関西学生アメリカンフットボール Div.1 第3節



10月4日(土) 宝が池球技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





同志社大学





 


 同志社大学は前節立命館大学戦で完封負けを喫した。ディフェンス特にDLはかなり健闘していたのだが、オフェンスのというよりパントチームのミスが続出した結果の大量失点だった。立命館大学ラッシュが早いとは言え、整備されていなかったこともあるかもしれない。
 ランプレーは立命館大学の強力ディフェンスを前にトータルロスゲインに終わったが、パスはTEWRなどへのショートレンジがヒットしていた。さらにQB#8水野は立命館大学ディフェンスの急襲にも慌てることなく冷静にプレーしているのが頼もしい。ランプレーではRB#19奥野がスピードランナーとして、#91長谷川がパワーランナーとして控え、さらにQB#8水野自身のキーププレーなど、バックス陣にランパスの道具は揃っている。

 京都大学前節は甲南大学との試合を、前半14−13という緊迫した状態のままハーフタイムを迎えてしまったが、後半は地力を発揮して、RB#32大木、#33池上のランプレーで押し切ったという試合である。確かに試合前半のオフェンスは動きが硬かった。
 ディフェンスは甲南大学ランプレーをほぼシャットアウトしているのだが、要所でパスプレーが通されてしまっている。春から課題であるパスディフェンスについては今後の成長が必要か。


 この試合の見所は、やはり同志社大学オフェンス特にWRTEへのパスに対する京都大学ディフェンスであろう。QB#8水野はDLのラッシュにもビビルことなく平然とプレーするという精神的肉体的な強さがあり、さらに第1節関西学院大学戦では冴え渡ったパスコントロールを披露した。パスターゲットはWR#82久世、#80野原、TE#89池内、#4天野と多く、またDBを交わすテクニックにも経験豊富なところが伺える。

 一方の京都大学パスディフェンスはDB(S)に#14主将金氏が座るが、他のDB陣は若いメンバーが多く経験不足なのは否めない。甲南大学戦もWR#88吉田他に抜かれるシーンが散見したように、この試合でも同志社大学経験豊富なパス攻撃に対する京都大学DB陣が後塵を拝するシーンが随所に現れるようでは、結末がどのようになるかわからない。

 ただ同志社大学は前節でパントミス多発によって無意味不必要な失点を重ねてしまている。同じようなミスが、この試合再現されることはないと思うが。さらにディフェンスが京都大学RB#32大木、#33池上の中央突破ランをどこまで封じることが出来るかもポイントである。DLがOLをコントロールしている瞬間にLBがランホールに突っ込めば・・・と役割を果せば・・面白い試合になるはず。







10月4日(土) 宝が池球技場 13:50
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





甲南大学





 


 甲南大学前節の観戦記が落ちてしまったが、まず何よりもWR#88吉田のスーパーダイビングキャッチが目に焼き付いている。さらに#6松本のリターンTDもあって「取られたら取り返す」の面白い試合だった。ただ後半から何故かランプレー中心のプレーコールになってしまったのが残念である。WR#88吉田以外にも#83田中などパスターゲットが多いので、もっと投げ散らかしても面白かったのではと思う。 

 ディフェンスはDL#90浅堀とかLB#42山本が大活躍で、特にLB#42山本の守備範囲の広さは特筆モノである。その分だけ相対的に他のメンバーに私の目に止まらない。

 一方の立命館大学は同志社大学に得点上は圧勝したもののオフェンスについては課題の多い試合だった。そしてここがそのままこの試合の見所のひとつになる。

 さてこの試合だが、やはり立命館大学ディフェンスの脅威に対抗する手段が少ないのは否定できないとこっろである。立命館大学今年のディフェンスメンバーはDL#92紀平、LB#5西、#47宮口、#99八木という昨年からのメンバーが多いがDBには2年の#13三宅、#17黒田など若いメンバーが多く起用されている。さらにDLLBとも試合中にいろいろなメンバーが登場してくるがメンバー交替があっても試合結果にさほど影響がないのは選手間の力の差が少ないからだろう。ディフェンス全体でみれば昨年同時期と同じぐらいのパワーはありそうだ。
 甲南大学オフェンスと立命館大学ディフェンスの対決はWR#88吉田と2年生DB陣の対決が面白い。ただ、そこまでパスが飛ぶかとなれば、QBにパスを投じる余裕を与えるべくOLの頑張りを期待します。立命館大学ディフェンスのスキ間を縫ったパスとそのスーパーキャッチを見たい。

 そして、甲南大学ディフェンスと立命館大学オフェンスの激突は見ものである。
 ここ数年の甲南大学は1プレー1プレーが丁寧になってきており、試合結果を抜きにしたところでも全力でプレーしている。この試合の得点がどのようになるかは判らないが、それを抜きにして甲南大学ディフェンスが立命館大学ショットガンに立ち向かう姿は見ておくべきであろう。LB#42山本の守備範囲が広いのはそのスピードがあるという意味であり、立命館大学RB#22佃とのスピード競争やQB#18高田を追いかける姿は他のDLLB陣含め、楽しみである。
 これまでに関西大学と同志社大学のDLが立命館大学オフェンスと対戦して良い結果を残している。この試合甲南大学ディフェンスがステップアップする試合になるだろう。


 一方立命館大学オフェンスから見れば、関西学生連覇を目指す以上はそろそろ今年のショットガンの形が見えてくるころだが、さて。







10月5日(日) 王子スタジアム 13:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





神戸大学





 


 関西学院大学は前節で関西大学によもやの黒星を喫したことで、覇権奪還のためには、もう一つも負けられない瀬戸際に追い詰められた。6−7がその試合の最終スコアだが、スタッツに現れているように関西学院大学のほうが終始優勢に戦っていたにもかかわらずこのようなスコアになってしまったのは、やはりエンドゾーンを目前にしてからの手痛い反則を繰り返したことによる。オフェンス全体の微妙なズレが時間の経過とともにラインバックスへ蔓延していって最終的には反則やパスキャッチミスなどに現れたのだろう。それでもQB出原は最後のシリーズも冷静にスパイクするなど慌てている様子はなく冷静に見えたのが唯一の救いである。

 一方の神戸大学は2戦2敗である。だがその試合内容は2勝していてもおかしくないぐらいに対戦相手(京都大学・近畿大学)を圧倒していた。それでも2敗というところに今年の神戸大学の絶不調さが現れている。ポイントは一つ。オフェンスチームのサイドラインスタッフ・フィールド内全ての不調和である。
 さらにこのような状況が2戦連続するというのは、長いこと関西学生アメリカンフットボールを観戦してきたが、私の知っている限りでは、ない。同じ状況が2回も続くというのは、およそアメリカンフットボールらしくないことで・・・。終わったことは仕方ない。そして第3節を迎える。

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 今年の神戸大学オフェンスの特徴はQB#10江端からのランパスマルチだが、開幕戦京都大学戦ではOLとRB#33大崎、#39宮川の共同作業による中央突破ランで一回10ヤードの荒稼ぎ、そしてWR#9村上、TE#43石原へのショートパスがヒットした。前節近畿大学戦では#33大崎がレシーバー位置にもセットする機会が何回かあり、今年のランパス兼用とオフェンスの中核をなしている。

 ディフェンスはDL#73池渕らが鉄壁を作り、LB#55岩田、DB#25矢野川などがボールキャリア目指して突っ込むという理想的なディフェンスの形が早々と完成し、京都大学近畿大学に対して十分以上に機能した。京都大学戦後半はスタミナ切れということだったらしいが、涼しくなってきた昨今なので、その心配はないだろう。

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 関西学院大学オフェンスはQB#10出原によるショットガンフォーメーションからRB#6田中、#7岸のスピードランが冴える。さらにWR#18中島を中心に、TE#89東井、WR#82美濃部などパスターゲットが多い。ただ重要なところで反則ロスがあったりパスキャッチミスの発生など、どのプレーも精度の点でまだまだ向上の余地がある。
 ディフェンスはDL#90石田、LB#21池谷、#16河合などが派手さはないが堅実な守備を敷く。ただ全体的にコンビネーションの完成度が低く、DLは押し込まれ、2・3列は「包囲網」になっていない瞬間があり、同志社大学戦、関西大学戦とも時々ランパスとも時々大きく抜かれてしまっている。今年の関西学院大学にはオフェンスディフェンスともあと少し出来そうなのに、なぜ?というもどかしさを感じてしまう。

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 と、両校攻守を紹介してきたが、今年は両校ともにその持っている力を発揮できないところが問題であって、攻守がサイドライン側も含めて正しく機能するか否かがこの試合を別ける。というのがこの試合の見所になってしまうのが残念である。
 昨年のこの対戦では、神戸大学が試合前半を優勢に展開しながらリターンミスの連発で自滅してしまったが、これがなければ試合結果は判らなかった。神戸大学が関西学院大学に勝利したのは1990年にまでさかのぼるが、それ以外でも試合内容的には接戦になっている試合が多い。

 どのような展開になってどのような結果になるのかは、考えるべき要素が複雑に絡み合っていて簡単には予想できない。しかし、両チームとも前節までのモヤモヤを吹き飛ばすような試合になることを願っています。



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10月5日(日) 長居球技場 13:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





関西大学





 



 近畿大学2勝・関西大学1勝1敗。王子スタジアム関西学院大学−神戸大学の試合との完全同時開催となる。どちらか一方の試合は観戦できなくなるのだが、さてどちらを観戦すべきか・・・・

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 近畿大学前節は神戸大学と14−12の接戦を演じた。だが神戸大学の自滅っぽい試合運びにより僅差勝利を得ることが出来た。オフェンスはRB#20土手下がミドルゲインしたシリーズがそのままTD得点に結びついたという状況であり、さらに相手パントにより攻撃開始地点は常にエンドゾーンを背負っていたこともあってオフェンスがドライブしたという印象はない。
 後半は2インターセプト1ファンブルロストとバタバタしている。これもOLが押し込まれていたことに起因し、オフェンス全体としては良いところの少なかった試合である。その少ない良いところというのが、雑なプレーがなかたことで、淡々とかつ冷静にオフェンスシリーズを組み立てていた。ターンオーバーの連続だったのだが、それでも慌てるところがない。これが、良いことなのか悪いことなのか実際のところは判断の難しいところだが、近年の近畿大学オフェンスの中では特異だったことでプラス指向とした。
 課題は押し込まれていたOLかと思うが今年の神戸大学DLのパワーを考慮すると、まいいかと言える。ここで満足するのも、あれだが。

 一方のディフェンスは自陣でエンドゾーンを背負いながら死守したパワーは今年のポテンシャルの高さを示している。DL#68泉森や、ランにもパスにも絡んでくる守備範囲の広いLB#5青木を筆頭に、LB#2中里、LB#9堀内など威勢のいいLBDBが揃っている。そしてこれだけLBが目立つと言うことはDLがOLをしっかりとコントロールしている証拠でもあり、ここ数年のパワフル&アグレッシブディフェンスは今年も健在である。

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 関西大学は前節で7−6と僅差ながら宿敵関西学院大学にリーグ戦で56年ぶり勝利という快挙を為した。もっともオフェンスはWR#17大谷へのプレーアクションパス1本の得点である。しかしそれ以外はランプレーもフレックス体型からのモーションを入れてディフェンスを撹乱する工夫があったり、パスプレーも刻んだドライブをするのだが、そのままロングドライブから得点という力強さは見られなかった。オフェンスそのものには手詰まりという印象を受ける。ただWR#19加門のクイックパス、TE#81岩田へのショートパスなどレシーバーは多く揃っているおり、またRB#3松田、#22中西とランプレーの担い手も多い。関西学院大学戦勝利からの上昇ムードもあるので、試合展開によってはドライブが続いたり一発TDなど、その可能性は否定できない。

 一方の関西大学ディフェンスは勢いがあって注目である。DL#90和久、#95古川にLB#9吉村、#4大林、#6野口などボール&ボールキャリア&QBを追いかけまわすスピードと気迫はDIV1上位にも十分に通用するいである。4年ぶりのDIV1復帰だが、いきなりディフェンスで試合をコントロールできそうなので今年のリーグ戦の台風の目の一つである。

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 さてこの試合だが、見所はやはり関西大学ディフェンスと近畿大学オフェンスの攻防になるだろう。ここを関西大学が優位にコントロールして前節のようにロースコアの試合展開に持ち込めば、ドライブ能力で若干劣るオフェンスもその一発TDの脅威が生きてくるので、競った面白い試合になるかもしれない。

 一方前節で不調だった近畿大学オフェンス特にOLが関西大学DLをコントロールできるか、ここのライン戦の結果が試合結果を大きく左右するのは言うまでもない。OLが作った空間にRB#20土手下が突っ込み、そこへ関西大学LBが・・という力対力の勝負は興味深いところだ。
 さらに近畿大学オフェンス前節はあまり効果的なパスがなかったが、WR#16大峠、#82三谷、TE#4橋本などへの短いレンジのタイミングパスも近畿大学オフェンスの攻撃手段の一つではある。前節はこのパスをインターセプトされて続けていたが、関西大学LBDBもなかなかのアスリート揃いであり、パスが簡単にヒットする保障もない。

 もしかしたら両チームとも前節同様、ロースコアの展開になるかもしれない。試合終盤まで展開がもつれた時に慌てるのは、やはり、近畿大学のほうだろう。さてどのような試合展開になるか。第3節イチオシの試合である









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