関西学生アメリカンフットボール Div.1 第6節



11月15日(土) 長居球技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学





関西大学





 



 神戸大学は前節もPATキックの差で黒星となってしまい、5戦全敗となってしまった。オフェンスはここ数試合をQB#4多和が指揮している。ただプレのコンビネーション不足含め、やはり#10江端中心に作ってきたチームに突然加わわっていることによる違和感はなかなか解消されないようだ。ただそれも3戦目となれば、そろそろ、慣れてくる頃でもある。
 ここをどのように切り抜けるか、一戦一戦でベストを尽くす神戸大学のことだから、この試合もできる最大のところを見せてくれるだろう。

 関西大学は前節甲南大学戦では、QB#8碇中心にWRRB陣とも顔ぶれは変わらなかったのだが、ディフェンスも含めて、その前4試合と異なった感じの、全般的に勢いのない試合だった。

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神戸大学オフェンスはここ数試合で






11月15日(土) 長居球技場 13:50
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
甲南大学





同志社大学





 



 同志社大学の前節は神戸大学と対戦して14−13というPAT1本差で待望の1勝を挙げた。オフェンスはQB#8水野からWR#80野原、#9久世、#83要、TE#89池内へのショートパスとQB#8水野のキープ等がロングドライブのきっかけになっている。ただ、エンドゾーンに迫りながら得点できないとかファンブルロストとかによって、結果に結びつかない時があるのが惜しい。

 ディフェンスもDL#13原、#56谷村、#73松本、LB#47西内、DB#5関根、#26仲田などの動きが良く、積極的に前に出る勢いが均衡した試合にしているのは確かである。

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 甲南大学は、前節関西大学戦で今シーズンはじめて攻守フルパワー・パワー全開の試合となった。オフェンスはQB#11歳内、RB#31増田の中央突破があり、#42山本がTBとして参加してスピードでオープンを捲くったり、WR#88吉田、#5大西へパスが飛んだりと、勢いのある試合となった。

 ディフェンスもDL#58、#59、LB#99山、#52長手などが中央付近のランをシャットアウトするなどで今季初のロースコアの試合に持ち込んだ。

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 さてこの試合だが、甲南大学の攻守ともが前節で様変わりしてしまったので、試合展開が読めなくなってしまった。

 同志社大学オフェンスはQB#8水野からのクイックパスが冴えて、これで振り回すというのが最近のスタイルである。したがって、甲南大学DLがQBにプレッシャーをかけてパスを投げさせないようにならないと、LBDB陣の負担がかかるかもしれない。
 さらにQB#8水野のキープランとかRB#91長谷川、#1永富のランなど同志社大学オフェンスの手数は多い。これに甲南大学ディフェンスがどこまで耐えられるか、ロースコアの展開に持ち込めるか否かが試合を分ける大きなポイントになるだろう。

 一方の甲南大学オフェンスは、パスターゲットWR#88吉田、#5大西、ランキャリアRB#42山本、#31増田、#2富田がキャリアとなる。これに対する同志社大学ディフェンスは、DLが前に詰め、さらにLBがしっかりと空間を捕捉する本来のディフェンススタイルなので、ランプレーでのドライブも簡単には続かないかもしれない。甲南大学の得点パターンとしては、やはり、WR#88吉田、#83田中、#5大西へのロングパスを絡めたシリーズを確実に得点に結び付けられるか、という点に絞られる。したがって、同志社大学DB陣と甲南大学WR陣の攻防は見所である。







11月15日(土) 長居球技場 16:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





近畿大学





 



 立命館大学前節は、オフェンスが苦労するシーンはあったものの、終わってみれば京都大学を力でねじ伏せての圧勝となった。そして全勝をキープしている唯一のチームとなった。一方の近畿大学は、雨天の中の関西学院大学戦で今シーズン初黒星となった。

 現在全勝しているのは立命館大学だけであり、この試合に勝利すれば初の関西学生二連覇達成となる。(甲子園ボウル出場権はよほどのことがない限りは第7節の試合結果による。よほどのこととは、関西学院大学と京都大学の試合が引き分けた場合で、その時点で立命館大学の単独優勝が決定する。)
 近畿大学にとってはこれを阻止すべく、そして自分自身がトップに登り詰めるためには是が非でも落とせない試合である。

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 立命館大学は、QB#18高田によるショットガンも4年目となり、すでに今年のスタイルは確立した。オフェンスバックス陣が左右に大きく動いてディフェンス陣のプレッシャーを避けるというのがおそらく今年のスタイルなのであろう。第4節神戸大学戦でその方向性を見せて、前節京都大学戦ではそれを継承している。これは序盤戦からOLが相手DLのプレッシャーに押し込まれるシーンが続いたことによるのだろう。

 バックス陣はRB#21岸野が前節で完璧に復活を果し、さらにRB#22佃のスピードと技巧派RB#23古川、パワー系#44齋藤が揃っている。そしてショットガンパスターゲットとしてはWR#19冷水を筆頭に、WR#84河瀬、#7長谷川、TE#89栗山と揃う。シーズン序盤の信頼できるパスターゲットは#19冷水一人だったが、前節では#84河瀬、#89栗山も確実なパスキャッチを繰り返して信頼性向上を果たした。

 それでもOLが押し込まれることによる弊害は消えることはなく、QBのパスコントロールが微妙に乱れることによってフィールド外へパスが飛んでいったり、QBスクランブルのも増加している。それでも、リーグ戦も第6節を迎える。#75伊部をセンターに構えたOL陣もそろそろ努力が形になって現れてくる頃だろう。

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 ディフェンスはDL#92紀平を筆頭にその鉄壁ぶりは健在、LBも#99八木、#47宮口、#5西の動きが良い。DB陣は#4高橋と#34長田が本格的に復活を果して、前節はほぼフル参戦となった。

 この立命館大学ディフェンス陣に対する攻撃ポイントを一つだけ挙げるとすれば、それは両CBになるかもしれない。
 オープンランに対するケアは強力DL・LB陣の存在も問題にはなっていないが、ロングパスに対しては、その最初の第一歩でWR陣に抜かれて追走するシーンがある。
 それでも同じようなパスが再び投じられると、WRの前に入ってしっかりとパスインターセプトして挽回してしまうのだから、その持っているポテンシャルは、やはり相当なものである。
 立命館大学ディフェンスを全体的に見渡した場合にどこが一番のウイークポイントになるかを考えた時の狙い目は両CBになってしまうだけで、絶対比較ではハイレベルなのは間違いない。

 また、前節京都大学戦ではパントシリーズが増えたが、今シーズン実戦経験が少ないこともあって、その飛距離とコースが今一歩という状態だった。

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 近畿大学は、前節関西学院大学戦でオフェンスがショットガン、ディフェンスも積極的なブリッツを複数枚と入れる等、攻守とも果敢に攻めたにもかかわらず、黒星となってしまった。今シーズン過去4戦とは全く違う試合傾向なのは明らかだが、これで勝利していれば「攻めた結果」ということになるし、黒星になれば「何故スタイルを変えたのか」となる。これは終わったことにして、この試合はどのようスタイルで臨むのだろうか。

 オフェンスはQB#3安倍と#10岡による併用の形をとっている。前節はショットガン体型が多かったが基本はノーマルIを身上としている。そのRBには#7樋口と#20土手下、レシーバーにはWR#16大峠、#6長谷川、TE#4橋本など。
 だが、こちらも若干OLが押し込まれるシーンがあり、さらにエース#20土手下は完璧にマークされてしまってランプレーはショートゲインに留まっている。このような状況にあってこれまでの試合ではWR、TE陣へのショートクイックパスが試合の流れを引き寄せるキープレーになっている。

 デイフェンスは前節DL#8中村の動きが復活、さらに、LB#2中里、DB#5青木と中央付近の壁は厚い。だが同志社大学戦あたりからオープンランに対するケアが甘いのが見えていたが、前節ではそれが効いてしまった。

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 さてこの試合だが、近畿大学ディフェンスが前節関西学院大学戦同様、つまり神戸大学京都大学が立命館大学に対したときの様に、積極的なブリッツを入れてQB高田を惑わし、そして、パニックにまで持っていければ、試合的にはロースコアの展開になるはず。近畿大学は神戸大学・京都大学と比較してスピード体力面では恵まれているのでスタミナ切れ/スピード負けする可能性は少ないだろう。
 パスディフェンスに甘いところもあるが、それはDB#18西村、#26安藤、#14須田などがWR冷水をしっかりと捕捉していれば、そんなにロングゲインにはならないだろう。さらにフロント陣がQB高田のプレッシャーでパスコントロールが乱れて・・・と、ストーリーは立つ。ディフェンスが暴れまくるのは、この試合しかない。

 ロースコアになったとして、近畿大学オフェンスと立命館大学ディフェンスの攻防となるのだが、RB#20土手下がマークされてゲインが見込めないとなると、次の攻め手段は何になるのだろうか。これまでの近畿大学の試合、そして、前節立命館大学と対戦した京都大学のゲインしたプレー、つまり短いパスをつないで行くことになりそうだ。

 この試合は、やはり、立命館大学がここまで競った試合の経験が不足しているということ、つまり、ロースコアの試合に持ち込まないと、近畿大学の芽は危うい。なので、昨年のように試合開始早々のリターンTDなどは論外である。ただ、近畿大学は今春や秋関西大学戦などでパントで大きく戻されることもあり、不安は消えない。

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 長居球技場で行われる近畿大学と立命館大学の対戦は、過去これまでにも、接戦になることが多かった。今春の対戦でも、前半は近畿大学10−13立命館大学、立命館大学がTDドライブしたのは1シリーズのみと全くのイーブンの試合を行っている。また、記憶に新しいところでは98年のリーグ戦、最終スコアは近畿大学20−21立命館大学だが、試合終了直前の近畿大学FGが成功していれば逆転というところまでに詰め寄っている。

 さらに、近畿大学と長居球技場の関係では、2000年の入替戦関西大学との試合で、残り33秒の逆転TDパスが決まり、また今リーグ戦でも神戸大学・関西大学との接戦を制している。近畿大学にとって方角的に良い方向にあるのが、この長居球技場である。

 近畿大学は、立命館大学のパワースピードと真正面から対決して接戦に持ち込める唯一の可能性があるチームである。ストップ・ザ・立命なるか。近畿大学前節の攻めの姿勢と少しの冷静さ、そして、QBの落ち着いた目で、どうにかならないだろうか。

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 立命館大学は、オフェンス特にOL陣がどのようなパフォーマンスを見せてくれるか、楽しみである。初の関西二連覇達成なるか。







11月16日(日) 神戸ウイングスタジアム 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





京都大学





 



 今シーズンこれまでの成績はともに5勝1敗で、6戦全勝の立命館大学を追う立場にある。つまり、この関京戦(京関戦とも言う)が今シーズンも生き残りをかけた戦いとなる。かつては雌雄を決する試合だったが、今シーズンもサバイバル戦になってしまうのは時の流れなのだろう。

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 関西学院大学は第2節関西大学に黒星を喫するなど、リーグ戦前半、特にオフェンスは必ずしも万全な状態ではなく、エンドゾーンに近づくとゲイン出来なくなり、また反則で後退と散々な状態だった。
 それが第4節甲南大学戦でオフェンス復活の芽が見え、そして前節近畿大学戦では昨年の借りを返す圧勝という結果を残した。紆余曲折しながらも徐々に形になりつつあるところはさすが関西学院大学である。
 はじめてライスボウルを制した2001年でも、第2節に近畿大学戦で第4Qに同点に追いつかれるなどリーグ戦前半は危うい試合が続いている。それを、後半戦からしっかりと立て直して日本の頂点にまで登り詰めたのだから、やはり、コーチスタッフにはしっかりとしたノウハウが蓄積されているのだろう。
 今年の第3,4,5節と大きく変化してきた関西学院大学攻守、この成長の勢いがあるならば、この第6節京都大学戦で登場してくる姿を見るのは楽しみである。

 オフェンスはQB#10出原によるショットガンフォーメーションからのランパスとQB出原によるいやらしさ満載のフェイクプレーによって前節はゲインを繰り返した。
 また、ディフェンスは4−3という前方重視の体型となったことが、前節勝利したことの要因の一つとなっているが、これが京都大学戦、立命館大学戦と続くかも一つの見所である。

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 京都大学は、立命館大学に完封負けとなって後がなくなった。これまでも神戸大学、同志社大学、関西大学を相手に接戦が続いているが、最終的には同志社大学戦を除いてオフェンス攻撃側が相手をなぎ倒した形で白星を重ねてきている。
 今年はRB#33池上のOT付近をスピードで突くランを中心にしたオフェンスドライブが身上である。QB#4川並のパスがコンスタントにヒットしないところに手詰まり感が漂う原因の一つだが、TE#89東へのパスだけは成功率が高かった

 ディフェンスはDLLBの配置が固定せず特に#97をどこに起用するかが試合毎に変わっている。ただ立命館大学戦では前半を0−7に抑えたのはまさにディフェンスの功績である。DLLB陣のプレッシャーがQB#18高田を襲って自由にプレーをさせなかった。立命館大学OLと関西学院大学OLを比較した時にどちらがどうという判定はできないが、この試合もディフェンス陣の動きには注目である。

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 ところで、今春にもこの対戦があり、その時は関西学院大学24−20京都大学という結果になっている。ただその時に注目を集めたのが京都大学攻守のラインメンだった。前列に揃った大型の選手が関西学院大学攻守のラインを圧倒し続け、特にOLとRB陣による中央突破ランはロングドライブとなったことでその力強さを強烈にアピール、リーグ戦で京都大学が大暴れすることを約束した試合だった。
 あれから半年、6ヶ月が経過、辿ってきた道は違い、途中に不幸な事故もあったが、関西学院京大の再戦の時を迎える。

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 さてこの試合の見所として、まず関西学院大学ディフェンスと京都大学オフェンスの攻防を考えてみる。
 今シーズンの関西学院大学ディフェンスはここまで5戦して一試合平均7失点1TD以下とディフェンスのメンではほぼ完璧なシーズンである。DL#90石田、#95今東が復活、1年#91生田が加わり、さらに前節は#92横田が加わってフロントフォーを形成、LBには#21池谷を中心に、DBでは#8渡辺が頭角を現してきている。おそらくこの試合も4−3体制で試合に臨むことだろう。

 ポイントは京都大学RB#33池上の中央/OT付近のランプレーが抜けるか否か、ライン戦とLB陣との力とスピードの関係が結果を大きく左右することになるだろう。
 京都大学はこのランプレーにWR#34飯田、TE#89東へのショートパスを効果的に使ってディフェンスを撹乱、ランとの相乗効果によってゲインの見込めるシリーズを組み立てていくことになりそう。そのためにはパス失敗によるドライブ中断なきように、パス精度は必要である。

 だが、おそらくは力で圧倒し続ける展開になるほどの力の差は両者にはなく、均衡した展開になることだろう。

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 一方の関西学院大学オフェンスと京都大学ディフェンスの攻防だが、やはりこの試合の流れを大きく左右するのはここの力関係になるだろう。

 今年の関西学院大学オフェンススタイルは、QB#10出原からのショットガンという立命館大学と同じようなスタイルである。レシーバーWR#9福井、#18中島、TE#89東井は確実な仕事をする。さらにRB#7岸、#6田中のスピードと最終兵器QB#10出原のフェイク動作の巧妙さは立命館大学とは違った面での脅威がある。

 京都大学前節前半で均衡した試合になったのは、ディフェンスが大活躍したことによるが、ここも同じ狙いになるだろう。
 リーグ戦前半の関西大学、同志社大学との試合ではタックルミスなどからロングドライブを許すこともあった。この点が修正されたことによって、前節の大健闘に結び付いているのが、最終的には立命館大学のランパスで切り崩されてしまっている。
 ポイントは京都大学ディフェンスがどこまで確実にフォローできるか、前節は第3Qのオフェンスのミスが崩壊のきっかけになったが、確固たる精神的な支柱がほしい。

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 おそらく攻守守攻とも競った試合展開になるだろう。両オフェンスとも一発でエンドゾーンにまで運ぶ決めプレーはあるが、ディフェンスも簡単にはゲインを許さない力強さも兼ね備えている。この均衡状態がどの時間帯まで続くか、このイーブンな力関係が崩れるのは何がきっかけとなるか、それがファンブル/パスインターセプトによるターンオーバーかもしれない。それとも些細なベンチワークが終わってみれば結果に大きく効いてしまうかもしれない。
 神戸ウイングスタジアムでの関西学生アメリカンフットボール最初の公式戦は、一瞬たりとも目を離せない試合になる。






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