関西学生アメリカンフットボール Div.1 第1節



09月03日(金) 尼崎陸上競技場 18:30
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





関西大学





 


 2004年シーズンがスタートする。その開幕戦で対決するのは関西学院大学と関西大学である。昨年のこの対戦では関西大学が勝利し、DIV1復帰初年度にして同率3位Aクラス入りを達成するきっかけになった。一方の関西学院大学は早くも優勝戦線から一歩後退するという昨年リーグ戦のキーとなる試合であった。

 その関西学院大学も今春の関関戦では41−12で圧勝しているが、やはりリーグ戦本割で借りを返したいところだろう。一方の関西大学も約2ヵ月半後の再戦で再びの大敗は避けたいところである。チームの面子をかけた一戦は、波乱が予想される今年の関西学生リーグ戦開幕戦にふさわしいカードである。

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 関西学院大学・関西大学のオフェンス・ディフェンスの特徴および選手についてはシーズン展望を参考にしていただくとして、この試合の見所となりそうなところを、いくつか挙げておく。

 まず、関西大学オフェンスと関西学院大学ディフェンス対決では、RB松田・鎌倉・WR等スピード系のオフェンスが、完成度の高いディフェンスをどのように攻略していくかがポイントである。

 関西大学OL陣は100kgを超える大型メンバーが揃っているので、関西学院大学DL陣をコントロールすることができれば、中央をスピードで走り抜けるランプレーでゲインできる。一瞬だけでもホールが開けばいいので、この重量級ラインがどこまで通用するか期待したい。

 さらにQBの早いボール回し=ロングピッチによって、左右オープンへ大きく振り回すランプレーがある。ファンブルロストの危険も伴うが、プレー精度が高ければDLLB陣の追及をかわすことができる。さらに、WR陣がDB陣をしっかりとブロックすれば、RBの持ち味であるスピードを生かして一気に捲り上げるロングゲインもできよう。

 WRへのサイドパスもロングピッチ同様の効果があるが、これら横の動きを繰り返している途中で入れるTEへの縦パスはディフェンス攻略効果が大きい。

 WRのりバースのようなトリッキーなプレーも面白いが、スクリメージ後方でボールを回しているだけでは、関西学院大学CBも上がりのスピードが速いので、詰め寄られてロスしてしまう可能性が高そうだ。

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 ところで関西大学攻撃で忘れてはならないのが、快速リターナー#17大谷の存在である。一方で関西学院大学スペシャルチームのカバーリングも絶品であり、この攻防も面白い。春の関関戦では関西学院大学がほぼパーフェクトに抑えていたが、1回だけロングリターンがあった。関西大学はこのチャンスをFGの3点につなげている。
 つまり、1個のタックルミスで試合の流れを変えることができる。この試合でも関西大学がビッグリターンを最低でも3点、できればTDで加点していくことができれば面白い。


 以上、今年の関西大学オフェンス陣容から予想できる攻撃スタイルをいくつか列挙してみたが、実際にどのような方法で関西学院大学を攻略しようとするのだろう。関関戦のリベンジのための準備ということもあるが、しかし、この試合に限ったことではない。今年の関西大学オフェンスの攻撃スタイルとして何を準備してきたのか、それを見たい。

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 一方の関西学院大学オフェンスは、やはりショットガンを採用してくることだろう。レシーバーを3人あるいは4人配置したショート〜ミドルレンジのパスでは、DBを惑わす巧妙なクロスパターンなど関西学院大学得意のいやらしいプレーを仕掛けてくるのは間違いない。途中にRB#6田中などのランプレーが含まれるだろうが、生命線は、やはり、パスである。
 したがって関西大学DB陣LB陣とレシーバーの攻防、ここが最初の見所となる。特にWRとDBの対決では、そのコース取りを見ると面白いだろう。

 ポイントその2は、QBOLとDLLB陣の攻防、つまり、QBにパスを投じる余裕があるか/ないか、である。関西大学側から見れば、DL陣などが最短コースでQBにプレッシャーを与え、DB陣はレシーバーをフリーにしないことが必要である。逆に関西学院大学側から見ればOLの安定度と、QBの冷静な判断と正確なパスコントロールというところになる。

 今年の春の関西学院大学オフェンスの一つの課題は、オフェンス全体の好調不調の波が大きいことだった。またロースコアの試合展開というのが関西大学にとって必要不可欠である。
 したがって、この試合を大きく左右するポイントは関西大学ディフェンス陣が関西学院大学のパスをとめられるか否か。DLLBのプレッシャーとDB陣のパスカバーによってある程度抑えることができれば、大量失点/大量得点の試合にはならないだろう。

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 この試合は関西大学にとって理想的な展開は、春の大差敗退のギャップを解消して接戦に持ち込むことが最低条件、白星ゲットまで辿り着けば今シーズンも上位進出の芽が出てくる。

 対する関西学院大学にとって理想的は試合展開は、春関関戦同様の圧勝である。これで初めて覇権奪回のスタートラインに立つことができる。

 リーグ戦に負けていい試合など存在しない。2004年シーズンが始まります。






09月04日(土) 尼崎陸上競技場 18:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





同志社大学





 


 今年も開幕節から面白いカードが目白押しである。この試合も両チーム力が均衡していてタイムアップまでどちらが勝利できるか全く予想できない際どい試合になりそうである。チーム関係者に対しては本当に申し訳ないのだが、一観戦者としてこのカードを見ると、いろいろと興味の沸くポイントの多い試合である。

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 近畿大学・同志社大学ともリーグ戦中位から上位を狙える進出できる素地は十分に持っている。しかし、毎年あと一歩のところで成し得ていないのが現状である。乗り越えられそうで乗り越えられないもどかしさを毎年のように感じてしまう。

 今年も両チームともその可能性を秘めているのだが、そのチームが対戦となり、どちらのチームにとっても勝利したい重要な試合である。どちらかが白星になるのだが、その反対にどちらかは黒星になる。今年は黒星になったチームが、そこから一気に大崩してしまいそうな危うさがあり、私個人的にはこの試合は引き分けにして結果を先送りしたいところなのですが。

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 両チームオフェンスディフェンスの今年の特徴傾向はシーズン展望を参考にしていただくが、簡単に特徴を示すと。近畿大学オフェンスはショートゲインを積み重ねたロングドライブを身上とし、同志社大学オフェンスは一発ビッグゲインを出すための捨てプレーをいかに組み込むかがポイントのチームである。

 またディフェンスは、春の時点でほぼ全てのポジションに名の上がる選手が揃った近畿大学のほうが同志社大学に比べて完成度が高く感じられた。だがこれは春の試合数(私の観戦数)に依存するところが大きく、あまり参考にならない。

 このように両チーム攻守の特徴傾向が少し異なるので、試合的にはいろいろなパターンが楽しめる試合になるだろう。また、昨年の同志社大学は春と秋とで全く異なったチームになっていてリーグ戦近畿大学戦を0−7という接戦になっている。今年のこの試合も力関係は互角と考えていいだろう。

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 試合の見所は、上記した両チーム得意のオフェンスパターンが出るか否か、というところである。

 同志社大学オフェンスについてもう少し詳細に示すと、一気ロングゲインできるボールキャリアはRB#1永富とWR#19久世である。もちろん全プレーでこの両名を起用するようなことはなく、他のランパスボールキャリアのプレーを織り込むことになる。そしてポイントは、これらのボールキャリアでのプレーがある程度ゲインすることが、一気ゲインできるプレーヤーのマークを甘くすることにつながる。そのためにもOL#71杉岡などのラインの活躍には注目である。
 苦し紛れに#1永富や#19久世を多用すると、当然相手のマークが厳しくなってしまい、それではロングゲインなど望めなくなる。

 これに対する近畿大学ディフェンスは、春の時点でDB#5青木中心のスタイルが形になっていたが、この試合ではひとつのタックルミスも試合結果を左右する致命傷になりかねない。精度の要求される場面で一発でタックルを決められるか、特にLBDB陣の動きに注目しておきたい。

 ところでこの一気ゲインできるプレーとしては、キックリターンやパントリターンもある。私はオフェンスプレーよりも、リターンでのビッグゲイン・距離を稼ぐ可能性が高く、何回かこのようなシチュエーションが現れるのではないかと思っている。

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 近畿大学オフェンスにも、一発ロングゲインできるパワーランナー#23吉田・スピードランナー#7樋口と揃っている。だが、春の試合を観戦した限りでは、やはりショート〜ミドルゲインを繰り返したロングドライブというスタイルになりそうだ。

 これに対する同志社大学ディフェンスは春の時点で見るべきところが少なすぎたが、ひと夏を超えてどこまでスケールアップしたのか、これが勝負を分ける一つのポイントではある。

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 この試合は、春の試合内容のみで考えると近畿大学優勢だが、チームの潜在能力は五分である。どちらが白星黒星になってもおかしくはない。その力を具体的に発揮できればロースコアでの接戦になるが、春夏をどのように使ったかによっては思わぬ大差になる可能性も秘めている。

 9月初秋の夕刻、両チーム秋シーズンの開幕戦。曇り空になりそうですが、尼崎で生観戦しましょう。





09月05日(日) 尼崎陸上競技場 18:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





神戸大学





 


 この試合も開幕節注目の試合であり、昨年も同じく開幕節で激突したカードだった。第4Q途中まで神戸大学がリードしていて、あわやの雰囲気が宝が池球技場に漂い始めたころに京都大学が逆転してそのまま逃げ切ったという大接戦を演じている。このように京都大学と神戸大学の対戦は毎年接戦になる際どい試合になるのだが、おそらく今年も試合終盤まで勝利の行く末が読めない試合になるだろう。

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 神戸大学オフェンスはQB#10江端中心によるラン主体の組み立てになりそうだ。OLは昨年の中心メンバーが抜けた穴が完全に埋まっているのが何よりも頼もしい。そしてRBはUBに#2井ノ上、TBにはスピードのある#32森とマルチタイプの#29中桐、#1中井と揃っている。QBのオプションプレーも春から冴え渡っていたので、得意のランオフェンスを繰り広げるのに十分な陣容である。

 対する京都大学ディフェンスは、DLは#93福江、#94桂木、#90市川と充実そしてLBにも近藤など重量級経験豊富なメンバーが多い。だが、LBDB陣は若手経験の少ないメンバーに頼らざるを得ない陣容であり、ここが今年の京都大学のウイークポイントである。

 したがって、神戸大学オフェンスと京都大学ディフェンスの対決はOLとDLの攻防が最重要ポイントであり、もしもDLがコントロールされてしまうようであれば、経験不足のバックスに神戸大学ラン攻撃を止めるのは至難である。
 逆に神戸大学OLが京都大学に押し込まれるようであれば、春の段階で神戸大学にパス攻撃が少なかったこともあってオフェンス全体が途端に手詰まりになることも考えられる。

 つまり、この神戸大学OLと京都大学DLの力関係結果が試合の結果を大きく左右するポイントになるのは間違いない。

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 一方の京都大学オフェンスの今年の大きな特徴は、UBに#31中村をディフェンスからコンバートして起用することである。TB#31池上の中央突破ランでゲインするためにもUB中村の存在は大きい。ただ春のNEWERAでの負傷から完全に立ち直っただろうか。気懸かりなところである。
 なお、オフェンススタイルはディフェンス負担軽減のためにも時間消費しやすいラン主体にならざるを得ず、快速ランナー#31池上などRB陣の活躍は必須である。OLは#70近藤、#52表、#66椿など経験のある大型選手が揃っているので、押し負けることはないだろう。

 これに対する神戸大学ディフェンス陣はDL#73池渕、#57中西、LB#5清水、DB#21松田、#25矢野川等要所にアスリートが揃っている。ただ開幕時点でシステムとしてどこまで完成しているのかは未知である。

 この京都大学オフェンスと神戸大学ディフェンスの力関係だけは春に1試合しか観戦していないことと負傷者の存在もあって、この試合に向けてどのような成長カーブを描いているのか全く予測できない。

 ただし一般論として一つあげておくと。オフェンスとディフェンスでは、ディフェンスを整備するほうが先に完成すると言われる。これは「オフェンス:組み立て」には緻密な作業が必要だが、「ディフェンス:破壊」は文字通りつぶせば良いだけというところに由来している。かなり以前に聞いたことで、今の時代にも通用するのかは不明、こじつけかなり強引だが、秋初戦なので・・・。

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 昨年は真夏の炎天下で行われ熱中症の発生という過酷な試合となった。その試合か一つのきっかけとなって、開幕節4試合が全てナイター開催になっている。今年は小雨になる可能性はありそうだが、天候に邪魔されることなく両チーム真価の問われる試合になりそうだ。







09月11日(土) BKC:立命館大学びわこ草津キャンパス 18:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





龍谷大学





 






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