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2005年の関西学生DIV1も開幕である。その開幕戦第一試合は今年も尼崎での金曜ナイターとなったが、関西大学は昨年も開幕節第1試合のカードを担当しており2年連続での大役である。昨年は関西学院大学から白星奪取の一歩手前まで追い込んでその後の戦いに勢いがついたが、今年は昨年と大きく異なり、対戦相手から白星奪取を狙われる立場にある。 まず、龍谷大学オフェンスと関西大学ディフェンスの攻防だが、どちらも春の段階ではまだ未完成だったことと、若手が多いポジションなのでひと夏超えて大きく変貌を遂げている可能性がある。したがって、この試合に限ってはこの試合でどのような展開が繰り広げられるのか予測しにくいのだが、今シーズンの今後の両チームの試合を観戦する上で重要なポイントでもある。 龍谷大学オフェンスはQB#12善元、WR#9中川、RB#1山形という新しいバックスの組み合わせによる攻撃がどのように機能するのかを見極めたい。関東の一部所属の大学に対してもある程度の得点を重ねており、若いQBなので成長の可能性を加味すると春からバリエーションが増えているかも知れない。このあたりが未知の魅力になっている。 対する関西大学ディフェンスLB#4平岡、DB#13山本、#7大亀、#27地下、DL#59野田、#90和久など若い学年が多いメンバー構成ということもあって春の試合では、まだまだコンビネーションがバラバラ、まとまりに欠ける、動きが悪いなど課題が多かった。だが未来のアスリート揃いであり、ディフェンスのチーム方針が固まりさえすれば、能力を最大発揮するまでに時間を要しないはずだ。秋最初の試合でどこまで形になったのか、楽しみにしている。 ******** 一方の関西大学オフェンスと龍谷大学ディフェンスの攻防だが、こちらは、見所が多い。まず、関西大学オフェンスは春はQB#14森口が中心になって攻撃を指揮していたが、RB#22中西にボールが集まっていたことが特徴的だった。したがって、QB#3堤の起用方法とプレー選択面ではWRRBへボールを散らすプレーが加わっているかがひとつの観戦ポイントになる。 さらに、高速アスリートRB#22中西のランプレーが龍谷大学ディフェンスをかき回すことになるだろうが、龍谷大学ディフェンスが対応できるか否か。DL#99石川中心のフロント陣とLB#44西、DB#20島、#26原あたりが徹底的にマークすれば止まるのか、それでも止まらないのか。もしも、龍谷大学ディフェンスが対応できたとして、関西大学オフェンスの次の手は何だろうか。 関西大学春の試合ではオフェンスで挙げた得点が少ないがバックス陣容を見る限りでは、様々なスタイルにもなる可能性を秘めている。関西大学にはリターナー#17西尾によるスピードリターンでの得点機会もある。 関西大学が勝利なら大差だが、もつれるような試合展開も完全には否定できない。第1節開幕戦金曜ナイター尼崎18時20分試合開始です。 |
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関西学院大学にとっては甲子園奪還必須の年となった2005年の開幕戦であり、オフェンスもディフェンスも好発進して勢いに乗りたい。対する近畿大学も上位進出のためにも波に乗った状態でリーグ戦スタートしたいところだ。両チームの今シーズンを占う上で重要な試合である。 ******** まず、関西学院大学のオフェンスでは、QB#10出原などによるオフェンス全体のプレー精度に注目したい。OLが機能する/しないどちらであっても、QB出原から落ち着いて長短様々なパスがWR#20三浦、#81榊原、#91萬代へヒットし、またRB#26辻野、#40吉岡などのランパスがバランスよく機能すれば、おそらくオフェンスドライブは続くだろう。 できればQB#10出原のキープスクランブルなく他のバックスメンバーだけで前進ドライブしてほしい。QB出原のスクランブルランは、ダイナミックで面白いのだが、怪我をしないかと気になってヒヤヒヤすることが多い。 近畿大学ディフェンスも簡単に抜けるようなディフェンス網ではなく、特に第3列DBには、#26井上、#27小野澤とアスリートが揃っており関西学院大学WRとの競演も楽しみではある。 だが、関西学院大学側から見ると、このディフェンス網を突破するところから今シーズンが始まる。オフェンスの方向性・ランとパスの組み合わせや、ディフェンスの厳しいプレッシャーを受けながらプレーの判断・精度が春からどのくらい成長しているか、ここか最重要ポイントになる。 一方、近畿大学ディフェンスは、DLLB付近は春の段階ではまだ発展途上未整備状態だったが、DL#99柳川、#97高山、LB#9井上という中心メンバーに新しい選手が加わって、春とは一味違った強固な布陣になっていることだろう。このあたりをしっかりと確認しておきたい。 近畿大学ディフェンス側から見るとある程度の失点は仕方がないかもしれない。だが、この試合は点の取り合いの展開に持ち込むことができれば近畿大学のペースになる。オフェンスの反撃が届くような最小失点付近で踏ん張ることができれば面白い試合になる。 ******** その近畿大学オフェンスはQB春日井と岡のどちらを起用してくるか不明だが、いずれにしても、高速バックス陣の能力を如何なく発揮できるような展開が理想である。RB#7樋口、#20山上、#21尾下、WR#25冨尾のスピード系によるオプションあり、WRと絡めたリバースはもちろんダブルリバースも当然でトリプルリバースなど、さらにRB#40中東の中央パワーラン、WR#6長谷川、#87石田のパスありと、オフェンスの手持ちツールは多彩である。さらに、OL主将#57白木、#52安井、#91前田などのラインメンも今年は充実している。 このオフェンスは、決して得点能力が低いわけではない。いい方向に回転させれば、高速バックス陣が十分に機能すれば、一気に上昇気流に乗るオフェンス陣容である。 したがって、関西学院大学ディフェンス側から見ると、近畿大学の早いプレーに対してLBDBの判断が的確になされて、素早く詰めることができれるか否か、ここがポイントになるのは言うまでもない。近畿大学の攻撃を一度でも波に乗せてしまうと少々厄介だが、火が付く前にスピードキャリアをしっかりとマークして完封できれば、近畿大学オフェンスに新たな工夫が無いならば、そのまま時間が経過していくことも在り得る。 ただし、春の段階ではディフェンス全体のメンバーが固定されてなかったので、コンビネーション面で一抹の不安が残る。したがって、まだ開幕戦ではあるがDL#58庭野、LBは#16河合、#53柏木、#49井上、DB(S)#21片山、#45磯野などディフェンス陣全体の完成度にも注目したい。 |
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同志社大学オフェンスと立命館大学ディフェンスの対決では、同志社大学QB#8村上が、立命館大学ディフェンスの厳しいプレッシャーを受けつつ、どの程度のパフォーマンス(パス精度ランパス判断)を繰り広げることができるか、ここが最大の注目ポイントになる。 立命館大学のDLは、破壊力が例年ほどではないとは言え、そのポテンシャルは相変わらず高い位置にある。対峙する同志社大学OLがライン戦でイーブンに立つことができるか。イーブンにならなくともランホールあるいはパスプロテクトが僅かの時間だけ機能すればいい。さらにOLの隙間から漏れてくるかもしれないDLLB陣をかわして、QB#8村上が落ち着いてパスを投げられるか、RBにボールを渡せるか。パスターゲットはWR#7神田、#9池田、TE#4天野。 今年の同志社大学はオフェンス主導のチームになりそうなので、今後の試合を観戦するためにも、立命館大学ディフェンスに向かい合った時のOLとQBのパフォーマンスを、しっかりと見ておきたい。 さらにスピードランナー#1永富と立命館大学DBLBの攻防も面白い。立命館大学LB#44橋本、#45北仲、#9塚田、DB#32河合、#13三宅のボールキャリアへの寄りのスピードは秀逸で、RB#1永富といえども簡単には抜けないだろうが、スピード競争と網をすり抜けるテクニックは一見の価値がある。また、RB#32平野の中央突破や#21山本、#22和田谷など新しいメンバーと立命館大学ディフェンス陣の対決も興味をそそる。 今年の同志社大学オフェンスは多彩なメンバーが揃い、さらにランパスの手数が多い。おそらく色々なプレー組み立てを試みてくるだろう、これらが立命館大学にどこまで機能するか。おそらく今年最強のディフェンスチームに対して機能するば、第2節以降の試合が面白いことになりそうだ。 ******** 立命館大学オフェンスと同志社大学ディフェンスの攻防においても、QB#12池野が安定して自由にランパスを繰り広げられるかという、QBパフォーマンスがもっとも大きな見所として挙げられる。同志社大学側から見ると、LB#99沖宗、#55岩佐、DL#78松本などのプレッシャーがQBに届くか否かが最重要ポイントになる。 だが、立命館大学OL#50田口、#74佐々木などと同志社大学DLLBとの攻防結果にも因るが、QB#12池野からパスが投げられさえすれば、WR#11前田、#88大滝などのスーパーキャッチでドライブがつながってしまいそうだ。さらに、RB#22佃のランも加わったキャリアのトップスピードに対してDB#24大長、#18津田などが対応できるか、DLLBが機能しなければDB振り回されてしまうかもしれない。同志社大学ディフェンスは春の段階では、まだ形が未完成だったのだが、夏を越えての成長分と今秋リーグ戦をどのような布陣で戦い抜くかを見極めたい。 ******** この試合は同志社大学攻守にとって今シーズンを占う重要な試金石となる。攻守とも立命館大学にどの程度通用するか。開幕戦パフォーマンスを楽しみにしています。 一方の立命館大学は関西学生4連覇に向けての最初の第一歩をオフェンスディフェンスはどのように迎えるか、丁寧なオフェンス組み立てでドライブシリーズが続くだろうか? そして、ディフェンスの動きコンビネーションは如何に?注目しています。 |
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京都大学と神戸大学の対戦カードは3年連続で第1節に組み込まれることになった。単純に前年の成績順位による機械的なマッチメイクなので偶然の産物故に珍事である。 京都大学にとって神戸大学は本当に不得手な相手なのだろうか。苦手と言われつつ98年以来の白星が続いているのだが。今年も京都大学が対戦成績連勝記録を伸ばすことになるか、それとも、神戸大学が雪辱を果たすか。京都西京極でのナイターは注目の一戦である。 ******** 京都大学オフェンスと神戸大学オフェンス、そして、京都大学ディフェンスと神戸大学ディフェンスを比較すると、両チームとも似通った形スタイルであるところが興味深い。 両チームとも昨年までのディフェンス陣は鉄壁のアスリート揃いだったが、今年は最も充実しているのがDB陣で、春の段階ではDLLBとも核になる選手が存在するも全般に人材不足だった。 一方オフェンスは大型ラインと豊富なRB陣を擁していて、中央突破ランとWRTEへの短いパスによるショート〜ミドルのゲインを積み重ねてディフェンスの切り崩しを狙うスタイルである。 ただし、フォーメーションが両チームで異なっているので、この違いが相手ディフェンスとの兼ね合いになって観戦ポイントが少しずつことなる。 ******** 京都大学オフェンスは、RB#19奥原、#35木戸、#17藤原、#25土屋によるRBを横に2人並べたスタイルのTからのクイックヒットによる中央とオープンへのラン、カウンター系オプションを折り混ぜた展開になるだろう。QBは#3御澤と#12宮下の併用になりそうだ。 Tフォーメーションによるランプレーは、スピードやタイミングや動きの方向を柔軟に変えられることが特徴であり、相手ディフェンスを惑わす・撹乱することができるフォーメーションでもある。 このランプレーがゲイン出来るか出来ないかを決める最初の要因が、神戸大学DL#57中西、#56金園と京都大学OL#56福江、#50伊藤のライン戦である。 神戸大学DLが京都大学OLを早い段階、つまり、RBがスクリメージを抜けるまでにコントロールできれば、2・3列のLBDB陣も迷うことなくボールキャリアのRBに突進できる。 だが、反対に、神戸大学DLが京都大学OLにコントロールされてしまうとRBのランホールが見えにくくなり、2・3列目の対応にわずかな遅れが発生する。ただでさえ、ディフェンスを惑わすことに主眼を置いた布陣なので、この遅れは致命的で、京都大学の攻撃に振り回されてしまうことになる。 もしも京都大学のオプションとか様々なトリッキーなプレーや、TE#89山本、WR#82鋤崎への短いパスなどもコントロールよく決まるようであれば、ディフェンスの立場から見ると、少々厄介な状態に陥る。 ただし、神戸大学LBDBが判断が遅れつつも次のプレーを予測でき、それに対応して動けるのであれば、再び神戸大学ディフェンスと京都大学オフェンスが対等の位置に戻ることができる。 したがって、神戸大学ディフェンスが京都大学オフェンスのプレー構成に慣れるまでにどの程度の時間を要するか、そして慣れたとしてLBDB陣それに対応できるかがこの攻防結果を決めるポイントとなる。 もしも神戸大学ディフェンス陣が早い段階で京都大学Tフォーメーションのクセを見切ってしまうようだと、もしかしたら京都大学オフェンスは手詰まりになってしまうかもしれない。 ******* 一方の神戸大学オフェンスはQB#7多和によるIフォーメーション中心の展開になりそうだ。QBの背後にRBを縦に2人並べて、大型OL陣の押しによるランホールをFB#2井ノ上、TB#1中井、#29中桐、#92東などによる中央突破で縦に抜けていくランプレーを中心がになり、正面からの力勝負を挑むスタイルである。 京都大学DL#94桂木、#90市川と神戸大学の大型ラインOL#53水谷、#54安田、#58伊勢のライン戦の結果でプレーの成否が大きく変わる。 だが、力勝負ゆえに、もしも神戸大学オフェンスが優位に立つことがあれば、京都大学LBが経験不足なこともあってDB#37吉田、#21金などのサポートがあっても、なかなか止まらないかもしれない。 逆に京都大学ディフェンス側が優位に立てば、次は神戸大学のオフェンス組み立て方次第となる。WR#12村上、#19福田、TE#43三輪への短いパスを加えることでLBDBの撹乱を試みるのだが、その成否は、QBWR間のパス精度に依存する。 ******** この試合は、おそらく神戸大学・京都大学のどちらのチームにもオフェンス優位の時間がある。そして試合を決めるポイントは、ディフェンスが相手攻撃に対して、いつごろ対応できるようになるか。オフェンスが自チームの得意分野に相手ディフェンスを引き入れたほうが試合を優位に進めることができるだろう。 両チームにとって3年連続の同一開幕カードは、これまで京都大学が開幕戦3連勝しているが、京都大学は対神戸大学戦連勝を伸ばして好スタートを切ることができるか、、それとも神戸大学が久しぶりに京都大学から白星を得るか。京都大学対神戸大学の一戦は注目である。 |