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立命館大学は前半に4TD1FGと全5シリーズを得点に結びつけての完勝だった。RB#39礒谷、WR#9西川によるショートゲインをコツコツと積み重ねてのドライブだが、それが止まらない。QB#18高田へDLLBのプレッシャーがかからないので、チリも積もってTDを量産した。 QB#16椙田が登場したのは、第4Q雨が激しくなってからの2シリーズだけでファンブルロストとパントで、この日はいいところはなかった。 神戸大学オフェンスが攻撃らしいドライブを行ったのは前半の第2シリーズだけだった。自陣21ヤードからのシリーズで右WR#7竹山への縦パスがディフェンスの隙間をスルスルと55ヤードのロングゲイン。さらに、左WR#9今里へのパスにはインターフェアでエンド前12ヤードに到達する。 しかし、立命館大学DL#57山中によるQBサックでファンブルロスト。結局、敵陣深くへ侵攻したのは、唯一このシリーズだけで、残りすべては立命館大学に封じこまれてしまった。 QB#12林から#80伊藤へピッチしてそこからのパスや、#80伊藤モーションからのトリッキーなプレー、Pフェイクの第4Dパンタースクランブル(結果は失敗)など、いろいろ工夫しているのは判る。それはそれで観戦していても楽しいのだが、立命館大学が相手では試合の流れをひっくり返すまでには至らなかった。 神戸大学ディフェンスが健闘したのも第2Qだった。神戸大学は自陣でファンブルロストして、立命館大学にエンド前20ヤードからのFDを立命館大学に献上した。しかし、ここからLB#41山本の連続サックなどでFGに留めた。また、観客席からの見た目だがケガ人も少なかったようで、次の試合に期待します。 立命館大学ディフェンスに対抗するためには、やはりパス系が有効みたいだ。一戦級が明らかなパスインターフェア−をするというところに、技術の浅さを感じ取ってしまう。 ただし、QBめがけて突っ込んで来るDL#57山中やLBをかわすことはほとんど不可能と言ってよい。パス狙いでサックロスを避ける方法があれば、少しは拮抗した試合展開になるだろう。か。 この試合の展望コメントへ |
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得点差は、たったの10点である。京都大学と大阪産業大学の違いはどこにあるのだろう・・・・・と思い悩みながら宝が池を後にしたのだが、あらためて試合経過を眺めてみると京都大学の圧勝と言ってもいい内容である。 第一試合終盤から襲ってきた突然の豪雨の中での試合だった。試合中に雨脚が鈍ることはあっても止むことはない雨だった。しかし、雨が試合経過に影響を及ぼすようなことはなかったように思うのだが。 大阪産業大学レシーブで試合開始。自陣23ヤード付近からRB#31松岡の中央突破で一度はFD更新するのだが連続ドライブにつながらずにパント。 京都大学は自陣10ヤード付近から。QB#16今西による攻撃は徹底的なランオフェンスを仕掛けた。RB#32大木、#36大住の中央突破だけで敵陣に入ると、中央突破をフェイクにしたQBオープン、RB#25関根オープンと、ランで縦横に振り回した。大阪産業大学のディフェンスがほとんど目立たなかったのだがそれだけOLが圧倒していたということなのだろうか。 この直後に京都大学がボールをファンブル、そしてボールの奪い合い過程で京都大学側にレイトヒットの反則があってFGトライになる。ホルダーエンド前29ヤード距離約40ヤードは外れた。 続く大阪産業大学オフェンスは自陣22ヤードからRB#31松岡の中央突破20ヤードでフィールド中央まで来るが、そこまで。第3シリーズも見るところがないままパントを蹴らざるを得なかった。特にミスをするでも反則罰退をするでもないのだが、FD更新は1回まで。したがって、京都大学ディフェンスが止めているのだろう、そこまで私の目が行っていないが。 京都大学は前半3回目のオフェンスシリーズも自陣14ヤードからと自陣深いところからスタートた。RB#25関根の中央突破という珍しいプレーで一気に50ヤードゲイン、クリッピングで15ヤード罰退と右WR#1縦パス25ヤードゲインというハデなシリーズだったが、最後はRB#31畑、#36大住、#25関根の小刻みなゲインでFGへと結びつけた。 後半、京都大学2回目のオフェンスは自陣32ヤードから。一度だけ・・へのパスがあったが再びランドライブを敢行、ずるずるとゲインして今度はTDへと結びつけて10点差と安全圏に到達した。 一方の大阪産業大学オフェンスは、第4Q中盤になってWRTE#87村川へパスを集める組み立てに変更した。そして、これが面白いようにゲインする。自陣14ヤードから3回連続で計50ヤード、さらに、WR#1山本へ20ヤードパスと次々とヒットと、左右の縦パスでドライブした。しかしこれだけ連続すると、さすがにエンドゾーン内のWR#87村川へのパスは京都大学にインターセプトされてしまう。 ******** 京都大学は前半3回のオフェンス中の2回を自陣からドライブした。結果はTDにつながらずFGも1回成功1回失敗でたったの3点だが内容はある。もちろん、相手が得点していたらこんな悠長なことは言ってられないのが。 一方のディフェンスは大阪産業大学のランをほぼシャットアウトしている。前半RB#31松岡に時々中央を抜かれてヒヤリとする場面持ったが、すべて相手陣地でのことだった。 大阪産業大学はなぜ最初からパスを使わなかったか。考えられるのは出来うる限り時間を消費して試合時間を減らしてのロースコアゲームにしたかったのか、それとも、雨のためにパスを避けたか。ただ、雨は試合開始直前のことでもあり急にゲームプランを変更するだろうかというのもある。 第4Qにパスが通るのを見てなぜ最初からしなかったのか、というのは結果論だろう。ただ、前半ランであまりゲイン出来なかったので早い段階で切り替えてもよかったか。「大阪産業大学=ランによる時間消費」が通説になりかけている。京都大学側にそれを読まれていたとしたら・・と、そんなことまで考えてしまうような第4Qのパスゲインだった。 最近の京都大学の堅さを見ていると策士が存在しているように思えるときがある。それが水野監督なのかそれとも新しい誰かなのかは知らないが。 この試合の展望コメントへ |
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同志社大学レシーブで試合開始。自陣13ヤードからのQB#7前川によるランパスオフェンス第1シリーズは、TE#84松田へのTDパスで約5分間のドライブを締めくくった。 一方の甲南大学の攻撃は18ヤードから。QB#11仲田からRB#2油井、#5大西による左サイドを突いての連続FD更新2回とこちらもテンポ良くゲインしていたが、中央突破でボールをファンブル、これを同志社大学#41竹内が確保してターンオーバーとなった。 同志社大学はフィールド中央からの攻撃権を獲得すると、大勢のブロッカーを引き連れてのRB#34小川の右オープンラン34ヤードと一気に敵陣奥深くに到達する。ここは第4D残り2ヤードをギャンブルせずに確実にFGで加点し10点差とした。 直後の甲南大学は、自陣22ヤード付近からWR#88吉田へのインパスとキャッチ後のコース取りでそのまま80ヤードのTDパスと一気大技で3点差に詰めよった。 同志社大学の攻撃はOLとの共同作業によるUB#31山田の中央突破、TB#34小川のランに、WRTEへのクイックパスを織り混ぜる。さらに甲南大学ディフェンス2、3列のタックルミスもあって小刻みなゲインを積み重ねていった 一方の甲南大学の攻撃手段はWR#88吉田へのパスだけがロングゲインを見こめた、UB#41西口の中央突破、RB#2油井のオープンランもあるが、これには同志社大学ディフェンスがしっかりと対応して大きなゲインを奪えなかった。 第2Q。このQだけはディフェンシブな戦いになった。同志社大学のQBキープにDL#99石原、#58澤谷が反応すれば、甲南大学QBキープにはLB#5丸山、ランには#9西川、#20上田、#40岡山、#25北村、#57藤本が活躍した。 この中で甲南大学はWR#88吉田によるロングゲインと同志社大学レイトヒットで優位なフィールドポジションを確保してFGトライへと結びつけたが右に逸れる。結局、前半は同志社大学10−7甲南大学で終了した。 後半、甲南大学はUB#41西口の中央ランの5ヤード近辺のゲインと、唯一ロングゲインできるWR#88吉田へのパスで自陣からフィールド中央までドライブ、最後は再びWR#88吉田への50ヤードTDパス&ランで一度は逆転する。 しかし、同志社大学もTB#1山下ラン、WR#80亀山による背面キャッチTDパスのロングゲイン2発で再逆転、乱打戦の様子を呈してくる。 一方の甲南大学オフェンスだが、ここからの3シリーズが精彩ないまま経過してしまった。QB#11仲田、#10池垣が登場するがWR#88吉田へボールを集めるでもなく、かと言って他に有効な手段を見出せないまま同志社大学ディフェンス#26仲田#54小島#27高原らに、いいように封じこまれてしまった。 そして試合を決めたのが、第4Q、同志社大学敵陣40ヤードからのFD。(なぜ敵陣40ヤードからの開始なのかメモ不足により不明。その直前の甲南大学は20ヤードからFD更新なしのパントである。) パスで10ヤード前進後にTB#34左OTがLBと入れ違いになってしまい、第4Q残り6分6秒、24−14として有効な攻め手を有しない甲南大学からの白星ゲットを確実なものにした。 同志社大学は攻守とも元気だった。オフェンスはQB#7前川中心のランパスが次々に決まっていき、ディフェンスは甲南大学の攻撃を止めるごとに舞い上がっていく状態だった。チーム全体がいい方向に回転している。次は関西学院大学が相手だが、この雰囲気を持続すれば、面白い試合になりそうだ。 甲南大学は有効な攻撃手段がUB#41西口とWR#88仲田だけというのが苦しい。ディフェンスもタックルをかわされてロングゲインされるなど、攻守とも機にかかる点が多い。次は、京都大学・関西学院大学に善戦した近畿大学との試合になるが、再整備する時間が必要か。 (ある選手名を間違えて記載してしまいました。御本人様および関係者の皆様には御迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした。) この試合の展望コメントへ |
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第4Q残り10分25秒で近畿大学TDを挙げて10−10の同点に持ち込んだ。この時点までの勢いは完全に近畿大学にあった。そして同点後も同じリズムを維持していれば近畿大学勝利は充分に可能だった。 関西学院大学はコイントスで後半行使を選択した。その関西学院大学第1シリーズは自陣46ヤードから。そして、QB#16尾崎からWR#81山本へのパスやQBキープなど1回10ヤード以上の前進をした。そしてRB#2三井のTDランで簡単に先制した。 近畿大学ディフェンス陣が目覚める前の速攻だったのだが、関西学院大学が先制したことで、この試合もジワジワとリードが広がっていって、結局なんのことはない普通の試合になるのかと思った。しかし、ジワジワと攻めていったのは近畿大学ディフェンスだった。 関西学院大学オフェンス第2シリーズは、LB#55伊賀波のタックルやクイックパスにDB#13青木が反応してチョップブロック罰退分を取り戻せずにパント、次のシリーズはパスコントロールを乱してフリーなレシーバーにさえパスが通らずリバースも不発とテンポが悪くなっていく。 それでも第4シリーズは、ナイスパントリターンで敵陣26ヤードからの攻撃開始というチャンスを迎える。最初のプレーがRB#2三井の中央突破19ヤードと久々のゲイン、エンド前7ヤードからのFDという得点機を得る。しかし、UB中央突破2回で計3ヤードと近畿大学DLに遮られ、RBへのパスも弾いて失敗、結局FGの3点のみに留まった。 関西学院大学のオフェンスはランもパスも完全に手詰まりで、とくにパスがレシーバーとまったく合わなかった。前節でもオフェンス絶好調とは言い難かったがその再現だった。自らのテンポの悪さに、近畿大学ディフェンスの素早いプレッシャーが相乗効果となって、徐々にQBの動きが縮まっていった。 一方の近畿大学オフェンスはQB#3安倍が先発で登場した。第2シリーズこそプレーアクションパスがWR#1友利へヒットしてFD更新、QBオプションキープでFD更新とドライブしたが、中央突破が全くゲインできず手詰まり感が漂う。 この流れを変えたのがQB#14大峠だった。前半最後の第5シリーズに登場し、自陣25ヤードからWR#88松永のスーパーキャッチ12ヤード、WR#1友利へのクイックパスでフィールド中央までドライブする。、さらにWR#1友利へのスクリーンパス17ヤードなどで、関西学院大学ディフェンスを完全に翻弄して、エンド前18ヤードに到達した。最後はK#87行田のFGで第2Q残り59秒に3点を返した。 前半終了間際にロングドライブの末に3点ゲットしたことで、攻守とも完全に近畿大学のペースというイメージを植え付けてハーフタイムに突入する。 後半、関西学院大学リターンで再開するが、RB#3大谷の中央突破やスクリーンパスにもディフェンスの集まりがいい。近畿大学ディフェンスがノリノリのハイテンション状態であることはスタジアム上層スタンドでもはっきり判った。関西学院大学の唯一ゲインするプレーがRB#2三井の中央突破で、これだけは確実に1回15ヤードのゲインを挙げるが、その他のランやパスは確実性に欠ける。 後半の2シリーズ目、RB#2三井のビッグゲインで自陣からドライブして敵陣27ヤードに到達も、ここからパス失敗を重ね飛距離40ヤードのFGも失敗と、関西学院大学オフェンスは完璧に手詰まりだった。 第3Q終盤、近畿大学オフェンスは自陣25ヤードから。QB#3安倍によるランパスが連続ゲインを生み出す。右クイックパス10ヤード、RB#39大坪カウンターラン、QBスクランブル、そして、RB#99杉田の右オープンランはブロッカー数名引き連れての完璧なプレーだった。 敵陣40ヤードに入った時点で関西学院大学がタイムアウトを要求して建て直しをはかる。しかし、近畿大学オフェンス優位は変わらずRB#39大坪カウンターランとWR#88松永へのパスでこのシリーズ5回目のFD。最後はWR#88松永への右エンドゾーンコーナーへのTDパスが決まって、第4Q残り10分25秒、同点になってしまった。 勢いは完全に近畿大学、だった。 しかし、同点になって浮き足立ったのは関西学院大学ではなく近畿大学だった。 直後のキックオフリターン後に近畿大学レイトヒットの反則。関西学院大学にエンド前45ヤードのポジションを献上した。反則シーンを見てないので反則自体についてはなんとも言えない。しかし、その後のディフェンスが完全に「守りのディフェンス」になってしまった。動きが悪いというか切れがないというか。 この後は関西学院大学オフェンスはロングゲインのランパスを絡めての3連続TD。一方の近畿大学オフェンスは3回ともロングパス狙いで、ドロップバックしたところへDLによるサック後退10ヤードという試合になってしまった。 ******** ターニングポイントは、もちろん、第4Q同点直後の攻防である。 今年の近畿大学の課題はオフェンスだった。チーム全体がオフェンスの復調を待っていた。京都大学戦でもあオフェンスドライブを近畿大学チームがスタッフ選手とも一丸となって盛り上げていた。 そのオフェンスが関西学院大学を相手にして完璧なドライブを見せる。期待に見事に応えたオフェンスシーンだった。しかし、その直後のディフェンスの動きが悪かった。 私もフィールドにしか目が行ってなく、ディフェンスがベンチでどのような準備をしていたのかは全く判らない。 あるいは、近畿大学自身が自分たちの実力を過小評価していたか。「あの関西学院大学から白星ゲットなんてことは有りえない・・・」これが実現しそうになって逆に平常心を失ってしまったのだろうか。 どちらにしても、第4Q最後の10分25秒間は「今年の近畿大学のすべて」ではなかったのは確かである。 関西学院大学は勝たせてもらっただけという内容で、攻守とも完全に近畿大学に支配されてしまっていた。 この試合の展望コメントへ |