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関西学院大学の前節はQB出原によるオフェンスが前半はインターセプトされるなどノリが悪かったが、試合時間が経過するにつれて持ち前のタレント性を活かして得点の山を築いていった。RB#7岸のスピードランと、ショットガンのミドルロングパスターゲットとしてWR#18中島、#9福井が健在で、さらにショートパスの信頼できるターゲットにTE#85宗助が登場してきた。ただ相手ディフェンスの動きによっては中央付近のランプレーを封じ込められるシーンもあり、OLが万全の体制と言うほどには完成度が高くはなかった。前節は相手ディフェンスのスキ間を縫うようにしていったロングゲインによて得点できたが、ライン戦で均衡した時にどうかという不安が残る。そういう点でもこの試合は注目である。 ディフェンスはDL#90石田、#92横田などが、そしてLB#45清水、#21池谷、#16河合という布陣だった。だが後半には半分近くが交代するなどでまだまだ流動的なメンバー構成である。また積極的にブリッツを仕掛けるというシーンもなく、静かなディフェンスである。前節はランプレーでゲインされ続けることはなかったが、時々のパス攻撃に対してはコンビネーションの未完成さを伺わせるところがあった。しかし、前節からの時間の経過に伴って解決されているところも多いだろう。 ******** 関西大学は、前節立命館大学戦で前半を2TDに抑えたディフェンスの健闘が話題になっている。特にDL#90和久、#95古川などがQB目指して突っ込んでいくシーンが何回もあり、さらに#6野口、#9吉村などの素早い寄りなど、今年の関西大学ディフェンスの勢いを見ることが出来た。この試合でもディフェンスの活躍は注目を集めるところである。 オフェンスはQB#8堤と#1碇の併用だったが、立命館大学ディフェンス相手に活躍する機会を見ることが出来なかった。さらにエースレシーバーWR#17大谷が欠場し、さらに快速RB#22中西も本調子ではなかったようである。したがって、この試合にどのような布陣で臨むかは試合を別ける一つのポイントになりそうである。 ただWR#19加門がリターナーとしてその快速ぶりを披露し、さらんびTE#81岩田とともにパスターゲットとして活躍していた。QB#8堤のクイックパスコントロールの精度もそれほどは悪くないので、パッシングオフェンスとして組み立てていくことも十分に可能だろう。 ******** ところでこの対戦は春にも行われており、その時は関西大学が前半終了間際にパスインターセプトからのリターンTDによって7−6とリードしてハーフタイムを迎えるという均衡した試合展開だった。RB#22中西とWR#17大谷というオフェンスの中心人物を欠いた状態だったが、ディフェンスが関西学院大学の攻撃を抑えるというディフェンスがゲームを組み立てていた試合だった。それなので、第3Q序盤のキックリターン中のファンブルロストから試合展開が崩れていってしまったのが惜しい。 昨年までの関関戦でも得点上は均衡した結果を残しているが、それはDIV1とDIV2の対決というところに起因するものだった。しかし、今春の関関戦は真っ向勝負だったように見える。春の試合を経てこの試合がどのような展開で行われていくのか、興味深いところである。 ******** この試合はやはり関西学院大学オフェンスと関西大学ディフェンスの対決が最も気になるところである。関西大学のDL・LBが立命館大学戦と「いい勝負」を繰り広げていたことから考えると、この試合でも関西学院大学OLと競った内容になりそうだ。DL#90和久,#95古川がQB出原を目指して飛び込んでいき、LB・DB陣もランパスに対する反応がいい。したがって、関西学院大学のOLとQB#10出原が迷うような状態になればロースコアの展開になっていくだろう。 関西学院大学オフェンス側から見ると、たとえ苦しい展開になったとしても、たった一本のミドルパスが通れば関西大学ディフェンスも後へ下がらざるを得ない。必要なところで大切なパスをミスなくキャッチできるか、など、当然のことを安定にミスなくできれば・・・・という試合である。序盤戦の一つの正念場と言えよう。 一方の関西大学オフェンスと関西学院大学ディフェンスの対決だが、こちらは両方とも未知の部分が多い。関西大学オフェンスのパスターゲットが豊富で頼もしいが、ランプレーでドライブする力強さを見ることが出来なかった。もちろん相手が立命館大学ということもあるのだが、関西大学オフェンスの本当の姿が見えていないということと、関西学院大学のディフェンスもコンビネーションの確立なったか、という点において今後のリーグ戦を見ていくうえで興味深いところである。 |
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京都大学の前節神戸大学戦は、かろうじて勝利を掴んだというきわどい試合内容だった。今年の京都大学のウリポイントは「オフェンス・ディフェンスとも強固なライン」のはずだったが、開幕戦ではその姿を垣間見ることもできなかった。春のあれはなにだったのだろうかという試合だったが、それはそのまま第2節、この試合の見所になってくる。 オフェンスはQB#4川並からWR#34飯田、#81小寺などへ様々なパスが飛んでいく。またRB#32大木、#33池上の中央突破ランも時には力強い連続ゲインとなる可能性を秘めている。今年はラン主体のオフェンスになるかと予想していたのだが、前節ではパスプレーがかなりの比率を占めていた。そのこともあってOLの力についてははっきりと言えば未知数ではあるのだが、神戸大学ディフェンスに対していろいろと苦労していたのも事実である。 ディフェンスは、LBに近藤と中村を配するという昨年と同様の布陣を今年も採用する様子である。DL構成が今春と違うために破壊力の低下は否定できないが、その分だけ中央の壁を厚くした安定性重視の布陣とも言える。それにもかかわらず神戸大学に中央付近のランプレーを大きくゲインされ続けたことは、気がかりな点である。さらに様々なパスを通されてしまったDB陣のパスカバーも完成度は必ずしも高くはない。 ******** 甲南大学オフェンスは、近畿大学に対してドライブが得点につながることがなかったが、その内容は決して見劣りするものではなかった。オフェンススタイルはQB#12今川からエースWR#88吉田へのパスがメインになっている。そのターゲットである吉田がその恵まれた体格とボディバランスによって、少々のQBパスコントロールを乱しても難なくキャッチしてしまうところが秀逸である。ディフェンスも完全に吉田をマークしているのだが、そこをスルリとかわしてキャッチする様はまさにアスリートのそれである。さらに吉田以外にWR#83田中など能力の高いレシーバーが複数名揃ったことで甲南大学パスオフェンスの脅威が増加した。 QBからのクイックパスが四方に決まり、そして決めパスがWR吉田へ飛べば、パスディフェンスの甘いチームならばそのまま一気にTDにまで持って行けそうである。ランプレーはパスの陰に隠れてしまって印象が薄い。だが昨年からのRB#31増田、#2富田などが存在し、オフェンスのポテンシャルは高い。 一方のディフェンスはDL#90浅堀、LB#42山本中心に構成しているが前節では徐々に力負けしていってしまった。そこを如何に立て直しているか、ここも一つのポイントである。 ******** この試合では甲南大学オフェンスと京都大学ディフェンスの対決、つまり、甲南大学のパス攻撃に対して京都大学パスディフェンスがどこまで機能するか、ここが試合の行方を左右する大きなポイントになりそうだ。京都大学は神戸大学のショート〜ミドルレンジのクイックパスに振り回されてしまっていたので、甲南大学の早いタイミングパスに対してもかなり手を焼くのではないだろうか。 甲南大学パス攻撃が決まり続けるようなことがあれば、試合の流れが甲南大学の方に傾いていく。京都大学オフェンスと甲南大学ディフェンスの力関係では京都大学優勢の様子だが、それも含めて甲南大学ペースに持ち込めないだろうか。ハイスコアの点取り合戦になれば面白い試合になる。 |
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第2節一推しの試合である。関西学生3強に続くチームの存在が大きくなってきて序盤戦からも目を離せなくなってきている。一敗の神戸大学にとってはリーグ戦生き残りをかけた重要な試合であり、近畿大学にとっては頂点を目指すためには絶対に落とせない。両チームにとって大きな意味を持つ試合である。 ******** 近畿大学は前節甲南大学戦を46−14という得点差をつけて勝利した。それも懸案だったオフェンスがほぼ試合全体を通して安定して前進を重ねていたことが印象的だった。QBは前半を#3安倍、後半は#10岡がほぼ全シリーズを担当した。オフェンスの組立として両者に微妙な差があるがそれがOL他には大きく影響を及ぼしていなさそうなこともあって、安定感のあるオフェンスに仕上がっている。 一方のディフェンスはその姿を明確には捉え切れていないところもあるが、DLLBの段階でランプレーが止まりそうな感じはする。一方でパスディフェンスについてはミドルレンジまでのパスを通されることが多く、特にDB陣あたりに課題がありそうな前節だった。 さらに、キッキングでのカバーチームのコンビネーションの悪いところが目に付き大きくリターンされていた ******** 一方の神戸大学は前節京都大学戦でほぼ勝利を手中にしながらスルリとこぼれ落ちてしまったという惜敗だった。 オフェンスはQB#10江端によるランパス均等オフェンスを繰り広げている。OLの押しでUB#31宮川のダイブが10ヤードゲイン、さらにTB#33大崎、#32森も中央付近を大きく抜けるなど。そしてパスはWR#9村上とTE#43石原にWR#12村上健が加わり、パスターゲットも豊富になってきた。願わくば、パスキャッチのハンドリングの精度を上げて欲しいところだが、それは今後ということで。 ディフェンスはDL#92家入、#57中西、そして両面出場の#77藤原も加わったラインが強力で、さらに、その背後に控えるLB陣も#55岩田を中心にしたランディフェンス、DB#17吉村、#25矢野川によるパスカバーと両方ともアグレッシブな勢いのある構成である。 ******** さてこの試合だが、はっきり言ってどのような試合展開になるのか予想ができない。近畿大学神戸大学両校とも甲乙つけ難い力の均衡状態であり、どこを切り口にして相手に攻め込むかのだろうか簡単には想像がつかない。 近畿大学オフェンスは前節と同じようにRB#20土手下、#7樋口、#40中東によるランプレーと、WR#16大峠、#82三谷、TE#4橋本などへのパスが飛ぶという派手なランパスオフェンスになりそうだ。しかし今年の神戸大学ディフェンスならば対応しきれないこともないだろう。 そして神戸大学オフェンスQB#10江端によるランパス攻撃に対しても、近畿大学ディフェンスならば対抗することが可能であり、どちらが優位とは言えない均衡状態である。何がきっかけでこの試合の流れが変わっていくのだろうか。 近畿大学攻守と神戸大学攻守の中でで最も不安定なのは近畿大学オフェンスとなりそうなので、神戸大学ディフェンスとの攻防が試合の行方を左右する要因になるかもしれない。DL#92家入、LB#55岩田がQB#3安倍にプレッシャーをかければ、オフェンスの歯車が狂う可能性もある。この時に近畿大学はQBを#10岡にチェンジするかもしれないが、そのQB岡のパフォーマンスも見逃せない。 さらに近畿大学は、前節でキッキングのカバーのまずさもあって大きく戻されたシーンがある。一方で神戸大学は自らのミスによって白星を取り逃がしたという痛い経験があり、つまり、両チームとも安定性に欠ける面が少なからず、ある。 この試合では一つのミスも許されないが、それ以前に不安定だの安定だの調子が良い悪いなどは、もう、やめたい。4強を構成するチームはどちらか。確実堅実なチームが勝者となる。 |