関西学生アメリカンフットボール Div.1 第5節



10月26日(土) 阪急西宮スタジアム 12:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
甲南大学 7 7 14 0 28 2-3-0
大阪産業大学 0 0 0 21 21 0-5-0
(現地観戦)
 
甲南大学
大阪産業大学
1Q
FG×
TD 1Q
2Q
TD
FG×
2Q END
FG× 3Q
TD
FL
TD 3Q
4Q TD
TD
TD
4Q
(作者Aのメモより)


 甲南大学オフェンスはQB#5大西によるラン主体の攻撃でUB#31増田、#33近藤、TB#29冨田、そしてQBキープによる中央とオープンへのラン攻撃でドライブを続けた。大阪産業大学ディフェンスの中央縦ラインが弱いのかスクリメージを抜けると5ヤード以上簡単にゲインしてしまう。そして、QBを大西をQBに配したことでレシーバーに戻ってきたWR#88吉田へのパスも絡めて、甲南大学は第3Qまでの7シリーズを4TD3FG失敗とすべて敵陣まで侵攻している。


 一方の大阪産業大学はQB#5藺牟田からのパス攻撃を盛んに仕掛けていた。パスターゲットWR#88中村へのミドル〜ロングのパスを投じる。そして、時々織り込むランプレーでは#21植木をRBに配したオプションプレーなど面白い試みもあった。しかしパスはDBのパスカバーが厳しくなかなか決まらない状態だった。特にWR#88中村とCB#17舳の間で熾烈な攻防が繰り広げられていた。

 結局、この力関係のまま第3Q終盤を迎えることになる。甲南大学はオフェンススタート地点は様々ながらランによるドライブによる4個のTDに対して大阪産業大学はパスが通らないという攻守シーンを、まるでコピペしたように繰り返されていた。

 それはそれで構わないのだが、第3Q最後から突如としてQB#5藺牟田−WR#88中村のパスが繋がり始める。Qが変わった最初のプレーでWR#88中村への30ヤード超のTDパスが決まった。
 その次のシリーズも自陣30ヤードから#2磯脇、#88中村、#89高橋へのミドルパスで前進しWR#88中村への30ヤードTDパスが決まった。3TD目も大阪産業大学自陣20ヤード付近からのパスのドライブで第4Q残り時間1分48秒の時点で1TD差にまで詰めることが出来た。しかし、次のオンサイドキックを確保できずに勝負が決まった。

********

 この試合第3Qまでは甲南大学が一方的にドライブし、第4Qになると今度は大阪産業大学が一方的なドライブで、それぞれ相手ディフェンスを翻弄していた。

 さて、なぜこのように極端に試合の流れが変わってしまったのか、ここが私には理解できない。というより、知識がないというのが正しいところである。考えられるポイントは2個。大阪産業大学QB#5藺牟田が開き直ったことによってパスボールが延びるようになった(?)甲南大学ディフェンスのどこかのポジションが何かがあってパスカバーが甘くなった(?) おそらくオフェンスのプレーを追うという見方だけではその変換点は見えてこないのでしょう、すいませんが、私には理解不能です。

 ボヨヨン王国が解決してくれることでしょう(^^)

********
この試合の展望コメントへ



10月26日(土) 阪急西宮スタジアム 14:50
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
関西学院大学 7 7 5 6 25 4-1-0
近畿大学 10 7 0 12 29 3-2-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
近畿大学
1Q
FG×
FG
(RFL)
TD
TD 1Q
(RFL) 2Q
TD
TD
END 2Q
FG 3Q
(S)
3Q
4Q
FG
TD
FG
4Q RTD
(作者Aのメモより)


 コイントスの結果近畿大学レシーブで試合が始まった。近畿大学QB#3安倍のオフェンスは第1プレーでWR#27鉾山と#81中川をターゲットにした左サイドへのロングパス(失敗)と、ショットガンフォーメーションで関西学院大学ディフェンスを揺さぶった。

 続く関西学院大学はフィールド中央付近で攻撃権を得る。QB#16尾崎のオフェンスは右TE#88松本クイックパスで6ヤード。そしてRB#33杉原の中央突破が15ヤードと大きくゲインし敵陣25ヤードに到達、先制のチャンスを得る。しかし、次の右へのショートパスをCB#18西村にレシーバーの前へ割り込まれてインターセプトされてしまった。

 この第1シリーズの攻防を見ただけで、近畿大学の試合にかける準備と、一方の関西学院大学は前節と同じような手詰まり間漂う試合になるのかという第一印象だった。そして時間の経過とともに、この印象どおりの試合展開になっていく。


 43ヤード付近で攻撃権を得た近畿大学は、再びレシーバー4人+HBのショットガンでセットし、HB#20土手下へのダイレクトスナップからのランで前進する。そして次はノーマルなI体型からのUB#39大坪の中央突破カウンター8ヤードと関西学院大学ディフェンスを揺さぶった。さらにWR#81中川へのクイックパス8ヤード、RB#39大坪の中央突破カウンター9ヤード、WR#27鉾山へのプレーアクションパス15ヤードというビッグゲインの連続で、エンドゾーン前15ヤードに到達、関西学院大学ディフェンスは、ここで1回目の行使をすることになる。
 タイムアウトで立て直した関西学院大学は、TDパス2本をDB#27高倉のカットなどで凌ぎ、第4DFGトライが失敗となって、かろうじて均衡を保った。

 この日の関西学院大学ディフェンスは、DL#58西村、#94大川、#90石田と今までに見たことのない布陣であり、LBに#32朝山が起用されるに至っては、戦略的な意図とは異質の苦しい台所事情しか読み取れるものはない。

 その後はPの蹴り合いになるのだが、関西学院大学はショットガンパスもWRと距離が合わずDL#96古川のプレッシャーを受けて完封され、自陣23ヤードからのFDでも中央突破ラン(ドロー)にDL#68泉森、DL#85岸上と#96古川のQBサックで合計−10ヤードと手がない。そして。ミドルパスを、再びCB#26中路にレシーバーの前へ割り込まれてインターセプトされてしまう。

 近畿大学は再び巡ってきたこのチャンスをFGに結び付けて先制した。第1Q残り2分29秒(経過時間9分31秒)

 近畿大学キックオフ。関西学院大学リターン。

 しかし、近畿大学の突っ込みが激しくリターナーが痛恨のファンブルロスト。


 近畿大学は再び敵陣25ヤードで攻撃権を得ると、その第1プレーでスペシャルプレーを披露した。QB#3安倍からピッチを受けたRB#20土手下がエンドゾーン内へTDパスを投じる。ターゲットはWR#27鉾山。ただパス距離が長すぎたように見えた。WRとボールの距離が少しあって失敗かと思ってみていたのだが、最後をWR#27鉾山がよく伸びた。エンドゾーン内でボールを受けてTD、第1Q残り時間2分11秒(経過時間9分49秒)近畿大学が相手のミスを確実に得点に結びつけて10点のリードを奪った。

 これに対して関西学院大学も、次のキックオフリターンで#33杉原がビッグリターンして敵陣27ヤードからのFDとなる。ここはQB#16尾崎オプションキープで17ヤードゲインしてエンドゾーン前10ヤードでFDを獲得する。ここから近畿大学LB#42齋藤、#43西川、DLに遮られるのだが、次の第3Dは関西学院大学得意のプレーでTDを奪った。QB尾崎は左ロール、左サイドの2人のレシーバーをマークしたDB陣がパスカバーに下がって出来た空間をスクランブルしてTDを挙げた。QB尾崎の執念で奪った7点で、どうにか近畿大学に追いすがる。(第1Q残り23秒 近畿大学10−7関西学院大学)

 しかし、この日の近畿大学オフェンスは絶好調だった。自陣からこの日大活躍のWR#27鉾山へ3連続クイックパスで30ヤードゲインと勢いがある。このシリーズはスナップ時のエクスチェンジミスの後退をきっかけにパントに追い込まれるのだが、P#6長谷川のキックが通常のように飛ばなかったこともあって関西学院大学は再び痛恨のファンブルロストしてしまう。 近畿大学は敵陣23ヤードから、今度はQBスクランブルとUB#35碓井中央突破のランプレーで繋いで、最後はフェイクプレーからのTE#34金子へのTDパスで再びリードを10点に広げた。

 関西学院大学ディフェンスも完全に後手に回って体が動かない。メンバーが固定されていないことで競った場面で呼吸が揃わないのだろう、近畿大学自陣からのこのシリーズでランパスを止めることが出来なかった。


 ただし近畿大学ディフェンスも関西学院大学中央突破ランで時々大きなゲインを奪われている。関西学院大学自陣29ヤードからRB#33杉原の中央突破が抜ける。DB#26中路が追いついた時には45ヤードゲインしていた。敵陣20ヤード、ここからディフェンスの壁に悩まされながらもWR#25杉田のリバースと、RB#33杉原右オープンランでTDへと結びつけた。

********

 前半を終わって、近畿大学17−14関西学院大学。近畿大学は歓声を上げながら控え室へ入っていくのに対して、関西学院大学は声もなく外野フェンス際へ集まる。前半の試合内容がそのまま現れた対照的なシーンだった。

 関西学院大学は攻守とも精彩を欠く状態で勢いが感じられない。前節に引き続き、一方的に圧倒されたままハーフタイムを迎えることになってしまった。

 一方の近畿大学は、オフェンス絶好調で相手ミスの3/4を得点に結びつけた。ディフェンスも時々中央突破ランでビッグゲインを奪われたりするが、連続ドライブを許さなかったことと、2インターセプトしたことによって尾崎のパスを封印したことで、こちらも優位に立っている。攻守とも準備してきたことをいろいろ披露して前半リードして終わる、予想通りの展開だっただろう。


 後半の焦点だが、近畿大学オフェンス側は、関西学院大学ディフェンスが盛り返してきてオフェンスがテンポが悪くなったときの対応方法、ディフェンス側はリードしたまま終盤を迎えたときにLBDB陣が昨年と同様の「守りのディフェンス」になってしまうか、「攻めのディフェンス」の姿勢を維持できるかだった。

 一方の関西学院大学は、攻守を通じて計算できるのは「オフェンスの中央突破はゲインする」という点だけだった前半から「なにをきっかけにして、どのようにして」立て直すかだった。

********

 後半は関西学院大学レシーブで再開する。自陣20ヤード、第1プレーで右WR#80中林への縦パス40ヤードと大きく前進、さらに#6田中、#33杉原、#3大谷のランプレーで敵陣15ヤードまで侵攻する。しかし、やはり、ここで止まってしまった。パスで大きくゲインして関西学院大学らしい立ち上がりだったのだがオーバーパワーできない。ディフェンス陣LB#42斎藤のタックルなどでFG3点で同点にするところまでだった。

 続く近畿大学オフェンスも自陣でDL#90石田、LB#53財満によるQBサックを受けてしまい、第4Dをパントに追い込まれる。ここでスナップボールを後逸し関西学院大学に2点を献上した。
 その後はディフェンシブな展開になっていき、近畿大学DLLB陣が関西学院大学の中央突破ランプレーをぎりぎりのところで止めれば、関西学院大学LB#53財満が再びのハードタックルでロスゲインを奪って攻撃の芽を摘んだ。

 試合は2点差のまま、第4Qへと突入していく。

 まず最初は関西学院大学の攻撃。自陣49ヤードから右TE#88松本へのパス12ヤード、RB#33杉原、#6田中の中央突破が今回は抜けた。中央突破ランプレーはディフェンスとの入れ違いすれ違いが多くなる。後半から#3大谷も参加したランプレーは1回7ヤード平均のゲインを稼いでエンドゾーン前10ヤードに到達。しかし、今までと同じように、ここで止まってしまった。

 なぜ止まってしまうのだろう、フィールド中央では「何が何でもゲイン」という意思が感じ取れるが、エンドゾーンが見えてくると「そこまで行けばいい」と置きに行く姿勢に変わってしまうのだろうか。

 結局第4Q直後からの約4分のドライブはFGに止まってしまった。このシーンをTDしていれば9点リードで逆転するには2回の攻撃チャンスが必要になる。しかしFGでは2点リードが5点リードになっただけであり、近畿大学にすれば1回のドライブだけで逆転できるという余裕が生まれた。

 近畿大学自陣21ヤード。ここから約6分30秒逆転のドライブ(23プレー)が始まる。

 このドライブ中にはビッグゲインはWR#27鋒山へのパス14ヤードが最長で小さなゲインを積み重ねていった。ボールキャリアはRB#20土手下、#35碓井、#39大坪、WR#81中川、そして自陣第4Dギャンブル含め3回のQBスニークで残り2分19秒敵陣18ヤードに達した。

 ここからTDパス2本が少し距離があってエンドゾーン外へ、そして、QBスクランブルも4ヤードで第4D残り1分17秒。最後のプレーに備えて、近畿大学最後のタイムアウトを使った。

 そして選んだプレーは左サイドへのパス。パス自体はレシーバーと息が合っていたとは言えない失敗気味のパスだった。しかしここで関西学院大学にパスインターフェアの反則、近畿大学はエンドゾーン前5ヤードで再び攻撃権を得る。エンドゾーンが見えてきた。

 1分12秒:右WR#81中川パスはエンドゾーン外。
 1分07秒:再び右WR#81中川パスはDBと交錯してパス不成功。そして、
 0分57秒:左WR#27鉾山へのTDパス。

 3回のパスとも関西学院大学DBはしっかりとWRについていたが、そこへ強気でしっかりと投げ込んだQB安倍が見事だった。

 この時点で近畿大学23−22関西学院大学。近畿大学はPATに2ポイントを狙って3点差にしようとこころみる。QBから右ピッチを受けたRB#20土手下、そこから左サイドへ流れ出たQBへのパスだったがDBが残っていた。1点差のまま関西学院大学の攻撃へと移る。

 残り時間57秒、リードを奪われた関西学院大学残りタイムアウト1回という状況は、あの法政大学との甲子園ボウルのシーンを思い出す。今年の関西学院大学オフェンスは時間を消費せずに逆転ドライブに繋げることが出来るか。もちろんメンバーが違うので単純比較はできないが、必ずしも完璧とは言いがたい今年のオフェンスだったが、ギリギリ追い詰められたこの状態で、あのパフォーマンスが出来るか否か。

 関西学院大学自陣20ヤード。ここからQB尾崎によるパスがヒットしていった。WR#25杉田、#8仲山、#9福井へのクイックパス10ヤードぐらいのパスが左右ライン際に次々と決まる。1回はインターセプトされかけた内側へのパスがあったが、それ以外はフリーのレシーバーへパスが決まる。

 57秒・自陣20ヤード:左#25杉田ロングP×・右#8仲山 イン17ヤード
 31秒・自陣37ヤード:右#25杉田内×   ・右#25杉田 12ヤード
 25秒・自陣49ヤード:右#8仲山 外19ヤード
 19秒・敵陣32ヤード:左#9福井 外12ヤード

 残り13秒・敵陣20ヤードからのFDで選択したプレーがRB#3大谷のドロープレーだった。しかしFD更新ならず最後のタイムアウトを使う。これが残り5秒だった。

 関西学院大学第2D。選択したプレーがK#15中野によるFG。飛距離30ヤードの逆転をかけたFGは、そんな簡単なものではない。難しい距離とシチュエーションの中をしっかりと蹴り出してバーの中央を通した。

 関西学院大学25−23近畿大学。

 しかし、試合時間が1秒だけ残った。 1回だけプレーが出来る/しなければならない。

 近畿大学が逆転するにはキックオフリターンTDしかない。おそらくリターンチームはリバースとかいろいろなプレーに思い巡らして、そして一つのプレーを決めていたことだろう。最後列はその最終確認をしながらそれぞれのポジションへ着く。その頃、最前列に並んだ#14須田は、何を考えていたのだろうか。

 そして関西学院大学のキッキングチームも、最後の1プレーのためにセットした。

 キックオフ。転がる・・。ボールをしっかりと見据えていた近畿大学#14須田だけがボールのバウンドに合わせることが出来た。モーションしてキャッチしたコース取りは、関西学院大学の隙間をしっかりと捉えていて、そしてエンドゾーンへ向いていた。



********

 #14須田がボールをキャッチしてしっかりと動くことができたのは、もちろん彼がしっかりとボールを見ていたことによる。しかし、ベンチチーム全体が勝利するという強烈な目標を最後まで諦めていなかったことが、#14須田のボールを見るという行動に繋がった。ただ漫然と「負けてしまった・・」という思いでセットしていたのでは出来ないプレーである。
 そしてこれは近畿大学が、この2週間をこの試合のためにいろいろと準備をした密度の濃い時間を過ごしたことによる。2時間の試合で近畿大学は僅差勝利した。しかし2週間という試合時間では近畿大学の圧勝である。



********

 5秒残してタイムアウトだが、テレビの前/観客席にいる冷静な立場の側の論理だと思う。その前のプレー選択の是非はともかく、ランプレーでFD更新できなければ時計は回る、そのまま終われば敗戦、その前にFGの機会をと追い詰められれば冷静に時計を見ていられるほうがおかしい。逆にこの場面で時計を見ている余裕があるのならこんな展開にはなっていないだろう。

 またFG成功した段階で試合終了していれば5秒を残しすぎた時間という話題にはならない、十分最適な時間である。

********

 試合展開を振り返ってみると、終始近畿大学攻守が試合をコントロールしていた。前半は関西学院大学のミスを得点に結びつけるしたたかさが際立つ。
 関西学院大学はランプレーのロングゲインをきっかけにして前半に1TD1FGを獲得する、さらに後半も2FGを奪うのだが、TDではなくFGに終わってしまっているので試合の主導権を握れない。

 後半に近畿大学ディフェンス陣が関西学院大学オフェンスをTDなしに抑えたのが大きい。第3Qあたりは近畿大学オフェンスが乗れていなかった時間帯であり、ここでズルズルと引き離されてしまっては最後の追い上げの時間が足らなかっただろう。特に第4Qの関西学院大学ドライブをFGに留めたことは実質的には失点ゼロに等しく、5点差つまり1ドライブで逆転できるポジションで終盤を迎えることが出来たから近畿大学オフェンスに余裕があった。

********

 さて近畿大学は関西学院大学から勝利したのだが、まだリーグ戦は終わっていない。こういう観点からみるとこの試合を本当に勝利したと見てもいいのだろうかということも考えなければならない。残り1秒の時点で逆転されたのも事実であり、ここは、しっかりと見ておくべきであろう。

 昨年の関西学院大学戦第4Q同点に追いついたその直後、昨年立命館大学戦第4Qに逆転してリードを奪った直後、そしてこの日第4Q残り58秒で逆転してからのディフェンス、どれもまったく同じ内容で相手にドライブされてしまっている。ただただ相手の為すがままにランパスを通されてあっという間に再逆転されているという点で、ディフェンスは昨年と何も変わっていない。LBDB陣は何をすべきなのだろう。「一発TDを許さなければいいディフェンスフォーメーション」でいいのだろうか??

 近畿大学にとって次節対戦する立命館大学は相性のいい相手ではある。しかし、これまでと同様に善戦どまりになるのか白黒反転させるかは、「第4Qリードした直後のディフェンス」で決まりそうだ。

********

 なお、近畿大学のリーグ戦星勘定について触れておく。近畿大学は2敗しているが、まだ優勝の可能性が完全に消えたわけではない。唯一の条件は、近畿大学が残りの立命館大学戦、京都大学戦ともに勝利して5勝2敗、さらに関●○京・関○●立になれば、この4チームが5勝2敗で並んで同率優勝となる。

********

 関西学院大学は京都大学・立命館大学と戦う前に黒星を喫してしまった。これで両校と戦う残りの試合を絶対に落とせなくないという追い詰められた崖っぷち状態である。だが、これ以上はない具体的な目標を突きつけられたのであって、残り1ヶ月でしなければならないことが明白になったという点では、喜ぶべきことかもしれない。リーグ戦で黒星を喫したことのないメンバーばかりでは、リーグ戦前半を不調ながらも白星をゲットできてしまう状態では危機感はなかなか芽生えてこない。

 甲子園に出場するためには立命館大学京都大学ともに勝利しなければならない相手であることは違いない。その勝利に対して貪欲になったことで、また一回り成長した関西学院大学を見ることが出来るだろう。まだ今年のベストメンバーによるベストパフォーマンスを見せてもらっていない。2002年の関西学院大学を見たい。

****(了)****


この試合の展望コメントへ



10月27日(日) 西京極陸上競技場 12:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
神戸大学 7 7 0 14 28 2-3-0
同志社大学 0 0 0 0 0 0-5-0
(現地観戦)
 
神戸大学
同志社大学
TD 1Q
1Q
2Q
TD
2Q END
3Q
3Q
4Q
G×
FG×
TD
FL
TD
4Q END
(作者Aのメモより)


 神戸大学QB#10江端による自陣22ヤードからの第1シリーズ、QBキープによる中央突破ランプレーをメインにオフェンスを組み立てた。OLDLの力比べのお比較を行いながら、ドライブしていった。そして敵陣33ヤード付近からはUB#30上原、TB#33大崎も加わったランプレー徹底的な地上戦ドライブで先制のTDを挙げた。

 続く同志社大学オフェンスは自陣30ヤード付近からはパスによるドライブを行うべく右WR#82久世へのパスだったが神戸大学DB#17吉村にインターセプトされてしまう。勢いに乗れなかった同志社大学だったが直後の神戸大学パスをLB#47西内がインターセプトとして流れを戻した。

 その後Pを交互に繰り返した後に同志社大学自陣41ヤード付近からの第3シリーズでパスドライブが進んだ。ショットガンフォーメーションからWR#86野原、TE#89池内などで敵陣26ヤードまで侵攻、さらにここでの第4DギャンブルでもRB#1永富へのオプションプレーでFDを更新と、久しぶりにテンポの良い攻撃が続いた。そして、エンドゾーンが目前に迫ってきたのだが、右へのTDパスを、またもDB#17吉村にパスインターセプトされてしまい、このロングドライブが得点に繋がらなかった

 神戸大学オフェンスはUB#39宮川、TB#33大崎、QBキープによるランプレーを中央付近に挑みOLDLのパワー競争に持ち込んだ。一方の同志社大学オフェンスは、WR#82久世、#83要、TE#89池内へのパスで組み立てる。
 しかし、第2Q終盤の同志社大学オフェンスからRB#1永富による右オープンランが加わった。パス主体に攻めていた裏をついた形のプレーになって20ヤードゲインと追い上げのきっかけにはなったのだが、#1永富へのピッチをディフェンスのプレッシャーでミスしてしまい、大きく後退、結局このシリーズも無得点に終わる。

 一方の神戸大学は第2Q終了間近に、フィールド中央付近での第3D残り1ヤードのプレーにRB#33大崎の中央突破左OTプレーが約40ヤードのTDランとなって、終了間際に貴重な追加点を挙げた。
 神戸大学オフェンスは、QB#10江端、TB#33大崎という布陣が定着し、さらにこの日は神戸大学オフェンスらしいQBキープ含めた中央ランプレーで大きくゲインできた。またディフェンスもDLLBDBともほぼ完璧なディフェンスで攻守ともいい形になってきた。

********

 後半になると、ディフェンシブな試合展開になっていくのだが、特に同志社大学オフェンスが神戸大学ディフェンス網をなかなか突破出来ずに時間消費してしまった。神戸大学LB#55岩田、DL#89牧野によるタックル・QBサックによる大きなロスゲインを奪い。

 第3Q終盤に自陣からのドライブでもフィールド中央付近でDB#17吉村がこの日3回目のパスインターセプトで同志社大学オフェンスの芽を摘んでしまう。結局同志社大学オフェンスは、有効な攻撃手段が見出せないまま時間に追われてしまった。

 神戸大学オフェンスは、第4Q、フィールド中央付近から再びTB#33大崎による中央突破TDランと、第4Q終了間際に追加点を挙げた。

********


この試合の展望コメントへ



10月27日(日) 西京極陸上競技場 14:50
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
立命館大学 14 7 3 7 31 5-0-0
京都大学 0 3 0 0 3 4-1-0
(現地観戦)
 
立命館大学
京都大学
1Q
TD
(RTD)
(RFL)
1Q
2Q
TD
FG
FL
2Q G×
3Q
G×
FG
3Q
4Q
TD
END 4Q
(作者Aのメモより)


 コイントスで立命館大学が選択権を得ると後半行使を選択し京都大学レシーブで試合が始まった。

 京都大学最初の攻撃は自陣20ヤード。この日のQBには第2節神戸戦途中で負傷退場した#4川並が2試合ぶりに復帰してきた。最初のプレーはRB#31大住による中央突破。しかし、これを立命館大学ディフェンス陣が完璧に跳ね返した。その後2回のランプレーでも立命館大学ディフェンスの壁が揺らぐことがなかった。

 そして立命館大学オフェンスが敵陣45ヤードから始まる。QB#18高田の最初のプレーはノーマルなIフォーメーション。モーションしてシングルバックになってから右FL#11木下の左リバースプレーで簡単にFD更新してしまった。そして次のプレーでショットガンフォーメーションを披露し、右WR#19冷水への14ヤードパスが繋がる。さらに左WR#11木下へ11ヤードパスの4プレーだけでエンドゾーン前10ヤードに到達してしまう。

 この10ヤードを京都大学ディフェンスも粘って第4Dにまでもつれ込ませたのだが、立命館大学はエンドゾーンまで1ヤードに強気のギャンブルを選択、そしてQBスニークで押し切ってしまった。経過時間3分47秒。

 京都大学ディフェンスのスピードと立命館大学オフェンスのスピードに若干の差がありそうという印象で、京都大学ディフェンスが、どこまでロースコアに押さえ込めるかが焦点になってきた。

 だが次の京都大学オフェンスシリーズ最初のプレーQB#4川並から右WR#81小寺へのクイックパスを、LB#5西がカットして浮いたボールをDB#21今井がキャッチしてインターセプトリターンTDとなってしまった。経過時間4分2秒。

 京都大学次のオフェンスシリーズも前節まで大きくゲインしていたRB#31大住、#33池上の中央突破ランがまったく通用しない。パスドロップバックにLB#47宮口サック後退となっては、手が無くなってしまった。このシリーズはパントを蹴るも立命館大学の不用意なタッチで、ふたたび敵陣で攻撃権を得ることになるのだが、QBスクランブル、RBカウンターラン、右3レシーバセットも全く通用しない。

 第1Q最後のシリーズで1回だけFD中央突破ランでFD更新するのだが、第1Qプレーによるトータル獲得ヤードは5シリーズ計+4ヤード、1インターセプトという状態だった。

 立命館大学は第2Q、フィールド中央でQB#18高田のプレーアクションでディフェンスを前に釣った裏WR#11木下へのパスがフリーで決まってしまい、第2Q1分5秒3個目のTDを奪って事実上試合が決まってしまった。


 その直後に京都大学は自陣28ヤード付近から突如としてドライブできてしまう。中央突破&オープンランにパス派手なオフェンスで5回のFD更新で敵陣5ヤードからのFD得点機を迎えるが、最後の5ヤードが遠い。ここから一進一退の末い第4Dで5ヤードが残ってしまいK#28西によるFGで3点を得るのが精一杯だった。

 京都大学はQB#4川並を最後まで起用した。前半を終えて試合の流れ的に何か起爆剤が欲しい状態にあっては、QB#18金沢投入とか、何か積極的に動いて欲しかった。個人的にはこの試合はオフェンスメンバーとのコンビネーションが出来始めてきたQB#18金沢起用かと思っていたのだが。ただディフェンスにはDL#99高谷が復帰して効果的なタックルが決まっていた。

********

 前半を終えて立命館大学21−3京都大学だが、この差を埋める術が京都大学にあるのだろうか。後半に向けて京都大学は何を準備してくるかというハーフタイムだったのだが・・・。
 しかし、何もかもが違いすぎているのを見せつけられてしまった後の本音のところは、この試合をどうしようかという内容の物ではなかった。

********


この試合の展望コメントへ



リーグ戦表へ  カレンダーへ