関西学生アメリカンフットボール Div.1 第6節



11月9日(土) 阪急西宮スタジアム 12:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学00613192-4-0
大阪産業大学71707311-5-0
(現地観戦)
 
神戸大学
大阪産業大学
1Q
FG×
TD
1Q
2Q TD
TD
FG
END 2Q
3Q
TD 3Q
4Q FG×
G×
TD
TD
G×
RTD FL
END 4Q
(作者Aのメモより)


 試合は大阪産業大学レシーブで始まった。その最初のオフェンスシリーズは、フォールスタート罰退で始まるというなんとも言えない立ち上がりでこのままパントとなる。

 そして続く神戸大学オフェンスだが、自陣からのUBの中央突破ランが大きく抜ける。もう一度中央突破ダイブで敵陣25ヤードへ。さらにオプションTB#33へのピッチプレーで敵陣13ヤード。このシリーズはその後はTDにつなげることがで出来ず、さらにFGも外してしまうのだが、このテンポいいオフェンスだけを見ていて圧勝の試合になりそうという雰囲気が漂った。

 しかし実際は、神戸大学オフェンスが前進できたのはこのシリーズのみ。前半残りの4シリーズはFD更新すらできない。そして、大阪産業大学が前半24点リードで終えるという最初の攻防からは予想も出来ない試合になった。

 大阪産業大学1個目のTDは自陣20ヤードからのランドライブによる。TB#2磯脇の中央突破カウンターランが40ヤード、そしてUBフェイクQBキープ、オプションTBピッチプレーなどで止まるところなくTDへとつなげた。
 そして、2個目はWR#88中村の内へのミドルパスからそのままエンドゾーンへ駆け込み、WR#21植木のパスジャンピングキャッチ33ヤードなどのパスドライブで3個目のTDを獲得した。そして最後はLB#36上田によるスクリーンパスインターセプトからの攻撃権を再びパスドライブし、WR#88中村と#89高橋への芸術的なピンポイントパスなどでエンドゾーンに接近してFG3点を追加、前半だけで3TD1FGの大量24点を獲得した。

 この間、神戸大学ディフェンスは中央ランプレーにわずかに対応できた以外はほとんどされるままのドライブを許した。神戸大学のパスディフェンスは固いと思っていたのだが、見事に崩されてしまった。QB#5藺牟田による思いきりの言い・ためらうことのない矢のようなパスが次々に決まる。WRを同じポイントに飛び込ませてどちらかがキャッチする、このWRの交錯にDB陣のマークがずれてしまうのだろう、ぎくしゃくしたパスディフェンスになっていった。

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 前半を終えて24点差、神戸大学は後半レシーブだったが追い上げるには1回のオフェンスシリーズもムダには出来ない。
 後半最初のシリーズは敵陣30ヤード付近までドライブし第4ギャンブルもFD更新できそうだったがここでホールディング反則による罰退で攻撃権を放棄せざるを得なくなった。

 結局ランパスドライブでTDに結びつけたのが第3Q残り2分だった。そして第4Q残り8分少々からはじまった自陣20ヤードからのオフェンスを第4D残り16ヤードでギャンブルプレーを試みるがパス失敗、大阪産業大学に1TDを献上した。この時点で試合の行方が決まってしまった。

 その後、神戸大学は2TDをあげ、それぞれキックオフにオンサイドを試みるが、運にも見放されてしまっている。

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 今シーズンの神戸大学の試合の中ではもっとも「らしくない」試合内容だった。乗っていないというかキレがないというか。ディフェンスもLBの動きが今ひとつで大阪産業大学のドライブを簡単に許してしまった。次節は、「らしい」試合を観たい。

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 大阪産業大学QB#5藺牟田は、前節甲南大学戦から積極的にパスを投じてくるようになった。きっかけが何なのかは不明だが、伸びのあるパスは見ていて気持ちがいい。次節もお願いします。
 ディフェンスで特筆すべきはILB#36上田が随所に活躍したことだろう。時々はタックルが甘かったりするのだが、第2Qのパスインターセプトと第3Q神戸大学ドライブを実質的に終わらせたタックルは、試合のキーポイントでもあった。


 大阪産業大学が神戸大学ディフェンスをどのように崩しにかかるかがひとつの見所だったが、WR2人を同じポイントに入れてパスディフェンスを崩しにかかったということなのだろうか。
 リーグ戦20連敗で途絶えたが、最後に勝利したのが99年神戸大学戦だった。その時はRBを3人ならべたツルーIでディフェンスを崩壊させている。ということは・・・・。



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11月9日(土) 阪急西宮スタジアム 14:50
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学217146486-0-0
近畿大学060063-3-0
(現地観戦)
 
立命館大学
近畿大学
RTD 1Q
TD
TD
1Q G×
TD 2Q
TD
2Q G×
3Q
TD
TD
3Q G×
FG 4Q
FG
4Q END
(作者Aのメモより)


 近畿大学キックオフを立命館大学#11冷水がキャッチそのまま約90ヤード近畿大学を交わしてスピードの入れ違いであっと言う間のリターンTDだった。試合開始17秒。

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 立命館大学キックで試合再開、自陣22ヤードから近畿大学オフェンスが始まった。最初のプレーはIフォーメーションQB#3安倍からTB#20土手下の中央突破だがショートゲインにとどまる。
 しかし、次のプレーが近畿大学オフェンスのスペシャルプレーだった。左WR#6長谷川が縦に出た裏へのTE#99杉田の左外パスだった。アスリート杉田をメインにした第2Dとっておきのプレーはディフェンスノーマークだったのだがパスキャッチできず。続く左WR#81中川へのパスはFDを獲得できる位置でキャッチながら惜しくも外だった。

 続く立命館大学最初のオフェンスシリーズはフィールド中央付近。第1Dはショットガンフォーメーション右パス失敗、第2DにIフォーメーションTB中央突破0ヤード、そして第3DがショットガンフォーメーションからRBへのハンドオフラン#39礒谷が7ヤードキャリーした。
 このシリーズは#22岸野のパントに終わるのだが、オフェンスの基本的なプレー3個を試している。そしてゲインしたのがハンドオフプレーだった。これが理由なのかどうかはもちろん判らないが次のシリーズからは、ショットガンハンドオフをメインに組み立てていった。

 一方の近畿大学オフェンス第2シリーズは、中央突破ランがゲインできないない。さらにパントの飛距離が出ず、立命館大学にエンドゾーン前30ヤードというポジションを献上してしまった。

 立命館大学はショットガンフォーメーションからRBへのハンドオフプレー中心にRB#32野本、#39礒谷のランプレー5回で2個目のTDを奪うと、次のシリーズはショットガンハンドオフプレーをフェイクにしたプレーアクションパスを投じた。フェイクプレーでDBを吊り上げた裏へ入り込んだWR#19冷水への縦ロングパス1本で3個目のTDを獲得する。そして仕上げは自陣29ヤード付近から、ショットガンハンドオフプレーとフェイクパスを巧妙に織り混ぜてディフェンスを完全に撹乱した。

 立命館大学のオフェンスはハンドオフプレーで先制し、ハンドオフフェイクロングパスでTD、最後にはハンドオフとショットガンパスでTDというプレーの組み立てだったのだろうか。立命館大学に対してこういう分析を行うのは久し振りなのだが。

 近畿大学ディフェンス側は立命館大学オフェンスの手が読めていないのかスピードに付いて行けないのかともかく後手後手を踏む。キャリアに追いつくのが精一杯という状況だった。DLLBがQBにプレッシャーをかけられていれば少しは違った展開になったかもしれないい。第3列だけにすべてを負わせるのはやはり厳しい。

 近畿大学ディフェンスが後手に回ってしまった時点で苦しい展開になっている状況にあるのだが、オフェンスも効果的にゲイン出来るプレーが見つからない。

 第1Q4回目のシリーズは#20土手下の好リターンでフィールド中央付近からの攻撃となった。しかし、#99杉田へのプレーアクションパスはQBと合わないなどで手詰まりとなる。立命館大学のアンスポの反則によって敵陣35ヤードにまで到達するのだが、やはりここからは進まない。そして、第4D残り3ヤード。

 当然、ギャンブルプレーだった。

 TE#34金子が縦方向に入ってディフェンスを引きつける、これによって生まれたショートレンジの空間へ#99杉田が遅れて入ってくる、ディフェンスマークなくフリーなのだが、このパスが決まらない。パスが成功していればビッグゲインから独走TDランにまでつなげられるシーンだったのだが。

 結局近畿大学が得点を挙げるのは28−0と点差が広がってからのことになる。近畿大学自陣30ヤードから、#81中川への縦パス40ヤード、#20土手下のWリバースと、立命館大学の反則(ラフィングザパサー・ラインオフサイド・パスインターフェア)オンパレードによって近畿大学が1TDを返すのが精一杯だった。

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 前半を終わって立命館大学28−6近畿大学という3TD差となった。近畿大学側から見るとオフェンスの攻め手段がない。ランプレーUB#39大坪、#35碓井の中央突破はゲインできて4ヤードまで。TBの中央突破はロスゲイン、オープンランもイーブンまでと手がない。パスは成功するパスもあるがコンスタントには続かない。これまでの試合による負傷者の影響もあるのだろう実質的にパスターゲットは一人だった。

 ただし、#99杉田へのフリーパスが決まっていればディフェンスノーマークだったので得点にまでつながっていた可能性は大きい。そうなれば立命館大学ディフェンスが慌てだして反則のオンパレード、一方の近畿大学ディフェンスが乗ってきてQB高田にプレッシャーがかかりオフェンスの勢いも止まる。そして試合均衡から近畿大学勝利へ・・・。スジは通る。


 近畿大学は試合開始前のコイントスで選択権を獲得している。そこで前半の選択権を放棄して後半行使つまり後半リターンを選択している。

 この選択の是非は悩むところではある。しかし、接戦で前半を終えていれば、後半リターンから入れるのは相手へのプレッシャーとなり優位な試合展開に持ちこめる可能性はある。つまり選択の是非は、前半を接戦で終えるゲームプランの有無による。


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 後半の展望は、近畿大学オフェンスが如何に立ち直るか、先に得点できるかだった。しかし、近畿大学オフェンスはFD更新なく終わり、近畿大学ディフェンスも立命館大学ショットガンに対応できないまま追加TDを奪われてしまったことで、試合の勝敗を逆転するような展開になる可能性が消えてしまった。

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   近畿大学側からこの試合を見たときのポイントをいくつか挙げておく。

 試合開始直後のキックオフリターンTDは、まさしく最初のプレーであり立命館大学のスピード慣れていなかったことも影響しているのかもしれない。近畿大学は漫然と構えていたわけではないだろうが、モメンタムの奪い合いで最初から立命館大学に傾いてしまった。

 その流れを取り戻すことができるシーンが#99杉田へのパスだった。ディフェンスのいない余裕のパスだったがQBとのコンビネーション確立までの時間が足らなかったのだろうかパス失敗の連続になってしまった。このパスが1本でも決まっていれば、少しは違った試合展開になっていただろう。

 またディフェンスDLLBがQBにプレッシャーをかけられなかったことで、第3列DBにプレッシャーがかかってしまった。最後までショットガンに対応できなかったのだが・・・・。

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 立命館大学は6戦全勝となった。しかし、今年まだ一度も厳しい試合(追われる怖さ、追いあげるシチュエーション)をしていない。関西学生を圧勝でシーズンを終えることになるのだろうか???それとも、慌てるシーンがあるのだろうか???こういうシチュエーションで立命館大学攻守はどのような対応をするのかを見てみたいと、ズーッと思っているのだが、はたしてこの疑問この希望を叶えてくれるチームは、あるのか。


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11月10日(日) 阪急西宮スタジアム 12:00
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
甲南大学7070142-4-0
同志社大学0377171-5-0
(現地観戦)
 
甲南大学
同志社大学
1Q
TD
1Q
2Q
FG
END 2Q
TD 3Q
TD
3Q
4Q
FL
TD
FG×
4Q END
(作者Aのメモより)


 同志社大学の先攻で試合が始まった。第1シリーズ自陣からQB#8水野によるオフェンスは甲南大学反則などもあってフィールド中央付近なでドライブするのだが、パスだけではドライブできなかった。

 甲南大学オフェンスが第1シリーズ自陣20ヤードから、前節同様のランドライブで前進する。QB#5大西のハンドオフによるUB#33近藤、#31増田の中央突破ダイブプレーが1回10ヤードのゲインにより甲南大学が先制した。

 続く同志社大学は再び#19奥野、#83要へのパスでドライブするが敵陣40ヤードにまで達しながらDB#28石川にインターセプトとパスは続かない。
 となればランオフェンスへ切り替えた。
 自陣13ヤードからの第4シリーズはRB#1永富の左右オープンランを繰り返した。途中QBキープとパスをはさんで5回キャリーと甲南大学反則によって敵陣14ヤードまでランドライブを行った。ここから再びパスを試みるとやはりゲインできない。DL#59浅掘、#57西村によるQBサックにあって12ヤード後退。このシリーズはFGにとどまった。

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 同志社大学ディフェンスは、やはり、甲南大学のランをなかなか止められない状態だった。DLが完全にコントロールされ、相手OLによってLBまでもがブロックされてしまっては止まらないのは仕方がない。
 さらに甲南大学は前半最後のシリーズにQB#10池垣によるパスオフェンスに一変する。WR#80伴をメインターゲットにして同志社大学ディフェンスを揺さぶった。同志社大学ディフェンスにとって相手手数に悩まされてもいい状態だった。

 ただ、7−3という僅差で前半を終わったことが後半の同志社大学攻守に微妙に影響したようだ。

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 後半は甲南大学レシーブで再開した。最初のシリーズは自陣27ヤード付近から再びQB#5大西によるドライブ。RB#29冨田、#33近藤のランプレーでフィールド中央付近に、そしてランプレーをフェイクにしたプレーアクションWR#80伴への縦パス35ヤードでエンドゾーン前20ヤードに達する。
 しかし、ここからホールディングの反則2回と勢いが止まってしまった。結局はRB#29冨田による右オープンラン35ヤードでTDにするのだが、重要なポイントで反則が多くなっている。このPATに2ポイントパス成功も「不正な前パス」による取り消しになってしまった。

 一方の同志社大学オフェンスはパスプレー主体からRB#1永富によるランプレーメインに完全にプレーを切り替えた。自陣35ヤードからのシリーズを#1永富による22ヤードと第4Dギャンブルスニーク、そして#1永富右オープン33ヤードTDで得点差を縮めた。
 さらに次のシリーズも自陣から#1永富の連続キャリーで敵陣へ。ここはPに追いこまれるのだが、絶妙なパントが決まりフィールドポジション的に甲南大学を追い詰めることができた。


 甲南大学は3点リードしているとは言え、同志社大学オフェンスの猛追を受けている状態にあって、自陣1ヤードかからのドライブを強いられることになった。
 甲南大学オフェンスはランがゲインするが反則による罰退が多くなってきた。一方の同志社大学ディフェンスはタックルの甘いところは完全には解消されていない。しかし、同志社大学側から見れば、オフェンスは得点差を縮め、さらに相手のポジションが1ヤードとなれば、燃えないわけがない。

 甲南大学はRB#33近藤、#2油井、#29冨田のランプレーで2回FD更新するが計20ヤード前進にとどまる。同志社大学ディフェンスがしっかりと止めていた。次のQBキープ15ヤードのビッグゲインが飛び出して、甲南大学再びビッグゲイン連発か。
 次のプレーがイリーガルシフトの反則で罰退、一転してFDまで15ヤードを残す。WR#80伴インへのミドルパスはキャッチ後にファンブルロストとなってしまった。

 フィールド中央から攻撃権を獲得した同志社大学は、QBキープ2回。そして、第3D、第4Dを左右オプションピッチで切りぬけると、最後のプレーが#1へのショベルパスだった。中央からオープンへとスルスルと抜けて逆転のTDとなった。

 均衡していたモメンタムが同志社大学へと傾く。

 それでも甲南大学は自陣からドライブを続けた。中央突破#31、パス#34で敵陣15ヤードにまで達して、再逆転のシーンだった。しかし、同志社大学がタイムアウト2回を使ってディフェンスの力を結集した。そしてRB中央突破。・横パス・QBキープに留めて第4D残り3ヤード。甲南大学は同点にすべくFGを選択したが、飛距離30ヤード足らずのキックは左へ逸れた。

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 甲南大学オフェンスは、前節同様に試合序盤でリードしながら反則多発によってテンポが悪くなっていった。前節はそれでも白星だったが、この試合は終盤に逆転されて追う立場になってしまった。まさか白星を置きに来たということはないだろうが前節の試合と併せて見ると、少し考えてしまう。

********

 同志社大学はこれまでに苦しい試合が続いていたが、攻守がまとまって白星がゲット出来たということで勢いに乗れるだろう、次節の試合が楽しみになってきた。


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11月10日(日) 阪急西宮スタジアム 14:50
TEAM1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学7007145-1-0
京都大学300364-2-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
京都大学
P× 1Q
FG
TD
1Q
2Q
FG×
FG×
2Q END
3Q
3Q
4Q
FG
TD
4Q END
(作者Aのメモより)


 コイントスで選択権を得たのは京都大学だった。後半チョイスの選択によって関西学院大学レシーブで試合開始する。


 関西学院大学最初のシリーズは自陣30ヤード付近から。両TEQBキープ、RB#30岡村中央突破プレーがゲインできず第3Dもパス失敗となった第4Dパント。だが、スナップしたボールを後逸してしまう。追いついたところはエンドゾーン付近だった。かろうじて蹴ることはできたが、京都大学にいきなりエンドゾーン前16ヤードのチャンスを与えてしまった。

 京都大学オフェンスにはQB#4川並が登場し、さらに関西学院大学オフサイドの反則でさらにエンドゾーンに近づくのだが、パス2本は距離高さ合わず失敗、RB#2高見の中央突破もならず最後はK#28西のFGにとどまった。

 続く関西学院大学は自陣27ヤードから。QB#16尾崎のプレーアクションパス、RB#33杉原の中央突破30ヤードのビッグゲイン、#7岸の左オ−プンランも18ヤードとビッグゲインを積み重ねてエンドゾーン前10ヤードに達した。しかしここから京都大学ディフェンスも厚くなっていく。結局第3D中央突破もノーゲインに終わって第4DをFGトライ・・・となるはずだった。  だが、京都大学の反則(フェイスマスク)によってエンドゾーン前3ヤードからのFDを得ることになる。これをRB#36兵頭の中央突破とQBスニークで逆転のTDとなった。


 しかし、この後は両チームとも一進一退のまま時間が経過していくことになる。

 関西学院大学オフェンスは、RB#33杉原、#36兵頭、#3大谷、#7岸などの中央突破が10ヤードぐらいゲインすることもあれば京都大学DLの出足に潰されてロスゲインになったりと、安定感を欠く。パスはコントロールが悪くレシーバーの手が届かない。徐々にQB#16尾崎のキーププレーが増えていった。

 一方の京都大学は、QB#4川並からのパス、RB#31大住、#32池上の中央突破プレーがある程度はゲインする。さらに関西学院大学の反則にも助けられながらドライブが進む。それでもLB#5平郡のナイスソロタックルありなどで、京都大学も前進後退を繰り返した。

 両チームともオフェンスの攻撃手段がない。かと言ってディフェンスが圧倒しているかといえばそうではない。モメンタムの行き来というより、どちらも試合の流れを引き込めない。

 こんな中途半端な状態の中で、第2Qには両チームとも1回ずつのロングドライブを行ったのだが。

 まず京都大学が自陣43ヤード付近から。プレーアクションパスを#9仲田、#81小寺へと決め、さらに関西学院大学オフサイドとフェイスマスクの反則でエンドゾーン前14ヤードまで達した。しかし、TDパス2本はDB#27高倉のカットなどでと失敗、さらに、飛距離35ヤードのFGも失敗に終わった。

 一方の関西学院大学オフェンスも自陣32ヤードから前進後退しながらドライブする。UBフェイクのQBカウンターオプション中央突破18ヤードを背後ブロックの反則で帳消ししたかと思えば、RB#3大谷のオープンスイープ10ヤードと、QBスクランブル12ヤード、さらに、WR#80中林へ久しぶりのパス17ヤードで敵陣20ヤードへ。しかし、ここから京都大学ディフェンスを突破できないのは全節までと同様だった。RB#33杉原、#3大谷、#16尾崎の中央オープンプレーで3回で3ヤードを残して第4DFGトライ。飛距離30ヤードのFGが外れる。

********

 前半を終わって7−3。均衡した試合だが、両チームとも反則が多かったりFGが外れたりと、落ち着かない内容だった。

 ただオフェンスドライブ出来ていたのは、どちらかと言えば京都大学という印象だった。RB#31大住、#32池上、#2高見の中央突破とオープンプレーを見せておき、それをフェイクにしたプレーアクションパスがミドル〜ロングレンジで#81小寺、#9仲田へと飛んでいくという組み立て方だった。そして、その裏プレーであるオプションランプレーでもしばしばミドルゲインを獲得していた。

 関西学院大学ディフェンスとしてはランパスに対応しなければならず、さらにQB川並の動作が巧妙でどのプレーも一瞬だけ遅れてしまう。このランパスにディフェンス2、3列は崩壊寸前にまで追いつめられるのだが、これを救ったのは個人能力によるところが大きい。さすが関西学院大学の選手だが、全体ディフェンスという点では、まだ少し完成度が劣る。


 一方の関西学院大学オフェンスは、QB#16尾崎のパスが通らず/計算できない状態であり、結局RB#33杉原、#3大谷、#7岸、#33岡村の中央突破・オープンランに頼らざるを得ない。これには京都大学ディフェンスDL#73山下、LB#97近藤、#16中村の出足がよくて連続ゲインにつながらない。最終的にはQB尾崎がパスからスクランブルランするシーンが増えていった。

 京都大学ディフェンスも徐々に尾崎のQBスクランブルに対応できるようになっていくのだが、しかし、パスの脅威は残るのだろうシャットアウトできないことで関西学院大学オフェンスのドライブも続く。

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 なお、関西学院大学ディフェンスのスターティングメンバーは、DL#58、#95、#52。ILB#53,#5.OLB#34、#32、DB#29,#26,#27、#22(氏名略)

 京都大学ディフェンスは、DL#98、#90、#89、#93。LB#16,#97、#5。CB#23、#27。SS#14、#20(氏名略)

********

 後半、両チームとも1回ずつFD更新なしのパント後の京都大学後半オフェンス第2シリーズは自陣12ヤードから。
 プレーアクション#81小寺への30ヤード、プレーアクション#9仲田へ17ヤードとランフェイクのパスプレーでテンポよく前進するのだが#2高見へのショベルパスで敵陣20ヤードに到達と思ったら、ホールディング帳消しで最後までとどかない。

 第4Qにも自陣23ヤードからランパスドライブを積み重ねて敵陣15ヤードまで達する。後半のモメンタム自体は京都大学に傾きかけるのだが、ここからディレイオブゲームによる罰退と第3Dパスプレーを読み切った関西学院大学LB#34田中のQBサックにあってしまい、FGで3点を追加するにとどまった。

 一方の関西学院大学オフェンスは、自陣から中央付近までドライブするのが精一杯の状況で3回のオフェンスシリーズは手詰まりの中で終わってしまった。しかし、P#15中野の絶妙なパントキックでフィールドポジションを逆転することになる。


 残り時間5分少々。関西学院大学P#15中野の絶妙なパントキックにあって京都大学オフェンスは自陣8ヤードからとなった。時間的には余裕はあったのだが、ここをWR#81小寺へのミドルパス2失敗。ロールしてのパス失敗でフィールドポジションを挽回できなかった。このシーン、京都大学オフェンスがセットした時点で2000年の立命館大学戦、QB今西が刻んで6分間を消費した逆転ドライブを思いだした人もいたのではないか。

 しかし、この日は3連続パスに終わってしまい、さらに、パントも飛距離が伸びず関西学院大学に残り4分41秒敵陣45ヤードという逃げ切りポジションを与えてしまった。

 京都大学ディフェンスも一度は第4D1ヤードのギャンブルシーンにまで追い詰めたのだが、#16尾崎による執念のQBスニークでFD更新を許してしまった。結局ランプレー10回、時計を止めたのは京都大学のタイムアウト2回だけとなり、残り時間を十分に消化し切って、第4Q残り時間5秒にRB#33杉原が飛び込んで2個目のTDを奪った。

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 関西学院大学DB#27と京都大学WR#81小寺の対決は随所にあって攻防が面白かった。パス成功もあればパスカットもありだったが、第2Q・第3QのTDパスカットなど勝負どころでDBのカットが光った。さらにDB#22田尻、#29河合との攻防も見ごたえがあった。特にDB#27高倉は次節立命館大学戦でもキーマンの役目を担いそうだ。


 この試合は再戦すれば勝敗の行方は判らない。あのFGが決まればとか、場合分けのシーンが多い試合だった。
 たとえば、結果論だろうが、第4Q残り5分の京都大学オフェンスシリーズが自陣20ヤードからFD更新できていれば関西学院大学ディフェンスが少しは緊張しただろう、そこから結果は変わっていた可能性もある。実際は、このシリーズをパス3連続失敗になり陣地が挽回できないままパントを蹴ることになるのだが、フィールドポジションが悪くてFG3点は覚悟しなければならないポジションを献上してしまった。

 QB#4川並のパスが1本でも通っていれば、こんなことを言う人はいないだろう、だから結果論なのだが。2000年の立命館大学戦のような5分を使いきったドライブを見たかったのだが、今年はパスをメインに組み立てたチームなのなら、このパス3回の選択もあり得ることだろう。

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 関西学院大学最後のTDは、残り時間4分41秒から0分5秒までのドライブによる。ドライブ途中で7−6と1点リードしているので本来なら途中でニーダウンによる時間消化・1点差逃げ切りが正しい。もしもPATをはずしたら6点差で京都大学のリターンになる。キックオフリターンTDと2ポイントPAT成功で逆転の可能性もあった。一応アメリカンフットボールの得点計算上の可能性として示しておく。

 関西学院大学が何のためにプレーをしたかは判らない。おそらく得点勘定とは違う次元のところで故意にTDを奪い、そして時間を残したのだろう。この選択については当事者以外が言うべきことではないだろう。


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 この結果、関西学院大学は5勝1敗となり連覇の可能性を残した。次節立命館大学戦で勝利すれば両校優勝となる。なお、その場合は校子園ボウル出場校決定戦(プレーオフ)が、12月1日(日)西宮スタジアムにて14時試合開始で行われる。



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