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立命館大学の優位は揺るがないだろう。しかし、試合内容まで入りこんで考えてみれば、試合の見どころはある。 大阪産業大学オフェンスが正攻法で勝ちに行くならば、やはりロースコアゲーム狙いの時間消費ラン攻撃中心にならざるを得ないだろう。しかし、横道から入って路地裏を抜けて勝ちに行くなら、QB#5井牟田からWR#87村川、#1山本へのパス主体というのはどうだろうか。 立命館大学ディフェンスはランに対しては中央もオープンもほとんど完璧にとまる。スクリメージラインを抜けることすら至難の技にちかい。しかし、パスディフェンスに甘いのは開幕戦同志社大学戦、神戸大学戦と続く。時々カバーが甘かったりパスインターフェア−の反則などで攻撃側に思いも寄らぬ陣地が巡ってくることがある。 したがって、パス失敗で時計が止まる分だけ相手攻撃のチャンスが増えることにもなるが、それを相殺するようなパスドライブから得点が挙げられればいい。是非ともTDでの先取点がほしい。 そうすれば、立命館大学チーム全体が浮き足だってくる?試合の流れを掴んだ大阪産業大学がディフェンスでもQB#18高田のショットガンを崩しにかかる・・・と、これは私の個人的な想いであって「言うは易し、行うは難し」なのは判っている・・が。 パスオフェンスを仕掛けるかどうかはともかく、大阪産業大学得意の何か目先の変わった奇策があるはず。そこに期待。 |
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今シーズンここまでの結果から言えば、どちらもオフェンスの得点能力が低いという印象だ。京都大学はRB#25関根、#31畑、#36大住のランと手段は揃っているが中央突破による小刻みなゲインが多く、コンスタントには大きなゲインを稼げていない。 神戸大学はQB#12林からRB#29坂東、WR#80伊藤今里へのランパスマルチだが、数ヤードでも確実に進むプレーがない。スペシャルっぽいプレーも決定率が低いという状況である。 ビッグゲインを生み出す可能性の大きい選手を挙げれば、京都大学はRB#25関根のオープンラン、神戸大学はWRへのクイックパスからのランだが、1試合に何度もあるプレーではない。 どちらのチームも、オフェンス自らがドライブを組み立てるというシーンは少ない。どちらかと言えば、相手のミス油断をビッグゲインに繋げて少ないチャンス機を得ているという印象である。そして、この傾向はこの試合でも変わらないだろう。 一方のデイフェンスだが、神戸大学は、開幕甲南大学戦では甘いタックルもあったが、続く立命館大学戦では止めるべきプレーは、ほぼ止まった。DB#21西田、LB#41山本など勢いいいメンバーも揃う。対する京都大学はDL#73山中、LB#53辻尾、#85木谷の確実な守備で2試合とも白星ゲットしてきた。FGトライでは京都大学K#28西が神戸大学#9今里の安定性を上回っている。 こうして今シーズンの実績を眺めてみると、京都大学のほうが確実性はあるが、それは過去のこと。過去を比較してもあまり意味は無い。例えば、この試合で最初のFGトライをはずせば緊張するし、成功させれば調子に乗る。モメンタムのちょっとした右往左往で試合の行方が大きく変わるというアメリカンフットボールの怖さは、皆さんもよくご存知のはず。 この試合はミスが結果を大きく左右することになるだろう。ディフェンスのタックルミスはもちろんのこと、オフェンス側でもサインミスでのオプションピッチ後逸によるファンブルロスト、パントスナップの後逸などなど・・・。 どちらがミスの無い緻密なアメリカンフットボールをするか。相手からもらったチャンスを確実に得点に結びつけるのはどのチームか。神戸大学が先取点を挙げるようだと試合の行方はわからなくなるのだが。 |
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甲南大学は前節で、同志社大学に完敗を喫した。一方の近畿大学は攻守にまとまりを見せて関西学院大学をあと一歩のところに追い詰めながら惜しくも取り逃がしてしまった。この第2節の試合内容をそのまま比較してこの試合展開を予想すると近畿大学が若干優勢になるのだが。 甲南大学最終学年QB#11仲田率いるオフェンスは、RB#41西口とWR#88吉田しかゲインする手段がない。RB#3油井、#5大西のオープンランは止まってしまう。ランならこの選手、パスならターゲットは誰と決まってしまうのは相手ディフェンスにすれば、格好の的になる。ランかパスに次の手段があれば新しい展開も見えるのだが。 近畿大学ディフェンスの脅威をいまさら改めて説明する必要もないだろうが、LB#55伊賀波、#43西川によるLBの厚い壁と、LB・S兼任の#10東の守備範囲の広さで、関西学院大学をイヤと言うほど苦しめ、京都大学#25関根のオープンランを何回もマイナスゲインに留めた。 甲南大学オフェンスと近畿大学ディフェンスを考えると、攻め手が少なくディフェンスが狙いやすいということで近畿大学優位は揺るがないだろう。 そして、近畿大学オフェンスと甲南大学ディフェンスの対決だが、甲南大学ディフェンスは前節同志社大学のランパスに翻弄されただけに同じ様なタイプの近畿大学相手にどこまで機能するだろうか。 近畿大学オフェンスは、RB#99杉田、#39大坪のランやWR#88松永、TE#4小村、#1・・へのパスが決まるようになってきた。昨年や今春と比較すると雲泥の差以上に成長しているのが伺える。この試合ではQB#3安倍と#14大峠によるオフェンスを確固たるものにしなければならない。再びチグハグなオフェンスを披露するか、それともテンポ良い目的のあるオフェンスの組み立てをするか。 この試合は、近畿大学のオフェンスが再び丁寧な組み立てをするならば、近畿大学今季初白星も十分に可能性がある。一方の甲南大学は連敗を避けるべくいろいろ検討したであろうこの2週間の成果をみてみたい。 |
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学生フットボールの場合、春から時間の経過とともに成長していくのが普通の姿だが、今の関西学院大学は成長が止まっていると言ってもいい。もっとも、最初からハイレベルにあったのも事実で、そこから目を見張るような成長を期待するのは無茶な要求なのかもしれないし、他校の成長が顕著なだけに逆に見劣りするのかもしれない。 ただ、ディフェンスなどを見ていると、成長していないだけでなく、春のレベルにさえも戻っていないというか春に比べて雑になったように見えるのが気になる。 関西学院大学は攻守とも停滞ぎみなこともあって、開幕戦大阪産業大学に試合前半を支配され、前節近畿大学ではあわやまで追い上げられてしまった。それでも試合に勝利してしまうの、外から見ていると名前だけで勝負が決まってしまっているようで面白くない。関西を地力で勝ち上がるのではなく他校から押し上げられて甲子園切符を手にしても関東には勝てないし、社会人相手に云々なんて言ってられない。 この同志社大学戦から神戸大学、甲南大学と続き、三強対決の立命館大学、京都大学が大一番という位置付けなのだろうが、9月10月の段階で関西学院大学を目覚めさせてくれるチームはいないのだろうか。この試合は関西学院大学にとっては、前節近畿大学の猛追で目が覚めたか、それともまだ夏眠中かを確認する試合になる。 同志社大学は徐々にオフェンスもディフェンスも調子が上がってきたで。オフェンスは立命館大学相手にクイックパスで攻めこみ、甲南大学戦ではUB#31山田TB#34小川、#1山下のランも加えてバランスアタックオフェンスを披露した。 ディフェンスは甲南大学戦でランをほぼシャットアウトしたが、パスディフェンスに甘いところがあってWR#88吉田一人のパスターゲットに序盤は四苦八苦した。 したがって、この試合は同志社大学パスディフェンスがキーポイントを握っていることになる。関西学院大学QB#16尾崎からWR#86東畠、#89榊原、#27松山へのショート〜ロングパスに対して、第3列DBがパスターゲットをしっかりとマークできるか。もちろん、DLがパスを投げる前のQBを追いかけまわして撹乱するという方法もある。今年の関西学院大学はパスを主体にオフェンスを組みてているので、まず、ここの攻防で同志社大学が優位に立てるかがポイントになる。 残るはRBの中央突破ランだが、RB#2三井のパワーとバランスランでロングゲインを奪われるかもしれないが、残りのUB中央突破をDL次第で数ヤードに抑えることもそんなに難しくないだろう。前節甲南大学戦ではディフェンスヒーローが目まぐるしく入れ替わり全員大活躍の試合だっただけに、前回のシーンが再現すれば関西学院大学オフェンスの勢いを止めることも出来るだろう。 こうなれば、ロースコアゲームの同志社大学ペースの試合となる。 そしてQB#7前川によるランパスバランスアタックでドライブを重ねる。TB#34小川、UB#31山田のバランス感覚とOLのブロックの合わせ技によるラン攻撃は芸術的な美しさがある。さらにクイックパスターゲットも#80亀山、#83要、#84松田と揃っている。攻撃手段が多彩であるとともに、セット後のモーションで微妙にバランスを変えてディフェンスを撹乱している。 関西学院大学ディフェンスは近畿大学のランパスオフェンスに足が止まってしまった状態だった。近畿大学もまとまっていたが同志社大学オフェンスにはさらに安定感もあるので、ディフェンスにとってはかなり厄介だと思うのだが、ここは大丈夫だろうか。 昨年、両校は開幕戦で対戦した。そして第2Qに同志社大学QB君川のパスが炸裂してのTDドライブは記憶に新しい。QB負傷退場がなかったら試合の行方も変わっていたかも・・の「タラレバ」の続きを見てみたい。 同志社大学が前節と同じ様な攻守のパフォーマンスを繰り広げるなら均衡した試合になるのは間違いない。そして、関西学院大学自身がテンポの悪い攻守から変化していなければ、同志社大学のつけ入るスキは充分にある。必見です。 |