関西学生アメリカンフットボール Div.1 第4節



10月12日(金) 尼崎市陸上競技場 18:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学





神戸大学





 


 神戸大学は今シーズン無得点が続く。甲南大学、京都大学戦ではあと少しまで攻め入った実績はあるのだが最後が届かない。ただ、攻め手がないわけでもなく、OLとの共同作業によるRB#29坂東、#23沖本の中央突破は徐々に形になりつつあるし、TE#87萩原、WR#80伊藤などパスターゲットも存在するので、きっかけさえ掴めばという状態である。ディフェンスも、DB#22川副やLB341山本などの力溢れるプレーが出て来つつある。

 関西学院大学との相性は悪くはないのだが、正直なところ勝敗という点では厳しい。しかし、神戸大学は試合毎にいくつかの準備をしてくるチームであり、この試合に向けても何か仕掛けてくるかもしれない。それが楽しみでもある。後半戦に向けて開花のきっかけを掴むような試合になってほしい。


 関西学院大学は、開幕の大阪産業大学戦と第2節近畿大学戦とも攻守蹴すべてがテンポの悪いことろを見せた。両試合とも最後には圧倒して勝利したが、正直なところ今年の本当の関西学院大学の姿が判らない状況だった。
 しかし、前節は、雨天にもかかわらずハンドリングの悪さも見せず、ミスらしいミスもなまま試合を終えた。試合相手との関係もあるし1試合だけではなんとも言えないところもあるが、1試合を通して完璧だったのは今シーズン始めてだった。

 この試合、関西学院大学の優位は否定できない。しかし関西学院大学にとっては試合内容が問われる試合になる。立命館大学戦・京都大学戦を1カ月後に控えてどれだけ緻密精密な内容の試合をするか。見どころは試合前半の関西学院大学攻守にある。

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 試合日が金曜日、キックオフが夕刻の18時、それでも試合会場が鶴見緑地ならまだ手はあるのですが、尼崎では、さすがに私の守備範囲を越えます。というわけなので、どなたか、フォローよろしく。




10月13日(土) 大阪市長居球技場 14:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
甲南大学





大阪産業大学





 


 甲南大学は第3節を終えて2敗を喫した。後半は三強との対決を控えているだけにそろそろ白星を挙げておかないと入れ替え戦出場の可能性まで出てきてしまう。
 オフェンスはQB#11仲田からのオプションとショットガンというランパスマルチな多彩な組み合わせがある。パスターゲットにはWR#88吉田、#3前田、#41西口が揃い、ランではRB#41西口の中央突破、RB#2油井のオプションオープンランがあるのだが、連続してゲインできないことが多い。
 ディフェンスはDLのプレッシャーはある程度機能しているが、第2・3列LBDBのボールキャリアへの寄りがワンテンポ遅いために、過去3戦ともずるずると押されるシーンが続いた。攻守ともいい方向へ回転する可能性は秘めているのだが、まだ完全には開花しきっていない状況にある。


 一方の大阪産業大学オフェンスはQB#5藺牟田からRB#31松岡、#32吉住の中央突破やオプションランとWR#87村川、#1山本へのクイックパスと、こちらもランパスマルチというスタイルである。特に京都大学戦・立命館大学戦で見せた第4Q残り2分間でのパスによるロングドライブは圧巻だった。
 オフェンスの課題は、反則やファンブルなどで自らが試合の流れを悪いほうに変えてしまうことにある。せっかくドライブしても得点結びつかないというシーンが時々だがある。
 ディフェンスは関西学院大学戦で1年DL#51陰山、DB#3瀧野などの活躍シーンがあったがその後はあまり目立っていない。一方LB#59辰川などディフェンス中心選手は相変わらず危険なほどアグレッシブなタックルを浴びせてくる。


 さて、この試合の行方だが、各チームともオフェンスの状態が試合の行方のカギを握ることになりそうだ。

 甲南大学オフェンスはまだ少しがすこし波に乗れていない感じがあるので、大阪産業大学の勢いあるディフェンスが目立つようだと、甲南大学オフェンスが完全にストップしてしまう可能性すらある。逆に言えばRB#41西口の中央突破パワーランがある程度ゲインできるようなら、RB#2油井のオープンランやWR#88吉田へのパスでのゲインも見こめる。甲南大学OLがライン戦で優位に立てるだろうか。

 一方の大阪産業大学オフェンスだが、RB#31松岡の中央突破やクイックパスによるドライブはある程度甲南大学ディフェンスにも機能するだろう。課題である反則やファンブルで自滅することさえなければ接戦に持ちこむことは十分に可能と見る。

 この試合、両チームともに今シーズンの今後を左右する大きな試合である。観戦する側にとっても息の詰る試合である。




10月14日(日) 宝が池球技場 11:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
京都大学





同志社大学





 





10月14日(日) 宝が池球技場 13:40
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学





近畿大学





 


 この試合の見どころは、立命館大学オフェンスと近畿大学ディフェンスの戦いにある。もうすこし言うなら立命館大学ショットガンオフェンスを率いるQBが、今までに経験したこともない厳しいディフェンスを相手にしたときにどのような行動をするか、そして、ベンチは何を指示するかにある。

 立命館大学のショットガンは、これまでに同志社・神戸・大産大に対して前半で大量得点を挙げるという完全勝利の横綱相撲を演じてきた。極論するなら、楽な試合をしてきたということでもある。

 さて、立命館大学が関西を制覇するためには関学と京大を破らなければならない。そのためには、今年のスタイルで言うならのショットガンオフェンスが通じるかが一つのキーポイントになる。
 しかし、関学・京大ディフェンス陣のサイズ・パワー・組織力は、前節までの3校とは比較にならないほど凄い。したがって、立命館大学のOLが今までと同じ様にQBを守れる保証はどこにもないし、またQBの精神状態に余裕があるとも限らない。つまり、今までのような華麗なランパスの連続ゲインは不可能と考えるのは当然である。
 したがって、もしもOLが破られたら・・・に備えて、QBは何をしなければならないかとか、慌てないためにとか、プレー比率をどのようにするかなど、選手ベンチが一体になって事前に検討しておくべきことは山積みである。

 ところが、立命館大学には本番に備えての準備とか、実戦で予行演習しておくという習慣がない。過去に厳しい試合経験をしたことがないので、誰もいざというときの対処の方法を知らない。
 例えば昨年の京都大学戦、第4Q終盤の京都大学ドライブ中に時計を止めるタイミングを逸したことや、第4Dギャンブルでの不可解な対応など練習していれば対応できるものばかり。他にも試合終盤でリードされているときの時間の使い方などなど挙げればキリがない。

 関西学院大学や京都大学がフィールド上に一つずつ丁寧かつ緻密に撒いていったタネを、ブルド−ザ−がアッサリと持っていってしまうパワーオンリーのアメリカンフットボールもそれはそれで爽快感があって面白いのだが、ここ数年間、関西学院大学・京都大学に圧勝できていないのが、実際の姿である。ぶっつけ本番で臨む限りは、辛勝惜敗はあっても圧勝できない状況が変わることはないだろう。

 さて立命館大学にとってこの試合は、関学・京大との対戦を控えての予行演習となる貴重な試合になる。QB#18高田が相手ディフェンスに追いかけ廻されたときに、どのように対処するか、空いているレシーバーを探して右往左往するか、スクランブルに切りかえるタイミング判断はいかに、などなど、見どころは多い。
 ただし、無傷で関学・京大に臨めるのならベストだが、ここでの黒星の可能性を否定するほど近畿大学ディフェンスは甘くはない。


 一方の近畿大学は京都大学、関西学院大学には惜敗だが甲南大学戦で今季初白星を挙げた。

 近畿大学ディエンス陣は今さら言うまでもない。関西学院大学QB尾崎のパスを封じ、甲南大学戦では相手に何もさせなかった。私が春の時点でディフェンスの課題だろうと考えていたことはDBのパスカバーだったのだが、前節甲南大学戦では2インターセプトを奪うまでになった。LB#9甲斐のQBサックが秋シーズンは目立たないのは逆にディフェンス全体が底上げされたからだろう。LB#55伊賀波の堅実さと、後継者#43西川のパワフルな突っ込み、最後の砦DB#10東の布陣は関西トップクラスである。

 オフェンスは前節甲南大学戦で全開した。スピードランナーRB#39大坪、#31美濃辺、#20土手下が各人各様の彩りを備え、#99杉田をSBに配してのスペシャルプレーも完璧に決まった。パスターッゲトにWR#81中川、#88松永がロングパスとして充実してきた。立命館大学ディフェンスはパスに甘いところがあるので、QB#3安倍と#14大峠が落ち着いてパスを投げることが出来れば、LBDBの隙間へのクイックパスは効果がありそうだ。さらに、パスインターフェア狙いのロングパスでモメンタムを奪い取ることができるかも。

 この試合、近畿大学はまず今年のウリであるディフェンスが機能しなければならない。厳しいディフェンスを経験したことのない立命館大学OLを近畿大学DLが止める、その隙間を縫ってLBSが毎回のようにQBに手をかければ、立命館大学がパニックに陥る可能性が大きい。そこへ、近畿大学オフェンスがテンポいいランパスを仕掛ける。攻守蹴ともひとつのミスも許されない試合だが、今年の近畿大学なら白星ゲットも充分に視野に入れることができる。




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