関西学生アメリカンフットボール Div.1 第5節



10月30日(土) 長居球技場 11:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
同志社大学 0 0 10 0 10 1-4-0
龍谷大学 0 6 6 20 32 2-3-0
(現地観戦)
 
同志社大学
龍谷大学
1Q
FL
1Q
2Q TD
FG×
2Q END
3Q
TD
FG
3Q TD
4Q
RTD
TD
G×
G×
4Q TD
(作者Aのメモより)
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10月30日(土) 長居球技場 13:40
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
京都大学 0 10 7 0 17 2-3-0
近畿大学 0 10 7 3 20 2-3-0
(現地観戦)
 
京都大学
近畿大学
1Q FL
P× 1Q
2Q FG
FG
TD
TD
2Q END
FL 3Q
TD
3Q TD
4Q
FG
FG×
4Q END
(作者Aのメモより)
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 先攻近畿大学はQB#10岡、#12春日井併用のオフェンスでRBにはRB#20山上とRB#39尾下を配置、第1シリーズは自陣28ヤード付近からQB#10岡キープで左オープンから縦へカットインして22ヤード、さらにRB#20山上へのハンドオフをフェイクとしたプレーアクションパスWR#6長谷川への10ヤードなどで敵陣へ侵攻する。だがその第2D中央突破ラン中にファンブルロストとなって第1シリーズが終わった。

 続く第2シリーズは自陣11ヤードスタート。第1プレーのRB#20キャリーは2ヤードで止まったが、第2D右WR#82鋤崎への7ヤードクイックパスが決まると、その後はランパスとも警戒せざるを得なくなった京都大学ディフェンスが後手を踏む形になって、徐々に両方ともゲインできるようになる。
 RB#39尾下の左OT11ヤード、RB#25冨尾の右オープン8ヤード、UB#40中東の中央突破4ヤードと近畿大学オフェンスが振り回して瞬く間にフィールド中央に到達した。
 このシリーズも最終的には京都大学DL#90市川のQBオプションキープにノーゲインタックルなどで無得点に終わっているが、京都大学ディフェンスはスピードに追い付くのがギリギリという状況だった。

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 対する京都大学オフェンスはQB#3御澤の後ろにRB3人を配置(フレックス隊形よりはTBが下がっていて両HB間の距離が狭い:IとTの両方)したが最初の2シリーズは、RB#33池上のランプレーに対してLB#1中路、DB#5青木に徹底的にマークされてしまって中央オープンともノーゲイン、FD更新なくパントとなる。

 こうしてパントの蹴り合いが続くのだが、京都大学2回目のパント時に試合が動いた。
 スナップボールを完全にはキャッチできなかったパンターは蹴り出すことが出来なかった。この地点で攻撃権が交代、近畿大学が敵陣24ヤードからのオフェンススタートという得点機を迎えた。

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 ここで近畿大学が挑んだ真っ向勝負中央突破ランプレーには京都大学ディフェンスDL#94桂木、#90市川、LB#10森田、#97近藤がほぼ完璧に対応していた。

 ただし、左右に振るプレーとパスが混ざると途端に情勢が変わる。左方向へのランフェイクを入れた右TEへのプレーアクションパスが#4橋本へ10ヤード、コーナーパスにディフェンスホールディングなどが重なってエンドゾーン前7ヤードに到達する。ここは京都大学ランディフェンスが冴えてFG3点にとどまった。

 先行されてしまった京都大学だが、#25森田によるキックオフリターン30ヤードのビッグゲインをきっかけにして得点ドライブを行った。
 フィールド中央でオフェンススタートととなると、この日初めてのWR#34飯田への左外クイックパス。これが10ヤードヒットしたことで、続くRB#33池上、RB#38奥原の中央ランも各15ヤード(計30ヤード)で敵陣10ヤードに到達する。
 こちらもランパスでディフェンス攻略できるのだが、勢いもここまで。QBキープをDLに押し込まれ、プレーアクションパスも僅かに失敗、そして同点FGへとつなげた。

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 こうして両チームともディフェンスが対応できていない状況は時間が経過しても変わらず、近畿大学オフェンスQB#12春日井と#10岡によるランパス交互の組み立てとスピードキャリアに対して京都大学ディフェンスは追い付くのが精一杯、中央突破の正面衝突だけは京都大学DLLBに軍配が上がるがその他は近畿大学オフェンス優位が続く。

 一方の京都大学はビッグリターン等でフィールドポジションを獲得、さらにシリーズ最初のほうでパスをヒットさせるとそれに続くランプレーがビッグゲインと近畿大学LBDBコンビネーションの隙間を突く。

 この攻守力関係によって、近畿大学が第2Q中盤に約5分間に亘る83ヤードロングドライブをRB#39尾下、TE#4橋本、WR#6長谷川のスピードを生かしたミドルゲインを繰り返してTDにつなげた。

 続く京都大学も#33池上のリターン25ヤードで始まったフィールド中央の攻撃を、WR#82鋤崎へのショットガン11ヤードパス+QB#3御澤キープ16ヤード+WR#82鋤崎TDパス12ヤードの4プレー約40秒間の速攻TDドライブを披露、結局前半は10−10の同点でハーフタイムを迎えることになった。

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 後半は先攻の京都大学が立上りの隙を突いたかRB#33池上、#38奥原、そして#35木戸の中央付近のランプレーが突如前進するようになる。さらにTE#31中村へのプレーアクションパスも加わって自陣26ヤードからエンゾーン前12ヤードまでのロングドライブとなったが、最後はファンブルロストとなってしまった。

 京都大学が追加点を挙げたのはその次のシリーズだった。近畿大学パントが飛ばなかったこともあって、敵陣35ヤード付近スタートとなる。  ここで左右2名ずつ計4名のレシーバーを配したショットガンフォーメーション、そしてQB#3御澤の決め打ちスクランブルランだった。ディフェンスが広がっていたこともあって中央突破26ヤードのロングゲイン、最後はRB#35木戸の中央突破でエンドゾーンへ飛び込んだ。

 対する近畿大学もスピードで捲くったリバース30ヤード、QB#12春日井オープンキープ28ヤード、そして中央ランフェイクのプレーアクション右コーナーTE#4橋本へのTDパスで速攻同点TDを奪う。

 近畿大学オフェンススピードが京都大学ディフェンスをかき回し、京都大学パスに近畿大学が振られるという構図は変わらないのだが、徐々に近畿大学のドライブが続くようになっていた。
 ただ近畿大学もオフェンスプレー途中に中央ランを組み込むので京都大学DL#94桂木などのタックルでドライブがとまり、一方京都大学側もQBスクランブルによる軽度の負傷やパス失敗などでドライブがつながらない。

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 17−17の同点のまま時間だけが流れて、第4Qも残り5分少々となった。フィールド中央付近から始まった近畿大学の攻撃もタイムアウトがない上に、ボールキャリアが外へ出ないので時計が止まらない。  ただし、WR#91前田のパス7ヤードやRB#25冨尾のスピードラン11ヤード、WR#82三谷のパスなどで前進はしていた。京都大学側にはタイムアウトが残っていたのだが行使するタイミングが掴めないのか、お互いが時間を流すままだった。

 そして近畿大学は敵陣11ヤードでFDを獲得。しかし、ここから3連続中央突破ランを試みた。ここまで進んできたパスやオープンランではなく、この日で最も止められているプレーなのだが。第3Dランでゲインできず第4Dを迎える段階で残り時間は38秒。

 近畿大学は第4DでFGとするのかFD更新を狙うのか。

 ここで京都大学が2回目のタイムアウトを行使して時計を止めた。

 近畿大学はFGトライの準備、そして勝ち越しのFGを決めた。

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 京都大学自陣25ヤード、残り時間28秒。QB#3御澤からWR#82鋤崎へのプレアクションロングパスがヒットした。

 残り時間7秒。敵陣12ヤード。

 TDプレーを狙うか、早いプレーで少し前進して最後のタイムアウトからFGを狙うか。それともプレーで時間が残らないことを危惧して、ここでFGを狙うか。

 FGで同点引き分けを狙うか、TDで逆転白星を狙うか。

 いろいろな場合分けがあり、どれを採用するか。そして京都大学は「FGによる3点獲得」を選択したのだが、同点にはならなかった。





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10月31日(日) 神戸総合運動公園陸上競技場 11:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西大学014714353-2-0
神戸大学300031-4-0
(現地観戦)
 
関西大学
神戸大学
1Q FG
FG× 1Q
2Q
TD
TD
END 2Q
3Q
TD 3Q
4Q FG×
TD
TD
FG×
4Q
(作者Aのメモより)
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10月31日(日) 神戸総合運動公園陸上競技場 14:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学07147284-1-0
関西学院大学014106305-0-0
(現地観戦)
 
立命館大学
関西学院大学
1Q
FG× 1Q
2Q
TD
TD
TD
END 2Q
3Q FG
TD
RFL
TD
TD
3Q FL
4Q
TD
TD
FL
FG× 4Q
(作者Aのメモより)
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 2004年関西学生DIV1リーグ戦注目の一戦は、小雨が降る中で試合時間2時間40分を超える大激戦となった。

 試合結果の得点数値だけを見れば両チームとも4TDでFGの差ということになるのだが、それだけで表現できるような簡単なものではない。全シリーズの結果を示してもそのすごさは伝わらないのだが、別表および以下のとおりである。

 関西学院大学は、4TD・1FG成功・2FL・1インターセプト・2パント、そして、PATキック失敗と2ポイント1成功1失敗。

 立命館大学も、4TD・2FG失敗・1FL・1インターセプト・2パント。


 両チーム選手の魂の入ったプレーの連続はもちろんのこと、今シーズンこれまでの試合ではほとんど出場していなかった選手が要所でスーパーキャッチを見せたり渾身のタックルを浴びせるという状況で、さらに、驚くような選手起用やプレー毎のメンバー大量入れ替えなど、まさに両チーム総力戦が繰り広げられた。

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 コイントスによって選択権を得た立命館大学が前半レシーブを選択して試合が始まる。その立命館大学リターンでは#23古川がキャッチして#7長谷川へリバースピッチ。しかし、関西学院大学もこれにしっかりと反応して渾身のタックルを浴びせた。
 ここでボールファンブルかと両チーム入り乱れるシーンがあったが、ボールデッド後という判定。最初から波乱が??という一瞬の驚きも静まって、いつもの立命館大学オフェンスがスタートする。はずだった。

 立命館大学自陣18ヤード付近。ショットガンオフェンスだったが、セットしたQBが#11木下だった。サプライズ効果抜群の起用で、さらにその第1プレーが#11木下QBキープ中央突破ラン。持ち前のスピードを生かして11ヤード前進する。

 だが、サプライズ起用その2のTE#99紀平へのパスが合わず、また、DLのサックを受けて第1シリーズはパントによる攻撃権放棄となった。

 立命館大学オフェンス第2シリーズではQB#12池野が登場、そしてRB#23古川、RB#21岸野への横パスからのラン、QB#12池野キープ、さらにQB#11木下キープなど、立命館大学のスピードを生かしたプレーが続く。
 ダウンフィールドブロックによってDBLBを2人カットしたところへのオープンランなど、練られたプレーの連続で自陣13ヤードから敵陣17ヤードまでの5FD更新ロングドライブとなった。
 これに関西学院大学LB#16河合の2連続、さらにDB#4星田のロスゲインタックルもあって立命館大学はFGトライとなるが、これが失敗に終わる。

 だが立命館大学のスピードに乗ったランパスと、ダウンフィールドブロックでDBLBを2人処理されてしまうオフェンス組立に対して関西学院大学ディフェンスはロングゲインを防ぐのがやっとという状況に陥っていた。
 立命館大学攻撃は、インターセプト後の第3シリーズで、QB#12池野のキープとWR#11木下のパス後のランなどでフィールド中央から敵陣6ヤードへ。さらにTE#91高橋へのパスとRB#44齋藤ランによってエンドゾーンに到達した。

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 関西学院大学オフェンスは第1シリーズFD更新なし、第2シリーズもRB#6田中のランがゲインするが、直後のインターセプトで流れを奪われてしまっている。

 立命館大学はこのインターセプト後のドライブを上記したようにTDへとつなげており、FGトライドライブを加えると、第2Q中盤までで得点上は7点差だが、それ以上に立命館大学優勢という感触があった。

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 ここで、関西学院大学オフェンスが動いた。それまではRB#6田中などのハンドオフからのランプレーだったが、QB#14河野のキープが加わった。おそらくキーププレーが加わったことと関係するのだろうか(スタミナ温存??怪我対策??)、QB#10出原との交互起用になっていく。
 こうしてボールキャリアを増やした関西学院大学が自陣から4FD更新のロングドライブによって敵陣1ヤードでのFD。
 この1ヤードを拒む立命館大学ディフェンスに手を焼いたが、第3DでQB#10出原のスニークによる押し込みでTDをあげた。
 しかしPATキックが外れてしまい、獲得得点は6点のみ。立命館大学が1点だがリードを保っていた。

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 続く立命館大学はQBに再び#11木下を起用したが、ここでFD更新に至らずにパントとなってしまう。

 関西学院大学PAT失敗後だったので、立命館大学が試合の流れを引き寄せる絶好のチャンスシーンだったのだが。結果論だが、ここで立命館大学オフェンスが簡単にパントによる攻撃権放棄となったことが、前半のポイントになった。

********

 さて、立命館大学前半のQBは、#12池野と#11木下の併用となっている。なぜQB木下なのだろうか。

 第1シリーズでの起用はQB#11木下、TE#99紀平というサプライズ効果を十分に果たした。だが、その後も続くことは、もしかしたら必要に迫られてせざるを得なくなったのかもしれない。
 この日のランキャリアを詳細に見ると、RB#22佃のキャリーがなかったかもしれない。RB#21岸野もパスターゲット1回(私のメモより)のみでランナーとしての活躍シーンが無く、つまり、スピード系ランナーが不在だった。そこで、スピードを有し大産大附属高校時代にQB実績がある#11木下が、スピードランナーとしてQBに起用された。というのではないだろうか。

 なお#11木下をQBに配したことによってレシーバー不足となるはずだったが、WR#88大滝、#6前田がしっかりとその役割を果たし、さらに、試合後半になるにつれてQB#12池野とのコンビネーションも嵌っていく。結果としてパスターゲットが増えたことに等しかった。

********

 第2Q最後の関西学院大学オフェンスは、残り時間2分39秒自陣9ヤードからのスタートという距離と時間にも関係しているのか、この日初めての本格的なパスシリーズとなった。右ロール右WR#81多田15ヤード、右ロールランフェイク動作を入れてディフェンスを釣りガラ空きとなった左コーナーWR#81多田へ22ヤードパスにより、フィールド中央に到達する。

 続く第1DのミドルパスはDBカバー。第2Dは先と同じ右フェイク左コーナーパスだったが距離が合わず。その第3Dは右縦ロング。DB裏を抜いたWR#9福井へ約47ヤード飛距離のTDパスがヒット、第2Q残り51秒で逆転のTDとなった。

 QB#14河野がショットガンでスナップを受けた後に右方向へロールしてからパスを投じるので、ディフェンス側から見るとQBスクランブルと区別しにくいのであろう、パスを投じる瞬間のディフェンスプレッシャーがほとんどかからない。このシリーズ中でプレッシャーを受けたのは1回あったが、投げ捨てる余裕があった。

 ここで関西学院大学はタイムアウトを要求し、先のPATキック失敗分を取り戻すべく2ポイントPATを準備した。そして決めたプレーは、先と同じく「QB右オープンロールして逆サイドへのパス」だった。左コーナーでフリーだったTE#69東井へヒットして2点を追加、「一般的」な7点差とした。

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 立命館大学ディフェンス陣がカウンター系のプレーで大きくゲインされるというのは過去に何回もあったが、今年はQB#14河野が持って走れるのでその逆サイドのパス効果は抜群だった。
 ただし関西学院大学オフェンスが確実にドライブできるのはこのパスとQB#14河野のスクランブルのみ。特にQBスクランブルには立命館大学も鋭いタックルを浴びせるので、プレー終了後の立ち上がる時間が少しずつ長くなっていくのが痛々しかった。

 立命館大学オフェンスは前半だけだがQB#12池野#11木下併用が続いた。実際にプレーにどこまで影響したかは不明だが、両名で「身体のつくり」が違った。第1シリーズのサプライズ効果はあったが、スピードランナーとしてHB位置においてダイレクトスナップも面白い。

 第2Q、関西学院大学逆転後の残り44秒自陣スタートのシリーズで、ミドルパスロングパスの失敗が多かった。それも惜しい失敗ではなく、明らかな失敗パスだった。

 もしも試合終盤で立命館大学追い上げのシチュエーションになった時に、「ミドルレンジ以上のパスは使えそうもない、投げ散らかしてパス失敗の連続」というストーリーが、この瞬間に脳裏を過ぎった。

 このことがあってハーフタイムでは後半の試合展開について私的に少し冷めたところもあったのだが、杞憂に終わった。

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 後半。関西学院大学先攻QB#10出原スタート、パスをつなげて敵陣へ。LB#4河村などでFGに終わるが10点差。

 これに対して立命館大学は自陣20ヤードから中央ランで自陣39ヤード。この第1Dで右縦ロングパスがDBを抜いたWR#6前田にジャストのパスが飛んだ。パス30ヤード+ラン30ヤードの計60ヤードTDパスとなって立命館大学が3点差に詰めるが。

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 続く関西学院大学オフェンスはFD更新なくパントだったがここでリターナーが雨に濡れた芝に滑ったのかファンブルロスト。そして関西学院大学の攻撃が続くと、右オープンの左コーナーパスでエンドゾーン前1ヤード。これをTDにつなげた。

 そして立命館大学はQB#12池野→RB#21岸野→WR#11木下への右縦パスが再びロングTDパスとなって3点差に詰める。

 この間に関西学院大学はDL#52佐岡、#90石田などが負傷、立命館大学もLB#9塚田何度が入退場を繰り返す激闘となった。

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 この後、関西学院大学WR#84五百川へパス連続ヒットの2本目を立命館大学DB#13三宅のかき出し+LB#45北仲ファンブル奪取すれば、立命館大学QB#12池野のミドルパスをDB#8渡辺がインターセプトと、両チームターンオーバーの連続で第4Q得点差は3点のまま、時間が経過していく。

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 第4Q残り9分59秒関西学院大学オフェンススタート地点は自陣3ヤード。関西学院大学オフェンスはノーハドルだが25秒計ギリギリまでスタートせず。そしてランプレーでもパスプレーでも絶対にフィールド外へボールを持ち出さない。距離を稼ぐよりも時計を回すために再度ライン際でキャリア自らがニーダウンしつつもロングドライブがつながったのが圧巻、これで13プレー経過して関西学院大学がタイムアウトを要求したのは敵陣23ヤード地点、残り時間3分05秒だった。

 このタイムアウトは第3Dで7ヤードを残したので時計を回すプレーにするか、FD更新のためにパスを投じるのか、失敗したときにFGを確実に蹴るためのプレーの選択だったと考えられる。
 しかし、QB#14河野はプレーアクションから左コーナーWR#84五百川へパスを投じる。DBと交錯しつつボールをキャッチしたところはエンド前2ヤード。体を倒してTD。残り時間2分55秒。

 関西学院大学はここのPATについてもタイムアウトを行使してプレーを練った。
 PAT前の段階で30−21。2ポイントを決めれば11点差になる。これは立命館大学に2TDを要求することになる。
 PAT1点では10点差になってしまい、TD+FGで同点の可能性を考えたのだろう、ここで勝負に出た。

 QB#14河野から右コーナーへのパス。レシーバー#81多田がキャッチはしたがフィールド外だった。

 得点差は9点。立命館大学1TD1FGで逆転という状況になった。残り時間2分55秒。

 そして立命館大学オフェンスはQB#12池野からWR#6前田、#88大滝へミドルパスが連続ヒットした。関西学院大学側から見れば一発で取られなければいいのだが、しかし立命館大学パスによるゲインが時間の流れを上回った。
 結局、QB#12池野が5本のパスをつないでTDドライブを演出、さらにキックPATを決めて2点差。残り時間1分10秒。

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 次のキックオフで立命館大学がオンサイドキックを決めれば、フィールド中央付近からのオフェンススタートとなり、QB#12池野のパスならばFGレンジへの侵入だけではなくTDも十分に可能性があった。

 しかし、このオンサイドキックを関西学院大学がボールを確保すれば、ニーダウンの連続で時計を回し続けてタイムアップというストーリーである。

 そして立命館大学のキックオフ。

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 ボールを確保したのは関西学院大学だった。さらにキックオフの前後で立命館大学に3個の反則が連続してしまった。交代違反+エンクロ+パーソナル計25ヤードの後退があった。

 関西学院大学敵陣25ヤードスタート。残り時間1分10秒。得点差は2点。したがってオフェンスはニーダウンではなく、攻めた。QBスクランブル。10ヤード以上ゲインしたが、DB#17黒田のタックルでファンブルロスト。

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 立命館大学に再び逆転の芽が生まれた。ただし残り時間1分03秒。自陣20ヤード。得点差は2点なのでFGレンジへ入ってFGを決めることが目標。

 そしてQB#12池野の迷いのないパスがWR#6前田、#88大滝へヒットした。このシチュエーションでは距離を稼ぐことと同等以上に時間を消費しないこと・時計を止めることが重要だったがQBはボールを持ち過ぎず、ターゲットを探す/投げ捨ての判断が冴えた。パスコースもサイドライン際を狙ってキャッチ後に時計を止める。

 関西学院大学にパスインターフェアの反則もあって立命館大学陣41ヤード地点で残り23秒。左WR#88大滝へのパス14ヤードで敵陣46ヤードに侵入した。

 残り15秒。右ミドル失敗。

 残り10秒。左サイドライン際WR#88大滝へ12ヤードパス。そして時計を止めるべく外へ。そして残り3秒。

 ホルダー敵陣40ヤード、飛距離51ヤードのFGキックは、コースは完璧だったがゴールポストに届かなかった。






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