関西学生アメリカンフットボール Div.1 第7節



11月27日(土) 長居球技場 11:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
神戸大学





龍谷大学





 


 今年の関西学生DIV1リーグ戦は、第6節を終わった段階で全勝チームも全敗チームもなくなる大混戦となった。今年のリーグ戦展望を考えていた8月の時点である程度は白黒入り乱れるだろうとは予測していたのだが、その予測範囲を超えてしまった。
 第7節を迎える時点でリーグ優勝候補3校、入れ替え戦出場候補4校であり、この4試合はいずれも注目のカードである。

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 龍谷大学は今季DIV1初登場だがQB#19佐藤からTEWRをターゲットとする完成度の高いパス攻撃が一気に話題の中心となった。そしてパスで相手ディフェンスを惑わせてランも組み込んでかき回すというオフェンススタイルである。
 エンドゾーン手前までドライブしてあと少しで得点というシチュエーションになると、難しそうなスペシャルプレーにって自滅することもあるが、DIV1昇格一年目で2勝をあげている。

 ディフェンスはランカバーでLB#43井阪、#42高橋、そしてDL#90小坂のパスラッシュ・ランの壁とフロント陣の攻撃的なディフェンスが際立ちDB#11坂口などによるパスディフェンスも徐々に整備されてきた。

 ただDIV1各チームならばこの時期になると来年のチーム構成が見えてくるのだが、龍谷大学の場合は来年の攻守スタイルが全く未知数ではある。リーグ戦ここまで試合終盤までもつれる展開ならば、来年の力を試す余裕がないのも仕方がないかもしれない。
 この試合で入れ替え戦出場の可能性を自力で消滅させることが出来るか。

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 神戸大学はここまで2勝4敗である。こんなに黒星が重なるような陣容とは思えないのだが、ここ数年はオフェンス得点効率が低いのが気にかかる。
 もっとも前節同志社大学戦は効率の良いドライブを披露して2TD2FGという結果を残した。その勢いにのってこの試合でもオフェンス好調ならば神戸大学も自力で入れ替え戦回避できる。

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 さてこの対戦だが、龍谷大学のオフェンスと神戸大学ディフェンスの攻防が試合結果を大きく左右することになりそうだ。

 龍谷大学の攻撃スタイルはQB#19佐藤からTE#4守山、WR#9中川、#8山口への長短様々なパスがメインである。対する神戸大学ディフェンス第3列DBには#21松田、#6阿部、#25矢野川という豪華なメンバーが揃う。このWRとDBの対決が随所で繰り広げられるはずで、走路コース取りの対決やボールコースへの割り込みによるパスカット・パスインターセプトの攻防が見ものである。

 このディフェンス第3列の動きを封じるにはランプレーが続けばいいのだが、RB#5川上、#29楠田等のランにはLB#5清水、DL73池渕が対応するはずで、神戸大学強力ディフェンスの今年の集大成としては絶好の対戦相手となった。

 龍谷大学RBのランが出れば神戸大学第3列は迷うだろう、しかし、もしもランが出なければ龍谷大学オフェンスは一気に手詰まりとなるはず。ここでスペシャルプレーになるのだろうが、さてその精度は如何に。

 神戸大学ディフェンスが失点ゼロに抑えれば神戸大学オフェンスの得点で白星獲得まで、逆に龍谷大学オフェンスはOLブロックによるラン連続ゲインからパスドライブもつなげてハイスコアの試合に持ち込めば龍谷大学の白星獲得という攻防である。

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 神戸大学オフェンスは、これまでロースコアの効率悪い試合が続くが、この数試合では勢いが出てきている。QB#10江端のキープや、RB#1中井、#2井ノ上、#32森のランは粘りがあって、なかなか1回のタックルでは倒れない。WR#80立澤、TE#43三輪へのパスもつながるようになってきた。

 龍谷大学側から見ると、これまでの試合同様LBDL中心に、神戸大学のオフェンスを押さえ込みたいところだが、もしもロースコアの試合展開になれば、そのプレー精度が重要になってくる。前節ではズルズルとドライブされ続けていることもあり、鉄壁とは言いがたいところもある。

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 この試合は入れ替え戦出場回避決定戦でもあるが、そんな順位争いを抜きにして観戦したい。おそらく両チーム攻守の気持ち、今年のチームの意気込みが試合内容に現れ、それが白黒を左右することになる。是非とも今年の集大成を白星で飾ってほしい。



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11月27日(土) 長居球技場 13:40
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
関西学院大学





近畿大学





 


 関西学院大学は第5節立命館大学戦を下して唯一全勝チームだったのだが、前節関京戦で黒星を喫してしまった。全勝チームとなった時点で追われる立場となり、実際に追いつかれてしまったというのが現実である。
 このリーグ最終戦に勝利すると3年ぶりの関西学生優勝となるが、第6節終了時点で立命館大学と同率順位であり甲子園ボウル出場のためにはプレーオフを戦わなければならない可能性がある。
 という、先のことはともかく、まずは最終節のこの試合である。おそらく、関西学院大学のことだから、前節の敗戦の影響を遮断して全く異なったチームとして登場してくるだろう。昨年の最終戦のように。

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 近畿大学前節は立命館大学に結果は敗戦だったが、試合最後は攻守とも勢いに乗った良いムードのまま試合を終えた。立命館大学が近畿大学を完璧に叩きのめさなかったのは、この試合を睨んでのことかと勘繰ってしまう。

 近畿大学今シーズンここまでの成績は2勝4敗であり、入れ替え戦出場の可能性を残す。リーグ戦順位を上げるためにはこの試合で白星が必要であり、この試合のモチベーションは高い。

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 この試合は、近畿大学攻守に勢いがあるか、そして、一気に調子の波に乗るような試合展開になるかが大きなポイントになりそうだ。

 近畿大学オフェンスは、前節立命館大学戦第4Qの追い上げドライブでも見せたように、QB#12春日井のパスとQBキープランがきっかけとなって、テンポのあるオフェンスドライブが始まっている。
 TE#4橋本、WR#82三谷、WR#25冨尾、RB#20山下というバックフィールドは充実している。しかし、このドライブの途中に流れが悪くなる瞬間がある。それを解決するのも必要だが、最終戦でもあり、ここは試合の流れに身を任せて小細工無く「勢い」で解消する。

 この近畿大学ランパスのバランスアタックに対して、関西学院大学DL#90石田、#52佐岡、#44田頭、LB#53柏木、#85橋本、#16河合、DB#19岩城、#8藤井、#4星田がどのように対抗するかだが。

 これまで関西学院大学ディフェンスが相手に力で崩されたシーンは、京都大学戦後半、および、立命館大学後半のミドルパスドライブ、そして龍谷大学戦後半。こうして眺めてみると、いずれもパスできっかけを与えて、その後のランにも対応できなくなるというパターンであり、調子のいいテンポのある攻撃を苦手としている様子が伺える。

 そして、近畿大学オフェンスが何かのきっかけで調子に乗れば手が付けられない勢いが出てくるのは例年同様であり、関西学院大学ディフェンスといえども安泰ではない。

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 一方、関西学院大学オフェンスと近畿大学ディフェンスの攻防だが、関西学院大学オフェンスがこれまでに手詰まりになった試合と言えば、前節京都大学戦と第4節龍谷大学戦前半であり、いずれもDLLBのプレッシャーを受けて思うようにプレーをさせてもらえなかったという状況である。
 したがって近畿大学LB#5青木、#1中路、DL#99柳川がOLQBにプレッシャーをかけ続けられれば、競った展開に持ち込むことも出来よう。

 逆にもしもフロントでプレッシャーがかからないと、RB#6田中、#22横山、#28堀口、TE韓、WR#84五百川、#9福井とバックフィールド陣が縦横無尽に走り回ってしまうかもしれない。

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 近畿大学側から見れば、攻守ともに乗れば一昨年以来の勝利と入れ替え戦回避まで可能性が広がる。一方の関西学院大学から見れば、攻守で圧倒してそのまま一気に次へなだれ込みたいところだが。



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11月28日(日) 西京極陸上競技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学





同志社大学





 





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11月28日(日) 西京極陸上競技場 13:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





京都大学





 


 立命館大学はここまで5勝1敗である。1敗が第5節の関西学院大学戦黒星によるのは皆さん御存知のとおりでしょう。
 この敗戦によって一度は自力優勝がなくなったものの前節近畿大学戦勝利のあとに転がり込んできて試合結果によって、自力優勝が復活した。つまり、この試合を勝利すれば同率か単独かはともかく、関西学生3連覇達成となる。もちろん対戦相手京都大学が、簡単に勝利を譲ってくれるわけはないが。

 前節は近畿大学に35−21と2TD差だが、内容的には薄氷の勝利とも言える。もっとも若干メンバーが変わっていたことが薄氷の原因であり、この点はあまり重要ではない。
 第5節関西学院大学戦敗戦の精神的な影響を見せなかったこと、安心して試合を観ることができたことが、次(=この試合、そして、来年。もしかしたらプレーオフ)につながるという点では重要である。
 ただし、怪我人負傷者という点では第5節の激闘の跡が残っているようなので、この最終戦はそこが気がかりな点である。

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 一方の京都大学はここまでで3勝3敗という成績を残している。第3節関西大学戦黒星の影響を引きずったのか第4節同志社大学戦、第5節近畿大学戦と3連敗してしまった。
 この連敗の後に関西学院大学戦を迎えるという特殊な状況だったが、結果は皆さん御存知のとおり、力強い京都大学攻守が復活し関西学院大学を力で圧倒して勝利をもぎ取った。

 さて、京都大学にとってこの最終戦立命館大学戦は、勝利してもリーグ優勝ということには関係ないのだが、実はこの試合には、それに匹敵するような大きな記録がかかっている。

 京都大学が同一年リーグ戦で関西学院大学と立命館大学の両校から白星奪取したのは今から9年前の1995年にまでさかのぼることになる。2000年のリーグ戦でチャンスがあったが、その時は未達であり、今年は9年ぶりの関学立命連破なるかという大きな目標がある。今年の今の選手チームならば達成出来るかもしれない。

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「たられば」の話で、しかも、かなり昔の話なのだが、逆転のTDプレーが決まっていれば京都大学にも関西大学と同様他力本願ながら優勝の可能性が残っていたことになる。
 しかし、FGを選択した時点で、そのキックの成否に関係なく、優勝の可能性を放棄してしまった。
 誰が「TD狙い」ではなく「FG狙い」を決めたのかは外野が知る由もないが、この試合を戦う意味合いが大きく異なってしまう可能性は、これを執筆している現時点(11月24日AM)では、まだ残っている。

 そこまで遡って過去のことをグチグチ言うかという話だが・・・もしも、この仮定の話が現実になったとしても、まずは関学立命両校から勝利することが最初かつ必要かつ重要です。その次のことは、その次に。

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 この試合の展開としては僅差接戦になるか、立命館大学が大差勝利か。普通に考えるとこの2種類のパターンだろう。わずかだが第5節の関学立命のように両チーム点の取り合いという可能性もあるが、その時は最後に立っている側の勝利ということで。

 そして京都大学側から見ると、少なくとも立命館大学の攻撃をローススコア少数得点に押さえ込まないと苦しそう。という点に立って京都大学ディフェンスと立命館大学オフェンスの対決を考えてみたのだが。

 立命館大学オフェンスはQB#12池野、RB#23古川、#44齋藤、WR#7長谷川、#88大滝、というメンバーが前節のバックス陣容である。関西学院大学戦の前後からRB#22佃、WR#11木下など欠場しているメンバーが多い。

 つまりRBもWRも固定メンバーになってしまっており、さらに超高速キャリアが欠場となればディフェンス側も一気に対応しやすくなる。もちろん両名が出場することを想定してゲームプランを考えるのが本筋である。

 その京都大学ディフェンスDB#11廣岡、#37吉田、#22中西の第3列だが、シーズン序盤はパスディフェンスが課題という話もあったが、時間の経過とともに大きく成長し関関戦等でも十分に機能していたので、ここでも大きな問題にはならないだろう。

 ただWR#7長谷川のスピードと判断いいコース取りは要注意であり、ディフェンス第3列はパスキャッチ後のランをどの距離で止められるかが、一つのポイントになる。

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 というより、実は、もしかしたら京都大学ディフェンスDLLBが前節関西学院大学戦同様に立命館大学OLQBにプレッシャーをかけることが十分に可能ではないかと予想しているのだが。

 DL#94桂木、#99尾崎、#90市川、LB#97近藤、#10森田などのフロント陣が、QBにプレッシャーを与えてパスを投げさせない・コントロールや判断を迷わせる、ことは実現不可能ではない。

 立命館大学QB#12池野もシーズン1年間を任されて成長しているのは判る。またOLも#50佐藤、#75伊部、#58坂根などまとまってきている。しかし京都大学DLLBは関西学院大学オフェンスをシャットアウトしているように、力はある。

 したがって、もしも京都大学DLLBが立命館大学QBに手が届けば、ロースコアの競った試合になる。

 一方の立命館大学OLQB側から見ると、ここは、更なるワンステップアップための一つの執念場である。

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 さて京都大学オフェンスと立命館大学ディフェンスの攻防だが、京都大学QBが前節の後半からQB#3御澤が負傷して#19宮下に交代しており、この試合でどちらを起用するかポイントではある。

 立命館大学ディフェンスも相変わらず強力な布陣で、特にDL#99紀平を止めないとどうしようもない。逆に言えば、止まればなんとかなる。このディフェンス攻略方法の定番は、関西学院大学が仕掛けているように左右へ振り回すカウンター系のプレーが有効である。
 したがって、京都大学もサイドへのパスからのランという組み立て方が増えるかもしれない。パスターゲットはWR#82鋤崎、#34飯田、TE#89東。さらに、OL#52表、#66椿、#56中野とRB#33池上、#38奥原によるランプレーだが正面真っ向勝負はさすがに苦しいが、何らかの工夫があるはず。

 京都大学オフェンスは時間消費しつつのオフェンスドライブが理想的で、そして、自陣でのファンブルロストやパスインターセプトだけは避けてほしい。

 京都大学の立命館大学戦無TD記録は2001年の試合から続いている。2002年にはFG3点をあげているので、たいした記録ではないのだが、立命館大学ショットガンの派手さと比較すると自虐的に見えてしまうかもしれない。しかし、派手さを追及するのが一番ではなく、実を取ることが最大目標。

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 立命館大学はどこを見ているか。世間はプレーオフモードに入っているようにも思えるが、本当に次があるのか。
 対する京都大学は優勝の可能性がないとは言え、今年のチームの集大成には絶好の対戦カードであり、関西学院大学に勝利してチームの雰囲気は絶好調のはず。

 今年の関西学生DIV1の白黒入り乱れた状況を見れば、改めて戦前から結果が予想できる試合はないということを思い知らされる。そしてこの試合も例外ではない。



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