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試合は、まず関西学院大学がRB#2三井のロングランで先制した。しかし、神戸大学RB#29坂東も独走のロングTDランで同点になる。その後、TE榊原へのTDパスで関西学院大学が再びリードしたがそれも束の間、だった。(ここまでは、毎日放送関西学生アメリカンフットボールハイライトによる) 続く神戸大学のパントを関西学院大学リターナーがキャッチミスしてファンブル。転がったボールを神戸大学が抑えてエンド前29ヤードという絶好のポジションを獲得した。そしてWR#9今里への29ヤーTDパスで第1Q2本目のTD、再び同点になった。 私が尼崎陸上に到着したのは関西学院大学ファンブルロストのシーンから。バックスタンドにあった得点ボードの関学14点は見えたのだが、神大の得点は人の影に隠れて見えなかった。なのでこのTDで神戸大学今季初得点だなと思っていたのだが、人垣が割れて見えた10の桁が見えた瞬間に、今シーズン後半戦の星取り予想をリセットせざるを得なかった。 その直後に今度は神戸大学が関西学院大学のパントボールに神戸大学が触れてイーブンボールを押さえた関西学院大学がTDのお返しをする。さらに、RB中央突破やWR#89榊原へのパスなどでで27−6とリードを広げた。 だがディフェンスは相変わらず神戸大学を止められなかった。 神戸大学自陣19ヤードから、まずノーバックでのQB#12林キープという面白いプレーで7ヤードゲインすると、TB#16吉野の中央突破、WR#80伊藤へのプレーアクションパス15ヤード、RB#29坂東へのスクリーンパス28ヤードと大技小技が連続ヒットして、あっと言う間にエンド前21ヤードに到達した。関西学院大学ディフェンスの2,3列はすべて後追いのために全く止められなかった。最後は右WR#80伊藤へのパスが信じられないぐらいにフリーになっての神戸大学が3個目のTDを奪った。 第3Q、関西学院大学#27松山の70ヤードのビッグリターンと、#27のリターンTDなどで得点差を広げて試合の勝敗としては関西学院大学勝利となった。 しかし、第4Q神戸大学DB#80伊藤のパスインターセプト、WR#80伊藤への60ヤードTDパスなどでベンチは多いに盛り上がった。後半戦の展望が描けたのは神戸大学だったに違いない。 ******** 関西学院大学の攻守はもちろん高いレベにはあるのだが、本来の力を発揮しているとは思えない。何があったんだろうかとか、本当に間に合うんだろうかなどなど、ついついいろいろなことを考えてしまう。これは今春の関西学院大学を見たことがある人の気持ちだろう。そして、あの位置へ戻るはずという見方をしてしまう。ところで、春の関西学院大学を見たことのない人が今の関西学院大学を見て何を感じ取るのだろうか。 次の相手は甲南大学だが、甲南大学の立場から考えると過去の相性などから考えて最も組みやすいのは関西学院大学だろう。昨年はいきなりショットガンオフェンスを展開して一度はリードを奪っている。 立命館大学、京都大学との闘いを控えた最後の試合、どのような攻守を見せてくれるのだろうか。 ******** 神戸大学は攻守とも徐々に整備されてきた。オフェンス面ではQBのオプションキープでOG付近を突くプレーも様になってきたし、RB#29坂東がランナーの核となている。#80伊藤は攻守両面の登場で大活躍、ディフェンスはDB#21川副らの健闘が楽しみになってきた。次は好調近畿大学が相手だが、また面白いプレーをひっさげて登場してくるのだろう。 この試合の展望コメントへ |
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甲南大学はQB#10池垣が全プレーを指揮した。自陣40ヤードからの最初のシリーズ、ショットガン体形からRB#41西口の中央突破やQBキープなどで前進して2回のFD更新だったが、最後はホールディング罰退分をゲインできずにパントとなった。次のシリーズではUB#41西口の中央突破がロングゲインとなったのをきっかけにしてFGへとつなげた。 一方の大阪産業大学は、QB#5入牟田の背後にRB#2磯脇、#31松岡,#32吉住の3人がセットしたウイッシュボーン体形を今季初披露した。この体形からオプションでのQBキープやRB#2磯脇へのピッチなどを試みるが、第1,2シリーズはドライブできずだった。 大阪産業大学第3シリーズは自陣7ヤードから。RB3人フォーメーションからの左サイドへのランプレーで今回はドライブを続けた。途中に第4DギャンブルでのQBスニークも成功させるなど勢いが止まらない。甲南大学ディフェンスはタイムアウトで流れを変えようととするが、WR#1山本へのパスも絡めて大阪産業大学は敵陣へ入りこんだ。 第2Q残り時間数10秒。ここからパス失敗2回などで、結局、第4Dはパントとなった。ウイッシュボーンで前進できることは判ったので後半に再挑戦・・のはずだったのだが。 パントでのスナップが高くて後ろへ逸らしてしまう。そしてキックできずに甲南大学にエンド前25ヤードを献上してしまった。甲南大学は残り10数秒を、QB#10ショットガンパスターゲット#88吉田への2回で確実に得点をゲットした。 後半、大阪産業大学の攻撃で再開、再びのドライブでフィールド中央まで来るも最後は反則分でFDに届かず。その次のシリーズで甲南大学がUB#41西口の中央突破ドライブで追加点を挙げると、大阪産業大学もRB3人体制による第4Dギャンブル2回成功を含む70ヤードTDドライブとした。 しかし、この時点で第4Q残り7分41秒の10点差は大阪産業大学にとってあまりにも時間がなさすぎた。次のオフェンスシリーズは残り時間4分26秒から。自陣でのギャンブル失敗で万事休してしまった。 ******** 大阪産業大学は今季初の3バックシステムを採用し、ツルーIからのモーションでウイッシュボーンへシフトしていた。この日はパワープレーだけだったが、オプションやカウンターなど多種多様に広がっていくのだろう、今後の変貌は楽しみである。 甲南大学はこの日はQB#10池垣によるショットガンオフェンスだったが、RB#41西口の中央突破がコンスタントにゲインしたので、オフェンスは組み立てやすかったかもしれない。ディフェンスもDL#94伊田のサックなど単発ではナイスなプレーもあった。 次は関西学院大学戦だが、昨年同様にショットガンを主体のオフェンスを仕掛けてくるのだろう。WRが不足気味だがショットガンに必要な優秀なRBは存在する。関西学院大学ディフェンスが調子に乗れていないので、甲南大学が圧倒する可能性も、ある。 この試合の展望コメントへ |
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立命館大学リターンで開始した。そしてQB#18高田のショットガンオフェンスが近畿大学ディフェンスの手荒い洗礼を受けた。第1シリーズはLB#9甲斐と#43西川、DL#91湯田のQBサックが計2回12ヤードのロスゲインとなる。さらにパントもミスキックとなって近畿大学に絶好のフィールドポジションを献上した。 近畿大学敵陣35ヤードからのQB#3安倍によるオフェンスは、RB#99杉田、#39大坪の中央突破が2回で8ヤード前進する。第3Dは進めず飛距離44ヤードのFGトライも立命館大学に半カットされてたが、近畿大学オフェンスもある程度機能しそうな感触だった。 立命館大学の第2シリーズはRB#39磯谷、#32野本へのショベルパスとハンドオフを主体にして近畿大学ディフェンスを撹乱した。LB#9甲斐が精一杯のタックルでギリギリ止まる状態で、自陣25ヤードから50ヤードをドライブした。しかし、立命館大学のホールディングとパスを狙ったところをディフェンスに追われて後退しFG3点にとどまった。 その次のシリーズも再びRBへのショベルパスがビッグゲインを生んだ。近畿大学のDLLBはQBめがけて突っ込んでいくのだが、RBへボールが渡ってしまうと微妙にコースがずれる。LB#9甲斐などが何回かRBと入れ違いになってしまい、近畿大学ディフェンスでも止まらないプレーだった。 そして立命館大学にエンド前12ヤードまで追いこまれた近畿大学だが、FG3点でもジワジワと点差が広がるのは避けたい状況だったが、第3Dで投じたパスをDB#26中路がレシーバーの前に入りこんでパスインターセプトと最善の方法で攻撃権を奪取した。 一方の近畿大学オフェンス第2シリーズはパスも混ぜて組み立てた。WR#88松永へのパスが面白いように連続ヒットして、自陣19ヤードからのロングドライブとなった。RB・QBの中央突破との交互のプレーだったが、一人のパスターゲットに16ヤード、12ヤード、17ヤード、8ヤードとパスだけで計53ヤードゲインは、近畿大学OLが充分に機能していたことの証明でもあり、立命館大学のパスディフェンスが課題云々よりも対応の遅さを見せた感じた。 しかし、近畿大学も敵陣24ヤードまでで得点に結び付けられないまま時間が経過した。 前半を終了して近畿大学ディフェンスと立命館大学オフェンスの印象は、LBDLがQBを追いかけまわしてサックを浴びせるとともにDBのパスカバーもしっかりという状態で、ショットガンパスは封じていた。しかし、RBへのショベルパスとハンドオフプレーに対しては有効な手段がないままだった。 一方の立命館大学ディフェンスと近畿大学オフェンスだが、春先はオフェンスが課題と言われていたチームとは思えないプレーの連続で立命館大学ディフェンスを攻めたてた。OLDLのライン戦が互角でRB#39大坪、#30光山の中央突破が5ヤード以上前進し、QBフェイクの動作も決まってキーププレーも効率良くゲインした。さらにパスターゲットはほとんどWR松永一人だったが、それでも連続ヒットした。立命館大学DLは前半だけで3回もオフサイド反則していることが、平常心でないことを現している。 後半は、両チームともディフェンスが健闘してパントの応酬が続く。立命館大学オフェンスには近畿大学LBによるQBサックロス分とRBショベルパスゲイン分で相殺、さらにLB#2中里、DB#6村山のパスカットもあってパントに追いこまれる。 一方の近畿大学オフェンスはパスの比率を高めたが、立命館大学もパスに絞れるようになったためか、QBサックすべくラインを割ってプレッシャーをかけに来る。 そんな攻防が繰り広げられる中、立命館大学はRB#39磯谷の中央突破をきっかけにしてFGレンジに侵入、3点を追加した6点差とした。というよりも近畿大学ディフェンスがFGに留めたというのが正しいだろう。 その後は、立命館大学RBによる侵攻もショットガンパスに近畿大学DB#25安藤がインターセプトすれば、立命館大学もWR#88に40ヤードパスを1回は許すも次のパスをインターセプトで切りぬけるという、攻守ギリギリの攻防が繰り広げられた。 そんな状態で時間が経過していった第4Q中盤、近畿大学はフィールド中央での第3D。シングルバックでのフォーメーションで右サイドにWR#88松永含めての2レシーバー、QBは右へ投げるアクションを見せて、左TE#34金子へパス。ダウンフィールでのブロックも良く、そのまま一気に50ヤードの同点のTDパス&ランとなった。WR#88松永へのパスと見せての裏プレーが決まった。K#87行田が精神的に厳しいPATキックを確実に決めて近畿大学7−6立命館大学。残り時間6分3秒。 直後の立命館大学再逆転ドライブは自陣31ヤード、今までなら止まってショットガンパスだったが、ここからTE#96加藤、WR#19冷水にテンポ良く決まった。 エンド前30ヤードに侵攻された近畿大学ディフェンスはタイムアウトを要求して1プレーだけはディフェンスを立て直した。しかし、第2D、左WR#19冷水へのTDパスを通されてしまった。 立命館大学12−7近畿大学 残り2分34秒、再々逆転を狙った近畿大学は自陣24ヤード。QB#3安倍は立命館大学DL#57山中、LB#99中島の急襲を避けながらWR#88松永への25ヤードパスなどで敵陣32ヤードまで到達する。時間との闘いも加わったが、慌てることもなく精度の高いオフェンスシーンだったが、最後はDLの連続サックを浴びてしまい、逆転には至らなかった。 ******** 近畿大学は逆転TD直後のキックオフで2回連続のエンクローチメントの反則をした。とくに最初のキックオフでは立命館大学リターナーが自陣1ヤードでボールデッドさせてしまったので、もしかしたら立命館大学のロングドライブはなかったかもしれない。などなど、タラレバの世界になってしまうので割愛したいのだが、一つだけ。 近畿大学リード後の立命館大学ショットガンパスが連続ヒットしてしまったのだが、QB高田に向かうべきDLLBが後ろへ下がってしまい、QBに自由にパスを投げさせてしまったように見えた。 立命館大学は、再逆転TD後のPATに2ポイントを選択した。1度はキックをセットしながらベンチから飛び出した選手によってタイムアウトコールする。2PATが決まれば14−7となって、近畿大学がもしTDを奪っても2ポイント狙いで・・・これもタラレバの世界。ただ立命館大学が「タイムアウトを使って、じっくりと考えた」という行為自体は昨年と違う。 ******** この試合を通じて判ったことは、立命館大学のショットガンを止めるためには、近畿大学レベルのQBとRB両方をマークできるDLLBのスピードと、DBの完璧なレシーバーマークができるようなディフェンス陣が必要だということだ。次節以降対戦する京都大学、関西学院大学ディフェンスにこれだけの陣用を揃えることが出来るだろうか。それとも、全く違うディフェンスを試みてくるのだろうか。 一方で、立命館大学ディフェンスは近畿大学に対してほとんど機能していなかった。ラインオフサイド3回とか同一パスターゲットによる連続ドライブなどは信じ難い光景だった。もっとも最後にはパスカバーとQBサックを連発するあたり潜在能力の高さは伺えるのだが。 また、パントキックでのボールの距離方向も安定しないなど、競った試合になるほど攻守蹴とも細かい点でアラが見えてしまう。 ******** 近畿大学にとって攻守蹴ともミスのないハイレベルな試合だった。今シーズンこれまでの結果から類推すると、「3強の次」というよりは「4強」と表現していいシーズン前半だった。しかし、まだ前半が終了しただけである。シーズンが終わってから「2001年の近畿大学は、4強の一角を構成していた」と言えるように、後半戦も選手とスタッフ・オフェンスとディフェンスが一体になった試合を期待しています。 この試合の展望コメントへ |