関西学生アメリカンフットボール Div.1 第6節



11月11日(土) 阪急西宮ST 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
神戸大学 7603162-4-0
同志社大学 7060131-5-0
(現地観戦)
 


 同志社大学レシーブで試合開始。自陣20ヤードからQB#7前川のキープ左OG13ヤード、#34小川の右オープン13ヤードと同志社大学ペースですすむ。中央突破も3回連続5ヤードと怒涛の攻め。神戸大学パスインターフェアから、敵陣15ヤード、プレーアクションでDBを吊り上げた裏の右WRTE#85へのフリーのTDパスが決まって、キックオフ含め2分19秒での速攻TDを挙げた。

 しかし、直後のキックオフリターンで#40朴木が50ヤードのビッグリターン、敵陣22ヤードからFDとなった。QB#12林からWR#2新居パス、RB#40朴木オープンでエンドゾーン前1ヤードでFD。
 一度はフォールスタート5ヤード罰退も同志社大学のパスインターフェア−で復活し、最後はRB#40朴木が飛び込んで、速攻の同点劇となる。

 神戸大学は次のシリーズもQB#12林オプションキープが60ヤードゲインとなって、エンドゾーン前4ヤードのFD。
 3回連続UB#33大月の中央突破(左OG)は一進一退。同志社大学ディフェンスの粘りに会って第4D1ヤード。タイムアウト後のギャンブルは、UB#33大月の後ろをTB#40朴木がキャリー。タックルされながらも伸びて第2Q早々に逆転に成功した。

 ここまで両チーム計4シリーズ中3シリーズがTDであり、大乱打戦の雰囲気もあったが、一転、ここから最後までは、ディフェンス大健闘の展開となる。


 同志社大学オフェンスは、第2Q後半にQB#19君川を投入してパワーアップを図った。自陣20ヤードからのシリーズはI・ショットガンとめまぐるしくフォーメーションを変えた。ダウンフィールドに散ったレシーバーが見えていてフリーなレシーバーへミドル〜ロングパスを投じる。

 瞬間神戸大学ディフェンスが戸惑ったか、結局はドライブしてエンドゾーン前1ヤードからのFDとなった。
 ここから同志社大学はクリッピングの反則で15ヤード罰退。それでもエンドゾーン内へパスは届く。第4DギャンブルはDB#22川副がエンド内でカット。同点機を逃して前半が終了する。

 第3Q、今度は前川からのパスの洗礼を受ける神戸大学DB陣。右CB#80伊藤とWR#81布施の対決は、1度はパスインターセプトするも、次は56ヤード同点のTDパスで「お返し」(PAT失敗)。QBWRとDBの闘いが延々と続く。

 第4Q、同志社大学後半3回目のドライブはフィールド中央で第4Dギャンブル。QB#19君川のパスフェイクでDBLBを下げた後に、#36川戸へのショートパス。キャッチできていればFDはもちろん、敵陣奥深くまで侵攻も可能な「とっておき」のプレーだった。しかし、惜しくもファンブル。

 第4シリーズは、フィールド中央付近から残り1分。QB君川からWR#81布施へのロングパスは、「WR−DB」対決を4回連続も演出した。パス成功すれば逆転のTDかも・・このドキドキワクワク緊張感はテレビの画面では絶対に味わえません。
 神戸大学DB#80伊藤、#22川副が対等な結果を残した。第2Q左CBのパスインターフェアが、あまりにもだったので狙われるかな?と思ったのだが、それも、また別の楽しみ方です。

「この試合の見どころは、同志社大学QB前川&君川のパスを、神戸大学DBがどこまで対応できるかにある。」と展望コメントに書きませんでしたが。


 一方の神戸大学オフェンスは、同志社大学の強烈なDLプレスにあって、ほとんど完封された。ハンドオフピッチパスともに急がされてなかなかゲインできない状態が続く。それでも自陣でファンブルロストしなかったのは、意識の高いところだろう。さらに、後半にはDLプレスを逆手にとったスクリーン気味のパスを使ったりと思考錯誤していた。

 神戸大学の得点シーンは、全てロングゲインが絡んでいた。朴木のキックオフリターン、QBキープ、そして決勝点となった第3QのFGも朴木のキックオフリターンが出発点である。実に効率が良いという一方で、ロングゲインが無かったら、勝敗の行方はかわっていたかも。

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11月11日(土) 阪急西宮ST 16:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
立命館大学 1414614485-1-0
甲南大学 007074-2-0
(現地観戦)
 


 立命館大学オフェンスは、前半QB#17高田のショットガンフォーメーションからTE#96加藤へのパス、#39礒谷スクリーンパス、#32野本ドローとランパスを駆使してロングゲインを連発し4TDを奪取した。
 これに対抗する甲南大学ディフェンは「待ち」のディフェンスであって、「攻め」のディフェンスでなかったのが前節関西学院大学戦と同じだった。

 一方の甲南大学オフェンスは前節と同様ショットガン5レシーバーによるクイックパスを試みた。しかし、前節ほど機能しなかったのは、立命館大学DBと関西学院大学DBの寄りのスピード差によるか。それとも、DLプレッシャーの違いか。

 試合としては、立命館大学の危ういシーンがないまま勝利を掴んだ。


 立命館大学ショットガンは平成ボウル以降ちょくちょく見ているが、センターのスナップも安定してきたし、パスキャッチできるRBも健在とあって、ほぼ完成したと言っていいだろう。ショットガン次のターゲットは関西学院大学である。

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11月12日(日) 阪急西宮ST 13:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
近畿大学 7707211-5-0
大阪産業大学 700070-6-0
(現地観戦)
 


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11月12日(日) 阪急西宮ST 16:00
TEAM 1Q2Q3Q4Q合計勝敗
関西学院大学 1401021456-0-0
京都大学 0707145-1-0
(現地観戦)
 


 関西学院大学レシーブで試合開始。そしてリターナー#2三井が95ヤードを走りきってTDとなる。さらに、次のシリーズもQB#15岡村からピッチを受けた#3大谷の右オープン40ヤードと、フレックスボーンからQBキープ左15ヤードでTD。まだ試合が始まって3分10秒の速攻だった。

 「立ち上がり」を突いたロングゲイン一発による得点であり、京都大学ディフェンス崩壊ではない、と言えるものの京都大学は序盤から大きな負担を強いられる格好になった。

 京都大学QB#16今西によるオフェンスは、IとフレックスからFB#32秋原中央突破ほかライン戦を挑んだ。パワーラン戦で臨むのは時間を消費するという意味もあるのだろう。
 第2シリーズは、さらに、RB#25関根オープン、WR#22青木へのパスクイックで小刻みにドライブするがイリーガルフォーメーション罰退分を挽回できずでパント。

 関西学院大学オフェンスもドライブできていない。QB#15岡村からRB#2三井、#3大谷の中央オープンとも京都大学DELBの集まりがよくショートゲインに終わる。ディフェンスのボールへの寄りの意識が、第1Q終盤に関西学院大学にファンブルロストさせた。
 そして、京都大学自陣43ヤードから、ショートゲインを積み重ねるドライブ。
 左WR#22青木クイック5ヤード、FB#32秋原の連続中央突破、#25関根オープン15ヤード、最後はFB#32秋原の連続キャリーで第2QにTDを挙げる。(京都大学7−14関西学院大学)

 関西学院大学ディフェンスはDL#90石田復活、#85岡橋のDE起用という前面プレッシャーのための布陣も小刻みなランを止められなかった。
 一方のオフェンスも京都大学ディフェンスの厚い(熱い)壁に、手詰まりになってくる。そして、LB#51村西のQBサックで再びファンブルロスト。

 攻守ともに勢いは完全に京都大学にあった。

 この日の京都大学オフェンスは、FB#32秋原中央突破がゲインできるようになると、パスターゲットWR#22青木へロング、ショートなんでもありのパスも見せた。
 さらに、この日のために準備してきたのであろう、左サイドに3人WRを集めてのシングルバックが面白い。シングルバックの#25関根が左サイドへモーション。結局ノーバックからモーションしたRB#25関根へ横パス。WRがLBDBをブロックして関根がランするというプレーがあった。DLプレスから逃げる策なのだろう、いろいろと考えてくる。

 しかし、WR#22青木がエンド前20ヤードでキャッチ後にファンブルロスト。前半で得点差を詰めておきたいところだったが。

 そして、第2Q残り1分を切って関西学院大学オフェンスは、関西学院大学陣27ヤードからFD。京都大学ディフェンスはショートゲインにし止めるのだが、京都大学側がタイムアウトをコールした。
 再びショートで止めるもまたもタイムアウトコール。結局、事無きままハーフタイムとなった。


 第3Q。

 京都大学レシーブで再開もパント、そして、関西学院大学もパントで攻守交代。と、なるところだったがリターナーがパントボールをファンブル。
 それを関西学院大学が獲得して敵陣34ヤードから右WR#89榊原への一気TDパスが成功して、2TD差へとリードを広げた。

 次のキックオフで京都大学は再びファンブルするも、どうにか取り戻して自陣7ヤードからのオフェンス。そして第4ダウン残り1ヤード、第3Q残り時間6分39秒。

 ここで、京都大学はギャンブルを選択する。QBスニ−ク。FD更新できずにターンオーバー。

 京都大学ディフェンスはかろうじて第4Dまで追いこむも、K#17山路がFGを決めて10点差をつけた。


 この時点で試合の流れは完全に関西学院大学攻守へと傾いてしまった。攻守ともに生き生きしているのが上層スタンドからでもはっきりと判ってしまう。

 この後は一方的な展開となって、関西学院大学の勝利となった。

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 前半終了時点で、得点上は関西学院大学リードだったが、試合内容では攻守とも京都大学が上回っていた。後半に関西学院大学のアジャストしてくるのは当然としても、京都大学の逆転も充分に可能性がある状況だった。

 ただ、第2Q終了間際の京都大学タイムアウトコールは、意見が分かれるところだろう。京都大学は1TDリードされている状況である。
 1回のタックルミスでロングゲインやTDまでの可能性を有するRBに、わざわざチャンスを与えているようなもの、とも言える。
 一方で、ディフェンスは応えてくれるはず、わずかの時間でもオフェンスに回ってくれば得点機は増えるし、スペシャルプレーも準備している、かもしれない。


 第3Qの関西学院大学パントでの京都大学ファンブル。パントボールが蹴りあがった時、ボールに対して逆風だった。失速してリターナーの前に落ちる、不規則なバウンド・・・。このファンブルロストは、しかたないと思う。


 しかし、第3Q自陣でのギャンブルは、結果論と言われるかもしれないが、パントが正解だったのではないか。後半が始まった直後である。さらに、ここでのギャンブルは関西学院大学に「火」をつけてしまう。

 一方でギャンブル成功FD更新からドライブあるいは一気TDにでもなれば関西学院大学に与える心理的プレッシャーは大きい。後半も試合の流れは京都大学のものになる・・・・という考え方も、ある。


 タイムアウトについても自陣ギャンブルについても、外野がいろいろと言うことではないというのは、判っているつもりだ。それを承知で、この2点については、夢の1等賞を狙うギャンブルだと思う。立命館大学戦勝利は「計算された堅実な勝利」だが、今回はそれとはまったく違う。

 京都大学は今日のために準備しながら試みていないプレーがあるはず。プレーオフでの再戦を、見たい。

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 関西学院大学は、得点上は大差なのだが自力で勝利したという印象はない。ただし、K#17山路が安定してきたように思う。第3Qの試合を決める重要なFGもしっかりだった。
 さらにキックオフからのK#17山路のキックは滞空時間が長く飛距離もある。カバーチームのスピードもあってリターンしにくい。得点された後のオフェンス開始が15ヤード付近からというのは相手チームにすれば、気勢のそがれるところだ。

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 この結果、関西学院大学が2年連続45回目の関西学生優勝となった。

 次節の関西学院大学−立命館大学で、関西学院大学が勝利または引き分けならば、関西学院大学が甲子園ボウル出場となる。

 しかし、敗戦した時は、関西学院大学、立命館大学、京都大学(甲南大学戦勝利の場合)によって、甲子園ボウル出場校を決定するプレーオフが行われる。


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