤードパスヒット、QB#5春日井から15ヤード、QB#10岡からWR#6長谷川へ24ヤードのミドルパスを連発、最後はRB#20山上の30ヤード近いオープンランというように、ビッグゲイン連発による得点であり、瞬発力のある攻撃は健在である。 この試合の展望コメントへ |
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この試合の見所のひとつは神戸大学ディフェンスが関西大学RB#22中西のランに対してどの時点でアジャストできるかがポイントだった。 結論から言えば、関西大学オフェンスのプレーセレクションに対して神戸大学ディフェンスがなかなか対応できないまま時間が経過してしまったという状況で、関西大学攻守が最初から最後まで試合の主導権を握っていた。 関西大学オフェンス第1シリーズは自陣39ヤード付近から始まった。RB#22中西の3連続キャリーに対して神戸大学DB#17黒川、#13佐野、#6阿部が対応していずれも4ヤードゲインに止める。さらにDE#90荒谷、LB#47河村、LB#8福田もRB#22中西のキャリーに対処して2回のFD更新に留めている。さらに、このシリーズ途中に関西大学は2回のタイムアウトを行使しており、内容的には神戸大学ディフェンスが「優勢」だった。 だが、関西大学#20西口が第4Dで飛距離40ヤード超のFGキックを決めたことで、神戸大学優勢から、イーブンに戻ってしまった。 さらに、続く神戸大学攻撃中のファンブルボールをDL#90和久が奪い取って敵陣16ヤード付近で攻撃権を獲得、RB#22中西の他に、RB#31森本、TE#99牧野を絡めてエンドゾーンへボールを運んで得点差を広げた。 これに対して神戸大学QB#7多和のオフェンスは、次のシリーズ自陣12ヤードからRB#29中桐、#1中井による中央突破ラン連続の力勝負を挑んだ。OLのパワーとの相乗効果もあって関西大学ディフェンスをコントロールし、ランプレーだけで4回のFD更新し敵陣22ヤードに到達する。 ここまでランオフェンスのテンポがよかったのだが、ここでドロップバックのロングパス狙い。DL#74柳川とLB#4平岡のQBサックによって10ヤードのロスが致命傷となった。オフサイド反則とショートパスで少しは前進したものの、第3DWR#25矢野川へのFD更新パスをDB#13山本にカットされてしまい、約8分に渡るロングドライブが無得点に終わった。 関西大学は第2Q終盤に#8北尾、#82高谷へのショートパスとRB#22中西へのスクリーン20ヤードパスで再びオフェンスドライブを行った。このシリーズはエンドゾーン目前でタイムアップとなったが、第3Q先攻の関西大学は反則計2回ロス15ヤードのハンデを背負いつつWR#82高谷、#25小西への2本パスでFD更新、その後はRB#22中西の連続キャリーによって得点をあげた。 神戸大学DLが関西大学OLにコントロールされてしまい、QB#14森口がパスターゲットを探す余裕もあって、関西大学オフェンスの優位が続く。 一方の神戸大学オフェンスだが、こちらもライン戦で関西大学に主導権を握られてしまったこともあってRB#1中井、#29中桐の中央突破ランでさえノーゲインに止まってしまうようになった。 こうして17点差のまま第4Qに突入、神戸大学はQB村上からのパスが徐々にヒットするようになっていくが、関西大学LB#44鈴木、#4平岡、#11高橋の堅守も続き一進一退となる。 その後、関西大学WR#83三宅中央パス20ヤードと、RB#22中西のディフェンスのタックルを振りほどいた約45ヤードTDランで24点差とした。 神戸大学もQB#7多和のパスで80ヤードTDドライブを披露、PATに2ポイントを選択して一縷の望みを掛けたが、再び関西大学LBDB陣の堅守にパスがつながらなかった。 ******** 関西大学RB#22中西のランプレーが最後まで止まらなかったのだが、それは神戸大学ディフェンスがアジャストできなかったというよりは、関西大学攻撃手段が開幕戦以上に多種多様に広がったことによってRB#22中西一人をマークしていられなくなったというほうが、正しいように見えた。 関西大学OLと神戸大学DLのライン戦で関西大学が優位に立てたことでQB#14森口に余裕が生まれたことも大きいが、WR#25小西、#8北尾、#83三宅、TE#99牧野、RB#31森本、#29河原と多岐に渡るプレーが準備され、そしてゲインしたことでRB#22中西がフィールド内に存在するだけで脅威になっている。 このオフェンスを止めるためにはライン戦で相手チームが優位に立つことが必須になるが、関西大学OL陣のパワーがさらに増してくるようならば、この攻撃を止めるのははかなり難しいかもしれない。ディフェンスはLB#44鈴木、#4平岡が勢いよく動いていて神戸大学攻撃の芽を摘み取っていた。 神戸大学は第2Qのオフェンスロングドライブで無得点に終わったことが全ての面で大きく影響しているのではないだろうか。ここを7点獲得ならば攻守ともに息を吹き返したかもしれない。 だが、前半を無得点かつ相手が10点リードで終えたことで、前半のファンブルロストなどの諸々の小さなミスや、相手攻撃を完全には止められなかったこと、そして、後半はより一層の完璧が要求されることが徐々にプレッシャーとなって固まってしまったように見えた試合内容だった。 この試合の展望コメントへ |
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試合前半は、京都大学の4シリーズ4TDに対して龍谷大学は5シリーズ1TDと、得点に至ったか否かだけを見ると京都大学優勢だが、龍谷大学も5シリーズ中4シリーズは敵陣侵攻ドライブをしている。 しかし龍谷大学オフェンス5シリーズの内訳は、1回目は残り1ヤードのギャンブルで中央突破が抜けず、2回目はLB#29植竹にミドルパスインターセプト、第4シリーズでは再びLB#29植竹のパスカットと、QB交替によるQBサックロスで終わる。 最後5回目だけはパスがつながって得点に至ったが、龍谷大学側から見るとロングドライブが得点につながらないというもどかしいシーンが続いた。 龍谷大学オフェンスもQB#12善元からWR#9中川、#19稲沢、#18斎藤へショートミドルロングと様々なパスが飛び、さらにTE#4北山へのパスも加わり。京都大学パスディフェンスの隙間を巧妙に突っついている。さらに、RB#1山形、#29楠田のオープンランも京都大学ディフェンスを振り切ってシーンがあるのだが。 ただし、前節と比較するとオフェンスにリズムが生まれてきており、QBのパスも様々な距離のWRに通るようになってきていて、攻撃力が整備されてきているので、今後は注目しておきたい。 京都大学ディフェンスは、この日はLB#29植竹のインターセプト・パスカットや、DL#41小林のサック・インターセプトなどの要所での活躍により龍谷大学に傾きかけていた流れを断ち切っていたことと、得点差が広がっていくにつれて徐々に自由にのびのびと動けていた様子が伺える。 ******** 一方の京都大学オフェンスは、前節同様QB#12宮下の中央突破キープ(QBクイックダイブ)がメインプレーにランパスを通していった。序盤こそ龍谷大学ディフェンスもLB#45末本、#10水澤、DB#26原がQBダイブに反応していたがそれでも4〜5ヤードのゲインになる。 京都大学第1シリーズは自陣40ヤードからQB#12宮下のキープ中央突破がでスクリーメージを抜けるとそのまま60ヤードのTDラン、第2シリーズはTE#87山川へのプレーアクションパスが中央8ヤード、RB#17藤原、WR#1藤本へのランパスを絡め、再びQB#12宮下の40ヤードビッグゲインをきっかけにして得点した。 第2Qの第3シリーズになると京都大学OLが龍谷大学DLを圧倒、QB#12宮下中央20ヤード、RB#35木戸オープン20ヤード、#39高松の10ヤードの荒稼ぎで得点し、4個目のTDはTE#89山本パス17ヤード後に再びQB#12宮下の50ヤード中央突破ランで得点を重ねた。 京都大学オフェンスは、QB#12宮下のクイックダイブ中央突破をキラープレーとして、その他にRB#19奥原、#17藤原、#35木戸、WR#1藤本、TE#89山本、#87山川パスを織り交ぜたランパスのバランスアタックで、前節神戸大学戦同様の力強いオフェンス組み立て展開した。 京都大学第3QからはQBに#3御澤を起用するが、再びQBのクイックダイブがキープレーとなって得点を重ねていく。OLのC#77白井、#50伊藤、#73山本、#60増田などとQBがタイミングが一致しているのだろう、LBDBが蹴散らされるシーンが続く。こうして第4Q終盤までの8シリーズ中7シリーズをTDに結びつけてオフェンスの力で龍谷大学をねじ伏せた。 ディフェンス側から見ると中央突破が判っているのに何故か止まらない。このQBクイックダイブは本当に止まらないプレーなのだろうか。判っているのに止まらないプレーというのは、確かに存在するのだが。 この試合の展望コメントへ |