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近畿大学は、前節神戸大学戦で黒星を喫したが、決して力負けした試合内容ではなく、展開のアヤで勝負が決まってしまったという感じだ。ディフェンスは試合後半にズルズルいかれたシーンもあったが、LB#2中里、DB#5青木を中心に全体的には春よりもさらにまとまっていた。 オフェンスは、WR#81中川などへのパス狙いでQB#3安倍にディフェンスのプレッシャーがかかったあたりから失速してしまった。OLがしっかりとしたパスプロテクションでQBを守れば、もう少し様子は変わってくるのは当然だ。しかし、QBもパスの予定を頻繁にスクランブルに切り替えるとなると、OLもパスプロを続けるべきかランサポートに変更すべきかで迷いが生じる。パスプロに全神経を集中できないことで、さらに弱いパスプロテクションになるという悪循環に陥ってしまう。決めたことは最後まで。 前節のパスは今一だったが、もう一つの売りポイントであるランプレーでは、RB#20土手下がオープンプレーでDBを振り切ったスピード、さらに、UB#31大坪、TB#99杉田の中央突破など手段系は揃っている。あとはOLの押しとQBの辛抱だけだ。 甲南大学は、初戦京都大学戦で、QB吉田を据えてパス主体になった。前半はテンポ良くはなかったが乗れていなかったが後半にはパスドライブしたことも事実であり、WR#80伴へのパスやRB#33近藤のランなど攻め手段は整ってきた。ディフェンスも中央付近は厚い壁を築けそうな印象を受けた前節だった。 ******** さてこの試合だが、近畿大学オフェンスがテンポのいい攻撃を繰り広げられるか否かで大きく変わってくる。ディフェンスの鋭いプレッシャーを浴びると慌ててしまうところがあるので、冷静なクォーターバッキングができるかできないか、させるかさせないか。ここが大きなキーポイントになるだろう。甲南大学ディフェンス陣DL#58澤谷、LB#42山本などがプレッシャーをかけることが出来るか。 甲南大学がロースコアの展開に持ち込むことが出来れば登り調子のオフェンス陣のパスが近畿大学ディフェンスを崩すこともあり得る。この試合、甲南大学ディフェンスの出来次第で勝敗の行方までもが大きく変わるだろう。 一方の近畿大学側は、オフェンスの出来がこの試合を含め今シーズンの今後を大きく左右しそうだ。QB#3安倍だけで前節の試合はQB#3安倍だけで前節の試合を乗り切ったが、昨年同様に雰囲気を変えるという意味でも#16大峠の起用なども面白そうだが。 |
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関西学院大学は前節大阪産業大学戦から2週間の空き時間を経て第2戦を迎える。前節ではQB#16尾崎からWR##8仲山、#80中林、#25杉田などへのパスがテンポよく決まって、春にはいま一歩だったパス攻撃にも少しは目処が立ったように思う。 さらにラン攻撃もRB#3大谷を筆頭に、#30岡村、#36兵頭の中央突破などが健在。ただOLがシーズン前に想定していた構成と少し違っていたのが、予定通りの行動なのか少し気にかかる。また、後半のQB尾崎のパフォーマンスを見ていると、前半は無難なプレーを選択した結果成功しただけという印象を受けてしまった。 ディフェンスはDL#58西村が存在しなくとも前列ランディフェンスは完璧だったが、春課題のパスディフェンスでは左右コーナーをレシーバーに抜かれたシーンが何回かあった。このパスディフェンスが、今節同志社大学戦のポイントになるだろう。 ******** 同志社大学は立命館大学を相手にQB#8水野が物怖じしないパスディフェンスを披露した。パスターゲットはWR#83要、#82久世にTE#89池内。立命館大学のパスディフェンスも完璧だったこともあって結果的には無得点だが、両者のコンビネーションは、ぴったりと合っていたので、この試合でも華麗なパスを披露してくれることだろう。 OLの押しが必要なランプレーはさすがに多くはゲインしなかったが、それでもRB#20畑山、#31澄川などの中央突破などの攻め手段はある。 一方のディフェンスがランパスともに甘いのが少し気にかかる。前節から1週間しか経過していないが、変わってくるだろう。 ******** この試合のポイントは、同志社大学パスオフェンスが関西学院大学ディフェンスを破れるかが重要なポイントになる。同志社大学はこの試合も前節同様QB#8水野からの長短パスをメインに組み立ててくるだろう。関西学院大学左右のCBのパスディフェンスが若干甘いので、WRとDBの駆け引きでという点ではレシーバー側が上回る可能性もある。WRとDBのスピード競争やコース取りの駆け引きを見るだけでも価値はある。 ところで、QB#8水野は立命館大学ディフェンスにあわてることなく冷静なパフォーマンスを繰り広げていたのが、それは、立命館大学のLBDBブリッツが少なかったことも一つの理由である。しかし、この試合では、関西学院大学ディフェンスの看板であるLB陣#49永田、#5平郡、#34田中、#53財満は黙っては見ていないだろう。このQBとLBの攻防も見所の一つである あとは同志社大学ディフェンスがどこまで関西学院大学オフェンスを追い詰めるかにかかっている。オフェンス側で試合をリードするようなことがあれば、関西学院大学も慌てて自滅してしまう、なんてこともあるだろうが、果たしてそこまで詰めることが出来るか。待ちのディフェンスではなく攻めのディフェンスができれば、面白い試合になると思う。 関西学院大学オフェンスは、この試合でもやはり、無難なプレーの連続に終始するか、それとも、プレーアクションとか複雑系のプレーを入れてくるか。そして、そのときの完成度は???。関西学院大学側を見るならポイントはここだろう。 |
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立命館大学は前節同志社大学を相手に10TD1FGと完勝ゲームを繰り広げた。得点内容は相手ディフェンスとの関係で残念ながら多くは参考にならないがQB#18高田がほぼ完璧なパフォーマンスを繰り広げたのは確かである。正直なところ、この試合も同様の試合結果になってしまう可能性が少なからずあるのだが、それは大阪産業大学ディフェンスの奮起に期待!!! 大阪産業大学QB#5藺牟田のオフェンスは、第1節関西学院大学戦でのパフォーマンスによるとRB#40瀬川の中央突破プレーと、WR#88中村、#82前川、#89高橋などへのクイックパスが主な攻め手段のようだ。RBの中央突破にはライン戦で相手と均衡した力関係にならないと苦しいが、レシーバーへのクイックパスは立命館大学ディフェンスを切り崩す有効な手段になるだろう。 |
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京都大学は前節甲南大学戦で、QB#4川並によるパスメインに変わり、WR#9仲田、WR#81小寺への連続パスによるロングドライブで3TDを挙げ、後半には一転してRB#2高見、#33池上によるランドライブを行うという、ここ数年ではなかった派手なオフェンスチームに変貌した。 ただし、相手ディフェンスとの力関係によるところもあるので、この神戸大学戦でも同様のパフォーマンスを繰り広げることが出来るかが、この試合をわける、あるいは、今後の京都大学の試合を予測する上で重要なポイントになるだろう。 FGをK#5が2回はずしたことと、パントシーンをまだ見ていないという2点で気にかかることはあるが、春の調子ならば問題ないだろう。 一方で、春ほど完璧なディフェンスではなく、序盤はQBのキーププレーで、後半は若干メンバーが変わっていたこともあったがクイックパスで抜かれていたりもした。ベストメンバーで組んだときどのようなことになるかだが、神戸大学の豊富な手数に耐えられるか。 ******** 神戸大学は前節近畿大学戦を辛勝で開幕白星をゲットした。オフェンスはQB#33大崎と#10江端を併用してランパスマルチ2のオフェンスを展開しようという意志が伺えた。そして、試合後半になってRB#22坂東、#4西澤、#39宮川の力強い中央突破ランに、のQBオプションキープのOTプレー、TE#85萩原へのクイックパスという神戸大学らしいオフェンスを繰り広げた。 ディフェンスは鉄壁ぶりに拍車がかかった前節で、近畿大学の中央ランプレーにはディフェンスDL#89牧野、LB#55岩田、#6肥田、#41山本など、1,2列全員が全員が束になって浴びせ倒す。第3列のパスディフェンスは相手WRと際どい攻防を繰り広げていたが、試合後半はDLLBがQBにプレッシャーをかけられるようになったので第3列の本当のところはよく判らないというのが正直なところだ。 さらにP#9村上の絶妙なパントキックで相手をエンドゾーンに釘付けにしていたことも勝因の一つであり、リターナー#22坂東のスピードとバランスランもこの試合でも大きな戦力になるだろう。 ******** この両校はこの春に対戦していて京都大学9(3FG)−0神戸大学という結果は、神戸大学ディフェンスが守りきったという印象の試合だった。この春の対戦内容に秋第1節の試合内容を加味して今回の試合内容を簡単に予測できると考えていたのだが、とんでもない見込み違いだった。 神戸大学はQB併用してランパスにし、すばらしいPも登場してきた。一方で、京都大学オフェンスはQB#4川並によるパス重視に変更、さらにディフェンスはなぜか春ほど鉄壁ではないという状態で、一夏を越えて両チームともほとんど別のチームになってしまたったと言っても過言ではない。簡単に予測できるという強い思い入れがあった分だけ、この新しい状況への対応が遅れて展望が今の時期になってしまった。(掲載が遅れた言い訳です) さてこの試合の観戦ポイントだが、最初に書いたように京都大学QB#4川並のパスオフェンスが神戸大学ディフェンスの通用するかどうかが試合を大きくわけるポイントになりそうだ。京都大学OLが神戸大学ディフェンス1,2列のプレッシャーをはねのけてQBに自由にプレーをさせるか否かというのがポイントである。そして神戸大学ディフェンス第3列DB陣と京都大学WR陣との競い合いも見所である。 さらに、前節京都大学ディフェンスが甲南大学にランパスでドライブされたが、神戸大学QBがボールを持ち過ぎずに、適度にボールを散らして攻撃バリエーションを広げれば、京都大学ディフェンスが追い詰められるシーンがあっても不思議ではない。京都大学DL#73山中、LB#24近藤と神戸大学OL#65河原、#77藤原の対決は楽しみである。 さらに、もうひとつ挙げるとすれば、両校Pキックの絶妙なコントロールも見逃せない。相手の攻撃開始地点をエンドゾーン間近に追いやってしまうことだろう。 しかし逆に見れば、1回のパントキックミスで相手に優位なフィールドポジションを与えてしまうとその後自軍が攻守とも厳しい状況に追いやられるという点で、キック1本で試合が決まっても不思議ではない。 両校の攻守蹴全ての場面でギリギリの攻防が繰り広げられること間違いなしという見所の多い第2節おすすめの試合です。開幕2連勝をあげるのはどちらのチームか。宝ヶ池球技場14時20分試合開始です。 |