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京都大学は前節京関戦で対関西学院大学戦98年以来のリーグ戦白星を獲得、そして1敗をキープして最終節を迎えることになった。 オフェンスはQB#4川並からTE#89東をメインターゲットに、さらにWR#34飯田、#81小寺と人材は豊富である。またRBには#32大木、#33池上、そして前節は#2高見が復帰とオフェンス陣容は整備されてきた。 そして前節白星となったのは、要所でQB川並がしっかりとパスを投げ込んだことが大きな要因である。最も全てのシーンでパスが正確に決まったかと言えば、やはり第1シリーズエンドゾーン前の3連続失敗があったりするので、スタイルが変わったまでは言い切れないが、その後はしっかりと投げ込んでいるのも事実である。 したがって、この試合の見所の一つとしてQB#4川並のクォーターバッキングに注目したい。オフェンスの中心・司令塔としてどのようなオフェンスを組み立てていくか、今年の集大成として、そして、来年につながる川並のオフェンスを見ておきたい。 ディフェンスも前節はDL#19大鋸、#97近藤のプレスとDB#23松浦、#21河野のパスカバーが光った。さらにランプレーもほぼ完璧に止めるなどで立命館大学戦以降ディフェンスの信頼性は飛躍的に上昇してきている。シーズン序盤はタックルミスからロングゲインを奪われていたのだが、その後のディフェンス陣の成長ぶりがすごい。 課題だったパスディフェンスも前節はそれで勝利したようなものであり、今年のディフェンススタイルが完成したといえる。 ******** 対する近畿大学だが、関西学院大学戦・立命館大学戦と、ここ2試合と黒星が続く。特に、攻めた関西学院大学戦がもしも雨天の試合でなかったら、などといろいろと「たられば」を考えてしまうような試合だったが、それも終わったこととして今年の最終戦で再び元気な姿を見ておきたい。 オフェンスはQB#3安倍によるランパスだが、RB#20土手下にマールが集まってしまい、ここ数試合ではビッグゲインが生まれていない。他にもRB#7樋口、#31美濃辺とスピードランナーが控えるのだが、ライン戦で拮抗していることもあって中央付近のランプレーだけではなかなかドライブが続かない状態である。 パスターゲットとしてWR#16大峠、TE#4橋本と存在するが、こちらもここ数試合では効果的なパスゲインもない。投げられない事情があるのかもしれない。そこは判らないのだが,短いパスをもう少し積極的に見てみたいと思う。 ともかく最終戦である。ランでもパスでも今の近畿大学に出来ること全てを見たい。 こういう点ではディフェンス陣DL#8中村、#68泉森、LB#2中里、#10堀内などにも勢いが感じられない。DB陣は#5青木を中心に、#25安藤、#18西村、#14須田のパスディフェンスはほぼ完璧なのだが、オープンへのランプレーに少し詰め方が緩いところがあるのは気掛かりで、ここは、この試合を左右するポイントになりそうだ。 今年の最終戦だが、京都大学は前年の借りを返してもらおうと狙ってくるはずで、これに近畿大学が如何に応えるか。一昨年・昨年・そして今年から来年につながる近畿大学の歴史の中にあって、この試合、近畿大学は絶対に落としてはいけない。 ******** 京都大学オフェンスと近畿大学ディフェンスの攻防は、やはり京都大学RB#32大木、#33池上の中央/オープンへ展開するランに対して近畿大学ディフェンス陣とくにDB陣が完璧に止めておかないと京都大学のペースで試合が終わってしまう。 このランプレーが止まって始めて京都大学QB#4川並がパスで打開していかなければならないシチュエーションとなる。近畿大学DB陣のパスカバーを前にして、パスが投げられるか。という状況に持ち込んで、ここで始めてロースコアの試合展開になる。 したがって、近畿大学フロントDL陣の前に出る勢いと、LB陣の中央ランケアとブリッツと、そしてDB陣のオープンケア、つまり近畿大学のランディフェンスの勢い一つでこの試合の内容は大きく変わることになる。 ******** 一方の近畿大学オフェンスと京都大学ディフェンスの攻防だが、RB#20土手下が止まると手詰まりというここ数試合の状況から、如何にして抜け出すか。ここが焦点である。 ただし、止まるということはやはりそれだけ相手がマークしているのだから、彼の存在を生かしたカウンターとかプレーアクションパス、それもロングレンジでなくTEへの短いパス(これは私の好きなプレーなのだが)の連発で充分と思う。 RB#20土手下のランプレーは止まる、それを前提にした次の手は何か。ダブルリバースとかプレーアクションとか、フレックスボーンでもいい、TEアクロスでもディレイドでも・・・・。 京都大学側から見るとRB土手下を充分にマークした上で、次のプレーの広がりに如何に応えるか、というところに絞られる。 近畿大学京都大学とも今年ここまでやってきたことの集大成、ともに、全ての策と力とを出し切った高い次元の試合になることを期待します。 |
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関西大学は今年DIV1に復帰したばかりだが、この最終戦はリーグ戦勝ち越しがかかった試合であり、さらに、他校の結果によっては同率3位の可能性もある。 関西大学前節神戸大学との試合は、相手自滅から白星を得た試合だったが、その前の甲南大学戦含め2試合は攻守に勢いがない。リーグ戦前半立命関学近大京大との試合ではなんとか一泡をという意気込みがあって、オフェンスディフェンスとも、いろいろと考えた跡が伺えた。しかし、この2試合は攻守ともきれいにまとまってしまい、荒々しさが消えてしまっている。前節QBをめまぐるしく変えたことはあったが、私的には物足りない。 今年のオフェンスは、WR#17大谷とRB#22中西のスピードランレシーバーを使って、フレックスボーンからの様々なフェイクプレー・モーションプレーなどで相手ディフェンスを撹乱してきた。そして、混乱しているディフェンスの隙間を大谷中西がスピードで捲くるというプレーをメインに組み立てている。 しかし、その裏プレーの担い手であるRB#34鎌倉、#3松田の存在も大きい。ディフェンスはこれら複数のボールキャリアを相手にしなければならず、パニックに陥ったチームも多い。さらに前節は、これらバックス陣が交代でQBにセットするという違った撹乱方法を採用している。 一方のディフェンスもDL#90和久、#95古川など大型選手が揃い、LB#4大林、#6野口、#9吉村、DB#7松本のブリッツもタイミングよく決まっていた。この勢いあるディフェンス陣の活躍が今シーズン前半の話題の一つだった。 ******** 同志社大学オフェンスは、QB#8水野がいろいろとかきまわしてくれて、見ていて楽しい。WR#83要、#80野原、#9久世、TE#89池内やRB#31澄川、#1永冨等のバックス陣、そしてQBキープなど。前節甲南大学戦ではオフェンス怒涛の展開という試合で最終的には8TD1FG3P1Iで逃げ切っている。 もっともこういう展開だったのでディフェンス陣も相手攻撃に後退するシーンが多く、シーズン序盤のディフェンスでコントロールするような試合ではなかった。 今年の同志社大学は、リーグ戦序盤はオフェンスドライブするも得点ならずでロースコアの試合が続いた。それが0−7近畿大学、3−7京都大学、であり、関西学院大学戦も前半は均衡していた。これらの試合は白星に変わっていた可能性もあった。この躍進の原動力はディフェンス陣の活躍によるところが大きい。 昨年まではディフェンス陣が点としての存在でしかなかったが、今年は「網」となって相手攻撃の前に大きく立ち塞がった。DL#13原、#73松本、#56谷村、LB#47西内、#55西谷、DB#5関根、#26仲田などなど。DLがライン戦で均衡している間にLBDBがしっかりとボールキャリア目指して突っ込んでいく勢いと、タックルを外されまいとする強い意志があった。 ******** さてこの試合だが、どのような試合展開になるのだろうか、ロースコアの競った試合になるか、それともハイスコアの得点の取り合いになるのか、まったく予想できない。ただし、どちらかが相手を力でねじ伏せるという大差の試合にはならないだろう。つまり、どの試合展開になろうとも観戦していて面白い試合になることは間違いないです。 ただ私の希望としては、ここはロースコアの展開、それも「オフェンスはいろいろと工夫しているにもかかわらず、ディフェンスがシャットアウト」という今シーズン前半の両チームの姿を再現して、来年につながって欲しい。 今年の関西大学は、関西学院大学に7−6と勝利し、22−24近畿大学、31−43京都大学と迫っている。一方の同志社大学については先に書いたように、両チームとも来シーズンは上位を狙わなければいけないチームである。そのためにも、ここは4年生の置き土産として、シーズン最初のあの勢いを見たい。 |
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今年のリーグ戦日程表が発表された段階で10月5日と11月30日の2試合だけはどんなに頑張っても観戦できないことが判明した。29日は試合後半だけなら観戦できるのだが、同時刻別会場では無理である。 西宮スタジアムがなくなることがわかった段階で、過渡的にはこのような試合日程になるかもしれないことはある程度覚悟していたのだが、それが現実のものになってしまうとやはり残念である。 10月第3節の試合は、リーグ戦序盤であることと第1、2節の試合からどちらを観戦するかを決められるし、第4節の試合を観戦すれば途中は想像だがある程度は補える。また11月29日は後半だけだが観戦できるので、これも仕方がないが、諦めよう。 しかし、11月30日だけは第7節最終節であり今年のチームの集大成4年生最後の姿を見ずに終わってしまうのだけは、なんとも残念でならなかった。 もっとも今年は、幸か不幸か(チーム関係者にすれば不幸なのは間違いないのだが)両チームとも今年最後の試合は12月の入替戦になてしまった。なので、今年の最後の勇姿は入替戦で見届けることにしよう。 ただこれは結果オーライであって、最終節だけは8チーム全ての試合を観戦したいと思います。そろそろ来年のリーグ戦の日程案が俎上に挙がる頃だと思いますが、よろしくお願いいたします。 ******** 神戸大学は前節関西大学戦でオフェンスの連続ファンブルロストから大荒れの試合になってしまった。だが、試合後半からは完璧に立ち直って今年最高のパフォーマンスを繰り広げている。 QBも#10江端が復帰してきて、体制は整った。おそらくこの試合は攻守ともほぼベストの状態で試合に臨めることだろう。「もろもろ」を吹っ切って今年の神戸大学の完成した姿を、この試合と、そして入替戦と、期待しています。 甲南大学は、前節同志社大学戦で「オフェンスの殴り合い」「点の取り合い」を演じた。もともとオフェンス特にレシーバー陣は#88吉田以外にも揃っているので、これだけのことをする素地は充分に整っていたはずである。しかし何故か毎年リーグ戦後半にならないと、アスリートフル参戦の試合にならないのが惜しい。RBには#31増田、#2富田、そしてLBから参戦の#42山本とで、得点力は倍化している。 ただ、点の取り合いという展開はつまりディフェンスがあまり機能していなかったことであり、この点に若干の不安がある。DL#90浅堀、LB#42山本、DB#28石川と核になる選手は揃っているし第7節である。オフェンスに続いてディフェンスも完成してくる頃だ。 ******** さてこの試合だが、ともに入替戦に出場が決まったあとの順位決定戦となってしまった。私がHPを開設以降で最終節がこのような対戦になったことはない。また、日程的にも最終戦が7−8位の順位決定戦にならないような工夫をされている時期もあった。 このカードは前年5位と6位の対決であり、単にリーグ戦第6節までの結果、このようなことになってしまっただけのことではある。神戸ダービー、そして、神戸ウイングスタジアムイベントの最終試合である。 |
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今シーズンここまでの立命館大学は、京都大学戦で前半7−0と詰め寄られたこともあった。しかし、それ以外はどの試合も力とスピードと層の厚さで圧倒しつつ、いろいろと考えた試合を積み重ねていった。 特に課題といわれていたOLがどのように成長していくかが見えたシーズンだった。第1〜3節で弱体OLの姿が見えてくると、第4,5節ではQBを積極的に動かしてディフェンスプレッシャーを交わすという姿勢で臨みながらも、第6節では再びOLの壁の中でパスを投じようとする様子がうかがえた。 またオフェンスバックスはWRRBとも怪我人が多く、それなりに四苦八苦のところがあったが、その結果WR#84河瀬が頭角を現し、また#7長谷川などにもキャッチ機会が増えてチャンスがめぐってきている。RBも#22佃で前半を乗り切り、RB#23古川、#21岸野、#44斉藤が復活してきている。結果としてオフェンス全体の底上げが果せている。 こういう観点から見ると少し物足りないのがディフェンスだろう。第1線DL陣は#92紀平、#56飾磨、#90平井、LB#5西、#99八木、#47宮口と、ほぼ昨年からのメンバーが残っている。したがって安定感はあるのだが、下からの突き上げが少ないように見える。もう少し積極的にメンバー交替してみても良かったかと思うが、力でポジションを奪うべしというチーム方針なのだろう。 DB陣は、若干の入替があったので不安な面があるが、それをフロント陣いいバランスで補いつつ、そのDB陣も#4高橋、#34長田に続くべくしっかりと成長してきている。あらためて立命館大学の層の厚さを感じるシーズンである。 と、今年の立命館大学の総括のようになってしまったが、攻守とも層の厚いパワースピード攻守ということで攻め入るスキがない。課題としてパスディフェンスを挙げたこともあるが、DB陣も秀逸で1回のミスがあっても、それがいまだ致命傷には至っていない。 ところでQB#18高田は、昨年の関西学院大学戦第1Qプレー中にタックルを受けた際に怪我をしてしまい、その後甲子園ボウルにも不参加となってしまった。つまり、QB高田にとっては、2年前の敗戦を引きずったままの不完全燃焼状態なのであろう。それをこの最終戦で挽回できるか、彼個人にとっても重要な位置付けの試合である。 ******** 一方の関西学院大学は開幕戦同志社大学に逃げ切り勝利ながら、第2,3節とも攻守の落ち着かない試合となった。それでも第4節甲南大学戦で久しぶりに得点の山を築くと、第5節近畿大学戦では雨天の中で完勝を収め、昨年の借りをしっかりと返している。 ただ、第6節京都大学戦はその反動ということはないだろうが、攻守ともミスのない安定した試合展開だったのだが京都大学攻守の勢いに押し込まれてしまった。これで今シーズン2敗となり、優勝の目は消えてしまったが、この試合は、リーグ戦優勝と同等以上に重要な位置付けの試合になる。 関西学院大学オフェンスはQB#10出原によるショットガンを採用してシーズンに突入、そのパスショートパスターゲットとしてTE#85宗助、ロングパスターゲットとしてWR#18中島、#9福井が存在する。またRBには#7岸、#6田中の両輪が控えている。 ただ前節京都大学戦ではQB#10出原、#14河野のパスに悩むところがあって要所でヒットせず、また、パス機会自体も少ないように見えた。ラン重視の時間消費型なのかパスによるロングゲイン型なのかスタイルが掴めないところがある。しかし、この最終戦では長短パスが試合の行方を左右する一つのキーポイントであることは間違いない。 ディフェンスはDL#52佐岡、#90石田、#95今東、#92横田、そしてLBに#21池谷、#16河合、#45清水、DB#8渡辺という布陣だった。さらにDLに1年生田も参戦してくるなどでやはり層は厚い。そしてこの試合の行方を大きく左右するのは、このディフェンス陣の動きにかかっていることは間違いない。 ******** 関西学院大学は、すでに2敗を喫していて優勝の可能性はないのだが、この試合はそういう観点から見る性質のものではない。昨年14−48と完敗を喫した相手に対して、今年はどのような成績を収めるのか。 関西学院大学は今春からショットガンオフェンスを採用したが、その理由として私が思うところは2点である。ひとつは、立命館大学オフェンスの得点スピード、つまり、ビッグゲイン数回で得点してしまう得点1点あたりのオフェンス時間に対抗する手段として、関西学院大学もロングパスのビッグプレーを狙いつつランもゲインさせて、「得点スピードのアップ」にあるのではないか。 そして、もう一つ、こちらが本命だと思うが、やはり関西学院大学ディフェンスのショットガン対策の練習台ということではないだろうか。 昨年の最終戦で立命館大学に大敗を喫し、それを逆転すべくの今年の取り組みだったはずで、つまり、全てはこの試合のためのものである。したがって、取り組んだ「結果」ではなく、その「成果」を見せてくれるはずである。今年の関西学院大学の全てが、この試合に現れる。そして、現れなければいけない。 この試合、関西学院大学は是が非でも、ロースコアの関西学院大学ペースの試合のまま終えなければならない。 観戦ポイントは唯一、関西学院大学ディフェンスが試合の主導権を握ることが出来るかか否か、ここだけである。もちろん、そのためには、オフェンス側も確実に得点を挙げていかなければならないことは言うまでもない。 2003年関西学生アメリカンフットボールDIV1、いよいよ大詰めの最終戦である。リーグ戦の幕引きは、どのような試合になるか。貴方の眼でしっかりと見届けてください。 |