関西学生アメリカンフットボール Div.1 第1節



09月03日(金) 尼崎陸上競技場 18:30
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学137143371-0-0
関西大学28714310-1-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
関西大学
TD 1Q
TD I/2
1Q
2Q
TD
TD
END 2Q
3Q
TD
RTD
TD
3Q
FL 4Q
FG
RTD
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細チャート


 コイントスで関西学院大学前半レシーブを選択、そして、試合が始まった。

 関西学院大学自陣20ヤードからのオフェンスは、QB#14河野によるショットだったが関西大学ディフェンスの勢いがよく、なかなか思い通りにはプレーをさせてもらえない。第1プレーRB#6田中による右オープンではLB#5騎馬にロスタックルを見舞われ、QBキープにはLB#6野口に寄られて4ヤードに止まる。
 また、DLLBがOLをかいくぐってQBと1対1になるシーンが続出、オフェンスとしては意図したプレーが全くできていなくディフェンス優位の状態だった。

 しかし、この状態でも関西学院大学のドライブが続いた。QBとDLLBが1対1で向き合ってからQBが開いた空間へすり抜けてゲイン、第1シリーズだけでも3回あった。ディフェンスとしては完全に止めているのだが、QBの判断をほめるべきなのだろう。
 さらにRB#28堀口のカウンターラン・スピードランとQBスクランブルで4回連続のFD更新、最後は右WR#81多田への15ヤードクロスパスでTDとなった。

 続く関西大学オフェンスは自陣35ヤード付近からQB#8碇によるフレックスボーンルックのWRモーションセット。しかし、いきなりフォルススタート罰退と左ロングピッチをファンブル(リカバー)15ヤードロスと大きく後退してしまう。さらにその第3D、左ミドルパスはショートしたところを関西学院大学DB#8渡辺にインターセプトされてしまい、そのままリターンTDとなった。

 しかし、このポイントアフターTD(PAT)で関西学院大学はキックで1点を追加しようとしたが、そのスナップボールをホールドできずにファンブル、そして転がっているボールを関西大学#11高橋が拾い上げるとそのまま反対側エンドゾーンまで走り切った。

 第1Q約7分経過時点で関西学院大学2TDリード、早くも一方的な試合になりそうな予兆がしたきたのだが、これで関西大学の得点は2点、一方の関西学院大学TD得点6点なので、差し引き4点の差が広がったに過ぎないことになる。なお、珍しいプレーなのだが、春の関関戦でも関西大学はこれで得点している。

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 さらに関西学院大学オフェンスは、次のシリーズもショットガン体型からQBキープ、RB#28堀口、横山によるラン主体のドライブを繰り返して、関西大学ディフェンスを完全にコントロール、第1Q終了時点で敵陣10ヤードと追加点のチャンスを得た。

 しかし、残り10ヤードとなるとさすがにディフェンスの壁も厚く、ランプレーも3ヤード4ヤードにとまってしまった。その第3D、左クイックパスを関西大学DB#23長谷川がWRの前に入って狙ったインターセプト、そのままフィールド中央付近まで戻すとともに、試合の流れが微妙に変わっていく。

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 自陣46ヤード、関西大学QB#8碇によるオフェンスは、この第3シリーズからロングピッチをやめて中央付近を突くスタイルに変えた。
 すると、WR#17大谷へのスクリーンパス、RB#3松田、#34鎌倉のカウンター・スイープランなどバックスの持ち味であるスピードが関西学院大学LBDB陣のスピードを上回ることもあって1回平均10ヤードゲインにつながる。これで計4回のFD更新、最後はQB#8碇からRB#34鎌倉へのクロスパスがTDプレーとなった。この時点で関西大学8−13関西学院大学。そして、PATは2ポイント狙いだった。

 QB#7堤の中央フェイクから右RB#3松田へのピッチプレー、右オープンから縦カットインは、そのスピードでディフェンスとともにエンドゾーンへ飛び込んだ。これで得点差3点とする。

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 続く関西学院大学オフェンスはフィールド中央からスタートするが、DL#92澗随のパスカットやQBスクランブルに追い込まれるなど、自由にオフェンスをさせてもらえていない状況は変わらない。それでも、崩れたプレーから空いているパスターゲットRB#6田中を探し出したり、第4Dギャンブル1ヤードをQB山越えでクリアするなどで、エンドゾーン手前5ヤードまでドライブしてくるのは、別の意味でオフェンスの底力を示していると言える。
 エンドゾーン前5ヤード。FDのランプレーでファンブル(リカバー)、RB#6田中のオープンランにもLBDBの集まりよくロスしてしまうが、残り時間0分43秒、タイムアウト後に右コーナーWR#9福井へのTDパスでようやく7点を追加した。

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 点差を広げられた関西大学は#17大谷のリターンによってフィールド中央45ヤード付近。残り時間31秒。タイムアウト残り1回(私のメモによる)、どのようなプレーが繰り出されるのか楽しみにしていたのだが、ショットガンからのミドルレンジパスはレシーバーと全く合わずに2本連続失敗に終わった。

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 前半戦の印象は、関西学院大学オフェンスが予想以上に苦しんでいて、ゲインするのはRB横田堀口の中央ランプレーとプレーが崩れたあとのQBキープのみ。オープンへの展開は関西大学ディフェンス陣のスピードが上回っていた。

 その関西大学ディフェンスは春の状態から一変した勢いのあるタックルを披露、DL#92澗随、DB#23長谷川、LB#6野口などどのポジションも大活躍だった。ただ中央ランプレーだけは大きくゲインされてしまうのは3−4スタイルを多用していることと直接関係があるのかは不明、さらにQBを追い詰めながらそこから逃がしてしまうシーンが続出するのも惜しかった。

 関西大学オフェンスはQB#8碇を先発起用、最初こそロングピッチファンブルで波に乗れなかったが、中央付近へのスピードを生かしたプレーに代えてからは徐々にテンポアップしてきている。

 一方の関西学院大学ディフェンスだが、4−3−4固定でDL#93生田、#52佐岡、#90石田、#44田頭という布陣、LBはILB#53柏木、OLBに#49井上、#85橋本、そしてCB#8渡辺,#15藤井、S#13岡本、#16河合と春からは若干のメンバー交代がある。序盤はLB#49井上の鋭いシングルタックルシーンが続出したが、総じて関西大学OL陣と五分の力関係だった。


 前半は20−10で関西学院大学がリードしているが、関西学院大学オフェンスが自由に動けていないこともあって、まだ波乱均衡に戻る余地はあった。ただ関西大学オフェンスにもオフェンススタイルを決めかねているような印象があり、春同様関西学院大学大勝の可能性も見える。結局ハーフタイムの結論は、後半どちらが最初に得点を挙げるか、そこから少し様子見をしようということになった。

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 そして後半最初に得点したのは関西学院大学だった。ただしそのドライブ内容は前半同様崩れたプレーによるロングゲイン込みでQBキープ中央22ヤード、DLに終われた末のスクランブル20ヤード、そして最後はRB#28堀口のTDラン21ヤードと、どちらかと言えば後半最初の関西大学ディフェンスの立ちあがりの悪さを付いただけのTDドライブだった。

 そしてここから試合が徐々にが動き始める。関西大学キックオフに#17大谷が右サイドライン際を約90ヤード掛け上がったリターンTDを奪えば、関西学院大学も次の第1プレーでQB#14河野から右WR#9福井への縦ロングパスが抜けた。このパスには関西大学DB#23長谷川も良い反応を示して寸前でジャンピングカットを試みたのだが、ボールはその僅か上を越えて行き65ヤードTDパスとなった。

 大技一気の点の取りあいが続いたが、この間にも確実に時間は消費されて行った。第3Q残り7分42秒の時点で17点差。

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 続く関西大学オフェンスがDL#90石田のロスタックルなどで止むなく攻撃権放棄、第3Q残り5分20秒から始まった関西学院大学フェンスではQB#10出原を起用、さらに両チームインターセプトやファンブルロストなどで時間だけが確実に減っていく。スタンドともに勝負あったかの雰囲気が充満していった。
 特に関西学院大学ディフェンス側に若干のメンバー交代があり、また関西大学オフェンスも連続パス失敗など脈絡のなさそうなプレーが続く。

 試合時間だけは確実に経過していき、第4Q中盤時点で、関西学院大学攻守と関西大学オフェンスとも落ち着いてしまったような印象があった。しかしこの中で、唯一、生き残っていたのが関西大学のディフェンス陣だった。

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 関西学院大学自陣22ヤード、QB#10出原からWR#81多田へのロングパス縦パスは、キャッチ後のレシーバーを諦めずに追走したDB#23長谷川が片手を引っ掛けて48ヤードゲインに止まる。
 さらに関西学院大学敵陣15ヤードでのFDでは、LB#5騎馬、#6野口のプレッシャーを受けてノーゲイン、ショベルパスもあわやインターセプトに終わり、関西大学ディフェンスが最後の一線を死守した。


 結局関西学院大学はここでK#11小笠原によるFG3点を追加するのだが、続くキックオフで再び関西大学#17大谷のリターンTDを見せた。キッカーのコントロール上は#17大谷を外したコントロールキックなのだが、転がったボールを拾い上げてリターンしたこともあってカバーリングチームとのタイミングが僅かにずれた。

 関西学院大学FGと関西大学リターンTDで差し引き関西大学が差を4点縮めたことになる。残り時間5分23秒。13点差。

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 続く関西大学キックオフで巧妙なオンサイドキック。これが成功して、関西大学が試合の流れを完全に支配していった。

 フィールド中央50ヤード付近から、RB#3松田のドローとQBキープでそれぞれ8ヤードずつゲイン、関西学院大学ディフェンスが浮き足立つ中でRB#29河原へのプレーアクションパス、縦一直線のパスはDBのパスカバーが甘くそのまま約34ヤードのTDパスとなった。残り3分54秒。6点差となった。

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 関西大学オンサイドキックが失敗に終わった後の関西学院大学オフェンスシリーズは時計を回すべくラン主体の組み立てに徹する。
 対する関西大学はLB#4大林、DL#95古川が中央突破ランをシングルタックルでシャットアウト、結局FD更新1回のみでパントに追い込むことに成功した。

 敵陣35ヤード、第4Dで1ヤードを残した関西学院大学パントシチュエーションでパンター#11小笠原。何か仕掛けてくるかと思ったがディレイ後にボールを蹴って関西大学に攻撃権を渡した。

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 残り時間1分11秒関西大学陣11ヤード残りタイムアウト0回
 1:11 自陣11ヤード QB#7堤→WR#17大谷スクリーン10ヤード
 1:04 自陣21ヤード QB#7→RB#3松田スクリーン9ヤード・フィールド外へ出て時計を止める。足のつったレフリー交代。
 0:55 自陣30ヤード QB#7→WR#17大谷ロングポスト31ヤード・スパイク
 0:44 敵陣39ヤード QB#7→WR#17大谷スクリーン13ヤード・スパイク
 0:34 敵陣26ヤード QB#7→WR(?)中央11ヤード・スパイク
 0:21 敵陣15ヤード QB#7→右TE#81岩田縦パスにDBが前に入り込んでパスカットしたが、これがパスインターフェアの反則(エンドゾーン内での反則? 反則地点不明)

 そして残り15秒、エンドゾーン前2ヤード。第1プレーはパワーIからの左パス失敗。

 残り11秒、シングルバックのQB#7堤からRBへの右ピッチオープンランプレーは、縦に切れこんだがエンドゾーン手前でタックルを受け、そのままタイムアップとなった。

 この最後のプレー、残り11秒で何故ランプレーなんか、パスならば2回出来たかもという思いは確かに残るのだが。ただ、私のメモに残っていないが、第2Qの2ポイントPATを決めたプレーと同じだったかも知れない。

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09月04日(土) 尼崎陸上競技場 18:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
近畿大学 7 7 7 7 28 1-0-0
同志社大学 7 7 0 7 21 0-1-0
(現地観戦)
 
近畿大学
同志社大学
TD 1Q
TD
1Q
2Q
FL
TD
TD
2Q FG×
3Q
RTD P×
3Q
4Q
FG×
TD
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


 先攻近畿大学のリターンでオフェンススタート地点は自陣43ヤード付近。そのオフェンスはQB#10岡、UB#23吉田、TB#20山上によるIフォーメーションでセットし、ここからランプレー主体のドライブが続いた。
 UB#34碓氷も加わった中央突破ラン(ダイブ)と、TB#20山上中央突破ラン(ドロー)などで1回10ヤード近いゲインを繰り返す。試合序盤ということもあって同志社大学ディフェンスの動きが鈍く後手に回っている間に3回のFD更新、最後は左TE#91前田へのプレーアクションパスがTDプレーとなって6分近いドライブが完成した。

 しかし、同志社大学オフェンスもQB#7奥野、UB#33小佐井、TB#1永富の布陣によるラン主体のプレー中心に前進する。RB#1永富のスピードオープンラン20ヤード、UB#33小佐井の中央突破ダイブ6ヤード、そしてTE#89池内へのクイックパスを交互につないで、こちらも計3回のFD更新を行い、最後はRB#1永富の右オープンラン7ヤード、ダウンフィールドブロックが決まって3分24秒のドライブが完成した。

 お互いのオフェンスが持ち味を発揮した予想通りのオフェンスドライブだったが、ここから徐々に主導権を握っていったのが同志社大学だった。

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 続く近畿大学オフェンスは、UBダイブをノーゲインに止められ、DL#40須永にQBサックされて7ヤードロス、パントを蹴らざるを得ない。

 一方の同志社大学オフェンスは、今度はショットガンも織り混ぜたドライブを試みる。QBキープやTE#89池内へのパスを投じて4回のFD更新で50ヤード近いドライブとなった。最終的にはパントを蹴ることになるのだが、フィールドポジションが前進した分だけナイスパントになり、近畿大学オフェンススタート地点を自陣3ヤードに追い込むことができた。

 自陣エンドゾーンを背負った近畿大学は中央突破を試みたが、ここで同志社大学の鋭い突っ込みにあって痛恨のファンブルロスト。同志社大学は2回のランプレーで追加点を挙げた。 第2Q残り5分32秒。
 勢いに乗った同志社大学ディフェンスは、近畿大学のQBスクランブルにDL#59のノーゲインタックル、LB#2江上のQBサックなどで近畿大学陣深いところに追い詰めたまま、ふたたびパントを蹴ることになる。

 この時点で第2Q残り1分30秒、同志社大学14−7近畿大学。しかし、ここから試合が動いた。

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 同志社大学は自陣38ヤード付近でショットガンフォーメーションでセット。オフェンスコールはパス狙いだったが、ポストロングパス・ショートパスいずれも失敗。RBのオープンランは4ヤードに止まり、さらにフィールド外へ。時計を止めるプレーが連続し、そしてパントを蹴ることになってしまった。

 近畿大学オフェンススタートは自陣30ヤードだが、時間は1分04秒も残っている。

 ここで近畿大学QB#10岡から左WR#6長谷川の右クロスパス20ヤード。TE#4橋本へのパスは5ヤードに止まったがフィールド外へ出て時計を止める。
 0分40秒の時点で第4Dギャンブルに追い込まれたがWR#6長谷川へのスクリーンパス20ヤードで復活すると右WR#87石田へ24ヤードパスを決めてエンドゾーン手前2ヤード。この時点で23秒とタイムアウト1回が残っていた。最後は余裕でRB中央突破。前半終了間際に14−14の同点に戻した。

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 そして後半、同志社大学オフェンス第2シリーズは近畿大学P#12春日井の絶妙なパントによって自陣3ヤードスタートとなったのだが。
 同志社大学オフェンスは、ショットガンでセットしてランプレーを試みるがノーゲイン。自陣エンドゾーン内からのパントを近畿大学#26井上にカットされてしまう。エンドゾーン内に転がったボールを近畿大学が抑えて、近畿大学逆転のTDとなった。

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 その後は両チームオフェンスともパントの蹴り合いで時間が経過していくのだが、両チームとも怪我人が大量発生、特にRBWRは同志社大学近畿大学とも複数人が退くという異常事態になっていった。

 得点差は7点なので同志社大学が得点すれば同点になるのだが、負傷者が多すぎてオフェンスの形にならない。そのまま試合は第4Qに突入していった。そして最初に得点したのは近畿大学だった。


 RB#20山上のスピードランナーぶりは試合序盤から目には付いていたのだが、両チーム均衡してしまった試合後半からそのカミソリぶりが相対的に際立ってきていく。

 自陣38ヤード右オープンからディフェンスの隙間を縫ったスピードランは途中から左へコースを変えて独走、近畿大学応援席の歓声を背に独走の62ヤードTDランとなった。

 同志社大学も#16池田のリターン40ヤードをきっかけにして、QB#7奥野からTE#89池内というこの日、唯一、最後まで残ったオフェンスのキープレーでTDを挙げるのだが、次のオンサイドキックでボールを確保できずに万事休した。

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 試合の流れとしては、試合前半は同志社大学攻守が圧倒的に優位だっただけに惜しいプレーが続いた。ランプレーで時間を消費していれば後半の試合展開は変わっていたに違いない。またエンドゾーンを背負ったショットガンも時間帯的にはセットバック・普通のIフォーメーションであるべきかと思う。
 前半の早い段階でディフェンスが立ち直りかけていただけに、このまま白星になれば今年の自信につながった試合になったはずで、惜しすぎる。

 同志社大学オフェンスは負傷者が大量発生で次節の布陣が未知数。一方のディフェンスはDB#24大長、#2江上、DL#40須永、#59などしっかり動いていた。

 近畿大学オフェンスは、第1Q最初のドライブと第2Q最後のドライブ迷いのない安定感のあるシリーズだった。それと比較すると、後半は単調かつRB#20山上頼みのシリーズが続いたが、負傷者発生の影響もあるのだろう。
 リターンで大きく戻されていたり、攻守とも安定感に欠く時間帯があることが気掛かりだが、とりあえずは白星スタートになった。



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09月05日(日) 尼崎陸上競技場 18:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
京都大学 10 3 0 7 20 1-0-0
神戸大学 0 0 0 7 7 0-1-0
(現地観戦)
 
京都大学
神戸大学
TD 1Q
P×
FG
1Q
FG 2Q
END 2Q
3Q
RFL
FG×
3Q
4Q G×
FG×
G×
TD
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


 試合は第2Qから13−0のまま拮抗状態に陥る。この時間帯に神戸大学が得点していれば・・・というのはやはり、たられば・仮定の話でしかない。のだが。

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 コイントスの結果京都大学先攻となった。そしてリターナー#33池上。私はシーズン展望の段階で今年の関西学生で一発リターンTDを決められるのは立命館大学の木下と佃、関西大学の大谷、同志社大学の永富あたりまでと思っていた。しかし、目の前を掛けぬけていく彼を見て一人忘れていたことに気付かされた。#33池上がボールをキャッチするとあっという間にトップスピードに乗り、神戸大学の隙間をかけ抜けていった。

 京都大学オフェンスは敵陣27ヤードからと、いきなりの得点チャンスを迎える。

 オフェンススタイルはQB#3御澤によるI。最初のプレーこそWR#34飯田へパス8ヤードだったが、それ以降はTB#33池上による中央突破・オープンスイープと連続キャリー、そして最後はQB#3御澤スニークで京都大学が先制した。

 続く神戸大学オフェンスはFD更新なくパント。しかしスナップが悪くパンターがボールをキャッチした時点で膝を付いてしまいボールデッド。京都大学は敵陣16ヤードからの攻撃開始と一方的な試合になり始める。

 そして京都大学オフェンスはここでQB#3御澤によるショットガンでセット、RB#33池上のカウンター・スイープ、QBキープで計15ヤード。エンドゾーンまで1ヤード地点で4回の攻撃チャンスを獲得した。

 神戸大学ディフェンスはここで最初のタイムアウトを要求、そしてディフェンスを立て直す。京都大学セットバックからのRB#33池上の連続キャリーに対してLB#5清水の連続タックルで3回合計ノーゲイン。今年も神戸大学ゴール前ディフェンスは鉄壁だった。

 京都大学はここをFGで3点を追加、そして次のシリーズはTB#33池上ドロー14ヤードミドルゲイン後に、この試合始めてのUB#38奥原のダイブ中央突破ランが決まって60ヤードゲイン。これらで再びエンドゾーン目前6ヤードでFDを獲得する。

 しかし、再び神戸大学鉄壁ディフェンスに遮られて2個目のFGに終わった。

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 神戸大学は、ディフェンスの健闘で本来なら21点差となるところを僅か13点差、2個のTDで十分に逆転できる距離にいるのだが、オフェンスが絶不調だった。

 神戸大学オフェンスはQB#10江端に時折#4多和を起用、そして、Iフォーメーションとショットガンフォーメーションを併用する。どちらのQBも両フォーメーションを採用するという状態で全体的に消化不良という様子、悪い表現を使えば、まとまりに欠けるというのが最もふさわしいかもしれない。

 第2Q終盤に自陣でRB#32森の中央突破ランなどで3連続FD更新できたのが前半の最長ドライブであり、その中でもディレイとかエンクローチメントなど反則が多かった。

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 試合後半も神戸大学オフェンスは第1シリーズからショットガンノーハドルを用いるのだが、QBとレシーバーのコンビネーションが悪く、パントに追い込まれてしまう。
 ただし、このパントでは神戸大学選手が京都大学リターナーからボールを奪い取るような形でファンブルロストを誘発、チームとしてはこの試合に掛ける意気込み・気概は十分に感じ取れるのだが、オフェンスが形になっていないことが厳しすぎた。

 その後、京都大学が自陣20ヤード付近からTB#33池上、UB#38奥原のランプレーとショットガンによるパスターゲット#82鋤崎によるロングドライブを2度も行っている。しかし、いずれもエンドゾーン手前20ヤード地点で神戸大学DL#57中西、LB#6阿部など最後の壁を打ち破ることができない。

 一方の神戸大学オフェンスも第3Q終盤に、ようやくQBキープとWR#85大西への縦パスというプレーで始めて敵陣20ヤードにまで達するのだが、京都大学DB陣の予想以上のスピードがDB#11廣岡、#37吉田の素早い上がりに邪魔されてしまい、なかなか自分達のペースでオフェンス確立できない。結局このチャンスも得点に至らずに、13−0という表面上は微妙な得点差のまま第4Q残り2分台。

 京都大学がRB#33池上のランプレーとTE#89東への縦パス等で敵陣15ヤードに達すると、最後はRB#33池上が審判を巻き込んだままエンドゾーンへ飛び込んで追加点を挙げた。

 続く神戸大学は自陣25ヤード、残り時間1分11秒。QB#4多和によるショットガン4レシーバー、パスターゲットはWR#80立澤と#12村上、ショートパスとミドルパスをヒットさせて40ヤード前進、さらにWR#19福田へのパスを途中に挟んで最後は右TE#43三輪へ15ヤードのTDパスを決めて完封負けを免れるのが精一杯だった。

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 神戸大学今年のオフェンススタイルの特徴は、これまで神戸大学伝統だったI主体のランプレーにショットガンが加わった。QB#10江端、#4多和とも両フォーメーションで攻撃を組み立てようとするのだが、全体的に消化不良で、どちらのスタイルも形になっていないことが気掛かりである。最後のシリーズはショトガンドライブできているように見えるが、試合結果が見えた後のドライブであって、参考にはならない。
 「オフェンスは何をしたいのか」は、おそらくすでに議論百出なのだろう、チーム方針について外野が言うことではない。

 一方のディフェンスは春から一回り大きくなって戻ってきたのが頼もしい。今年もゴール前鉄壁ディフェンスが堪能できそうだ。

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 京都大学オフェンスはQB#3御澤を中心にまとまっている。大型OLの支えもあってRBUBTBのランが面白いようにゲインしたことと、重要シーンでのパス失敗とかプレーミス自体が少なかったように見える。エンドゾーン目前にして得点できなかった押しの弱さはあるが、神戸大学ディフェンスならではのパワーを考えれば今後の整備で十分に間に合いそうだ。

 ディフェンスはDBLBのスピードが脅威。この試合は神戸大学オフェンスミスによる部分が大きくて京都大学ディフェンスの課題が見えにくかったことが、いいことなのか悪いことなのか、ここの判断が微妙ではあるが、力強い内容のある白星スタートとなった。



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09月11日(土) BKC:立命館大学びわこ草津キャンパス 18:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
立命館大学 7 21 6 7 41 1-0-0
龍谷大学 0 0 6 0 6 0-1-0
(現地観戦)
 
立命館大学
龍谷大学
1Q
TD
1Q
TD 2Q
G×
TD
TD
2Q END
TD 3Q
TD
3Q
4Q
G×
G×
TD
4Q END
(作者Aのメモより)
詳細テーブル


 先攻の龍谷大学オフェンスはQB#19佐藤によるショットガン隊形でセット、最初のシリーズこそ短いパス2本が失敗に終わったが、その後はショットガンノーバック・シングルバックから様々なパターンのパスが飛び出していく。
 春の試合では短い外へのパスしか印象になかったのだが、パスコースが増えたことで、オフェンス組み立ての幅が広がっている。

 一方の立命館大学オフェンスはQB#12池野によるショットガン。RBのスピードランとWRへの様々なパスをほぼ均等に織り交ぜるという、昨年までとほぼ同様のスタイルを採用した。
 第1シリーズの第1プレーでいきなりDL#99石川のQBサックを受けて10ヤードのロスを強いられる。だが、第2シリーズでは、RBへのサイドパスからのランなどでドライブ、途中ではLB#42高橋のQBサックロスもあったが、右TE#15末原への縦パス50ヤードで敵陣8ヤードに迫ると最後はRB#23古川のオープンランでTD、先制する。

 さらに立命館大学ディフェンスの堅守(LB#9塚田のサック18ヤード)によって敵陣28ヤードでのFDチャンスを得ると、今度はQBキープやRB#44斎藤のパワーランなどランプレーで刻んだドライブで前進、そして第2Q開始直後にコーナーWR#87松村へ3ヤードのTDパスを決めて追加点を挙げた。


 一方の龍谷大学オフェンスは、ショットガン以外にも、ノーバック5レシーバーとか、RB#31山形、#5川上などをRB位置に配したシングルバックに様々なモーションを加えてディフェンスの撹乱を狙う。この隊形からRBドロー中央突破ランやショートミドルのパス、プレーアクションパスというプレー選択を行っていた。

 龍谷大学第3シリーズでは、RB#31山形の左OT中央突破ラン9ヤード等で41ヤード地点に達すると、WR#9中川への縦ロングパス狙い。飛距離は約30ヤード、WRはスピード&ステップで立命館大学DB陣を抜いていたのだが、ボールはその僅か先に飛んでいってしまった。プレーの狙いとしては決まっていた惜しいパスだった。

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 龍谷大学第4シリーズは、RB#31山形のドローで始まってTE#4守山へのショートパス。これでディフェンスのパスインターフェアを誘うと、さらに13ヤードパスをつないでフィールド中央へ。
 ここからさらにQBドローなどで7ヤードを加えたのだが、その第4Dで2ヤードが残ってしまった。残り時間2分41秒。
 ここで龍谷大学はギャンブルでFD更新狙い。しかし右OT付近のランプレーは1ヤードに止まり、立命館大学に攻撃権を渡してしまう。

 残り2分35秒。立命館大学ポジションはフィールド中央付近。右WR#15末原への縦パス13ヤードの後にWR#11木下の疾風ランが炸裂する。
 右WR位置にセットした#11木下が左へモーション途中にボールを受けると、そのまま左サイドのライン際を瞬く間に駆け抜けて36ヤードのビッグゲインとなった。
 立命館大学はわずか2プレーでエンドゾーン手前2ヤードに到達すると、さらに次のプレーで3個目のTDを獲得する。

 さらに立命館大学はパスインターセプトによって敵陣36ヤード残り1分08秒から再びTDドライブを行っている。
 ただし、このシリーズでは龍谷大学ディフェンスも粘りを見せた。エンドゾーン手前4ヤード残り39秒、RB#22佃への右横パスからの縦ランをCBが止めて2ヤード、さらに左パス失敗が2回。ディフェンスプレッシャーでコントロールを乱す、あるいはパスカットとディフェンスもエンドゾーンをなかなか割らせなかったのだが。
 しかし第4DギャンブルのQBスニークは止まらず、前半4TD、龍谷大学ギャンブル失敗後のわずか2分の間に速攻の2TDを挙げて試合の大勢を決めた。

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 後半先攻の立命館大学はQBに#3渋井を起用、再びWR#11木下のモーションプレー20ヤードとWR#7長谷川へのパス+ラン55ヤードでエンドゾーン手前2ヤード。龍谷大学ディフェンス堅守によってパワーIからのランプレー2回をノーゲインに押さえ込まれたが3回目で追加点を挙げた。

 一方の龍谷大学オフェンスも、#9中川のスピードリターンで掴んだ自陣30ヤードからの後半最初のシリーズで短いパスをつないだTDドライブを見せている。
 最初はWR#8山口への横パスにWR#9中川のブロックが効いて15ヤード、その後も13ヤード、10ヤードと短いパスをつないで敵陣30ヤードに到達した。ここから3連続のロングTDパス狙いは、高い長いで失敗に終わったが、その第4DギャンブルでWR#15牧野への縦パス15ヤードをしっかりと成功させている。
 さらに11ヤードの短いパスを挟んでエンドゾーン手前4ヤードでのFDを獲得、反則ロス5ヤードを加えた計9ヤードを、QBスクランブルキープ2回で約5分30秒のTDドライブを完成させた。

 後半の立命館大学ディフェンス陣は、スタートメンバーからDLDBいずれも2名の交代があったが、龍谷大学のオフェンススタイルが立命館大学ディフェンスを攻略できたと表現してもいいだろう。

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 龍谷大学オフェンスQB#19佐藤のショート〜ミドルレンジパスに関しては、内外いずれのコースともQBとWR#15牧野、#8山口、#9中川などレシーバー陣とのコンビネーションはしっかりと確立されている。今後の試合でもパスディフェンスの甘いチームに対しては十分に通用しそうだった。
 一方の龍谷大学ディフェンスもLB#43井阪を筆頭に、LB#42高橋、DL#90小坂、DL#99石川によるQBサックを連発させて、勢いのあるところを見せている。立命館大学の両QBとも自由に動けていないシーンが何回かあり、やりにくそうな仕草を見せていた。

 このようにDIV1で十分以上に通用する攻守を披露した上に、この試合で大きな負傷者怪我人が発生しなかったこともあって、今後のリーグ戦での戦い方が楽しみになってきた。

 立命館大学オフェンスは、前半QB#12池野、後半からは#渋井3を起用したショットガンドライブを披露した。ただオフェンスもディフェンスも春の課題をそのままかかえている様子が伺える。もっとも、一朝一夕には改善しないだろう高度な課題でもあり一戦毎の成長を待ちたい。攻守ともほぼベストメンバーで白星スタートできたことで、まずはOKということで。



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