関西学生アメリカンフットボール Div.1 第1節



9月6日(土) 尼崎陸上競技場 15:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学





甲南大学





 



 関西学生DIV1の開幕である。孤高立命館大学の2連覇なるかが話題の中心だが、復権の道のりを着々と歩んできた京都大学の不気味さと、昨年の成績を見れば注目せざるを得ない近畿大学、その背後からしっかりと頂上を伺っている神戸大学の存在も無視できない。
 さらに甲南大学と同志社大学、そして久し振りにDIV1復帰した関西大学も一気に中位から上位を伺う。そしてディフェンスの中心LB平郡君を事故で失った関西学院大学も覇権奪回を目指して登場してくることだろう。

 ここ数年のリーグ戦は以前のように3強だけを追っていればいいという状態ではない。試合内容を見れば3強に肉薄しているチームの存在をはっきりと認識できる。おそらく今年の星取表は昨年以上に白黒入り乱れた配列になりそうである。

 この2週間毎の熱戦を追って、皆さんも秋の三都巡りをしてみませんか?(京都は北山散策もできる宝が池球技場と西京極陸上競技場、大阪はアメリカンフットボールの定番会場となった長居球技場と96年以来の開催となる長居陸上競技場、そして神戸は、西宮球技場から電光掲示板を運びこんだ王子スタジアムと初開催となる神戸ウイングスタジアム、そしてこの開幕節は尼崎陸上競技場です。)


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 近畿大学オフェンスはQB#3安倍を中心にエースRB#20土手下、WR#82三谷に#16大峠、#83北川というバックス陣、そしてフロントラインOLには#51松島、#57塩澤などフロントバックスとも昨年からのメンバーが残る。オフェンスの組立はランでもパスでも可能である。問題はこの多彩な手数を繰り広げることが出来るかどうかと言う点である。これはよく考えると矛盾しているのだが、つまりオフェンスの不安定さが近畿大学の唯一の課題である。

 今年の近畿大学オフェンススタイルは、エースRB#20土手下のランと心中してしまう作戦か、ショートロングの様々なパスをつないでRB他を有効に使いながら、切り札RB土手下を上手に起用するのだろうか。それとも、全く新しい展開が見られるのか。ここがこの試合の見所の一つでもある。

 ディフェンスは強力ディフェンスを構成しているが、今年もDL#8中村、#68泉森などの第1列とLB#2中里、#42斎藤による積極的な攻めのディフェンスが見られそうだ。さらに第3列は、パスカバー完璧のDB#18西村、#5青木、#25安藤が控える。


 甲南大学は、オフェンスはRB#31増田、#2富田の中央突破ランとWR#88吉田へのパスがメインになる。特にWR#88吉田のスピードコースは超一流で近畿大学DB陣との争いは見どころのひとつである。
 ディフェンスは、LB#42山本を中心にDL#90浅堀、DB#28石川、#17舳などの昨年からのメンバーが残っている。

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 この試合のポイントは、やはり近畿大学オフェンスと甲南大学ディフェンスの攻防にある。それも近畿大学オフェンスが手詰まりになった時にどのように打破していくかであろう。甲南大学ディフェンスがプレッシャーをかけ続ければ、もしかしたら近畿大学オフェンスが止まってしまうかも知れない。そうなればこの試合の結末がわからなくなってしまうだろう。

 この試合を近畿大学の側からみれば、その試合内容が大切である。そして甲南大学の側からみれば、今年のチームの勢いをつけるという点で重要な試合である。




9月6日(土) 尼崎陸上競技場 17:30
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





同志社大学





 







9月7日(日) 宝が池球技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





神戸大学





 


 今年の関西学生リーグ戦が終わった段階でこの試合がキーポイントだったという重要な試合になるかもしれない。第1節一推しの試合である。

 昨年のこの対戦は、第2節に行われて京都大学16−13神戸大学という京都大学の辛勝の試合だった。第4Q途中まで16−0と京都大学がリードしていたが、突如、神戸大学オフェンスがパス中心のドライブに変わるとミドルゲインが連続してTDを獲得、さらに、オンサイドキックを成功させると再び同様のドライブで連続TDを奪い3点差にまで詰め寄った。しかし、このオンサイドキックが失敗に終わって京都大学が逃げ切ったという大接戦だった。

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 今年の神戸大学QB#10江端によるオフェンスだが、ランプレー重視なのか彼が得意とするパス中心に組み立ててくるのか、本当のところは予想がつかない。RBは#32森、#33大崎、#39宮川という昨年からのメンバーが健在だが、それがパワープレーなのかオプションなのか。
 もしもパスプレーをメインに据えるならばWR#9村上、TE#43石原がメインターゲットだが、レシーバー陣の絶対数が不足気味という状況である。だが、昨年のオフェンス内容に経験分が加わった今年は、かなり高度なパフォーマンスを繰り広げるだろうと予測できる。

 一方のディフェンスは、DL#73池渕、#92家入、#52中西、LBには#55岩田、#6肥田という動きの鋭いメンバーが健在、そしてDBには#17吉村を中心に#39野村#25矢野川というパスカバーの得意なメンバーがそろう。ほぼ昨年からのメンバーが残っているので不安はない。積極的に前に出る攻めのディフェンスをおこない、ディフェンスが試合をコントロールできるのが強みである。

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 京都大学オフェンスは、まず何よりもOLに超重量級のメンバーが揃ったことが今年の特徴である。OL#58高橋、#72吉村、#79表、#63辻野など近年では特筆すべき充実ぶりである。RBの中央突破だけで小刻みなロングドライブができるオフェンスチームは京都大学だけであろう。そしてQB#4川並の得意とするクイックパスがWR鋤崎、飯田、小寺へと飛んでいくが、おそらくラン中心のオフェンスになるのではないか。

 ディフェンスもラインが充実している。#31中村、#97近藤がDLに復帰して#92高谷、#19大鋸とともに鉄壁のフロントを構成する。近藤が抜けたLBには#45伊藤が、そして第3列には主将#14金氏、#11廣岡、#23松浦がスターターに名を連ねることになりそうだ。ただ第1列に比較すると、この2、3列が若干手薄という印象が拭いきれない。

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 この試合の一つのポイントは、京都大学オフェンスと神戸大学ディフェンスの攻防、それも京都大学OLと神戸大学DLの対決にある。おそらく京都大学はRB陣の中央突破ランを中心にプレーを組み立ててくるだろうが、神戸大学は1回平均のゲインを3ヤード以下に確実に抑えこむことができるか否か。さらにRBのオープンプレーにもLBDBがしっかりと対応してショートゲインに留めることができるか、ここが試合の行方を大きく左右するポイントになりそうだ。
 神戸大学DLが京都大学重量級OLとの対決をイーブンにすればLB#55岩田、#6肥田がボールキャリア目指して突っ込むといストーリーが立つ。しかし、中央オープンともランプレーで1回5ヤード以上のゲインが連続するようではこの試合の結果は容易に想像がついてしまう。

 もうひとつのポイントは、神戸大学オフェンスがパス中心に組み立てるかラン主体で攻めたてるか、である。もっともオフェンスの姿がはっきり見えていない以上考えにくいのだが、何で組み立ててくるか、特に試合前半のプレー選択には非常に興味がある。

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 ところで京都大学はこの試合をランプレーによる小刻みなゲインの積み重ねによる時間消費型のロースコアの試合展開にしようとするのだろうか。それともロングゲイン狙いで、ロングパスやオープンランを狙い続けるのか。理想は、もちろん、パスが次々に決まってランでもビッグゲインを繰り返すことだが、QB#4川並パスの精度によるところが大きい。さらに神戸大学DB陣のパスディフェンスもそんなに簡単にはパスを通させてはくれそうもない。

 私なりに、神戸大学側からみてこのような試合の組み立て方をしてくるのでは??という具体的なストーリーはあるのでが、それをここで記すのはやめておこう。


 今年の関西学生DIV1を語る上で重要な意味を持った試合である。宝が池球技場11時試合開始は、遠方の方には少し厳しい時間かもしれませんが、早起きしてでも観戦すべき試合です。残暑が厳しそうなので、日傘と帽子と日焼け止めクリームと、ペットボトルを持参してください。






9月7日(日) 宝が池球技場 13:50
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





関西大学





 







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