関西学生アメリカンフットボール Div.1 第4節



10月12日(土) 尼崎陸上競技場 12:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
近畿大学 0 0 0 14 14 2-2-0
大阪産業大学 0 0 0 7 7 0-4-0
(現地観戦)
 
近畿大学
大阪産業大学
1Q
FG×
1Q
2Q
G×
2Q END
FL 3Q
RFL
3Q
TD 4Q
TD
FL
TD
G×
END 4Q
(作者Aのメモより)


 近畿大学QB#3安倍によるオフェンスは、フィールド中央からRB#20土手下、#35碓井、TE#34金子、#81中川へのランパスで、一気に敵陣5ヤードまで侵攻した。しかし、ここから大阪産業大学ディフェンスが立ち上がってきたことと、反則罰退があり第4Dでエンドゾーンまで7ヤードを残す。ここは確実に得点するべくFGを狙った。しかし、これが決まらなかった。

 この第1シリーズで近畿大学は得点には繋がらなかったが、オフェンスドライブしたことで、前節のような派手なパフォーマンスが繰り広げられるのだろうと思っていたのだが、実際には大阪産業大学ディフェンスDB#8森崎、DL#58石丸、LB#99山本の勢いを前に効果的なゲインが奪えない。この手詰まり感にQB#3安倍に迷いが生じてきたのか自ら持って走るようになってしまい、さらにテンポを崩していった。近畿大学側から見れば、悪い方向へ転がっていったオフェンスがどのように立ち直ってくるかに興味が移っていく。

 一方の大阪産業大学オフェンスもQB#5藺牟田が前節同様にWR#88中村、#1杉本へのパスを中心に仕掛けるのだが、近畿大学DB陣#25安藤、#18西村、#26中路、#5青木の完璧なターゲットマークにあって、ほとんど効果的なパスが通らなかった。ただこの日のオフェンスはRBに#40瀬川が少しだけ復帰し、さらにRB#33阪本がオープン中央のランを試みていたのが特徴的である。

 第2Q中盤までパントの蹴りあいが続く膠着状態の中で、大阪産業大学は4回目の攻撃シリーズで始めてランプレーでFD更新するドライブを見せた。自陣34ヤード付近から、#33阪本へのショベルパスがディフェンス陣の意表を突いて20ヤード、QBスクランブルで敵陣に入り、第4D1ヤードのギャンブルプレーをノーバックからQBスニークというプレー選択で前進した。しかし、パスが通らない。WR#88中林へのTDパスをエンドゾーン間際でDB#26中路にパスカットされて攻防が止まった。

 近畿大学は第2Q最後のシリーズで再びロングドライブを見せた。自陣20ヤードからRB#20土手下による右オープンからカットインする個人技で35ヤードのビッグゲイン、さらに左WR#81中川への縦パスフック16ヤード、再び土手下ドロープレーで15ヤードと大技で久しぶりに敵陣11ヤードに到達した。
 第2Q残り2分を切ったあたりで近畿大学としては是非とも得点を挙げておきたい状況だった。しかしここから#7樋口の中央突破2ヤードに留まり、第2Dエンドゾーン内にフリーのレシーバーがいたがスクランブルに切り替えて6ヤード止まり。残り5ヤードき近畿大学は2回ともパワーIでの中央突破を試みたがDL#99山本、#58石丸などの壁に遮られて割れなかった。選択としてはFGでもよかったのだが、最初のFG失敗がここのプレー選択を要求したのかもしれない。

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 前半を終わって0−0なので緊張してもいいハーフタイムだったが私的には何故か落ち着いていた。

 近畿大学オフェンスが最初と最後にロングドライブしていることと、大阪産業大学オフェンスが効果的なゲイン出来ていないことで近畿大学優位の印象はあった。ただし、近畿大学オフェンスが大阪産業大学ディフェンスのプレッシャーを受けて徐々に歯車が狂い始めていたのも確かである。
 したがって、近畿大学オフェンスが何をきっかけにもう一度波に乗り始めるか。そして、大阪産業大学オフェンスが近畿大学パスディフェンスを前にして得点できる機会はあるか、このように後半の焦点が明確だった。

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 そして後半は、近畿大学オフェンスシリーズで始まったが、フィールド中央付近でファンブルロストターンオーバーとなって攻撃権を渡してしまう。
 ここは近畿大学DL#65古巻サックで10ヤード後退、RB#33阪本へのショベルパスにDB#5青木の素早い反応で15ヤードゲインにとどめて大阪産業大学のパント。
 しかし、このパントを近畿大学リターナーがファンブルロストとなって再び大阪産業大学の攻撃。だが近畿大学ディフェンスDLのサック後退などでFD更新ならない。結局5ヤードのロスゲインからパントを蹴ることになる。

 第3Q中盤、近畿大学は自陣9ヤード付近からドライブ。RB#20土手下再びのカットインによる個人技で大きく前進してFD、TE#34金子へのクイックパスでFD、さらにRB#39大坪、#35碓井の中央突破でFD更新。敵陣35ヤード。
 しかし、ここからゲインできない。レシーバーがフリーにならないこともあるが、QBも焦ってしまうのだろう余裕がないままだった。ただ、このロングドライブによって大阪産業大学メンバーにも故障者が増えてきた。
 そして第4D残り1ヤードエンドゾーンまで26ヤード。FGではなくプレーを選択。右RB#20土手下へのピッチからオープンへの展開は、大阪産業大学CBをナイスブロックしたこともあって26ヤードのTDランとなった。第4Qに入った直後に近畿大学が7点をリードした。

 近畿大学がリードしたことでディフェンスが緩んだ、と言うことはないだろうが、直後の大阪産業大学オフェンスは、#2磯脇へのパス21ヤード、パスインターフェア、そして左#88中林への35ヤードTDパスとたった3プレーでたちまち同点に追い付く。

 ただし、次の近畿大学オフェンスシリーズあたりからQB安倍が落ち着きを取り戻してくる、というか再び思い切りのいいプレーが連続する。自陣40ヤード付近からのシリーズTE#34金子への縦パスが決まったあたりからだった。
 このシリーズその後はゲインしては反則罰退というチグハグさはあったが、それでもオフェンスが乱れるということがなかった。

 右WR#81中川へのパス成功後にファンブルロストとなるが、大阪産業大学オフェンスが近畿大学ディフェンスをオーバーパワーすることはなかった。

 近畿大学はフィールド中央で再び攻撃権を得ると、RB#20土手下のドロー中央突破20ヤード、TE#34金子へ15ヤードパスで前進。この時点で残り時間2分30秒。エンドゾーン前20ヤードの第2Dはパスプレーだった。QB#3安倍がドロップバック。しかしターゲットはカバーされていたのだろう、スクランブルしかかったが、ギリギリまでレシーバーを探した。右オープン位置にフリーでいる#20土手下を見つけだす余裕があった。そしてパスを成功させてそのまま決勝の7点を獲得した。

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 この試合結果を分けたポイントを突き詰めていくと最終的にはやはり大阪産業大学チームのスタミナ不足ということになってしまう。個人がどうのというのではなく、選手層の厚さの意味であってやはり攻守両面で出場しているのと、専門職なのとでは明らかにスタミナ面で不利なのは否定できない。大阪産業大学は結果として得点を挙げたのは第4Qのパス3本だけによる。近畿大学ディフェンスはここ2試合で完璧だ。

 しかし近畿大学オフェンスが落ち着きを取り戻したことも勝因の一つである。

 レシーバーがフリーになるのを待てずに強引にスクランブルしてしまう、レシーバーもDBのマークを振り切ってフリーにならない、このQBとWRのジレンマを断ち切ったのがTE#34金子だった。

 この試合を近畿大学側から見た時にオフェンスがどのような姿で登場してくるのか楽しみにしていたのは展望で書いたとおりだが、同志社大学戦のように爆発オフェンスに終始するならそれでよし、もし、テンポの悪いオフェンスになるのなら、それを試合の中で修正することが出来るか出来ないか、だった。

 第2Q徐々に手詰まりになって、辛抱たまらずQBスクランブルしたあたりから流れが極端に悪くなっていく。それを最初に救ったのはRB#20土手下の個人技によるランプレーだったのだろう、この後から彼にボールが集まり始める。ただ、パスターゲットが相変わらず不在だった。
 そんな状況の第4Q、主将#34金子へショートパスが投じられる。必ずしもキャッチしやすいボールではなかった。地面に叩きつけるようなパスだったが、それを飛び込んでキャッチ。QB安倍のプレー幅が広がった瞬間だった。もちろん前節までもTEへのパスはあった。だが苦しい試合の中でそこに目を向けさせたことが大きい。まさに主将、今年の近畿大学を支えている。


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10月12日(土) 尼崎陸上競技場 14:50
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
関西学院大学 7 16 6 9 38 4-0-0
神戸大学 7 0 0 0 7 1-3-0
(現地観戦)
 
関西学院大学
神戸大学
1Q
TD
TD 1Q
2Q
FL
FG
RFL
TD
RFL
TD
2Q END
TD 3Q
FL
3Q
FG× 4Q
TD
FG×
4Q END
(作者Aのメモより)


 神戸大学は前節と同様QBに#10江端を配し#33大崎をTBに起用した。おそらくリターナーとしても活躍していたRB#22坂東欠場による影響があるのかもしれない。神戸大学最初の攻撃はランプレーのみでパント。

 関西学院大学QB#尾崎による最初のオフェンスは自陣28ヤード付近から始まった。しかし、QB尾崎のパスを神戸大学ディフェンス第3列が見事完封してしまった。右WR#80中林への縦約40ヤードのパスをCB#5天野にカットされ、ディフェンスオフサイドでFD更新しながら、右WR#8仲山へのクイックショートパスもLB#6肥田とDB#37野村のカットにあい、次のクイックパスもLB#55岩田がカットと、神戸大学第3列パスディフェンスに完敗した。そして第3Dの左パスをDB#17吉村にインターセプトされてしまう。

 試合開始早々から試合の流れが神戸大学に傾きかける。

 神戸大学は敵陣32ヤードからの攻撃&得点チャンスを掴んだ。この日TBに入って盛んにモーションプレーで撹乱していたRB#33大崎への右オプションピッチから縦11ヤードで敵陣20ヤードに到達する。
 しかしここからランプレー中央突破3回は進まなかった。ただ、考えすぎかもしれないが、次に飛び出たプレーから想像するともしかしたら故意に進まなかったのかもと思えるほど次のプレーが観客の度肝を抜いた。(実際には、ここのランプレーでも前進はしたかったはず。「とっておきのプレー」は最後まで残しておきたい。)

 敵陣17ヤード付近での第4D残り7ヤードで選択するプレーは、セオリーはFGトライ。そしてK#17吉村が登場、ホルダーが25ヤード付近にセットした。
 センタースナップ。ホルダーがボールをセット・・・のはずが、ボールをKに手渡す。#17吉村は、関西学院大学ディフェンスが全く無警戒の中を実質15ヤードを走りきって敵陣9ヤードからのFDを獲得した。

 ここから再び#33大崎モーションからの中央縦突破8ヤードでゴール前1ヤードに到達したが第4D。この第4Dエンドゾーンまで1ヤードをどのように取るかだが、FG3点という選択肢は神戸大学オフェンスの勢いによって消し飛んでいた。QB#10大崎がRB中央突破をフェイクにして、右オープンへ流れ出たUB#39宮川へのパスはディフェンスマーク無くフリーで決まった。

 この1個のTDドライブの中で神戸大学が準備したプレーは、FGフェイクのスクランブルランとUBへのパス。そして、この後も神戸大学攻守の考え抜かれたプレーが続出、この試合にかけた準備量と意気込みを感じ取ることが出来た。

 関西学院大学は第2シリーズで敵陣に入ったところから左WR#80中林への縦パスはLBDBの隙間を抜けてフリー状態になってのロングTDパスが決まったが、これが唯一関西学院大学らしいパスだった。と言うより神戸大学ディフェンスの対応遅れが効いた。


 その後神戸大学関西学院大学ともオフェンス手詰まりディフェンス優位という時間が続いた。

 神戸大学オフェンスはQB#10江端のパスが全てターゲット前に落ちる縮こまったパスでなかなかヒットしない。ランプレーもRB#33大崎のモーション、UB#4西澤なども大きくゲインできなくなってきたのはやはり関西学院大学ディフェンスの壁による。

 一方、関西学院大学オフェンスも#6田中、#33杉原中央突破などランプレーではゲインするが、神戸大学ディフェンスLB#41山本、#6肥田、DB#5天野などマークは厳しく、リバースプレーにもしっかりと対応されてしまいドライブが続かない。

 第2Q中盤、神戸大学オフェンスが自陣でのランプレーの途中にファンブルロスト、関西学院大学が敵陣37ヤード付近で攻撃権を得る。

 ターンオーバー直後の関西学院大学オフェンス第1プレーは相手から見るといやらしいプレーを選択する。そして今回も例外ではなかった。QB#16尾崎はプレーアクションリバースフェイクの左WR#25杉田が右へクロスするTDコースを走る。
 しかし、神戸大学DB#17吉村がしっかりとマークしていた。結局エンドゾーン内でインターセプト。関西学院大学のプレー選択自体は悪くないのだが、それを神戸大学第3列の完璧なまでのパスディフェンスが上回った状態だった。


 第2Q中盤以降関西学院大学オフェンスはパスに活路を見出せない状況にあって、このあたりからランプレーに重きを置くようになってくる。そして再び得点機を得た。
 フィールド中央からRB#6田中のドロープレーで26ヤード前進して敵陣27ヤード。RB#33杉原へのショベルパスに神戸大学ディフェンスも反応はしたのだが手の掛かったところがフェイスマスクだったのが惜しい。関西学院大学はエンドゾーン前9ヤードからのFDを得る。
 しかし、神戸大学ランディフェンスの壁も厚くなってくる。LB#55岩田などの押しでRB#33、QB、RB#33で第4D2ヤードが残ってしまう。結局、前節と同様エンドゾーン間際で戸惑い結局FG3点に終わった。


 第2Qのこり時間2分7秒。関西学院大学10−7神戸大学。
 次の神戸大学オフェンスは時間消費オフェンスで2分を使い切って前半終了し、3点差で後半へ突入する。神戸大学完全優位・・・のはずだった。しかし、ここから神戸大学悪夢の2分間が始まる。


 関西学院大学K#15中野によるキックオフ。北から南へのキックだったが、若干向かい風だったかもしれない。ちょうどボールの落下地点付近の延長線上で観戦していたのだが、ボールが落下するあたりから急に伸びが無くなり真下に落ちた。これに神戸大学リターナーが目測を誤ったのだろうかボールを手にしながら前に落としてファンブルロストしてしまった。

 関西学院大学は敵陣24ヤードからでの攻撃権を得ると第2DにWR#80中林へのコーナーパスで6点を追加した。(PATキック失敗)


 そして再び関西学院大学K#15中野によるキックオフ。キックしたボールは前回と同じ弾道を描くと、再び落下直前に失速して真下に落ちた。そして神戸大学リターナーファンブルロスト。

 関西学院大学は敵陣6ヤードからの攻撃権を得た。神戸大学ディフェンスはタイムアウト行使で立て直しをはかり、この6ヤードの攻防を3回はしのいだ。それでも残り1ヤードのQBスニークが止まらなかった。

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 3点差のまま前半を終わっていたら試合の行方は判らなかった。神戸大学は戦前準備したゲームプラン通りの試合展開だっただろう。ディフェンスはパスをほぼシャットアウトしていた。オフェンスは効果的なゲインがなかったが、いろいろと準備をした様子が伺えた。それだけに、残り2分を切ってからの13失点は大きすぎた。

 神戸大学リターナーは通常は#22坂東が行っていたのだが、この数試合は姿を見ていない。この日のリターナーがポジションに慣れていないということはないだろうが、本当に惜しかった。

 ただし、関西学院大学キックングチームがそこまで詰めていたこともターンオーバーになった一つの要因ではある。

********

 後半、神戸大学キックオフで試合再開するのだが、ここでもオンサイドキックを敢行した。前半の神戸大学の練った動きからこのオンサイドキックは私でも予想できた。願わくば神戸大学から見て左に蹴ってほしいなどと考えていた。しかし、関西学院大学ベンチからは全く注意の声が出ないままだった。

 神戸大学はオンサイドキックを蹴る。しかしボールは両チーム確保できないままサイドラインを割ってしまい、関西学院大学が攻撃権を得た。
 自陣46ヤード付近。QB尾崎はRB#33杉原右オープン25ヤード、RB#32朝山右オープン13ヤードのランプレーで侵攻する。神戸大学ディフェンスもLB陣がブリッツなどを試みるのだが、このランプレーだけは何回かに1回のゲインを許した。ただエンドゾーン付近まで来ると関西学院大学の勢いが止まる。

 関西学院大学敵陣11ヤードからのFD。ここからディレイオブゲームの反則罰退を避けるためを含めて3回のタイムアウトを全て使う。RB陣の中央突破ランにLBDL陣がが壁を築く。そして結局第4Dギャンブルにまで追い込まれた。エンドゾーンまで2ヤードの状況でもあり、ここは意地でもTDにつなげたい関西学院大学だったが、QBスニークが1ヤードでFD更新するに留まる。結局はTDとなるのだが、PATをホルダー決め討ちの2ポイント狙いも神戸大学ディフェンスに阻まれた。なんとも締まらない光景だった。


 ただし試合の行方としては、この時点で第3Qのこり時間7分53秒・22点差は、神戸大学にとってギリギリの得点差だったがオフェンスが効果的にゲインできない状況が大きく変わらこともあって、関西学院大学の逃げ切り勝利となった

********

 神戸大学は後半にロンリーセンターを1回だけ披露した。試合の大勢が決まっていたので惜しいのだが、関西学院大学若手のディフェンスメンバーがこれにオフサイドの反則。試合が均衡していれば面白かったのに。他にも準備していたプレーがあるかもしれない。この日は日の目を見なかった準備していたプレー。今後どこかで飛び出てくるか。

 ただし、オフェンスは終わってみればやはりゲインできていない。RB#22坂東の代わりに#33大崎健闘でオプションプレーもあったが、RB#4西澤、#31宮川とQBの中央突破ランプレーがコンスタントには前進できなかった。ミドルレンジ以上のパスでWRはDBをかわしてフリーになってシーンもある。クイックパスも方向はあっている。しかし、ボールが飛ばない。現在の得点能力を改めて認識した試合だった。
 ただ#10江端をQBに、#33大崎をRBに配するという方向性で2試合を行ったことは、方向を定めたという点で今後の上乗せ分は期待できよう。


 神戸大学第3列DB#5天野、#17吉村、#37野村、#25矢野川の4人によるパスディフェンスは完璧だった。WRがフリーになったのは第1QのTDパスだけだった。WRの前に入ってランコースを消し、さらにWRの手にボールが届く直前をたたくというビッグプレーが何回も飛び出した。
 ただ、関西学院大学WR#25杉田もただ黙ってパスカットされていたわけではなかったようだ。第3Q、自分のところへ飛んできたパスをDBにカットされる寸前にボールを奪い取っていった。両チーム各選手ともまだまだ大きく成長していきそうだ。



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10月14日(月) 宝が池球技場 11:00
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
立命館大学 17 28 7 7 59 4-0-0
甲南大学 0 0 0 0 0 1-3-0
(現地観戦)
 
立命館大学
甲南大学
1Q
TD
TD
FG 1Q
2Q P×
TD
TD
TD
TD
2Q REND
TD 3Q
P×
3Q
4Q
TD
4Q END
(作者Aのメモより)



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10月14日(月) 宝が池球技場 13:50
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q 合計 勝敗
京都大学 21 14 14 3 52 4-0-0
同志社大学 0 0 3 0 3 0-4-0
(現地観戦)
 
京都大学
同志社大学
1Q
TD
TD
TD 1Q
2Q
TD
TD
2Q END
3Q
TD
FG
TD
3Q
FG 4Q
4Q END
(作者Aのメモより)


 この試合は、同志社大学得意のパスオフェンスと京都大学苦手なパスディフェンス、および、京都大学RB中央突破を同志社大学ディフェンスが止められるだろうかというお互いの長所短所が上手くかみ合わさったことで、得点の奪い合いになるかも、というのが戦前展開よそうだった。
 しかし、いざ試合が始まってみると、京都大学RBの中央突破ランプレー、それもカウンターランだけがビッグゲインを繰り返していったが、同志社大学パスは試合計4インターセプト(前半だけで3インターセプト)を喫してしまい同志社大学オフェンスの攻め手段が無くなってしまった。同志社大学の得意なパス攻撃を京都大学ディフェンスがシャットアウトした時点で試合の結末が見えてしまった。

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 コイントスで選択権を獲得した同志社大学は前半レシーブを選択した。自陣20ヤードからの第1シリーズ、QB#8水野によるWR#82久世へのクイックパス失敗、WR#80クイックパス7ヤード、WR#4天野ショートパス失敗となる。何故か短いパスばかりだった。

 続く京都大学オフェンスはQBに前節同様#18金沢を起用した。そして敵陣44ヤードから始まった第1シリーズから怒濤のオフェンスが始まる。TB#2高見の中央突破4ヤード、中央突破15ヤード、UB#31大住の中央突破6ヤードと続き、残りもRB中央ランだけというプレー選択でTDへと繋げた。

 さらに、同志社大学パスインターセプトから得た敵陣31ヤードからの第2シリーズは第1プレーこそWR#81小寺への外パス18ヤードだが、その後はRB#2高見の中央突破カウンターランで12ヤードをゲインしてTDへ。
 さらに、第3シリーズフィールド中央からもRB陣の中央突破だけでTDへと繋げた。とくにこのシリーズでは京都大学オフェンスがホールディングやエクスチェンジでのファンブルなどで崩れてもおかしくない状態だったのだが、それでも1回10ヤードゲインしてしまっては(得点の山を築けない方がおかしい)という状態で時間が経過していく。

 同志社大学ディフェンスはこの中央突破ランにDLLBがキャリアに手をかけるのがやっとの状態で、どうにか止まったのは第2Q最後のシリーズだったが時すでに遅しである。

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 一方の同志社大学オフェンスだが、2回目のシリーズでショートクイックパスをTEが弾いて京都大学DLがインターセプト、第3シリーズはCB#27吉田とCB#23松浦がショートパスターゲットをしっかりと捕捉していて、2回のパスゲイン計2ヤードに止めた。  第4シリーズではエースWR#83要へ10ヤードパス成功したものの、次のミドルパスをLB#5河田がインターセプト、第5シリーズもLB#5河田がミドルパスをインターセプトと自慢のパスオフェンスが完封されてしまった。

 パスでダメならランでという状況だが、さらにRB#1永富、#91長谷川の中央ランプレーもオプションプレーなどで試みるが全く通用しなかった。

 前半を終わって35−0という予想以上の得点差がついたが、これは、オフェンスの点の取り合いと、どちらのディフェンスが先に相手攻撃手段の芽を摘むかという点で全てに京都大学側に傾いた結果である。

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 後半、同志社大学最初のシリーズをLB#5河田がこの日3回目のインターセプト、京都大学オフェンスは、再び、RB#2高見、#31大住、QBの中央突破ラン・カウンターランが同志社大学ディフェンスの隙間を縫ってビッグゲインを繰り返して6個目のTDを繋げた。

 同志社大学が得点チャンスを掴んだきっかけは、パスではなくRB陣の中央突破ランだった。47ヤードのビッグゲインと京都大学DBのパスインターフェアでこの日初めて敵陣15ヤードにまで到達することが出来た。しかし、ここから続かず、#47のFGで3点を得るのがやっとの状態だった。

 その後京都大学はQB#1佐竹も投入し1TD1FGを加えて52得点という大量得点で勝利した。

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 同志社大学パスオフェンスが封じ込まれた時点で勝負の行方は決まってしまった。QB#8水野のパスに対して京都大学LBDBがしっかりとパスターゲットをカバーし、4インターセプトしたことが大きい。ただ、この日のパスがショートミドルに終始していた。第4Q最後のシリーズで見せていたようなロングパスを多用してCBを下げておくことができれば展開が少しは変わったかもしれないが。
 また、QB#8水野がインターセプトを何回も受けたこともあってプレー全体に余裕がなくなったことと、動きが小さくなってしまったことも効いている。


 さて京都大学パスディフェンスだが、LBDB間へのパスについては神戸大学戦ほど大きなアナが無くなっていた様子である。ただ大阪産業大学戦でターゲットにされた左右コーナー付近へのロングパスだけはまだ不明な点が多い。

 また京都大学オフェンスの中央突破ランによる大量得点だが、中央突破ランによるドライブシーンは神戸大学戦・大阪産業大学戦でも見せてきた。しかし、京都大学OLと他校DLの力関係によって大きく左右されるところがある。
 次節対戦する立命館大学アニマル軍団は力強さよりスピード重視の傾向にありそうだが、これまでの対戦と同様のランプレー中央突破が通用するか否かはだけは、やってみないと判らない。

 ところでこの試合でK#28西が戻ってきて、キックオフ・FG・PATのほとんどを西が蹴っていた。キックオフではエンドゾーンへ直接蹴り込み、PATは全てを成功させ、さらに第4Qには飛距離45ヤードのFGも決めた。前半の大量得点もあってキックオフを何回も蹴る機会があったのだが、飛距離が長いこともあって同志社大学オフェンス開始地点が、ほとんど毎回20ヤード付近だったことも今後の試合では重要な戦力になってくる。
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